みんなのシネマレビュー |
|
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
201. 死びとの恋わずらい 《ネタバレ》 ジャパニーズホラーを満喫できる佳作。 転校生、占い、未解決事件、廃墟、悪夢。ジャパニーズホラーに必要不可欠な要素がぎっしり。『日本の湿ったホラーが見たい!』というときにはまさにうってつけです。 カッター、カビ、冷蔵庫、お堂、古い新聞、破れかけのポスターなど、雰囲気を盛り上げてくれるギミックも盛り沢山。 さあ、舞台は整った。あとは、『謎』が充実していれば、完璧です。 『龍介君とはいったい誰なのか?』『おかしくなっていく母親が執着する壁のカビに隠された真実とは?』『女子高生の間で伝わるいわくつきの「辻占い」とは?』 怖いけれど、怖すぎない。血しぶきが舞うけど、グロすぎない。そして続きが気になって仕方がない。 この吸引力こそが、日本のホラーが持っているパワーです。 ・・・そして、ラストのオチで期待を裏切るのも、日本のホラーでは、本当によくあること。 この作品も例外ではありません。 現実と悪夢、リアルと幻想の境界をうまいことぼかし、抜群のバランス感覚で完璧なまでの進行を見せていたのに、最後の最後で何故ファンタジーに逃げるのでしょう。だって精神病院から抜け出した頭のおかしい二人が、転校手続きなんてできるわけないじゃん。せめて二人は本当の親子で良かったのではないですか。奇をてらえば良いってもんじゃないのに、とにかくあっと言わそうという日本のホラーの悪いところが最も残念な形で出ちゃってます。 ラスト15分ですべて台無し。ですが、龍介君が榎本はるかに殺されるくだり。ここだけはサイコティックで現実感もあり、現在とばっちりリンクするのでグッジョブ。むしろ、それだけで良かったのです。[DVD(邦画)] 6点(2016-05-18 14:54:40)《改行有》 202. あしたはきっと… 《ネタバレ》 部活動の雰囲気が懐かしくてたまらんですねー。こーゆー普通の学校生活の様子が見られる映画って意外と少ないです。 部活動の風景見られただけでも、この作品を観た甲斐があったなー。 でも映画としてはどーかなー。 面白いかなー。 よくある女子高生の恋愛を普通に流しているだけだもんなー。 まさかのタイムリープがスパイスとして効いてはいるけど、今更タイムリープはもう新しくないしなー。 しかも、タイムリープがそんなに劇中効果的に使えているとも思えないしなー。 そして、超個人的な趣味志向ながら、吹石一恵があまり好きではないんですよね。 演技がちょっとオーバーでわざとらしくて、若干冷めちゃうんですよ。 あれだったら、脇の女子高生達のほうがよっぽど上手です。 それに、倉持先輩や、寺島裕司(佐藤隆太)の彼女のほうがずっとかわいいんですよね。 ストーリーはたいしたドラマではありません。最終的には、何事も中途半端だった主人公が、おばあちゃんの力を借りて、少しだけ人として成長する、というありきたりの着地点に落ち着きます。 でも悪くない。 わざわざ観るほどの作品ではありませんが、たまにはこんなのも悪くない。[DVD(邦画)] 6点(2016-05-14 06:32:41)《改行有》 203. ウォーターボーイズ 《ネタバレ》 質の高い映画ではなさそうですが、笑って気楽に見れる娯楽映画ですね。 出演者の演技は結構ひどいものだと思いましたが、30分もすると見慣れてくるから不思議。 見慣れてくるのと同じくらいのタイミングでストーリーも面白くなり始めます。水族館での合宿からラストまでは加速気味に突っ走ってくれて気持ち良いです。 ラストのシンクロの演技は最高。自分が文化祭に参加しているかのような臨場感を楽しめます。 ただ、命を粗末にする演出は最悪。コメディだからこそ、笑いにしてはダメなものがあると思いますよ。 竹中直人演じる水族館の館長の、5人に対する対応もいささか気に入らないです。真剣に学ぼうとする若者の気持ちを利用して、ただ働きさせようなんて、教育上問題があります。都合の良すぎる脚本の力により、結果うまくいったのは不幸中の幸い。ですがうまくいっていなければ、こんなに悪質で可哀想なことはありません。 また、5人がTVに出た途端、手のひらを返すクラスメートも好きになれません。何の努力もせず、馬鹿にして笑いものにさえしていたくせに、うまくいき始めた途端、甘い汁だけ吸おうとする人たち。