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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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281.  ユメ十夜 10人の監督がまさしく十人十色に漱石「夢十夜」を描く。 ■「第一夜」顔を極端に暗くする一方で空間を目一杯眩しい光で満たす。斜め構図も幻想世界の構築に貢献している。なんてったって先頭バッターですからこれぐらいの突飛さはあってしかるべしなんだけど、世界観の構築だけで終わってるような。 ■「第二夜」市川崑はモダンなモノクロをベースにサイレント、細かいカット、ストップモーション、パートカラーと手が込んでいる。大御所が「一」「二」と続くんだけど、作品は全く大御所っぽくない。何やったって安定感だけはあるんだけど。 ■「第三夜」夢そのものだけでなく、漱石がその夢を書くところを入れることでオムニバスの一編に終わらない一本の作品として成り立たせている。この夢は元々清水崇監督と相性ぴったし。 ■「第四夜」えらいドラマチック。長く感じた。 ■「第五夜」スプラッターアクションだ。一番強烈な印象を残す。 ■「第六夜」みんな自分流に好き勝手にアレンジしまくってんだけど、ぶっ飛び具合が最も激しいのがコレ。だけど内容は最も忠実だったりする。ワロター! ■「第七夜」アーティスティックなアニメーション。このアーティスティックな部分が鼻につくかつかないかで好みが割れそう。 ■「第八夜」なっ、なんのこっちゃ!こんな話あったか?どえらく改変されてんだろうな。原作読み直したくなってきた。 ■「第九夜」前が前だけにものすごくふつう。ふつうなんだけどなんかやってくれそうなオーラが緒川たまきから発散されている。そこがミステリアス。 ■「第十夜」最後にこれかよ!くだらん!マンガチックにアレンジは全然かまわないがオフザケが過ぎる。 ◆<総評> 監督の順番変えて欲しい。 でもまあ、個性的な監督が一同に介する企画ものは好きです。甘甘の6点。[DVD(邦画)] 6点(2009-07-24 19:33:54)《改行有》

282.  坊っちゃん(1977) アップ多用なんだけどマンガチックとも言えるキャラクターの魅力こそがキーとなる本作にあっては成功法と言えるかもしれない。「赤シャツ」と「野だいこ」はあまりにハマリすぎ。というか松坂慶子=「マドンナ」にも言えるんだけど、キャラクターと役者の一致はもしかしてこの作品を昔テレビで見たのが印象として残っているだけかも。と、思ってしまうほどにキャスティングは「鉄板」だと思う。松山弁って言うのかな?「ぞなもし」っての。いなかっぺ大将のにゃんこ先生の使ってた方言といっしょですかね。いいなあ。とくに女の人が言うと。でも「ぞなもし」が語尾についてるだけで標準語イントネーションなんだけど、実際はどうなんでしょ。オーソドックスながら原作のユーモア性をよりクローズアップさせた楽しい作品でした。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-07-23 13:16:29)《改行有》

283.  それから(1985) 藤谷美和子は一番良いときの藤谷美和子で演技じたいは下手っぴなんだけど雰囲気があっていい。小林薫は一生懸命に嫌な男を演じていることが前面に出すぎている。あのロボットみたいなわざとらしい動きはどうにかならんか。松田優作は原作とはイメージがずいぶん違うが作品の世界には合っている。役柄上のおさえた演技も藤谷美和子同様にいい雰囲気を出している。社会の常識だとか倫理といった社会通念から外れることの弊害があっても自分の心に正直に生きようとする主人公に私自身を見る、なんて言うとかっこつけすぎですが、原作は漱石の小説の中で最も大好きな小説です。原作ではその社会通念に押しつぶされようとする圧巻のラストシーンが市電を舞台としていたので、この映画で途中に挟まれる市電内の奇妙な描写はてっきりラストシーンへ向けた伏線とばかり思っていたのですが、そうではなかったことがちょっと残念。「自分に正直に生きる」ことよりも「激しくもしとやかな恋愛」がメインに描かれているような気もするが映画としては正解かもしれない。[ビデオ(邦画)] 6点(2009-07-22 14:42:01)

