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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1305
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/20066/
ホームページ http://w.livedoor.jp/mushokamondai/
年齢 51歳
メールアドレス gurugurian@hotmail.com
自己紹介 ♪わたしの小さい時 ママにききました

 美しい娘に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるわ

 さきのことなど わからない


 大人になってから あの人にききました

 毎日が幸福に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるさ
 
 さきのことなど わからない


 子供が出来たら そのベビーがききます

 美しい娘に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるわ
 
 さきのことなど わからない ケ・セラ・セラ~


(2010.4.16記)


現在、ダイエットちう。腹筋、割れてるでー。




力を入れると。

(2011.8.28記)


↑ホームページのリンクを「朝鮮学校無償化問題FAQ」に張り替えました。特に「パッチギ!」ファンは、見てね。




これからもよろすく。





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241.  昭和残侠伝 唐獅子仁義 シリーズ五作目にしてマキノ監督作としては二作目。前作がどちらかというと快活な任侠モノだったのに比べると、こちらはかなり暗くて、ニヒリスティックでハードボイルドな佇まい。ではあるのだけれど、「やくざの稼業をしていても、やくざな生き方をするな」というマキノ流任侠道が色濃く反映した作品ではあります。で、やっぱ殴り込みのシーンがカッコ良いんだよねえ。お馴染み「昭和残侠伝」主題歌をバックに、高倉健演じる花田秀次郎が夜道を歩くシーンで、短いカットを繋ぎ合わせた手法は、戦前の「血煙高田馬場」を彷彿(ほうふつ)とさせて、盛り上がる盛り上がる。前作では殴り込みにいつもの花田秀次郎・風間重吉に加え竹(津川雅彦)も参加して新鮮なグルーヴを醸し出していたけれど、今回は良い感じの脇役、イタチの藤吉(待田京介)が参加してて飽きさせないのだ・・・さて、お次はいよいよ最高傑作の呼び声高い「死んで貰います」だ。期待してまっせ、秀次郎さん。8点(2004-08-09 20:58:27)

242.  森の石松鬼より恐い マキノ雅弘監督の「続清水港」を沢島忠がリメイクした、中村錦之助主演の作品。とりあえず、中村錦之助といえば時代劇しか観てなかったので、彼が普通に現代の格好をしてるだけで可笑しい(っつうか、普通にべらんめえ口調だし)。その他にも数々の東映時代劇の常連役者が現代劇で登場するので(これは褒めてるつもりで言うのだけれど、時代劇役者は時代劇の格好してる方がオーラ出てるよね)、ちょっと楽屋的な楽しみ方も出来るのだ。で、タイムスリップ(?)してしまった中村の慌てっぷりや周囲の人々の混乱ぶりも大いに笑わせてくれて、さすがは快活な時代劇を得意とした沢島監督だなあって感じでした。ただ、最後までパロディで通すのかと思いきや、後半から普通の時代劇っぽくなってしまったので、そこが残念といえば残念。7点(2004-08-09 20:42:26)

243.  清水港の名物男 遠州森の石松 マキノ監督が自身の「次郎長三国志 海道一の暴れん坊」をリメイクした作品だそうな。どっちかというとしっとりとした作品で、「女に惚れたことがない」石松と「惚れるということが分からずに“女”になってしまった」女郎夕顔の悲恋が泣かせる。ただ、個人的にはちょっと冷静に観てしまったところがあって、物語に入り込むことが出来なかったのでした。理由は分からないのだけれど・・・ちょっと台詞とかが説明っぽかったのがひっかかったのかなあ?女に惚れられて、「命が惜しい」「いや、死んでも惜しくない」という矛盾した考えを持った石松の気持ちはすごーく分かるのだけれど・・・出来れば森繁久彌が石松役を演じたというオリジナル版が観たいなあ。東宝さん、ゴジラや黒澤明作品も良いけれど、「次郎長三国志」シリーズもDVD出してちょーよ。<2006.5.22追記>という事でつい先日、念願の「次郎長三国志」を観たのだけれど、何でこっちのバージョンに今ひとつ感情移入できなかったか分かった気がする。「女に縁のなかった不器用な純情男」を演じるには、錦之助は二枚目過ぎてて、今ひとつ説得力に欠けるのだ。その辺本人が自覚してたかどうかは分からないけど演技も力が入りすぎちゃって、若干空回りしてた気がする。この作品が大好きな錦之助ファンの方には申し訳ないけれど、、モテない男のイチャモンと思って許して下せぇまし。[映画館(字幕)] 7点(2004-08-09 20:23:49)