こーゆー人種が一番嫌いであります。 もちろん、そんなことは気にせずに、おおらかな気持ちで楽しむのが正しいとは思います。コメディですし。エンタメですし。ですが気になってしまったものは仕方がありません。 ただ単純に面白い雰囲気、懐かしい雰囲気を肌で感じるという点においては、良く出来た良作だと思うんですけどね。 それにしても、なんとなく映画全体に『ゆとり世代』の雰囲気を感じますね。 そんで、個人的には『平山あや』演じるヒロインより、桜木女子の文化祭実行委員長のほうが魅力的でした。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2016-04-23 12:51:54)(良:2票) 《改行有》 204. サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS 《ネタバレ》 『サトラレ』という設定以前に、一人の若き医師のドラマとして見応えがあり、わかりやすく面白いです。 『サトラレ』という特異性に焦点を当てているため、その設定が活きるようなストーリー構成。つまりは、恋愛、家族、そして医療と政治、青春など複数の要素が絡み合っています。 この作品は、『サトラレのコース料理』みたいな映画。一度にいろんな味を楽しめる反面、一つ一つのエピソードはどうしても薄味になってしまうというデメリットがあります。それぞれのエピソードの関連性がもう少し強ければ、一つのストーリーとしての完成度はより高くなり、共感度も強くなったかもしれません。 また、ただでさえ多いエピソードに、『無人島でもう一人のサトラレと出会う』というエピソードの追加。個人的には、このエピソードはまるまる無くても良かったです。映画が冗長に感じてしまう一因を作ってしまっているだけではありません。そのまま放置してしまったことで、鑑賞後にしこりを残す原因にもなっています。 テレビドラマは未見ですので、映画のみの評価になりますが、最後は泣きました。 何回も同じフレーズばかり言うので、少々クドく感じましたが、それでも感動したことには変わりありません。 一本の映画を見て、笑って、泣くことができた。 つまりは、人の感情の琴線にふれる良い映画だったということです。[DVD(邦画)] 8点(2016-04-16 15:24:21)《改行有》 205. GO(2001・行定勲監督作品) 《ネタバレ》 窪塚洋介はどんな役をさせても窪塚洋介にしか見えません。そんな窪塚の演技のなかで、『きれる演技』や『凄みを利かせる演技』だけは昔から好きです。それに対し、『笑う演技』はあまりにわざとらしすぎて鳥肌が立ちます。Vサインや『~なのだ』もやめてほしい。 大竹しのぶや萩原聖人など、脇を固める俳優さん達はベテラン揃いでかなり魅力的ですね。作品全体に大変良い雰囲気を創り出していると思います。 さて、ストーリー。最初のうちは、焦点が定まらず、はっきり言って何が言いたいのかよくわかりません。暴力描写がある割りには、そこに在るはずの人の心の動きが見えづらくて平坦に感じます。つまりは退屈。 話がやたら前後したり、一貫性がなかったり、とりとめがない展開がだらだら続いたりする物語は苦手です。 ただ、しばらく見ていると、いつの間にか映画の世界にはまりこんでいます。最後まで見ると感動もします。 在日韓国人、国籍というのが恋愛エピソードを盛り上げるための舞台装置かと思いきや、むしろ人種間の問題のほうがメインなんですね。重いテーマを青春ドラマとコメディタッチで仕上げ、深刻になりすぎないように、でも凄く真面目にとりあげているバランスが絶妙。 その一方で、親友の死の扱われ方がちょっと軽い気がするのが残念。 『グレートチキンレース』にしてもそうですが、人の命に関わる問題も、人種差別と同じくらい丁寧に扱ってほしいです。 そう思えるのは、この作品が良い映画であった証でもあります。[DVD(邦画)] 7点(2016-03-27 11:12:14)《改行有》 206. 青い春 《ネタバレ》 不良高校生の群像劇。一人一人のエピソードは、シュールに、過激に、そしてばかばかしく描かれます。 ハッピーなストーリーなんてほとんどなくて、リアルだけど非日常な世界が淡々と描かれます。 メインはやはり九條と青木のエピソードでしょう。