284.  こころ(1955) 原作に関して同性愛小説ととらえる向きが(とくに海外で)あるらしいのですが、私自身が読んだかぎりでは全く感ずるところはなかったのですが映像にしてみるとなるほど、たしかにそんな解釈もありだなと思った。主人公と先生の出会いのシーンが最も顕著で、半裸の男が映し出されるというだけでなんとなくそんな空気を感じてしまった。しかしどうもたんに映像の力だけではなく、この映画自体がそっちの思考で作られているっぽいような気もする。先生の回想シーンでも先生と友人の関係は同性愛的描写はなくとも男同士の友情とは一線を画した何かを感じずにはおれない。作品に漂う鬱屈した空気はまるで本人が自分の中に目覚めた気持ちに気付いていないゆえの息苦しさのようだ。最初、原作にはないラストシーンは蛇足にしか思えなかったのだが、同性愛的なものが心の奥底にあったのなら何にも置いて一人蚊帳の外であった妻を最後に登場させたこのラストシーンはなかなかキョーレツな味わいを持っているではないか。ううむ、新藤兼人版も見てみたい。[DVD(邦画)] 6点(2009-07-21 17:09:40)

285.  HAZARD 眠い日本。眠れない日本。だからアメリカへ。だからニューヨークへ。危険な場所へ。園子温の思想が映像と化す。出てくるやつらはめちゃくちゃだ。めちゃくちゃすぎる。でもそこを突っ込むのはナンセンス。思想の映像化なんだから。「危険」を画面に残すためのニューヨークロケとハンディカメラ風の画像。全体的に光が乏しいのも長回しをするのもおそらくは現場からあふれ出ている「危険」を画面に残すためだろう。自由と引き換えに死の危険がそこにはある。というのがよく出ていると思う。ざらついた映像は映像そのものを暴力的に感じさせる。生きることを実感したいなら死を近くに置いとけばいい。若いなら無茶しろや!そういうことなんだと思うんだけど最後の日本のシーンはちょいとわかりやすすぎないか。でもこのシーンがあるから園子温の映画なんだよね。[DVD(字幕)] 6点(2009-06-15 17:08:53)

286.  ビジターQ びっくらこいた。家族の体を成していない家庭に異物が混入することで化学変化が起こる。いわば『家族ゲーム』なんだけど、かなりエログロい。こんな映画ありかよ!とひたすらびっくらこくんだけども、エログロの過激さの大半は映画に必要だったものではなく、こんな映画ありかよと思わせるためだけにあるような気がしてならない。見てる間中頭に浮かぶのは、よくこんなの引き受けたなってこと。あるいはカット!の声のあとの役者たちの反応を想像したり。とにかく映画の外のことばかり気になってしまった。「うんこじゃねえか!!」には大爆笑したが。父親の問題は男としての自信を取り戻すことで解決し(むちゃくちゃな取り戻し方だが)、母親の問題は女であることの確認を得て解決し、子供たちの問題は親の問題をクリアしたことで解決する。たんまりとありすぎた諸問題は全て両親から派生していた。実に簡単な構図(むりやりに簡単にしている)がこのナンセンスエログロ映画をちょっとだけ哲学チックにしてみせている。ほんのちょっとだけ。[DVD(邦画)] 6点(2009-06-03 16:38:31)