244.  若き日の次郎長 東海の顔役 米屋の養子長五郎がどのような経緯で清水の次郎長と名乗って渡世の道に入ったか、という、いわば「清水の次郎長エピソード1」ですな。遊び人だけど、曲がった事や困っている人を見捨てる事が大嫌い、という次郎長を中村錦之助が好演。田中春男の法印大五郎や平幹二朗の仙右衛門、東千代乃介の三五郎など、脇を固める子分衆もかっちょ良いのだけれど、やっぱ見所はクライマックスの殴り込み!渡世人スタイル(なんつうの?三度笠と、縦縞のマントみたいな奴)で颯爽と駆けて行く次郎長親分と六人の子分衆(マキノ作品の走るシーンってホンットかっこ良いんだから、一度観てみてよお!)、そして大勢のやくざ達に怯むことなくカンカンカーンと威勢の良い啖呵(たんか)、んでうりゃあ、バンバンバーン!行くぜワッショイワッショイ、ぐるぐる回っちゃうぜ!ズバッ!ドスッ!イヤッホーってなもんでい!チクショー!熱いぜ。<余談>この作品が公開されたのは1960年(昭和35年)。戦後の荒廃からやっと立ち上がろうとした時期だと思うのだけれど、きっと当時の観客にとって「闇米」というのは、現代よりずっと重みのある言葉だったのだろうなあ、と思う。8点(2004-08-09 20:10:54)(良:1票)

245.  おしどり駕篭 美空ひばり、当時は二十歳位なんだよね。確かに可愛いことは可愛いけれど、僕の場合すでに「女王」になってしまってからの彼女のイメージが強すぎて、イマイチ感情移入できなかった(どっちかって言うと中原ひとみの方が好みなんで・・・)。んでも基本的には楽しいミュージカル(っていうか、こういうのはオペレッタっていうのか?)で、若殿様が身分を隠して左官屋さんをやってるという破天荒な設定も面白かったっす。ちなみに戦前のマキノ監督の名作「鴛鴦歌合戦」は未見なのだけれど、これと似たような雰囲気の作品なんだろうか?7点(2004-08-09 19:40:23)

246.  眠る男 僕は映画の技術的な事とかには疎いのだけれど、それでもこの作品の構図がとてつもなくこだわって撮られたのはわかる。温泉の水車や「眠る男」が眠る日本家屋、そして田園風景や山の緑が、とても美しく、特に時折挿入される月や花のカットは官能的ですらある。そうした中での「生」と「死」の描かれ方は、まさに幻惑的・神秘的。また日本風俗のエキゾチックな面(能の一場面や、様々な風習など)も描かれていて、外国の各種の芸術祭・映画祭で評価されたのも納得できる。 ただ、「芸術」としての完成度の高さは分かるのだが、反面あまりにも「浮世離れ」し過ぎてる印象がある。まるで「彼岸」からモノを見ているような、現実を拒絶しているような。登場人物に活き活きとした感じが見られず、はっきり言えばあまりに「芸術」し過ぎている様に思えた。映画って確かに「芸術」の側面もあるけれど、でももっと俗っぽくても良いんじゃないかな。芸術的でなくても美しくなくても、やっぱし僕は映画で「人間」が見たいのです。ラストの、河原で戯れる母と幼い子供のシーンなんか、とっても良かっただけに、残念。6点(2004-08-02 21:29:56)《改行有》

247.  泥の河 すごく丁寧に作られた作品だなーって感じでした。俳優さんの演技も良かったあ。田村高廣演じるお父さんはいかにも「古き良き、日本のお父さん」で、寡黙な中に滲み出る優しさが魅力的。藤田弓子のお母さんもいかにも「母は強し」な包容力を感じさせて素敵。あと子役の三人、特にきっちゃんが素晴らしい。どうやって演技指導したんだろう?作品の内容も戦後の荒廃から立ち直りつつある中で尚も人々の中に残る戦争の傷跡を瑞々しく描いていてしみじみしました。ただ・・・きっととても水準の高い作品だからこそワガママを言いたくなってしまうのだろうと思うのだけど、もうちょっとラストを盛り上げて欲しかったような気もしました。あるいは逆にばっさり描写を省略してしまうとか、ね。7点(2004-07-27 17:40:38)