不良世界のヒエラルキーにまったく興味のない九條。不良世界の価値観にどっぷり浸っている青木。九條は青木と全く違う世界を見ているのに、九條に見下されていると勘違いしてまう青木の悲劇。本当は青木が九條と同じ目線に立ちたいと思っている以上に、最初から九條は青木を誰よりも必要としていたのに。 そしてもう一つ衝撃的なエピソードが雪男と大田。トイレの個室に、今にもはちきれんばかりに充満していく雪男のストレス。鬱屈した負の感情は、ついに雪男という器では収まらず暴力となって諸悪の根源を断とうとする。このシーンの描写は言葉を失うほど凄まじいものがあります。 『学校』という閉鎖的な社会で生きる未熟な若者達。彼らの生きる世界はあまりに狭い。そこでのルール、人間関係がすべてだと思ってしまう危うさがあります。つまりは、『不良』にカテゴライズされても、あくまで『普通』であった青木や雪男がああなってしまったように、閉ざされた世界では誰しもがああなってしまう危険性をはらんでいることを示唆しているように感じます。 対照的なのが野球部の木村。同じ閉鎖された『学校』という空間の『不良社会』に生きていながら、いつも対外に目が向いている人物。非常に健全な視野を持っています。そして九條は、花田先生との交流を通して、少しずつ高校卒業後の世界へ目を向け始めているのが、なんとなく雰囲気で伝わってきます。 つまりは、あまりにも経験値が足りない学生達にとって、世界を広げるには教育、そして教育者の責任や存在というのは極めて重要なファクターなのかもしれません。それに比してこの映画に出てくる教育者、授業っていうのは、とても弱弱しくて儚げで頼りないのが何とも皮肉です。 最後に、個人的な感想を述べますと、好きな作品ではありません。 面白いとは思いますが。[DVD(邦画)] 6点(2016-02-14 21:34:58)(良:1票) 《改行有》 207. WEEKEND BLUES ウィークエンド・ブルース 《ネタバレ》 テンポが良くてコメディタッチ。ミステリーな要素もあって最後まで楽しめます。 軽快なテンポと、コメディな演出で惑わされがちですが、ストーリーはかなり切ないです。 救いようが無いレベルと言っても良いかもしれません。主人公やその友人、善良な人ほど悲惨な目にあっています。 この作品の救いは、そんな逆境の中、主人公が自分を見失わずに善良さを失わないことにあります。 主人公のこの人柄の良さが、一服の清涼剤となって、このせちがらいストーリーを爽やかなテイストに仕上げてくれています。 ですから、ラストで主人公が『がんばりましょーよ』って声をかけるシーンは、まるで見ている人たちへのメッセージのようにも感じられるのです。 ラストのどんでん返しは映画としては非常に面白いんですけど、なんか最後の望みを断たれちゃって、なかなか辛いものがありますね。[DVD(邦画)] 6点(2016-02-04 11:21:55)(良:2票) 《改行有》 208. ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 《ネタバレ》 まず最初の感想は、『バラゴンもタイトルに入れてあげて!』ですかね。 さて、この作品はきっと『ゴジラ』を愛する人が見たいものをつつがなく見せてくれる映画ではないでしょうか。 この作品を観て、怪獣が出現したときの驚きと興奮、あのわくわく感は時代を経ても不変のものだと再認識。 更に今作の最大の長所は、怪獣をたくさん出さないといけないので、テンポが早く、次から次へと見せ場がやってくることでしょう。 このお祭り騒ぎな感じ、大好きです。 個人的には役者さんたちのわざとらしい演技もゴジラ映画っぽくて好きです。 テンポが良い。飽きない。見ていて楽しい。『次はどうなる?』とわくわくする。娯楽映画はそれだけそろっていれば十分です。 私は、まさにそれが観たかったのです。 [DVD(字幕)] 7点(2016-01-17 03:10:06)《改行有》 209. 助太刀屋助六 《ネタバレ》 痛快なコメディ時代劇かと思いきや、意外とブラックで殺伐としたストーリー。 よく考えたら『仇討ちの助太刀』だったら無理もないです。ただプロローグではなんか楽しそうに助太刀をしているシークエンスを見せてくれたので、そのノリでいくんかなと思ったわけです。 要は、『助太刀屋』なんだから、助太刀で最後までいってほしかったんですよね。 