287.  自殺サークル 54人の女子高生たちが「いっせいのーせ!」と手を繋いで地下鉄に飛び込む。この壮絶な画を撮りたかっただけの映画、だったとしてもだからダメってことにはならない。映画は本来、見せたい画がまずあってそこから物語が作られるほうがいいに決まっている。見せたい画ができたから物語を変更するのだってアリだ。「物語」ありきの映画より「画」ありきの映画のほうが、、というより映画は「画」ありきでなきゃいけない。しかし園子温監督は実は「画」よりも「物語」よりも「思想や哲学」が先にある人なんじゃないかと思ってる。「思想」を表現する手段として「画」があり「物語」がある。作品自体が園子温なのだと言ってもいい。特に初期作品はその傾向が強いと思われる。で、集団飛び込み自殺のシーンだが、このシーンはやっぱり「画」が「思想」を超えている。「画」を見せることの魅力に負けているというか、それが映画作家のあるべき姿なんだろうけど、そのことで映画的であっても園子温的ではないように思った。というかこの人はこの後に「映画」と「園子温」が混ざり合った独自のワールドを作り上げるのだが、この作品はまだその混ざり合いを試行錯誤している段階の作品なんだと思う。いや、面白いのは面白かったんですけどね。でも続編はもっと面白いです。[DVD(字幕)] 6点(2009-04-30 11:39:29)

288.  丑三つの村 田中登のエロと奥村和由のバイオレンス。クライマックスの怒涛のバイオレンスの見た目の派手さはなるほど奥村で、なかなかに盛り上げてはくれる。しかしそこにいくまでの因習に満ちた閉塞感と同居するエロスにこそこの映画の醍醐味がある。もちろん田中登の仕事である。この田舎に住む女たちはいわゆるメスである。男はオスであったり家長であったり兵隊であったりするが女はメスだ。戦中であること、田舎であること、そして監督が田中登であることで女はメスでしかなくなり、閉鎖的因習に塗れた歪んだ世界を増徴させてゆく。この時代の、戦争へ行くということ。行けないということ。そして「死」。それらが歪んだ世界にいる男の中であるものを作り上げてゆく。決行に当たっての緻密な準備はまるで『タクシー・ドライバー』のデ・ニーロだ。いや、この描写に限らず歪んだ社会とそこからの孤立、そして凶行への流れまで同じではないか。しかしニューヨークにあまりにはまるジャズに対し、こちらは・・・なんなんだ、この80年代の臭いプンプンの音楽は。[ビデオ(邦画)] 6点(2009-04-22 15:36:47)(良:1票)

289.  新幹線大爆破(1975) 新幹線が爆破されても炎と煙の中からスローモーションで出てきそうなソニー千葉ちゃん。深刻な表情を大袈裟に表現できる宇津井健。二者二様のオーバーアクト俳優に、いつもなにかうじうじとしたものを内に秘めながらいろんなものを背中に背負い込んでる高倉健。俳優の持つ色をそのまま出させて、オールキャストを堪能させる。走り続ける新幹線に訪れる、正にノンストップな危機をスリリングに回避してゆくのだが、この手に汗握るサスペンスに先に書いた濃厚で熱い演技が加わることで特撮のショボさをやり過ごさせる(いや、マジで)。素晴らしい。犯人グループの背景をチマチマと語るところでどうしても停滞してしまうのが勿体無い。語ったところで社会派になってるわけでもなし。『サブウェイ・パニック』のようにそこは省いたほうが絶対面白い。[DVD(字幕)] 6点(2009-04-01 14:13:47)

290.  雨あがる この夫婦こそが理想の日本人夫婦。などと思われる人も多いのかもしれないが、私の場合はこの人の良さがどうもわざとらしく思えて仕方がなかった。いい子ぶりっ子。傍から見てもいい人にしか見えないのに、遠慮しがちな振る舞いがわざとらしく、正直うっとうしい。黒澤明の遺稿と聞いてこのわざとらしさに合点。まるで舞台劇なのだ。黒澤明が監督してたらおそらくもっともっと舞台劇風になってこのわざとらしさがかえって活きてくるのだと思う。でも小泉監督の優しく繊細なタッチは黒澤脚本を活かしきっていない。脚本を小泉監督の思うままに改変したほうが良かったように思う。それほどに画面からは黒澤監督には到底出せないであろう優しさが溢れていた。雨上がりの空気の美しさに気付ける人生は素晴らしい。という人生賛歌の映画。[DVD(邦画)] 6点(2009-03-18 14:16:23)