248.  悪名一番勝負 マキノ監督といえば「江戸っ子気質」の印象がある。なので大阪を舞台にした「悪名」の一編を監督するというのはまるで下町のお寿司屋さんがお好み焼きを焼くみたいだなあ、などと観る前は思ったりしたのだけれど、意外にもこのお好み焼き、美味しい(笑)。土地は違えど「キップの良さ」と「男の心意気」は同じなんだなーと納得。長屋のワイワイガヤガヤした感じとか、いかにもマキノ監督らしい(オマエにマキノ監督の何が分かるんだ、という突っ込みは勘弁してたもれ)。江波杏子の女壺振師も良かったけど、個人的には津川雅彦(「昭和残侠伝・血染めの唐獅子」と同じような役だった。知らなかったんだけどこの人、マキノ監督の甥なんだってね。ひょっとして常識?)が良かったんで、もうちょっと彼を見せて欲しかったかな。7点(2004-07-27 16:45:08)(良:1票)

249.  日本やくざ伝 総長への道 本来「昭和残侠伝」や「日本侠客伝」のような任侠モノの新シリーズ一作目として作られたものの、東映の路線転換など諸般の事情で後が続かなかったのだそうな。だからというわけではないけど、やっぱしマキノ作品として観るとあまりにも「普通の仁侠映画」のような気がしてちょっと淋しい。高倉健と彼の幼馴染で想いを寄せる野川由美子、その彼女に惚れているものの喧嘩で相手を殺してしまったために服役している若山富三郎の、義理と人情を絡めた三角関係という趣向は面白いと思うのだけど、マキノ作品の魅力(だと僕が思っている)ほとばしるバイタリティ、躍動感、痛快さがあまり感じられないのだ(コミックリリーフの松方弘樹は、なかなかいい味出してたけど)。 6点(2004-07-27 16:33:22)《改行有》

250.  けんかえれじい 「岸和田少年愚連隊」を観た時も同じような事を思ってレビューにも書いたのだけれど、どうもこういう「ケンカに明け暮れた青春モノ」が、嫌い、というのではなく苦手だ。これは何も僕が「ケンカや暴力を憎む非暴力・平和主義者」だから、というわけではなく、多分自分の青春時代が、ケンカで相手をぶっ飛ばす位では解消できないほどの鬱屈したものだったからじゃないか、と思う(この辺の事を突っ込むと、僕のココロの中の「危険なトビラ」が開いちゃいそうなので、あんま追求しないで下さいませませ)。という事でこの作品も純粋に「映画」として評価・鑑賞する事が出来ないのです、ゴメンナサイ。ただ、ちょっとナナメから観た意見かもしれないけど、これってバンカラの時代を描きながら、実はバンカラを賛美してる訳ではないんじゃないかな、と思ったんですよね。「バンカラとかいってカッコつけてアウトローぶってるけどさ、結局自分たちで世間の常識よりもっと息苦しいルール作ってそれに順応してるだけじゃん」って感じで。だから、主人公が226事件に触発されて東京に旅立つというラストは真の意味で「アナーキーで自由な在り方」に対する志向を象徴しているのではないか、と感じました。深読みかもしんないけどね。6点(2004-07-27 16:08:01)(良:1票)

251.  スチームボーイ STEAM BOY すごく乱暴で大雑把な言い方をすれば、作家(映画監督に限らず、だけど)は1.受け手に対するサービス精神が作品に現れる、「大衆性」を持ったタイプと、2.自らの「表現衝動」をまんま作品にブチ込んでしまう、「カルト性」を持ったタイプの二種類に大別出来ると思う(これは別にどっちが良いとか悪いとかではないです、念のため)。例えば(少なくとも80年代までの)宮崎駿なんかは前者で、大友克洋は明らかに後者だ。で、今回の作品でも大友克洋がもっとも表現したかったのは噴き出す蒸気や各種のメカ・兵器、そして父親と一体化し英国の街を蹂躙するスチーム城(だけ)で、実は「少年が主人公の冒険活劇」とか「科学は果たして人に幸福をもたらすのか?」といったテーマはどーでもいい、というのは言い過ぎかもしれないが、あくまで「あと付け」だったのではないかと思う。実際大友監督はインタビューで、「少年が主人公の冒険活劇」をテーマにした理由について「新作ではコンピューターを導入したりすることで予算がかかるので、(資金を回収するため)マニアックなものではなく、低年齢層にもウケるような間口の広い作品にしたかった」という趣旨のことを語っている。しかし、例えば「イノセンス」は決して間口の広い作品ではないにもかかわらずヒットしたし、少し前の作品だが「エヴァンゲリオン」も(興行成績的には)大成功だった筈だ。そう考えると妙に「ウケ」を狙った「ラピュタ」の二番煎じのような作品よりも、「ウルァ!こっれっがっ大友克洋ワールドじゃあああ!」ってな感じの作品のほうが良かったし、ちゃんとヒットもしたのではないかなーと思う。多分今って「アキラ」の頃より「世界のオタク化」が進んでるしね、良くも悪くも。5点(2004-07-27 15:51:14)(良:5票)