父親を殺されて、その仇討ちを自分でやるのであれば、それはもう助太刀ではありませんから。 『位牌に頼まれて助太刀を引き受けた。』とかわけのわからん屁理屈を言ってはいましたが、そーゆーことじゃないんですよね。 それから歴史に疎い私には、今作で使われている言葉がよくわからないことが多かったです。 ですので、仲代達矢が追われる原因になった事件の真相や、風間トオルがいきなり殺されちゃう理由(真相に気付いたから?)なんかがよくわからないまま、エンディングを迎えてしまったのは残念。もう少しアホな自分にもわかるような説明が欲しいです。 ラストのバトルはなかなか面白い。石をぶつけたり、あっちこっちに隠れたり、死体のフリしたり、助六ならではの戦い方が粋ですね。 見所はその辺と、ラストのオチくらいです。 ラストのオチも予想通りでなかなか良かったです。[DVD(邦画)] 5点(2015-12-11 12:07:41)(良:1票) 《改行有》 210. トワイライトシンドローム-卒業- 《ネタバレ》 しょぼいしさむい。 『何がでるかな、何がでるかな』的な演出はまだ良いとして、実際何かが出てきてからのバトル、CG、演出、演技、すべてがしょぼすぎる。一番魅せなきゃいけないところで大したものを見せられないのであれば、最初からこーゆージャンルにチャレンジすべきではありません。子供向けのテレビドラマならまだしも。 それに、全編通してホラーにしたいのか恋愛ドラマにしたいのか、どっちつかずで中途半端。 期待感をもたせるストーリーの運びなど、つなぎの部分は良いのに、曲でいうならサビの部分がしょぼすぎなんですよ。 みなさんの演技もどーにかならんもんですかね。『のさばらせておくわけにはいかない』くらいちゃんと言ってください。 お姉さんの『行っといで。おいしいご飯作って待っているから』には爆笑しました。[DVD(邦画)] 4点(2015-11-28 05:26:20)《改行有》 211. Avalon アヴァロン 《ネタバレ》 理解するのが難しい映画を『難解』とするのであれば、この作品は難解ですらない。 何故なら不確定なまま鑑賞者任せに映画を終了させてしまうからです。 『難解』な作品は嫌いではありませんが、これは不親切かつアンフェアなだけでしょう。まさに作成者の『自己満足』『自己陶酔』の世界だと思います。 正直、バーチャルゲームの世界観を体験できると思って楽しみにしていたのに、バーチャルゲームならではの良さってのが微塵も感じられません。そもそも『バーチャルゲーム』の設定にも関わらず眠気を誘ってしまうようなゲーム内容で、こんなゲームに世界中の若者が熱中しているというのが最早謎。 『ゲームをクリアしていけばリアルマネーを手に入れられる』とか、『それぞれの職業に特性がある』とか、すごくわくわくしますが、そういった様々な設定がほとんど劇中で活かされません。 そもそも戦争ゲームみたいなジャンルにも関わらず、『戦士』だの『盗賊』だの『ビショップ』だの、職業はファンタジー路線。そんで『ウィザード』は主人公がもといたパーティ名だったりして、紛らわしすぎます。 『SA』というステージにたどりつき、突然フルカラーの世界になったので、『もしやマトリックスのようなオチか?』と思いきや、撃たれたマーフィーが普通に消えちゃって、もう理解不能。結局この映画の見所って何なんでしょう?[ブルーレイ(字幕)] 4点(2015-11-15 01:56:06)(良:1票) 《改行有》 212. VERSUS/ヴァーサス 《ネタバレ》 撃たれたヤクザ?がよみがえる。 最初のつかみはいいけれど、それだけを2時間近くもやられると、そりゃ飽きます。 ただの巻き込まれ型理不尽ホラーアクションにしてしまえば良かったのに、なまじ因縁みたいなストーリー性を持たせるから余計につまらなくなっています。 ラストのオチも意味不明。『あなたのほうがマシだったわ。』って。2時間近くも付き合わせておいてそりゃないっす。 刑事二人も要らないでしょう。 とにかく、内容に対して上映時間が長すぎます。前半だけ見れば十分な作品。 こーゆー作品は、観ている側が慣れてしまう前に映画を終わらせてしまえば、きっと高い評価を受けるに違いない。[DVD(邦画)] 5点(2015-11-12 04:13:40)(良:1票) 《改行有》 213. 回路 《ネタバレ》 所謂『ゾンビ』を『幽霊』に置き換えただけで、テイストは同じ作品かもしれません。 