291.  愛を乞うひと 《ネタバレ》 子を持つようになっての実感として「母」ってずるいなと。どんな母でも子は母にこそなにかを求めている。父はどう頑張っても母にかなわない。10ヶ月も母と一体となっていたのだからかなうわけもないのか。この映画で、子は自分を虐げ続ける母にそれでも「かわいい」と言ってもらいたかった。そのことが語られるシーンはあまりにもテーマを直接に語りすぎてはいまいか。とも思うが、子がそのことを母の前では一切口にせず、それどころか主人公は心の内をけして誰にも語らず、そのうえでラストシーンで初めて吐露する本心は、本心の内容よりも初めて本心が口から出ること自体に感動がある。原田美枝子の二役もさることながら二つの時代を戸惑わせることなく行き来する語り口は絶品。惜しむらくは虐待の原因を示すようなエピソードや言葉や原田の表情。そして虐待ではなくより視覚的にインパクトを得ることができる暴力こそを見せた演出。暴力は虐待の一部であって虐待そのものではない。例えば『長い散歩』(奥田瑛二監督)の高岡早紀が子に行う虐待はまさに虐待だった。ちょいとドラマチックに仕上げすぎた。 まあ、とにかく母はずるいってことだ。そもそもお前らの元は父の体で作られたんだぞ。なんの話や。[ビデオ(邦画)] 6点(2009-03-16 16:55:10)

292.  のんきな姉さん 現在と過去、さらには虚実が入り乱れてゆく構成が面白い。不思議とややこしいとは思わなかった。過去である墓参りの回想シーンから現在のはずの姉のいる会社と携帯電話で繋がる弟のいる雪原シーンに戻ると、現在のシーン全てが虚構にまみれて見えてくる。もしかして現在は精神世界、あるいは死後の世界だったりするのかもとか思った。現実味を帯びているのは過去の場面ばかりだ。過去の窓から射しこむ眩しいくらいの光に対して現在の二つの場所には光が無い。一見オフィスでのやり取りは現実的に見えるようだが、三浦友和のすっとぼけたキャラは別の意味で現実離れしている。何もかも、本当に何もかもお見通しの課長なんているはずないのだ。なかなか味わい深いこの映画の中で唯一にして決定的にダメだと思ったのがヒロイン。色気ない。顔がキャラと合ってない。演技がぎこちない。そしてなにより美しくない(美人じゃないってことじゃなく)。ハダカがないことからも全て意図的なのだろうけど。[DVD(邦画)] 6点(2009-02-25 17:03:39)

293.  おとうと(1960) 《ネタバレ》 姉というより母だ。父母それぞれの事情により姉が母とならざるを得ない状況が映される。その環境は同時に弟をわがまま放題の子供にしてゆく。姉はいっそう母になる。説明するほどのこともないから説明しない。状況の描写が的確にされているから説明がいらない。こういうことを普通にするのが巨匠といわれる人。しかし市川崑ゆえか岸恵子ゆえか、はたまた原作ものゆえか、姉が母ではなく女を見せるシーンがあるのだが、全く色気がないってのがどうも・・。映画的には弟への愛にエロティックさが現れても面白いかも。でもそれ以前に色気がなさすぎる。ラストの悲しい流れを断ち切るようなきりりとした動きは意表つかれました。弟がいなくてももう母でいることに慣れた自分を捨てられないってことなのか。[DVD(邦画)] 6点(2009-02-23 17:26:01)

