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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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201.  クライマーズ・ハイ(2008) この世界最大の飛行機事故はその規模の大きさもさることながら後に報道されたボイスレコーダーに録音された機長と副操縦士の懸命な操縦の状況や数十分間の想像を絶する揺れの中で書いた数々の遺書のニュース、死体がバラバラのうえ地中深くにめりこんでいる惨状、その中で奇跡的に生還した人、そしてその生還した少女が近所のホテルに一時的に秘密裏(?)に搬送されてきたのをたまたま間近に見たこともあって、ものすごーく印象に残ってるんだけど、映画はこの事故を材料にしているだけに過ぎない。原作(未読です)がそうなんだろうからそれでいいんだけど、新聞社内の人間関係のゴタゴタとか地方紙の意地だとか販売部との因縁とかという面白い部分にどうものっていけない。気持ち的に。だだっ広いオフィスの全景はお見事で、多くの記者と多種多様な記者の仕事を存分に見せきった大筋は素晴らしい。とは思うんだけど、面白い新聞社の話、そこに繋がる主人公自らのルーツの話、そこから派生する息子との話が結局やっぱり実際にあった大事故に負けちゃう。負けちゃうのは当たり前なのに負けないように作ってるからダメなんだと思う。嫌悪感にも似た違和感を感じる。[DVD(字幕)] 5点(2009-06-12 15:42:14)

202.  ビジターQ びっくらこいた。家族の体を成していない家庭に異物が混入することで化学変化が起こる。いわば『家族ゲーム』なんだけど、かなりエログロい。こんな映画ありかよ!とひたすらびっくらこくんだけども、エログロの過激さの大半は映画に必要だったものではなく、こんな映画ありかよと思わせるためだけにあるような気がしてならない。見てる間中頭に浮かぶのは、よくこんなの引き受けたなってこと。あるいはカット!の声のあとの役者たちの反応を想像したり。とにかく映画の外のことばかり気になってしまった。「うんこじゃねえか!!」には大爆笑したが。父親の問題は男としての自信を取り戻すことで解決し(むちゃくちゃな取り戻し方だが)、母親の問題は女であることの確認を得て解決し、子供たちの問題は親の問題をクリアしたことで解決する。たんまりとありすぎた諸問題は全て両親から派生していた。実に簡単な構図(むりやりに簡単にしている)がこのナンセンスエログロ映画をちょっとだけ哲学チックにしてみせている。ほんのちょっとだけ。[DVD(邦画)] 6点(2009-06-03 16:38:31)

203.  L change the WorLd Lのキャラを崩してゆくところに面白さがあるので本編ありきの作品ではあるのだが、筋が全ての本編よりもずっといい。「子供」という未知なる生物を相手にする困惑とそれでも放っておけないワタリ譲りの親心がLを変える。走り、電車に乗り、自転車に乗り、背筋を少しだけ伸ばしてみて、優しい顔をして、世界を案じて、語る。ただ、ストーリーと演出はこれでいいのか?南原の登場は作品にコメディ色を入れたかったのだと思うが、それにしたってえらく唐突だし、例えば囮として運転したあとの再登場でLが「お願いがあります」と言ったあとの画はお約束でまたまた囮で車を走らせる画じゃなきゃいけないのにその一つ前に別の画(電車シーン)が入るのってなんかノリが悪いなあ。あと、悪党軍団の中の若い女。目がぎらつきすぎ。子供向けヒーロー番組の怪人みたいに現実感が乏しい。この女のボス、高嶋政伸の特殊メイク顔はまさに敵方改造人間だから、あえてこういうキャラと演出なんだろうけど、なんだかなあ。即発症のとんでもウイルスやら全部日本人やら(FBIの手帳見せてんのに「うそつけ!オマエ日本人じゃねえか!」って信用してもらえないシーンは笑ったが)、どこまで本気なんだかわからん作品。[DVD(邦画)] 3点(2009-05-28 16:03:48)

204.  M(2006) 日常の中にある非日常が描かれていて、それはフィクションとしてはありふれてはいるんだけど映画初出演のヒロインのぎこちなさとモデル出身という現実離れした存在感が独特の雰囲気を出していて面白い。主婦という日常と主婦ではない非日常を行き来する女の危なっかしさにドキドキもさせられる。のだが、この作品はそのドキドキを堪能するものではなく、非日常的あれこれも単なる背景にすぎない。ではこの作品は何が描きたかったのかというと、おそらく女の中にある性質という目に見えぬもの。性的な不満が描かれることでベースを作り、その不満が非日常を呼び込み、その非日常をきっかけとして本来持っていたのだろう性質を表出させるという物語はいいのだが、はたしてその目に見えぬ性質とやらが画面に現れていたのかというとビミョー。だから母親に対するトラウマを抱えた青年の暴力にヒロインが性的に感じてしまうクダリは唐突感を拭えない。この青年のエピソードもえらく濃厚なのだが、そこまで濃厚にする必要はなかったような気がする。[映画館(邦画)] 4点(2009-05-27 15:16:39)

