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プロフィール
コメント数 3885
性別 男性
年齢 53歳

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361.  日本暴力団 殺しの盃 日本暴力団シリーズ、4作目にして早くも最終作。今回の鶴田浩二、サラリーマン風のネクタイ姿で、何となく冴えない風貌、なんですけどね。でも一応スゴ腕、らしい。 で、セリフは大阪弁。だもんで、少々聞き取りづらい。もちろん、大阪生まれの私が「聞き取りづらい」と言うのは、要するにあまり上手くない、ってことですが。相棒の大霊界こと丹波哲郎もまた、同様。でも、このたどたどしい大阪弁を交えつつトーストを分け合う2人を見ていると、ちょっと微笑ましい。そしてやっぱり冴えないサラリーマン風。それにしても大阪人のくせに、食パンと言えば5枚切りじゃないのかね(いや、時には4枚切りだって食べたくなるんです)。 それはともかく。監督変われば作品も変わる訳で、もうひとつ残念な出来だった3作目に対し、この4作目は降旗康男がメガホンを取ってて、するとどういう訳か、「日本暴力団」なのにちゃんと「男と女のドラマ」になっている、という不思議。男の意地と我儘があって、女の意地と一途な想いがあって、そうすると、「ヤクザ映画のラストはやっぱり殴り込みでしょ」という常識も、ああ、こんなクライマックスがあり得たのか、という驚きと感激に、早変わり。 のみならず、脇役では、これまた一途で、いかつい不器用さ故に観る者の心を打ち、またドラマにも波乱を呼ぶ山本麟一の存在が、とりわけ光っていて。 物語自体は、ナントカ組とかナントカ会とかが色々と登場して、正直、細かいところはよくワカラン(=面倒くさい)部分もあるのですが、別に隅々までワカラなくったって、充分に楽しめ、充分に感動的。おそらくは「組織」というものを描くことへの意識からか、画面上にやたら大勢の人物が収まっているショットが頻出するのですが、だからこそ、最後は「男と女」の二人へと収斂していく様が、印象的だったり。 いい映画です、これは。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-06-01 19:51:16)《改行有》

362.  日本暴力団 組長くずれ 4作で打ち止めとなった日本暴力団シリーズ、監督名を見るとなかなか豪華だったりするのですが、この第3作だけ、監督さんの知名度がぐっと落ちます。これでオモシロかったら超拾いモノなんですけれど、そうは問屋が卸しません。 主役の鶴田浩二は例によって例のごとく、カタギになってバーの経営者みたいなことをやっており、相変わらず折り目正しく、相変わらずダンディなのですが、その一方で映画の方はだいぶお色気路線が入って来てて、まずこれがどうにもミスマッチ。 ミスマッチがミスマッチで終わらなければ、これはこれで妙味ともなりうるのかも知れませんが、残念ながら、「単なるミスマッチ」止まり。 山本麟一や待田京介も、いくらでもドラマを盛り上げられそうな役柄なのに、イマイチ見せ場を作らせてもらえず。しかしそれ以上に、雑魚キャラぶりに驚かされるのが、若山富三郎。色仕掛けにコロリとやられてしまうエロ親父ながら、それが笑いにも何にも繋がることなく、アッという間に退場してしまいます。 クライマックスはちゃんと「単身殴り込み」をやってくれますが、通り一遍、という印象。せめてラストシーンの雨くらいは雰囲気出てたらいいんですけど、これがまた、ホースでまき散らしたみたいな雨なもんで・・・[CS・衛星(邦画)] 4点(2020-05-11 20:26:05)《改行有》