終末感を感じさせてくれる作品は本来苦手なんですが、ゾンビものだけは好きなんです。なのでこの作品も好き。 細かいところで不明な部分、不親切な部分が多々ありますが、そこを想像力や自分の推理で補っていくのも何気に楽しいです。 何より、この作品のホラー演出は極めて正々堂々としていて、気持ちいいくらいに怖い。本当に怖いです。 立ち寄ったコンビニで、レジに行っても誰も出てこない。レジの奥に目をやると、店員のシルエットらしきものがこちらを見ている。おそらくはこの人ももう・・・こういった演出は、外国産の映画ではまずお目にかかれない。邦画ホラーだけが醸し出せる良さってのを存分に堪能できます。 それに、『死後の世界がいっぱいだから、人間にはずっと生きていてもらおう』という発想は面白いですね。 そのためには、魂が肉体という器から離れてしまう前に、一人一人に特別な空間を作ってそこに閉じ込めてしまえということでしょうか。 ただしそのためには『生きている人に接触しなければならない』という条件が幽霊サイドにもあるみたいです。 『幽霊に会ってしまう』=『ゾンビにかまれる』といったものでしょう。会った時点でアウト。鬼ごっこですね。 幽霊に会ってしまった人たちは、本能的にどこかの空間に閉じ込められてしまうことがわかっちゃうので、人によっては自殺してそれを逃れようとする。ですが結局は自殺してもやはり空間に閉じ込められてしまう。空間に閉じ込められてしまった人たちは、その証であるかのように、黒い染みが現世に残る。なので、生きたまま黒い染みになる人もいれば、自殺した後に黒い染みになる人もいると思ったんですが違いますかね? 何にせよ、『つまりこーゆーことかな?』と勝手に自己解釈しながら見ていけば、結構楽しめる作品だと思います。[DVD(邦画)] 7点(2015-10-02 13:35:19)(良:2票) 《改行有》 214. 超高速!参勤交代 《ネタバレ》 参勤交代に話を絞って、それだけで映画を一本作ってしまおうという試みが面白いですね。こーゆー作品は、今後の時代劇映画の試金石となりそうで、ちょっとわくわくしちゃいます。 藩主の内藤はお人好しで情に厚く、それでいて居合いの達人というスーパーマン。 周りを固めるお供の者も、刀の使い手や弓の使い手など、それぞれが武芸に秀でている魅力的な人物ばかり。 また、前半はコメディ主体で、ゆるゆる脱力系。物語が佳境に入るとコメディタッチから一転、シリアスなムードが映画全体に漂います。 つまり、今作は前半、後半のギャップがかなり強いのです。そのギャップに違和感を感じると『中途半端でどっちつかず』に感じてしまうかもしれません。 ですがやはり主体はコメディのようですので、肩の力を抜いて気楽に観るのが正解なのでしょう。 問題なのは、もともと状況が深刻で理不尽なうえに、シリアスパートがシリアスすぎるところです。笑うに笑えないというか、笑いづらいですよね。もちろん、そのために、終盤のチャンバラは見ごたえがあって楽しますし、今までの鬱憤をはらしてくれるわけですが、上地雄輔が切られちゃうのは、さすがにやりすぎな気がします。しかも生きてるし。 ただ、理不尽な状況下でも貧乏でも、明るく笑い飛ばしていこーぜー、という姿勢には個人的に凄く共感できる部分があります。 『わが藩は貧乏でのう』と言って、みんなで楽しそうに走って帰るラストシーンは、この作品のしめくくりとしては最高ですね。[ブルーレイ(邦画)] 6点(2015-07-25 13:10:53)(良:1票) 《改行有》 215. クロスファイア(2000) 《ネタバレ》 個人的には傑作。こーゆー作品、大好きです。日本映画で特撮ものっていったら、幼稚なストーリーや子供だましの設定だったりするものですが、今作はストーリーや設定、人物描写が練ってあって大変良いです。それでいて難解になりすぎない、誰が見てもわかるようなバランス感覚で作成されているのが素晴らしい。 原作を見たことはないんですが、こーゆー作品はおそらく原作を観ていないほうが楽しめるんじゃないですかね。 矢田亜希子が好き。伊藤英明が好き。長澤まさみが好き。桃井かおりが好き。それだけでこの作品は楽しめます。 いわゆる『ちょーのーりょく』もので、それに陰謀がからんでくるストーリー。黒幕の動機があってないようなものだったのは、物足りなく残念です。