205.   擬似ドキュメンタリー風なんだけど中盤に出てくる本当のインタビューの本当っぽさを見るまでもなくものすごく芝居じみている。しかもヘタクソ。いかにも脚本どおりにしゃべってますみたいな。わざとらしくはにかんだり、意味ありげにニヤリとしたりとイチイチ不自然。セリフの無いシーンになると怒涛のカット割りがミュージッククリップ的なかっこよさをまとっていてそれなりにイキイキとしているようにも見えるが、基本、最初から最後までこのノリなのでちょいキツイ。ドラマは最後に音楽の効果もあってそこそこの盛り上げを見せてくれるのが救い。[ビデオ(字幕)] 2点(2009-05-25 14:03:02)

206.  自殺サークル 54人の女子高生たちが「いっせいのーせ!」と手を繋いで地下鉄に飛び込む。この壮絶な画を撮りたかっただけの映画、だったとしてもだからダメってことにはならない。映画は本来、見せたい画がまずあってそこから物語が作られるほうがいいに決まっている。見せたい画ができたから物語を変更するのだってアリだ。「物語」ありきの映画より「画」ありきの映画のほうが、、というより映画は「画」ありきでなきゃいけない。しかし園子温監督は実は「画」よりも「物語」よりも「思想や哲学」が先にある人なんじゃないかと思ってる。「思想」を表現する手段として「画」があり「物語」がある。作品自体が園子温なのだと言ってもいい。特に初期作品はその傾向が強いと思われる。で、集団飛び込み自殺のシーンだが、このシーンはやっぱり「画」が「思想」を超えている。「画」を見せることの魅力に負けているというか、それが映画作家のあるべき姿なんだろうけど、そのことで映画的であっても園子温的ではないように思った。というかこの人はこの後に「映画」と「園子温」が混ざり合った独自のワールドを作り上げるのだが、この作品はまだその混ざり合いを試行錯誤している段階の作品なんだと思う。いや、面白いのは面白かったんですけどね。でも続編はもっと面白いです。[DVD(字幕)] 6点(2009-04-30 11:39:29)

207.  樹の海 人は樹海に入ると一人芝居をせずにはいられない・・・。というのはもちろんいちいち相手の受け答えをこちらに聞かせるために反芻しながら携帯電話で一人芝居をする池内博之と動かない死体を相方にしてコントを始める萩原聖人のこと。説明セリフというよりもこのあまりの露骨さは舞台劇を樹海でやってもらったと思ったほうが良いかもしれない。と良心的にとらえたとしてもしつこさは残る。物語は「自殺はダメ」ってことになるんだけど、説教臭くない。さりげない。メッセージ性は当然弱いんだけどいい話だったなあという余韻は残る。樹海の画も怖さもなければ死の臭いも感じない。だからといって生の源とも思わない。自然の驚異が描かれるわけでもない。ただの森。美しい森。ここが青木ヶ原ですよってだけ。ここはもったいないような気もするがそこに意味をつけちゃうと説教臭くなるのかもしれない。でもやっぱりもったいない。過去の挿入は抜群に上手かった。4つのエピソードが現代と過去を行き来するのに全く戸惑うこともなく物語を堪能できます。[DVD(邦画)] 5点(2009-04-28 13:31:07)

208.  復讐するは我にあり 《ネタバレ》 凄い。唐突に始まる惨劇。その男の半生を振り返るがそこに殺人鬼の明確な根源は無い。しかし殺人鬼になるべくしてなったと思わせるものが緒形拳から発せられる。逃亡先で犯す殺人。逃亡資金を得るため?いや、ここでも殺人の意味を描かない。突発的なものではなく計画的な殺人であるにもかかわらず無差別に殺す。そこに怒りや快楽を描かない。ただ殺す。しかもその理不尽を必然のように思わせてしまう。この説得力はどこからくるのだろう。そして殺人鬼の妻と殺人鬼の父が最後に見せる喜劇的ショットに仰天。遺骨を放り投げても落ちてなるものかと空中で止まろうとしているのか。緒形の演技は圧巻だったが遺骨となってもまだ存在感を発揮する。凄い映画だった。[DVD(邦画)] 7点(2009-04-24 10:59:35)

209.  丑三つの村 田中登のエロと奥村和由のバイオレンス。クライマックスの怒涛のバイオレンスの見た目の派手さはなるほど奥村で、なかなかに盛り上げてはくれる。しかしそこにいくまでの因習に満ちた閉塞感と同居するエロスにこそこの映画の醍醐味がある。もちろん田中登の仕事である。この田舎に住む女たちはいわゆるメスである。男はオスであったり家長であったり兵隊であったりするが女はメスだ。戦中であること、田舎であること、そして監督が田中登であることで女はメスでしかなくなり、閉鎖的因習に塗れた歪んだ世界を増徴させてゆく。この時代の、戦争へ行くということ。行けないということ。そして「死」。それらが歪んだ世界にいる男の中であるものを作り上げてゆく。決行に当たっての緻密な準備はまるで『タクシー・ドライバー』のデ・ニーロだ。いや、この描写に限らず歪んだ社会とそこからの孤立、そして凶行への流れまで同じではないか。しかしニューヨークにあまりにはまるジャズに対し、こちらは・・・なんなんだ、この80年代の臭いプンプンの音楽は。[ビデオ(邦画)] 6点(2009-04-22 15:36:47)(良:1票)

210.  新幹線大爆破(1975) 新幹線が爆破されても炎と煙の中からスローモーションで出てきそうなソニー千葉ちゃん。深刻な表情を大袈裟に表現できる宇津井健。二者二様のオーバーアクト俳優に、いつもなにかうじうじとしたものを内に秘めながらいろんなものを背中に背負い込んでる高倉健。俳優の持つ色をそのまま出させて、オールキャストを堪能させる。走り続ける新幹線に訪れる、正にノンストップな危機をスリリングに回避してゆくのだが、この手に汗握るサスペンスに先に書いた濃厚で熱い演技が加わることで特撮のショボさをやり過ごさせる(いや、マジで)。素晴らしい。犯人グループの背景をチマチマと語るところでどうしても停滞してしまうのが勿体無い。語ったところで社会派になってるわけでもなし。『サブウェイ・パニック』のようにそこは省いたほうが絶対面白い。[DVD(字幕)] 6点(2009-04-01 14:13:47)

211.  おくりびと 《ネタバレ》 邦画によくあるこの万人受けする作風・・コメディと感動ドラマがひっついたようなやつ、これがどうも苦手というか嫌いというか・・まあ、嫌いなんだが。たしかにヨメさんと二人して泣きましたよ。でも葬儀のシーンで画面に泣いてる人が出てればそりゃ泣くよ。たしかにヨメさんと二人して笑いましたよ。でも女だと思ったら男だよと本木と山崎が大袈裟にコントやってりゃそりゃ笑うよ。ふぐの焼き白子が美味いことを「こまったことに」と言われりゃ、ふぐの焼き白子がホントにこまったことに美味いと思う私にしてみればやっぱり笑うよ。ぜーんぶ、映画と関係ない。某邦画の竹中直人の容姿といっしょで面白さが映画から来ない。唯一良かったのが本木の納棺師としてのお手並み。シュッという、あるいはゴワゴワという布地のすれたりするときの音とともにその振る舞いの一つ一つに神聖さが前面に出ており、これを見た者がそれまでの差別や猜疑心を一変させるのも納得してしまうほどの美しいシーンでした。『フラガール』のフラダンスとは違い、ちゃんと映画として活きていた。もちろん本木の振る舞いの美しさは滝田洋二郎よりも本木雅弘に功績が大だと思うが。[映画館(邦画)] 5点(2009-03-23 16:49:26)

212.  半落ち 《ネタバレ》 義母がえらく感動したというので見てみたらなるほど。そりゃ息子を亡くした経験を持つ義母なら泣いて当然の作品だった。アルツハイマー病を不憫に思ったからの殺人ということではなく、息子を二度も亡くすという耐え難い苦しさを不憫に思っての殺人。私もちょっとぐっとくるものがあった。が、映画自体はダメダメだ。明瞭な嫌味やマンガみたいなパワハラをみせる警察上層部のベタベタな人物造詣に、そして記者たちの、お前らみんなワイドショーの芸能記者か!てなこれまたベタベタ人物造詣に、果てには裁判官のこれまた恥ずかしいくらいのマンガチックなベタベタ人物造詣に呆れ果てる。演技はオーバー。画面は全てのシーンがしょぼい(照明はテレビドラマのそれ)。原作ストーリーを映画の決まった尺に収めたのはいいが、どのエピソードも中途半端に踏み込んでいてまとまりが悪い。[DVD(邦画)] 1点(2009-03-19 12:59:48)