252.  ばかのハコ船 いきなり個人的な話から。かなり子供の頃からマンガやTVドラマ、つまりフィクション(ドラマツルギーのあり方)に対して猛烈な違和感を感じることがよくあった。勿論普通に面白がったり感動したりもしてはいたし、キャプラの作品なんかは大好きなのだけれども、極端な話ヒーローものとかを観ていても「そんな都合良くヒーローが現れて助けてなんかくれるもんか」と思ったりしていた。要するに「やなガキ」だったんだけどさ。カッコつけて言えば現実とフィクションのギャップに苛立ちを覚えていて、ご都合主義の話に対し「現実はそんな甘くねえぞチクショウ、現実ってのはもっとカッコ悪かったり、ショボかったり、間が悪かったり、思うようにいかなくて悲しくなっちゃうようなものなんだ!こんなんで現実逃避なんか出来るかガキだと思ってナメんな!」と思っていたんだな。・・・やっぱ「やなガキ」じゃん、俺。 さて、何故唐突にそんな話をしたかというと、この「ばかのハコ船」にはそういう現実の「カッコ悪かったり、ショボかったり、間が悪かったり思うようにいかなくて悲しくなっちゃう」要素がこれでもかとばかりにテンコ盛りだから。主人公はジコチュウでいい加減で計画性もないダメ男で、感情移入できるタイプではないので、多分万人ウケする作品ではないと思う。しかしこのダメ男が、やることなすこと全て裏目に出てドツボにはまっていく様は圧倒的に「リアル」で、誰しも思い当たる部分がある筈だ。こういうタイプの「リアリティー」は今まで、例えば文学やマンガなどの表現にはあったものの、映像表現ではまずなかった(特に90年代のトレンディードラマ等に於いてこの手のリアリティは巧みに隠蔽されていた。普通の会社員であるはずの登場人物がオシャレなマンションに住んでいても「どうやってこの部屋の家賃を払ってるんだ?」などと疑問に思った視聴者はほとんどいなかった筈だ)。 20代の山下監督は、前作のデビュー作「どんてん生活」でも同じようなテーマを扱っていたが、技術的にも洗練され、おそらく予算もアップしたであろう本作においてその資質をスポイルされるどころか、むしろますますシャープな切り口で「人間のリアル」を見せてくれている。最新作「リアリズムの宿」も楽しみだ。8点(2004-07-21 21:59:36)(良:3票) 《改行有》

253.  橋蔵のやくざ判官 う~ん、きっと何の予備知識もなく観たら、それなりに楽しい時代劇として観られたと思うのだけれど、マキノ雅弘監督作として観ると、ちょっと物足りない。確かにマキノ作品の陽気さ・快活さはあるし、群集も活き活きと描かれていて楽しいのだけれど、も一つガツーンと来るものがなかったなあ。マキノ作品の楽しさって(少なくとも今まで観た作品では)いかにもなギャグとかではなくて、各キャラクターの人間臭さから来る「おかしみ」みたいなものだと思っていたので、この作品の笑いはちょっとクドいと感じてしまった。でもまあ、この所立て続けに観てたマキノ作品がどれも良かったので、知らず知らずのうちに期待が高まり過ぎてワガママになってたのかも。ゴジラ松井だって、全打席ホームランが打てるわけじゃないんだしね。6点(2004-07-21 21:09:36)