そのためか、木戸を射殺させた後、スナイパーも自らの手で殺したり、『黒幕=サプライズ担当』みたいな係りなんですよね。確かにインパクトはありますがどれもが唐突すぎ。わけがわからないですよ。 ホラーでサスペンス風味なプロローグ。他の能力者の木戸浩一や倉田かおりが接触してきてからはちょっとダークヒーローものっぽい雰囲気。どれも好きなテイストです。 悪役はノーマルな人間だけれども権力者。及び猟奇的な殺人をこのむ鬼畜系若者集団。このメンバーが制裁を受ける様子はとにかくグロいゴア描写で力が入っていて良い感じです。鑑賞者の憤りを一緒に燃えさせてくれるような感じで大変良いです。その一方で青木淳子が死んじゃうラストの描写は、ファンタジックで戦隊もの的な映像で少々興醒め。そのせいで悲しみを共感したいシーンで、悲しみを共感しきれなかったのは少々残念。 とは言え、現実感を感じられる『超能力もの』としては高く評価できます。 最後に、桃井かおり、大変良かったです。 一般人代表の桃井かおりがいなければ、駄作になっていたんじゃないでしょうかね。[DVD(邦画)] 8点(2015-07-16 14:34:34)(良:3票) 《改行有》 216. 人狼 JIN-ROH 《ネタバレ》 暗いしわかりにくい。アニメならではの良さが感じられない。でも世界観や雰囲気は好きです。アニメーションもなめらかで良い感じだし、戦闘シーンは特に良い。適度に過激で程よい匙加減です。 ラストの戦闘はどうかと思いましたけどね。強化服に身を包み、どれだけ撃たれても『カキーン。カキーン。』じゃ、緊迫感も高揚感もあったもんじゃないです。味気なさすぎます。 まあですが本作の最大の問題点はやはりストーリーのわかりづらさでしょう。 はっきり言って、状況、ストーリーを理解するのにかなり頭を使わなければならないので、アニメを純粋に楽しむことができません。 それに、『難解』なのと、『不親切』なのは、また違うと思うんですよね。ついでに言うと、『暗い』作品は嫌いではありませんが、『暗いだけ』の作品は嫌いです。 ラストシーンだって、主人公が撃ったのか、狙撃手が撃ったのか、よくわからなかったのですが、レビューを見てみると、どうやら撃ったのは主人公のほうのようですね。確かにテーマ、ストーリーともそのほうが合致しますし。 だとしても、これじゃあ、この作品中のいろんな箇所でいろんな人の誤解や曲解を招いきかねないです。それは観ている側の責任ではなく、製作者側の責任ですので、世に出す以上は『難解でもわかりやすい』っていうプロの技を見せて欲しいものですね。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2015-07-03 05:26:01)《改行有》 217. 星ノくん・夢ノくん 《ネタバレ》 星ノくんと夢ノくんが、他の星から地球に修学旅行にやってきて、帰りの汽車に乗り遅れてしまうお話。 ある意味SFながら、二人の年齢をはじめとした様々なディテールがすべて省略されている潔さはなんか良い(笑) まあ、ファンタジーの様相を呈してはいますが、どちらかと言えば第三者的視点から、人類を弁護するようなテーマ性のあるストーリに仕上がっています。 キャラづけや雰囲気は悪くないんですけど、人によっては好みが別れそうな作品です。なにせ、まったりだらだら進むうえに、大して大きなイベントもありません。ちょっと変な人が途中参加するくらいです。 個人的にはシュールすぎて苦手な部類に入るんですけど、何となくへんな魅力で最後まで見れてしまう不思議な映画。はっきり言って面白いとは思いませんけどね。[DVD(邦画)] 5点(2015-06-06 04:41:02)《改行有》 218. BLOOD THE LAST VAMPIRE 《ネタバレ》 シリーズもののアニメの1エピソードを『読みきり番外編』で見た感じです。 アニメーション?とにかく映像のクオリティが大変高く、映像美だけでも楽しめます。退廃的な世界感も好きです。 保健室での『ここはやつらの食堂か。』の台詞が、偶然にも寄生獣と同じで、その既視感につい笑ってしまいます。 惜しむらくは、中盤以降は正体を現した吸血鬼とのバトルがメインとなってしまったことでしょうか。もちろんそこがこの作品の最大の見所なのでしょうが、そこから先がパワーゲームに終始してしまったのはちょっと残念。