213.  雨あがる この夫婦こそが理想の日本人夫婦。などと思われる人も多いのかもしれないが、私の場合はこの人の良さがどうもわざとらしく思えて仕方がなかった。いい子ぶりっ子。傍から見てもいい人にしか見えないのに、遠慮しがちな振る舞いがわざとらしく、正直うっとうしい。黒澤明の遺稿と聞いてこのわざとらしさに合点。まるで舞台劇なのだ。黒澤明が監督してたらおそらくもっともっと舞台劇風になってこのわざとらしさがかえって活きてくるのだと思う。でも小泉監督の優しく繊細なタッチは黒澤脚本を活かしきっていない。脚本を小泉監督の思うままに改変したほうが良かったように思う。それほどに画面からは黒澤監督には到底出せないであろう優しさが溢れていた。雨上がりの空気の美しさに気付ける人生は素晴らしい。という人生賛歌の映画。[DVD(邦画)] 6点(2009-03-18 14:16:23)

214.  たそがれ清兵衛 《ネタバレ》 この映画で最も良かったシーンは終盤で宮沢りえが藩令によって果し合いに出向く真田広之の身支度をテキパキとこなす仕草のひとつひとつをとらえたシーンだろう。ひとつひとつの動作がきりりとして美しいと思った。藤沢文学にある日本の美は風景の美ではなく心の美。風景の美しさが簡単に映像化できるように正直さや無欲さやおくゆかしさは物語をなぞることで簡単に表現できる(正確にはこんなもの、表現とは言わないだろうけど)。しかしこのシーンに限っては本当の意味で「美」が表現されていた。これだけでも『蝉しぐれ』なんかよりも数段良かった。ただ残念なことにそこだけなのだ。物語は楽しめました。 [DVD(字幕)] 5点(2009-03-17 13:51:50)《改行有》

215.  愛を乞うひと 《ネタバレ》 子を持つようになっての実感として「母」ってずるいなと。どんな母でも子は母にこそなにかを求めている。父はどう頑張っても母にかなわない。10ヶ月も母と一体となっていたのだからかなうわけもないのか。この映画で、子は自分を虐げ続ける母にそれでも「かわいい」と言ってもらいたかった。そのことが語られるシーンはあまりにもテーマを直接に語りすぎてはいまいか。とも思うが、子がそのことを母の前では一切口にせず、それどころか主人公は心の内をけして誰にも語らず、そのうえでラストシーンで初めて吐露する本心は、本心の内容よりも初めて本心が口から出ること自体に感動がある。原田美枝子の二役もさることながら二つの時代を戸惑わせることなく行き来する語り口は絶品。惜しむらくは虐待の原因を示すようなエピソードや言葉や原田の表情。そして虐待ではなくより視覚的にインパクトを得ることができる暴力こそを見せた演出。暴力は虐待の一部であって虐待そのものではない。例えば『長い散歩』(奥田瑛二監督)の高岡早紀が子に行う虐待はまさに虐待だった。ちょいとドラマチックに仕上げすぎた。 まあ、とにかく母はずるいってことだ。そもそもお前らの元は父の体で作られたんだぞ。なんの話や。[ビデオ(邦画)] 6点(2009-03-16 16:55:10)

216.  サッド ヴァケイション つらつらとレビューを眺めると「セリフの音量が小さすぎて聞き取れない」という意見が多いようですが、映画館では全くそんなことはなかったのでDVD化の過程で起こった問題なのでしょう。こんなことで評価を下げられるのはなんとももったいない。さて作品ですが、監督のデビュー作『Helpless/ヘルプレス』の続編というだけでワクワクする。正直なところ「ヘルプレス」にあった底冷えするような空恐ろしい感覚を多少なりとも期待して見た私はこの作品全体を覆う和やかな雰囲気に最初は戸惑いました。見ているうちに続編であることを忘れていきました。その意味では「ヘルプレス」を見ていなくてもいいかもしれないし、見ていないほうが変な期待をせずに見られるかもしれません。暴力が描かれた『Helpless/ヘルプレス』、暴力後が描かれた『EUREKA ユリイカ』に対し、この作品は暴力の根源が描かれているように思った。根源は環境にある。家族にある。母にある。暴力はこの世界に常にある。そのことをその根源とともに受け入れたとき、ようやく悲劇を、世界を、そして自分自身をも受け入れられる。先に書いたように前作を見ずともいいとは思う。しかし、浅野忠信の唐突な暴力シーンは「ヘルプレス」を見た者だけが「ヘルプレス」の空恐ろしさを思い出すシーンである。宮崎あおいがオダギリジョーの頭を優しく撫でるシーンは「ユリイカ」を見た者だけが「ユリイカ」での発見を思い出し感慨にふけることが出来るのだ。やっぱり通しで見ましょう。[映画館(邦画)] 7点(2009-03-11 13:08:36)(良:1票)