254.  風の武士 色々、ツッコみ所がないわけではない。一応「忍者モノ」ではあるのだけれど、ド派手な忍術が飛び交うわけでもなく、かといってリアリズムに徹しているかというとそうでもなく、微妙に中途半端な印象だし、そもそもそれまでフラフラしていた主人公が密命を受けた瞬間から急に達人ぽくなってしまうのも、考えてみればヘンな話だし、そもそも大川橋蔵って陽気で快活な役が似合う人で、こういうシリアスな役には向かないと思うのだ。それでも最後まで集中して観ることができたのは、世の無常や不条理に対する、ある種ハードボイルドな、乾いた哀しみや怒りが全編に漂っていたからだと思う。特にヒロインと結ばれた主人公が「俺は木こりになって、一番良い木で家を建てるんだ」と夢を語るシーンが印象的だった。7点(2004-07-21 20:59:40)

255.  関東緋桜一家 《ネタバレ》 えーっと、僕は藤純子主演の仁侠映画を観るのはこれが初めてで、あんまし詳しくはないのだけれど、一応一人目のレビューっつう事で、ウンチク的な事を少々。この作品は東映の仁侠映画でトップスターだった藤純子の引退記念作品(80年代に“富司純子”の名前で再デビュー)で、監督は彼女のデビュー作も撮ったマキノ雅弘。んでこの作品以降、やくざ映画は従来の勧善懲悪的な任侠路線から、生々しいやくざの姿を描いた実録路線に方向転換していくってなわけで、日本映画史上も重要な作品であったりもするのです。 ただ、マキノ監督自身はどうやらこの作品に不満もあったらしく、また、興行的には大ヒットしたものの、ラストの藤純子の「みなさん、お世話になりました」という台詞(いわば、自分を育ててくれた仁侠映画、およびファンへの「訣別」とも読めるわけですね)に対し、多くのファンの心境は複雑なものだったそうな。 ただ、にわかファンの僕からすると、こんだけ当時のトップスターが勢揃いしているにもかかわらず、きちんと作品がまとまってるっていうのは、単純に凄いなーと思います。各キャラクターの見所もツボを押さえているし、何つったってアータ、藤純子が美しすぎるのですわ。前半の可憐な芸者姿、後半で一家の跡目を継いだ後の凛々しい姿、そしてラストの立ち回り!当時のファンの思い入れや心境は分からないけれど、今藤純子の魅力を堪能するには充分な作品であるのです。7点(2004-07-16 19:06:31)《改行有》

256.  玄海遊侠伝 破れかぶれ マキノ雅弘の任侠映画はどれもとても熱いのだけれど、その底流に流れているのは「困っている人がいたら、誰だろうと助けてやンのが人情ってモンだろぉがぁ!」というシンプルでさっぱりしたヒューマニズム、だと思う。なので熱いけど爽やかな後味で、夏の夜に観てもとても心地良い。この作品で勝新太郎演じる安田磯吉という人は実在していたそうで、クリクリした目で大暴れするカツシンは、カッチョ良くて、可愛い。 さて、ここからは直接映画とは関係ない、野暮話。この作品の中で悪いヤクザの味方をする悪い代議士(こいつも確か、元ヤクザなんだな)が出てくるのだけれど、なんかそれを見てて、「結局国家とか国家権力とゆうものは、法律を味方にしたヤクザなんじゃねぇの?」と思えてきたり、する。北九州若松を「イラク」、博徒太田黒を「アメリカ」、炭鉱を「油田」に置き換えると・・・ま、サドル師という人が安田磯吉かどうかは、分かんないけどね。 7点(2004-07-14 16:58:43)(良:1票) 《改行有》

257.  昭和残侠伝 血染の唐獅子 えーっと、まずはウンチク的なことから。それまでの佐伯清監督に代わってマキノ雅弘が監督を務めた「昭和残侠伝」四作目。この作品からレギュラーの高倉健と池部良の役名が「花田秀次郎」と「風間重吉」(つまり「花と風」ってことだな)に定着するのです。あと、それまでヤクザ・渡世人だった高倉健の役が初めてカタギ(鳶の頭)になった作品でもあります。 んでねぇ、僕はこのシリーズ、一作目から順番コに観てるのだけど、いやーびっくりした。なぜって「同じ素材(役者・話の大筋)を使っていても料理人(=監督)によってこんだけ作品が違うものなのか!」という事をまざまざと見せられたから。 まず大きく違うのが、高倉健以外の脇役が、実に生き生きと描かれている事。例えば、山城新伍が、惚れた芸者のために大事な「纏(まとい。昔の火消しが持ってた、なんつうの?長い棒に紙のビラビラを付けてる奴。昔は鳶の人たちが火消しの仕事もしてたということをこの作品で初めて知った)」を質に入れてしまうエピソードなんかは、とても良い。仲間は最初それを責めるんだけど、理由を知って何とかお金を集めようと奔走する。ここも良い(マキノ作品って人がガヤガヤ集まっているシーンがとっても魅力的なのだ)。 も一つ大きな違いは高倉健のキャラクター。前三作の高倉健は、ひたすらニヒルでカッコ良くていかにも「仁侠映画の健さん」ってな佇まい(なので、純粋な高倉健ファンでない僕なんかは、あんまし感情移入できないのだ)なのだけれど、この作品では(もちろんカッコ良いのはカッコ良いのだけれど)、とても愛嬌があって、誤解を恐れずに言うと「可愛い」のだ。特に除隊して地元に帰ってきた高倉健が藤純子と再会するシーン。純情な藤純子をからかう健さんは、かなり素敵です(あ、もちろん藤純子も素敵だけど)。 ってな事でゴチャゴチャ書いたけれど、つまり一言で言うと「粋」ってことなんだな、この映画は。お約束の殴り込みのシーンもやたら熱くって、まさに血沸き肉踊るって感じ。 イカすぜ。8点(2004-07-14 16:25:04)(良:1票) 《改行有》

258.  昭和残侠伝 一匹狼 佐伯清監督による、「昭和残侠伝」シリーズ三作目。マンネリ化を防ぐため、色々工夫しているのが見られるのだけれど・・・うーむ、話の展開があまりに偶然が重なりすぎてて(病弱な加代が発作を起こした時に「偶然」藤純子がいて、しかも「偶然」自分の元親分の仇の妹だった、とか)ご都合主義にもほどがあるぞって感じでした。それと、これは前ニ作の時も思ったのだけれど、高倉健一人が突出し過ぎていて、脇役があんまし活きていないような気がする。例えば、女座長に片想いをしていて、後に殺されてしまう高倉健の元子分とかにもう少しスポットを当てても良かったんじゃないか、とか。高倉健大好きな人にとっては良いのかもしれないけれど・・・。あ、ただ潮政の親分役の島田正吾、この人って役柄は関係なくやたらインパクトのある濃ゆ~い芝居をしてます。新国劇だからか?6点(2004-07-14 15:53:53)

259.  トカレフ(1994) 《ネタバレ》 ワタクシはアホです。なぜって、後半主人公の奥さんが佐藤浩市とくっついちゃって子供まで作っていた、という事を、観ている時に気づかなかったから。「何でこの人、お祭りに出てるんだろう?赤ちゃんまで抱いてるし」などと思いきしボケた事を考えていて、後で某サイトであらすじを読んで、時間差でがびーんときた。なので、その衝撃を含めてこの点数。9点(2004-07-06 16:59:20)

260.  懲役十八年 すっげえタイトルだなあ。任侠もの全盛の60年代はこういうタイトルが集客力につながったのかもしんないけど、今このタイトルを観て「わあ、面白そう!」と思う人がどのくらいいるのか・・・かく言うワタクシも「監督:加藤泰、脚本:笠原和夫」の名前がなかったら、多分一生観なかったんじゃないか、と思う。で、結論から言うと、そんな期待を裏切らない、面白い作品でした。良い意味で粘っこい加藤演出と、昭和初期~戦後の熱~い人間模様を描かせたら右に出る者のない笠原の脚本(・・・今、←これ書いてて思ったけど、二人の作品を大して観ていないくせに、こんなエラそうな事書いて良いのか、俺?)がガッチリタッグを組んで、自らの戦争責任を償いとして遺族の為に非合法行為にまで手を染めた男の姿を骨太に描いております。ただ、ちょっと残念なのは、前半のテンションの高さに比べて中盤ちょっと中だるみしてしまう所と、主演の安藤昇の台詞が、ちょっとたどたどしく聞こえてしまう所。そんでもやっぱし、戦後の昭和を(感傷ではなく)振り返るという意味でも、今観る価値のある一本だと思います。せめて「ショーシャンク」を観た人の1/100でも良いから、観ないかなあ。8点(2004-07-05 22:25:09)

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