363.  座頭市鉄火旅 《ネタバレ》 仕込み杖の刀に寿命がきて、もうあと一人切ったら、折れてしまう、という設定が、劇中で無闇に殺陣を演じることへ制約を与える一方で、シリーズに新たな色合いをもたらしています。刀の秘密を知るのは、座頭市と東野英治郎演じる刀匠、ただ二人。周囲は「これがあの座頭市か」と一目置いておべっかを使いまくり、しかし実際にはあの刀にはもはや頼れない、という、何とも言えない居心地の悪さ。 一方で、悪玉の親分がしゃべろうとするのを、マッサージ中の座頭市が首を振り回してマトモにしゃべれなくしてしまう、なんていう悪乗り気味のギャグをかましたりもして。 東野英治郎との関係も作品に微妙な変化を与えていて、座頭市は彼のことを信頼しているようだけど、ホントに信じていいのかどうなのか。「これは師匠の作だ」とか言って仕込み杖を借りたはいいけど、もしかしてそのままパクろうとしてるんじゃないの、とか。でもこれがしっかりと、重要な伏線になっている。 クライマックスでは、新たな剣を手に、ここまでのうっぷんを晴らすかのようにダイナミックな殺陣が繰り広げられます。本作の音楽は、伊福部昭ではありませんが、怪獣映画のような音楽をバックに、ノシノシと路地裏に踏み込んでいく座頭市の姿は、迫力ありまくりです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-05-06 17:45:59)《改行有》

364.  暗殺教室~卒業編~ 《ネタバレ》 いやー面白かった。と自分が言うとは、見始めた段階では夢にも思わなかったけど。 前半の、背中から触手を生やした女生徒がニコチャンマークみたいな先生と戦う場面。空を飛んでいるのやら、宙に吊るされているのやら、よくわからない空中戦が、CG一辺倒ではないダイナミックな戦いを演出します。 男子生徒同士の格闘シーンでは、これでもかと風が吹きまくり、これでもかと枯れ葉が舞って、よくわからんがこれもとにかくダイナミック。 一方で、ニコチャンマークのせんせーの指の、クネクネとした、しっとりとした動き。先生がまだニノだった頃、ガラス越しに桐谷美玲と触れ合う、光の手なんかもそうですが、うん、派手なシーンばかりがCGの見せ場じゃ、ないんですよね。 もちろん、派手なシーンもしっかりやってくれるのが、クライマックス。ここも、実写の派手な爆破シーンがあって、その上でCGモンスターの戦いへと突入する。あれやこれや伏線もここで回収されて、なかなかの盛り上がり。 ふざけた顔のせんせーが、一瞬、怒りの表情になるのは、お約束みたいなものかも知れませんが、ラストは再び、ふざけた顔とふざけた声の陰に感情を押し殺し、その分、周囲の感情を揺さぶって、感動を呼びます。[地上波(邦画)] 8点(2020-05-06 15:43:30)《改行有》

365.  翔んで埼玉 とことんバカバカしい設定でオブラートにくるんでいるけれど、差別というかなり微妙なテーマを含んでいて、「誰がみてもこんなのウソに決まってるでしょ」という作りになっているとはいえ、製作陣も結構、気を使ったのではないか。と(いや、実際には大して気を使ってないかも知れませんが)。 そういう訳でこれは、弾圧の映画。そして革命の映画。バカバカしくとも、あの埼玉ポーズ(とでもいうのか)のやり取りには、なかなか引き込まれるものがあります。そして、川を挟んで群衆同士が睨み合うシーンの、あの熱さ。バカバカしいけど。 それにしても、その革命の先頭に立ってる連中ってのが、どうみても、ホントに革命が起きたら真っ先に処刑されそうな連中なんですけどね・・・そういうのを含めて、他では絶対に見られない映像の数々。これは、映画革命か。 それにしても、これは映画とは関係ないけれど・・・過去、大災害に直面した日本人が、互いに協力し手を取り合ってそれを乗り越えようとしてきたその一方、新型コロナウィルス危機を前にすると他者に対する忌避がたちまち排斥や差別に直結してしまい、やはりまだまだ日本人は「ケガレ」の概念からくる差別意識に捉われているのだな、と思う次第。[地上波(邦画)] 7点(2020-05-04 16:18:50)(良:1票) 《改行有》

366.  カイジ 人生逆転ゲーム 《ネタバレ》 SLAVEカードを何番目に出そうと、要するに、自分がSLAVEを出す時、相手がCITIZENカードを出したら、SLAVE側の負け(※)。 なので、SLAVE側が負ける確率は4/5 3回やって、3回とも負ける確率は、4/5 × 4/5 × 4/5 = 64/125。 引き分けは無いのだから、3回やってSLAVE側が1回は勝てる確率は、1 - 64/125 = 61/125。 なので、61:64でSLAVEがわずかにEMPERORより不利とは言え、まあ、トントンと言っていいでしょう。 これでレート10倍、だそうですから、期待値としてはSLAVE側が圧倒的に有利。むしろ美味しすぎるのでは? という説。 ⇒興味のある方は、「サンクトペテルブルクのパラドックス」ってのも、調べてみてください。 それにしても石田のおっさん、どうしてあんな土壇場の平均台の上で、長々と身の上話を始めてしまうのか。これじゃ、(本人は「足が震える」などと自己申告してるけど)余裕があるんだか無いんだか、よくわからない。身の上話って、映画の中のもっと早い段階(明らかに余裕のある段階)でしておくべきでしょう。そうすれば、「身の上話をした段階から平均台の上まで」が、我々にとって、「このヒトには死んでほしくない」と思える時間になる訳で、その時間をたっぷり取ることができたはずなのですが(意地の悪い人は、「死亡フラグ」と呼ぶのでしょうが)。 もしかしたら、作り手もそんなことは百も承知で、でも映画の中にそんなマッタリした時間帯を作る訳にはいかぬ、テンポよく物語を進めねばならぬ、ということなんでしょうか。でもそのせいで、おっさんは、何の余韻も残さず映画から消え去り、何の印象も残さず我々の意識から消えていく。 それにこのシーン、風が吹いて危機一髪、ってんなら、旗か何か、強風を表現するものを画面に配置するような工夫があってもよいと思うのですが。 (※)自分がSLAVEを出す前に相手がEMPERORを出して終了しちゃうケースも、ここに含みます。もしも終了せずにゲームを続行すれば、「自分がSLAVEを出した時に相手がCITIZENを出す」ケースに該当することになるので。[地上波(邦画)] 4点(2020-05-04 15:12:28)(良:1票) 《改行有》

367.  ねらわれた学園(1981) 《ネタバレ》 大林監督が亡くなったということで、追悼企画として何ぞテレビ放送があるだろうと思ったら、いやはや、よりによって『ねらわれた学園』を放送してくるとは、何というチョイス・・・しかし、では大林作品の中で代わりに何を放送したらよかったのか、と言われても、正直、心当たりは無いんですけどね。 アイドル映画は安っぽくてよい、というより、アイドル映画たるもの安っぽくなければならぬ、という流れを作った、ある種エポックメイキングな作品ではあります。アイドル映画の魂は非日常感・非現実感にあり、ってことなんでしょうが、しかし見ている側としては、このムチャクチャな特殊効果と素っ頓狂なカメラワーク(冒頭のコマ落としだとか、剣道場の地べたを走りまわるカメラだとか)を、「非現実感覚」と捉えてよいのか、単なる「激安風味」と捉えてよいのか。まさに両者紙一重。ヘンテコなカーチェイスもどき&クラッシュシーンが唐突に挿入されるあたりにも、夢と安さが炸裂しています。 公園で主人公たちが会話する場面、カメラは彼らそっちのけで、公園につどう若者たちやジャズバンド(何でこんなところで演奏してるの?)ばかりを追いかけて、おいおい、撮っている側が全然会話に興味ないんじゃないの、と。作り手は撮るのを楽しんでるけど、その分、ストーリーがそっちのけ。そっちのけというより適当。というより迷走。 物語は原作のジュブナイル小説からだいぶ改変されていて、「主人公の関クンが準主役にまわって、薬師丸演じる女子学生が物語の中心」なんてのは序の口中の序の口。高見沢みちるが転校生という設定に変えられたのは悪くないけれど、彼女をクラスに紹介する際の教師のセリフが「突然、我が校に転校することになった」ってもヘン。だけどこれも序の口。敵の総帥・京極クンの代わりに登場する峰岸徹、これがもう、目も当てられないナゾの銀ラメ男。こんなムチャクチャやって、原作者に怒られても知らないぞ、と言いたいところだけど、肝心のマユタク先生自身が作品に出演されているので、完全にお墨付きなワケです。大らかというか、何というか。 で、何だかワケのわからないこの峰岸星人、いったい何者かと思ったら、「はるかかなたの金星からやってきた」だってさ。まさかそんなご近所さんだったとは。ここまで姿かたちが浮世離れしてるんだったら、いっそガミラス星かどこかもっと遠くの星から来てて欲しかったぞ。 映画後半、峰岸星人が上半身裸になると、お腹には巨大な眼が描かれていて、さらには画面にさまざまな色彩の光があふれる。どうやらコレ、要するに、大林版「2001年宇宙の旅」なんだなあ、と。 そういう理解でよいのかどうか。 あと、どうでもいいですけど、出演者の中に、大林監督の娘さんもいましたね。[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-04-29 20:48:21)《改行有》

368.  シコふんじゃった。 《ネタバレ》 もう、鉄板、ですね。 まずタイトルが秀逸で、単なるダジャレと言えばそうなんだけど、そもそも「相撲」という単語をストレートに使ってない(けれどテーマは一目瞭然)ってのがウマいですね。しかもラストでこれを、一種のオチとしてしっかり「回収」する、という念の入れよう。 会話シーンを正面からのショットで描く場面があって、周防監督らしい小津安二郎へのオマージュか、と思いきやそれにとどまらず、この手法は相撲の仕切りのポーズを正面から捉える場面にもちゃんと繋がっていて、妙な納得感があります。 しかしこの仕切りのポーズは、正面からのショットよりも、劇中に何度も登場する斜め前からのアップ(構えのポーズでちょうどフレームに収まる)が、素晴らしく印象的です。モックンはもとより、妙に汗だくの田口浩正までが、この瞬間は輝いています。 でも、輝いてるったって、相撲部に入部した留学生にも語らせているように(あるいは竹中直人以外の登場人物がマワシのことを“ふんどし”と呼ぶように)、「なんでこんな、ケツ丸出しの恰好しなきゃいけないんだ」っていうのが基本的にあるワケです。不本意にも相撲を取らされ不本意にもマワシ姿になっている場合には、ちょっと哀愁のこもった滑稽さ、があるんですね。あるいは滑稽さの伴った哀愁というべきか。 それが、本気度が増すごとに、輝きが増してくる。竹中直人はあくまでお笑い担当として、滑稽さと哀愁とを随所で思い出させてくれるけれど、次第に違和感がなくなり、相撲の魅力というものが映画の中に浮かび上がってきます。 因縁の相手・北東学院との死闘(?)がクライマックスになってて、終盤の「入れ替え戦」のくだりは、別に無くっても物語としては成立してるんだけど、あえてダブルヘッダーな構成で試合シーンを盛り沢山としてくれる大サービス。しかも、ここでは新たなアイデアも投入されており、本日医科大(だっけ?)の連中がテーピングでグルグル巻きだったのは単なる小ネタだと思ってたら、実はここに繋がる伏線だった、ってのが、実にお見事です。 それにしても、応援団の歌っている歌、なんでレナウンのCMソング(の替え歌)なんだ?と思いつつも、今となってはホント、懐かしいですね。日曜洋画劇場の裏・テーマ曲みたいなもんでしたから。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-04-25 03:22:43)(良:1票) 《改行有》

369.  ハード・コア(2018) 《ネタバレ》 こういうの見てるとつくづく、時間の流れってのはこの世の中、一定でも何でもなくって、人によって明らかに「違う時間」を生きてるなあ、と。そういう時間の淀みみたいなものが、よく出ています。 青臭く、そして懐かしくもある、自意識の泥沼。奥手だから生真面目で、生真面目だから奥手で、正義感だか言い訳だかわからないものに縛られてて、でもしっかり性欲にも縛られてて。そこには「解は無い」んですけどね。 で、こんなヒトたちだから、たとえ生活の中に超高性能スーパーロボットが現れたところで、もうどうしようもない訳で。ロボットは結局は何もしてくれないし、何も変わらない。せいぜい、できるのは「退場すること」。ロボットができるのは、その手助けだけ。 やけに、タバコが、印象的でした。[DVD(邦画)] 7点(2020-04-15 20:54:22)《改行有》

370.  海峡 高倉健と吉永小百合、二大スターを主役に据え、青函トンネル工事という題材にかこつけて実際は二人の男女の恋愛を描いた人間ドラマ・・・かと思ったら、これが正反対。壮絶な工事の模様を描いたスペクタクル路線の映画で、もう、小百合さんなんかそっちのけ。物語の発端から関わってくる三浦友和なんて、普通ならかなりのキーパーソンのはずなんですけれども、惜しげもなく雑魚キャラへと追いやられてしまってて。かろうじて「オヤジ」こと森繁久彌は、存在感を出すことを許されておりますが、まあとにかく、トンネル工事の映画です。ひたすら、湧き出てくる水との戦い、かなり大がかりなセットを組んでいるようですが、実際のトンネル工事現場でのロケ撮影もあるのでしょうか、とにかく臨場感はかなりのもの(実際の工事中に映画が製作され、映画の中でトンネルが貫通してから間もなく、実際のトンネルも貫通)。 トンネル内だけではなく、吹雪などの厳しい大自然もみどころで、『八甲田山』ふたたび、といった趣きも。いい「画」をとるためならば、たとえ火の中、水の底。俳優もスタッフも体張ってます。シケの中、小船が荒波にもまれているシーンからして、かなり危険な香りが。 終わりの方の居酒屋で、健さんと吉永小百合が二人きり、ここだけとってつけたように恋愛ドラマになってて、ちょっとヘンなんですけれども、それよりも、トンネルが貫通して涙する健さんに、猛烈に違和感を感じてしまうのは、何なんでしょうね。健さんだってそりゃ、泣くときもあるんでしょうけれど。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-04-06 20:59:33)《改行有》

371.  寄生獣 完結編 私、ほとんどマンガ読まないんですけど、この「寄生獣」は大学時代の研究室に先輩が買ったのが転がってて、夢中で読みました。コミック最終巻の発売は先輩の卒業後だったので私が買って寄贈してきましたが。 で、当時は「まるでターミネーター2みたいだけど、コッチの方が面白いんじゃない?」ってな会話を周囲としていた程度だったんですが、私が認識していなかったのは、実は「ターミネーター2の公開より、寄生獣の連載開始の方が、ずっと先だった」ってことなんですね。この映画化にあたって、後藤さんとの対決シーンの舞台を紅蓮の炎の中に設定したのも、何やら意味ありげ、まるで「マンガ」と「ハリウッド」を両方、ここに取り込もうとしているかのような。こういうアレンジは賛否両論あるとは思いますが、劇的な盛り上がりとなっていて私は結構、好きです。映画化にあたっては、2本分の尺を使いつつ、取捨選択しつつも、全体としてはやや原作に引きずられ過ぎ、盛り込み過ぎで、少し消化不良な感じもあるんですけれど、でも、1作目もこの完結編も、ここぞという場面では大胆にアレンジを加えて、映画ならではの見せ場になってます。 ただ本作、ちと後藤さんに冷たくないですかね。もうちょっと活躍させてあげて欲しかった(笑)。三木さんの挙動不審が印象的なのは、これはどうやらホントにヤクをやっていたみたいなので、とても太刀打ちできませんけれどね。でも、作品自体の関心が、我らがヒーロー・後藤さんよりもむしろ、しがない親父・倉森の方に向かっているようなところがあって。「倉森vs田宮」が、一番のクライマックスでした。[DVD(邦画)] 7点(2020-04-04 14:31:57)《改行有》

372.  パパはわるものチャンピオン 製作委員会に新日本プロレスと親会社のブシロードが名を連ねており、要するにこの企画、映画をダシにしてプロレスやりたいだけなんでしょ、とか思っちゃうのですが(実際、新日の選手が多数登場してプロレスを披露するのですが)、これが意外に、ドラマ部分がたっぷり盛り込まれていて。正直、もっとプロレスを観たかった、という気が。ははは・・・。 ドラマ部分が多いのはいいんですけれども、「わかりやすさ」重視のあまりに、いささか描写がクドい。これがちょいと残念。ちょいとゲンナリ。「ああ、さっきのエピソード、さっきのシーンが、ここに繋がるのね」ってのは、見てりゃ誰だってわかるのに、いちいち、わざわざ、それを回想シーンの挿入で「復習」してしまう。だんだん、もう回想なんかしないでくれ!っていう気持ちになってくるのですが、それでも容赦なく回想シーンが連発されて。 だから、そんな回想シーンを挿入してるヒマがあったら、もっとプロレスシーンを入れてくれ、と。 あ、この映画見てると、プロレスファンが周囲から鬱陶しがられる理由が、少しわかりました。私は一応、気をつけているつもりなんですけど(←どこが?)。 それはともかく、回想シーンを減らすなど、もうちょっと、省略の美学みたいなものがあってもいいと思います。例えば、棚橋が凶器のスプレー缶を落とすカットがあり、すると次には落とされたスプレー缶のカットが挿入される。いや、どうせ「落とされたスプレー缶」を見せるのなら、「スプレー缶を落とす場面」そのものを見せなくっても、例えば「落とす音」だけでもよかったのでは?とか。 しかしそれでも何でも、クライマックスの一戦は、ドラマと並行して試合自体もしっかり描き、これを新日看板レスラー同士が演じていることもあって、なかなか盛り上がります。もちろんホンモノのプロレスの試合ほどではありませんが、これ以上のものを見たけりゃ、実際の試合を見ろ、って話で。 リングを後にする棚橋は、持ち前の大きな背中で、我々に無言で語りかける。こういうのもまさに、本物のプロレスラーが演じてこそ、のシーンですね。 それにしても田口はどうしてこうも、映画の中でノビノビ、活き活きとしているのか。まさに水を得た魚のような。「パパはどうして最近、プロレスの試合では変なコトばかりしてるのに、映画ではこんなに演技が上手なの?」「それがパパの天職なのよ」。なんてね。 天職はいいけど、転職までしないように。 あと最後に、どうせ新日が製作に関わってるんなら、実際のプロレス会場でお客さんにエキストラになってもらって、プロレス会場の観客の「群衆シーン」を撮影できなかったもんですかねえ。客席の暗さを利用してエキストラ数をケチったかのような、熱気の乏しい会場の描写、何だか貧相で残念でした。[DVD(邦画)] 6点(2020-03-29 07:14:27)(良:1票) 《改行有》

373.  愛と誠(2012) ミュージカルとしては、あの、その、まあ、何ですね、歌がやや苦手そうな方から、かなり苦手そうな方まで、イロイロと出演されておりますが。 ドラマに挿入される歌(懐メロばかり)と踊りが、ドラマの一部になってはおらず、むしろ「コイツ何やってるんだ」と周りが引いてしまっているのが、パロディめいていて。 もっとも、それを言い出すとすべてがパロディじみていて、少々悪乗りが過ぎる部分もありますが。主人公が周りにツッコミを入れるだけならまだしも、高校生役の伊原剛志が自分をオッサンと認めたりヅラかぶってる事を認めたり。そりゃそうなんですけどね(笑)。 しかし、それらのデフォルメされた登場人物たち(武井咲演じる早乙女愛の、この鬱陶しさたるや。絶品です)が、ドラマの中にピタリピタリと的確に配置されており、バカバカしいと思って見ていたはずが気が付いたら妙に納得してこの世界を受け入れている自分がいて。 ミュージカル部分がドラマの中で浮いているように、斎藤工演じる岩清水クンはこの物語の中で完全に浮いているのですが、ラストで彼が床の血痕を目撃したとき、まさに彼はそれを目撃するためにこそ存在していたこと、だからこそこの物語に不可欠の存在であったことを思い知る訳で。 映画全編、ガラ悪そうな人たちのドツキ合い取っ組み合いの連続ですが、スローモーションを交えるなどの変化をつけ、見せ場も盛り沢山。 しっかしコレ、PG-12らしいんですけどね。子供に何を指導しろってんですかね。見りゃワカルと思うんですけども。[ブルーレイ(邦画)] 8点(2020-03-22 21:07:20)《改行有》

374.  あゝひめゆりの塔 映画開始早々の運動会シーンで、登場人物たちの顔立ちも話し言葉も、その他何もかもが「こりゃ沖縄じゃないよなあ」という感じなのですが、製作は1968年、まだ沖縄が返還される前ですから、仕方ないっちゃあ、仕方ない。というよりも、女子学生の運動会に何とか忍び込みたい男子学生たち、それをたしなめる吉永小百合、なんていう日活青春テイストが、映画を観る人々と登場人物たちとの距離感を縮めるのには確かに必要なのかも知れませぬ。だから、冒頭の渡哲也にわざわざ釘を刺されるまでも無いだろう、とは思うのですが。 という、まず馴染み深い日常があって、戦火が近づきつつあることをナレーションが解説しつつもその実感はなかなか湧かないのですが、次第に不穏な空気が流れるようになり、やがて日常は、過酷な戦場へと変化していくことに。米軍による攻撃の描写が、いろいろ違和感を感じさせる部分も多いのですが、少なくとも、「日活青春路線の映画がここまでやるか」と思わせるだけのものはある、激しい描写になっています。一方で、吉永小百合は清純派でなければならず、清純派は演技がクサくなくてはならぬ、みたいなこの感じは、ちょっとどうなんでしょうね。むしろ「表に出さずに堪える」ことが感情表現につながる場合もあると思うのですが。 最初の方で、男子学生の列と女子学生の列が、それぞれ別の歌を歌いながらすれ違う場面、異なる歌が重なりつつ、さらにそこにセリフまで重なって、映画的なポリフォニーになっているのですが、その後も、卒業式の場面で「仰げば尊し」の歌声と砲声が重なったりとか、切断された手足が砲撃で飛び散った中に花が咲いているとかいった対比が織り込まれており、「平和vs戦争」という対立軸を強調しています。そういう意味では、戦争映画と青春映画とが本作の中で必ずしもうまく混ざっていないこと自体が、作品の欠点もありながら、一方では本作の独自性にもなっているように思われます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-03-08 12:42:23)《改行有》

375.  夜は短し歩けよ乙女 ホラー映画ならぬ、ホラ映画。デタラメがデタラメを呼んで、どこまでもホラが連鎖してきます。学生生活「あるあるネタ」の体裁でありながら、実際はほとんどが「無い無いネタ」ばかりという・・・。 デフォルメされたアニメーション、スピード感あるアニメーション、デタラメ極まり無い展開に、ワケわかんなくとも退屈しない。というか、退屈したくとも退屈しているヒマがないのですが、終盤はちょっとモタついた印象で、主人公ふたりの関係に主軸を置くなら確かにこれがクライマックスということになるのかも知れないけれど、正直、ソコは元々どうでもイイのであって。引っ張った挙句に最後、ああやっと夜が明けたか、とは思うものの、何だか印象の薄い普通の夜明けだな、とも。 京都=学生の街、ということで、同じ登場人物があちこちにグルグルと再登場するコミュニティの狭さがまた、学生生活っぽさを感じさせたりも。だもんで、基本的にはデタラメなのにどこか懐かしく、懐かしいけどワケがわからない。 まあ、この作品、「やったもん勝ち」みたいなところは、ありますね。[地上波(邦画)] 6点(2020-03-07 16:51:37)《改行有》

376.  スマホを落としただけなのに 《ネタバレ》 説明ゼリフ乱発で、演じている俳優さんたちも喋りづらそう、高橋メアリージュンは普通に演技がヘタなだけだと思うけど、他の皆さんについては、見ててちょっと気の毒にすらなってきます。テーマがテーマだけに、スマホ犯罪への心構えを説いた啓発ビデオを見ているような気分にも少しなってきちゃいますが。 そういった部分も含めてコレ、本当に、見ている人を怖がらせようという気があるんですかね?? ピントをワザと外してるんじゃないか、と思えてくるセリフと言動の数々。明らかに盗み撮りされた浮気(?)の映像を見て、相手をなじるのも結構だけど、そもそも盗撮が誰の仕業か気にならないのか? ストーカー疑惑をかけられたバカリズムが、自分は無実だと反発して腹立てるのも結構だけど、そもそも自分の成りすましが存在していることにそんな無頓着でいいのか? これではまるで、登場人物全員が、犯人の存在を知りつつも、わざとそれを無視しているかのような。 しまいにゃ、犯人と対峙するクライマックスで、犯人とは無関係な、自身の身の上話をトクトクと語り始める北川景子、ここまで犯人を無視してくれれば、もはやアッパレです。しかもこの時間稼ぎのお陰で、警察も易々と到着が間に合ってしまう、という展開、もはや「コワイ映画」にしようという気は、全く無さそうですね。 普通の映画ならヒロインが怯えるところであろう、遊園地における犯人との対峙シーンで、北川景子は途轍もなくキツく冷たい視線を犯人に投げかけ、この時点で犯人の存在感は半分以上無くなっちゃってます。母親に「私の人生を返せ」と言われ続けてきた犯人と、行きがかりとは言え結果的に他人の人生を奪った形となった主人公との差、みたいなもんでしょうか。犯人も、屋内で貞子スタイルをしている時にはそれなりに不気味でそれなりに存在感を出すけれど、女装が解けるとどうも調子が出ないようで。 だからこれは女性の映画なんだ、とか何とか、私も本気でそんなことを思っている訳じゃないのに、何となく中田秀夫監督というところから逆算してそんなことを書こうとしてしまう自分が、ヤだなあ、などと思ったり。[地上波(邦画)] 4点(2020-03-01 15:12:03)(良:1票) 《改行有》

377.  女子ーズ また つまらぬ物を 見てしまった・・・[CS・衛星(邦画)] 2点(2020-02-22 05:41:23)(笑:1票)

378.  祇園の暗殺者 近衛十四郎というヒトは、いつも暑苦しい程に自信マンマンの表情を浮かべている印象があるのですけど(表情というより、もはや「自信」が顔の一部になっているかのような…)、別にいつもいつもそういう訳ではない、というのがこの映画。 時は幕末、京の街では彼を始めとする浪士たちが、血も涙もない人斬りを繰り返している。で、今日も首尾よく(?)、ターゲットの家に乗り込み、見事仕留めたはいいけれど、押し入れの中に不穏な空気、戸を開けてみるとそこには、恐怖と驚きに顔を引きつらせた子供の姿が。で、この映画、何がポイントかといいますと、このシーンの子供の顔が、完全に「呪怨顔」なんですね。バッチリ時代を先取りしてます。この呪怨顔を見てしまったら、さすがの十四郎フェイスも曇ろうというもの。以降、主人公は罪の意識に捉われたか、ときに殺人の幻影に悩まされ、何かと調子が出なくなっていく。そして彼に訪れる暗い運命。 終盤の、狭く入り組んだ京の路地を舞台に繰り広げられる追跡劇が見どころで、ついには鴨川べりと思しき水辺に追い詰められるのだけど、それは作品の中盤でも描かれた暗殺パターン。因果はめぐる、といいますか。 人斬りがテーマながら必ずしもチャンバラに重きを置かず、代わりに呪怨テイストを絡めてきたのが、ちょっと異色な時代劇でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-02-22 03:41:41)《改行有》

379.  薔薇の標的(1980) パルプ小説風のハードボイルド。麻薬取引の場で組織の裏切りにあい、銃撃戦の末、舎弟を失い自らも獄中の身となった舘ひろしが、4年後に出所し、組織への復讐を誓うってのが映画のツカミ。逮捕後の彼を誰かがサポートしてくれていたらしいけど、それが誰かはわからないし、舘ひろしも気にしないまま、復讐への第一歩を歩み始める。 「安っぽい犯罪小説らしさ」という骨格が、アクション映画としてうまく生かされてます。すべてが刹那的、すべてが唐突で、物語の辻褄とか何とかいったものも二の次。主人公が危機に陥れば突然助っ人が現れる、などというご都合主義も、港に佇む舘ひろしが中島ゆたかをいきなり引っ叩く唐突さも、映画の起伏や推進力に大きな役割を果たしていて、我々を惹きつけます。前半やたら女優を脱がせたり、中盤で住宅街を舞台に無茶なカーチェイスを展開したり、なんてのも、一種のご愛敬、一種の映画の華。 舘ひろしと中島ゆたかの関係を軸にしつつ、主人公の仲間である内田良平のサブストーリーみたいなものもあり、チョイ役で特別出演の松田優作も含めて、登場人物がそれぞれに印象的。 音楽はハネケンさん、ジャズが物語にマッチして、虚無的なラストに至るまで、雰囲気がよく出ています。 魅力的な作品だと思います。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-02-11 09:27:32)《改行有》

380.  カイジ2 人生奪回ゲーム いくらなんでも、どうしてここまで、説明的、なんだろう。最初から最後まで、ことごとくが、説明。 それをわざわざセリフで言うか、というムダなセリフの連続。演じている俳優さんたちも好きなだけ熱弁をふるって、存分に「演技」しまくってます。 こういう仕掛けです、この後こうなるんです、等々、説明に説明を重ねた挙句、敵役の伊勢谷友介までもが誰も訊いちゃいないのに身の上話みたいなのを勝手に「語り」始めて、もはやここまでくると、ビックリです。[地上波(邦画)] 3点(2020-02-03 20:41:15)《改行有》

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