294.  影武者 たまたまテレビをつけたら信玄の骸を入れた瓶を湖に捨てるシーンだったんだけど、ただ朝靄のかかった湖が映されているだけのその画を見てすぐ黒澤明の映画だなと思った。前に観てるからとかではなく、そのだだっ広い湖一面を覆い尽くす朝靄の人工的でありながら嘘っぽくない、美とリアルを同居させた画づらと、このなんでもないシーンをたっぷりじっくり堂々と映し続けるその迷いの無い画面の厳かさに黒澤明を感じたのだ。そうして見ると全てのシーンにものすごく時間とお金をかけていることが伺えてシーンごとにため息が出てしまう。撮影時を想像して感動するなんて映画の見方としては適当ではないだろうけど、間違いなく画の中にそれらは現れている。カラーになってからの黒澤時代劇は絵画的な芸術色を濃くしているように思うが、それらが顕著に表れる合戦シーンなんかはさすがに圧巻の画の連続。一方、その反動か、人が会話をするシーンがどうにも浮いて感じてしまう。外国人のためなのかもしれないけど 説明セリフも多い。[DVD(字幕)] 6点(2009-01-14 12:08:43)

295.  片腕マシンガール 映画が始まる前にパンツ1丁の監督によるこの作品の正しい鑑賞方法の説明が映されてそのおバカさに和む。映画冒頭いきなりのド派手なスプラッターアクションもこの和みとのギャップに大いに盛り上がり、和みのおかげで大袈裟な血しぶきもある意味ギャグと割り切れたような気がする。お話は単純で小気味良い。子供向けヒーローものにありがちな展開にギャグすれすれの残酷描写を入れただけで、その部分は全然面白くないのだが(天ぷらにされた腕には笑ったが)主演の八代みなせが見事に激写されていて実に興奮、いや感動した。髪の毛の乱れ具合とか顔の汚れ具合とか苦悶の表情のアップとか怒りの表情のかっこよく映る絶妙な角度とか実に監督のフェチ度が活写されている。体操着姿はアップではなく引いた画でとらえられるのはその場所が体育館であったり背景に校舎が映されていることが重要だから。コダワリに妥協が見えない。そして見えそうで見えないチラリズムの極意とちょっとだけ見せちゃうサービス精神がまた嬉しいではないか。何かを撮ることに長けた人ってのはその何かのオタクでなくちゃいけないのだろうと思った。[映画館(邦画)] 6点(2008-12-11 15:42:08)(良:2票)

296.  ICHI 綾瀬はるかがめちゃくちゃいい。通常ならごまかし以外の何者でもないスローモーションとカット割で仕上げた殺陣がすこぶるカッコイイのは綾瀬はるかの顔のアップがあるからに他ならない。特に目が美しい。真正面の度アップもいける。正直、二度目三度目の殺陣シーンとなるといいかげんちゃんと撮れよとか思ったが。一方綾瀬と同じくらい主役扱いの大沢たかおがかなりうざい。役どころが。なんだけど、正直、顔までもうざく感じる(他の作品では全く思わないのだが)。マンガチックな強面獅童はまずまず良かったと思う。最後はイマイチ盛り上がらず。綾瀬を見くびったシナリオが悪い。でも満足。スクリーンに映える顔の日本女優を久方ぶりに見ることができたから。[映画館(字幕)] 6点(2008-11-26 13:05:45)

297.  ブラインドネス 《ネタバレ》 この映画はただ単純に「まわりにいる全ての人間から視力を奪ったらどうなるか」だけを見せる。その原因を追究もしないしそこに至る恐怖も描かない。あまりに非人道的な収容所(病気の研究も何もなされないし、防護服の介護者もいない)が現実離れしていてついていけない所もあるんだけど、これも「人間から視力を奪ったらどうなるか」を分りやすく見せるための道具立てにすぎない。この徹底振りがいい。「見えない」というより「見られない」世界の凄まじきこと。そんな中でメッセージめいたものが散見される。収容所内のキングを名乗る男の食糧配給のルールはまさしく資本主義を劣悪にしたものだ。奪取する者とされる者という構図をもって資本主義批判をしている。またこの男をイメージだけで黒人呼ばわりしながら黒人を白人と勘違いしている男の描写は、目で見て判断することがいかにいいかげんなものかを語っているようでもある。たまたま聴いたラジオでのこの映画の案内で「登場人物に名前が無い」とあったが(たしかに無かった)、名前には人種やら出生のなんやかやが込められている場合があるので、「見えない」=「本質を見る」という構図を作り上げるには名前は邪魔だったのだろう。まあ、このメッセージのためのドラマを限られた尺の中で見せるには強引に感じるところもあるんだけど。一人を除いて皆聴力を頼りにしているせいかやたら音がガチャガチャと目立っていた。ついつい私も劇中、目を閉じてみようとしてしまったが、映画で目をつぶるのはおかしいということに辛うじて気付いてやめた。それほど音が印象付けられていた。[映画館(字幕)] 6点(2008-11-25 12:12:27)(良:3票)

298.  こま撮りえいが こまねこ 《ネタバレ》 こま撮りとは思えないスムースな動きに驚いた。映画内映画がはっきりとこま撮りなので余計にそう感じたのかもしれない。光も室内と屋外の差はもちろんのこと、朝と昼にも差がちゃんとあるし、光の当て方でこまちゃんをより立体的にも見せている。こまちゃんのおじいさんはどうやら映画監督だったらしくおうちには猫型オスカー像がありました。映画ポスターも貼ってあったんだけど、じっくり見たいなあ。物足りない点はマジメに子供向けなのはいいんですが、ちょっと毒がなさすぎってところ。こまちゃん、純粋すぎ。その中でラジ坊とカラスの対決に見るラジ坊の良い子を装った策略の毒気がなかなか良い。子供はこうじゃなくっちゃ。[映画館(邦画)] 6点(2008-10-28 13:12:27)(良:1票)

299.  大いなる幻影(1999) 《ネタバレ》 『ニンゲン合格』同様に、生きることの根源としてある自己の存在価値についての葛藤が描かれているのだと思う。女はカーテンで隠された郵便窓口で働く。外部との接触を阻まれた世界で外部との接触を切望しているふうでもある。彼女の地図に日本は存在しない。自分が今いる場所において自らの存在を確立できずにいる。男は対人関係のわずらわしさから逃れるためにあえて自ら存在を希薄にしてゆく。この世界に存在すること自体に苛立ちを持ちはじめる。そして本当に体が透き通ってゆくのだ。恋人たちが公園で遊ぶ。男と女のあいだをボールが行き来する。ボールを通してそれぞれの存在を確認することで女は喜び男は苛立つ。そういった構図はなんとなく理解できるのだが、なんとなく意味ありげなシーンに埋め尽くされた映画は大きな展開があるのかないのかすらよく分からないままに淡々と静かに過ぎ去ってゆく。ちょっと厄介な映画。これもまたずいぶん前に観たものだが、再見の意欲が湧かずにいる。観たら観たで何か発見できるかもしれないのだが。ラストは唯一大きな展開を見せてくれるので安堵と混同した感動がある。郵便窓口の境界線を突き破って女は自らの位置(存在)を確立する。男は存在を消してしまったにもかかわらず存在を消した状態ごと女が受け入れたために存在を消した男として存在するという存在証明を手にする。書くとややこしいな。まあ、どうとでもとれる映画でもある。[ビデオ(邦画)] 6点(2008-10-24 16:39:04)

300.  うなぎ いつからか邦画というと、ストーリーはマジメに進行しながらも何気にコメディタッチというものが多くなったような気がする。シリアスな中にユーモアが顔を出すといったものじゃなく、あくまで全編でコメディタッチ。この軽さがどうも苦手で、この作品もこの系統に属すると思うんだけど、他の多くのこの系統の駄作とは異なりコメディの部分にあざとさがなく、ちゃんと作品の世界に馴染んでいる。「軽い」というより「ゆるい」。このゆるい感じを損なうような無理な笑いとか無理な感動とかは入れない。ゆるい笑いとゆるい感動があるだけ。この押さえ加減が良い。今村監督の初期作品のようなエネルギッシュさは無いかもしれないが、こういうのもたまにはいい。[ビデオ(邦画)] 6点(2008-10-10 16:54:45)

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