217.  秋日和 《ネタバレ》 小津の映画は基本喜劇のものが多く、これもその類。2年後の遺作となった『秋刀魚の味』のような3人のおじさんたちがシリアスなドラマを真面目顔で喜劇にしてしまう。杉村春子のように岡田茉莉子が快活にこのおじさんたちをギャフンと言わせるのがまた面白い。ところが単に笑ってばかりもいられない。完全喜劇じゃないので娘は結婚しても母はしない。披露宴後の「母一人の図」がなんとも寂しい。『晩春』の母娘バージョンだが、「父一人の図」の寂しさとはちと違う。父のそれは運命。しかしこの映画、母の場合は母が自ら「母一人の図」を選んでいる。世の常に習う父とは対照的にまるで何かに反抗するかのような、あるいは何か決心したかのような強さを秘めた「母一人の図」。この一癖がただならぬ。[DVD(邦画)] 7点(2009-03-09 17:40:12)

218.  フライ,ダディ,フライ 今どき、傷害事件を起こした生徒の父親が著名な政治家でって展開には笑っちゃうのだが、そこから父ちゃんが『ロッキー』のような猛特訓シーンを経て決闘で決着するという実にバカバカしい単純ストーリーに大いに喜ぶ。こういうの好き。須藤元気のそんなヤツおらんでってな完全悪党もマンガチックでよろし。岡田准一のカリスマ性は抜群。サラリーマンを応援する高校生軍団のコメディ部隊もよろし。ただ、もうちょっとコメディの部分は頑張ってほしかったかも。コメディの中にシリアスなテーマを含んでいるというよりはコメディのふりしたシリアスドラマ寄り。そこが気に入らない。だから堤真一の中途半端なへなちょこぶりもイマイチ(もっと笑かせ!)。バスはいらん。とってつけた感動はいらん。でも大筋は面白い。[DVD(邦画)] 4点(2009-03-02 17:57:49)

219.  のんきな姉さん 現在と過去、さらには虚実が入り乱れてゆく構成が面白い。不思議とややこしいとは思わなかった。過去である墓参りの回想シーンから現在のはずの姉のいる会社と携帯電話で繋がる弟のいる雪原シーンに戻ると、現在のシーン全てが虚構にまみれて見えてくる。もしかして現在は精神世界、あるいは死後の世界だったりするのかもとか思った。現実味を帯びているのは過去の場面ばかりだ。過去の窓から射しこむ眩しいくらいの光に対して現在の二つの場所には光が無い。一見オフィスでのやり取りは現実的に見えるようだが、三浦友和のすっとぼけたキャラは別の意味で現実離れしている。何もかも、本当に何もかもお見通しの課長なんているはずないのだ。なかなか味わい深いこの映画の中で唯一にして決定的にダメだと思ったのがヒロイン。色気ない。顔がキャラと合ってない。演技がぎこちない。そしてなにより美しくない(美人じゃないってことじゃなく)。ハダカがないことからも全て意図的なのだろうけど。[DVD(邦画)] 6点(2009-02-25 17:03:39)

220.  おとうと(1960) 《ネタバレ》 姉というより母だ。父母それぞれの事情により姉が母とならざるを得ない状況が映される。その環境は同時に弟をわがまま放題の子供にしてゆく。姉はいっそう母になる。説明するほどのこともないから説明しない。状況の描写が的確にされているから説明がいらない。こういうことを普通にするのが巨匠といわれる人。しかし市川崑ゆえか岸恵子ゆえか、はたまた原作ものゆえか、姉が母ではなく女を見せるシーンがあるのだが、全く色気がないってのがどうも・・。映画的には弟への愛にエロティックさが現れても面白いかも。でもそれ以前に色気がなさすぎる。ラストの悲しい流れを断ち切るようなきりりとした動きは意表つかれました。弟がいなくてももう母でいることに慣れた自分を捨てられないってことなのか。[DVD(邦画)] 6点(2009-02-23 17:26:01)

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