もう少し、序盤のホラーテイストな雰囲気を味わいたかったですね。ですが読みきり番外編の48分じゃ、これが限界かな(笑) それから吸血鬼の始祖である小夜、という設定が思いの外活かされておらず、『刀を振り回すだけの少女』どまりだったのも、後半が盛り上がりきれなかった原因かもしれません。もーちょっとだけ、吸血鬼と小夜にはっちゃけてほしかったな。 『あの保健室のおばさんが実は吸血鬼たちのボス』とかいうオチだったら満点つけたんですけどね(笑)[DVD(邦画)] 7点(2015-05-25 04:41:45)(良:1票) 《改行有》 219. シンプル・プラン 《ネタバレ》 娯楽作品とは言い難い内容ですが、見る人を選ばないとっつきやすさがあります。シンプルな内容だからこそ、ディテールにこだわって非常に質の高い作品に仕上がっている気がします。 はっきり言って、お金をネコババしようが、警察に届けようが、もっと上手いやり方はいくらでもあります。つまり、この作品の何がすごいって、穴のあるストーリーにも関わらず、ハンクをはじめとする登場人物たちの選択が、『本当にそれしかない』と思わせる演出の上手さだと思うんです。 で、そのストーリーなんですが、人間の隠れた負の部分をひっぱり出しちゃっているんで、見ていて決して気分の良いもんじゃないです。 特に、いわゆる『世間からのはぐれ者』であるジェイコブとルー、それに対するハンク夫妻の対比が凄い。人としての道を確実に踏み外していくのは、良き夫、良き妻であるはずのハンク夫妻のほうである事実が怖いですね。世間一般の水準にあてはめた『善人』『真面目』なんてものが、いかに表面的なものかってのを見せつけられます。ジェイコブとルーなんか、お金が手に入ってもそんなに変わらないので、逆に人としてまともに見えます。 ジェイコブの『飛行機なんか見つけなければ良かった』という台詞が切ないです。ラストまで見たときに、冒頭のハンクのナレーションが意味を持ち始めます。欲にかられて失ったものの大きさを実感させられます。 好きなタイプの映画ではないので、この点数が精一杯です。ですが、私個人の好き嫌いを抜きにすれば、単純に映画としての評価は満点だと思います。ハンクたちは失うものばかりでしたが、この作品を観る人は教訓を得られます。 ただ、小説や映画に感情移入しやすい人は注意が必要かもです。鑑賞前は『これはフィクションです。』『これはフィクションです。』『これはフィクションです。』と3回くらいおまじないをかけておいたほうが良いかもしれません。[DVD(字幕)] 7点(2015-04-20 14:16:06)(良:2票) 《改行有》 220. ひみつの花園 《ネタバレ》 浮世離れしたストーリーと主人公に、少々ついていきづらい作品でした。つまらないとまでは言いませんが、はっきり言って『合わない』作品です。 ただその内容は非常に興味深いものがあります。主人公の咲子にとって、お金が金銭欲の対象から、人生の目的にまで昇華されているのが大変面白いです。一般的に認識されているお金に対する価値観というものを変えられそうな説得力がこの物語にはあります。 お金の入ったスーツケースを回収するために、地質学の勉強から始めるという発想。そしてそのためにもう一度大学を受験するという決断。これはある意味最も理想的な人生のモデルケースかもしれません。ただ惰性でとりあえず大学に行っておくという大多数に比べれば、はるかに健全で正常だと言えそうです。 また、咲子がこれだけお金に執着しているにも関わらず、『守銭奴』ではないことも重要です。咲子は目的を達成するためには、お金を惜しみなく使います。何百万もする地質学の機材を買い込むし、大学の費用も出すし、スクールにも通うわけです。その一方でおごってもらうコーヒー代は、現金に換えようとするのです。つまり、必要性のある出費は彼女にとっては無駄ではなく、必要性のない出費はたとえコーヒー1杯の金額でさえ彼女にとっては無駄遣いなわけです。 お金に対する価値観や認識をもういちど俯瞰し客観視するという面においては、この作品は非常に存在価値の高い作品だと思えます。 ただ映画としての面白さは個人的にはいまいちです。[DVD(邦画)] 5点(2014-05-27 15:03:55)(良:2票) 《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS