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361.  ゴジラVSビオランテ 《ネタバレ》  全く、この人達は、新生二作目でもう、リアリティを放棄してしまっている。 超能力を認める世界。なに言ってもこの一事で全てぶち壊しじゃないか。 この超能力者はビオランテとゴジラの意思を代弁するための人。つまり物語の困った部分を、強引に説得させる為の狂言回し。  ゴジラ細胞の兵器使用が、抗核バクテリアで、平和利用(というか趣味?)がビオランテのはずが、兵器の方はともかく、ビオの方は意図に反して人間を脅かす。示唆に富んでいるな。そちらの方をもっと深く描けば、この映画は面白くなったはずだが、くだらない架空兵器の闘いに尺を取られてしまったのが残念。 抗核バクテリアが新たな脅威という意味では、第一作のオキシジェンデストロイアのジレンマと何も変わることがない物語。桐島が言うように、「同じ事を繰り返している限り、新しい時代とは言えません」というのは、ゴジラ映画自体に当てはまる。  それにしても、自分の分身だからと言って、何で争うかね?この動物と植物は。 そしてスパーX2、もうちょっとカッコ良く、少なくとも飛べそうなスタイルにしてくれよ。ミラー開いたら絶対飛べないだろ、それ。 [DVD(邦画)] 4点(2011-08-08 02:16:28)(笑:1票) 《改行有》

362.  火の鳥2772 愛のコスモゾーン 《ネタバレ》  30年ぶりです。昔、有楽座の大画面で見たときには、スペースシャークや他の止まってるはずの絵がブレブレだったのを、ガッカリして見た記憶が蘇りました。今回そんなに気にならなかったのは、NTSCのドットの荒さに吸収されたからか?あるいは修正したのかな?また、天才美少女、千住真理子とNHK交響楽団を迎え、音楽と動画の融合に力を入れていたはずだが、今見ると両者がイマイチ合っていない。タイミング的なことより、「ノリ」が違う。画が音ほどはずんでいない。  物語としては、若干ステレオタイプではあるが、高度な管理社会の中、コンピュータによって子供の適正が判断され、育成が管理されるさまを、セリフ無しのアニメーションだけで表現したのは見事だと思う。しかし、本質的には、「火の鳥」という話が持つ『命』というテーマと、高度な管理社会・差別的な特権社会というのが、有機的に意味付いているか、疑問が残る。ゴドーが、最後に至った心境や、火の鳥が欲したモノと、それらには大した関連がない。ストーリーの都合だけで描くには、ありきたりというか、公開当時としてさえ古い感じが否めない。火の鳥は(恐らく)宇宙創成の、星をも自在に出来るエネルギー、人間が神と呼ぶものであろうから、ゴドーの見せた「愛する心」程度で手出しできなかったりするのは、ちょっと甘い気がした。でもそれを欲しがったり、それを持った人間を独占しようとしたり、物語が進むにつれ、却ってギリシャ神話的に人間臭くなってきて、更に違和感。その手前の段階で、ゴドーの命と引き替えに、地球を再生するくらいの厳しい展開が丁度よい。[DVD(邦画)] 5点(2011-08-07 06:43:06)《改行有》

363.  あしたのジョー(2010) 《ネタバレ》 二人の役者の、役に対する思いとそれによる体づくりは凄まじく、「楢山節考」のおりんをやるために歯を抜いたという、田中絹代のエピソードを思い出す。二人の普通の拳闘シーンは、その筋肉美も相まって、素晴らしい迫力で、スローモーションがやかましく感じるほどだ。 明日、あした、それぞれのあした。段平さんの明日は、世界ランキングのボクサーを育てること、ジョーの明日は、力石を倒すこと、力石の明日は、ジョーを倒して心置きなくチャンピオンになる事、葉子の明日はドヤ街の出自を消し去って過去に打ち勝つこと。ドヤ街の連中の明日は、たぶんドヤ街の誇りと希望をジョーによって取り戻すこと。 今回、白木葉子が、ただの支援者(またはジョーを愛する人)という、受動的な原作での役割を一歩進め、彼女もまた目指すべき「あした」を持つ、言わば「選手登録」をした。結果的には巧く描けたとは言い難い状態だが、物語としてバランスが良くなった。おっちゃんとジョー、葉子と力石。タッグ戦だ。これで、西がいなくなれば、かなりスッキリする。(今回の西の要らなさは、半端じゃない) 数少ない難点を言うと、映画の描写的に、クロスカウンターの説得力がない。TVアニメ版で説明されたような、「テコの原理で力が倍増」なんて事はあり得ず、普通に考えても外側から打つ腕のほうが、距離を取られて不利であることが、作画マジックで押し通せたアニメ(マンガも?)とは違い、明白に映像で判ってしまっている。あしたのジョーにおける、このクロスカウンターは、言わば「大リーグボール」であり、ここをどうそれらしく見せるかが、この物語の大問題、それが出来なければその設定は捨てて、普通のボクシングドラマにするしかないほどの重要事項だ。でも世間が許さないか、クロスカウンターのない「あしたのジョー」は。今回の映画は、それを成し遂げられるだけのポテンシャルがあったと、私には思えたんだが。[DVD(邦画)] 7点(2011-08-06 01:18:22)(良:1票) 《改行有》

364.  仮面ライダーディケイド 完結篇 《ネタバレ》 前作(映画)の幾つかの酷さは、改善されている。死神博士のじいさんは、なぜかは不明だが、自分の意志や生まれつきではなく、ガイアメモリによってイカデビルになっていた事になったし、士はショッカー首領ではなくなった。ただし、思わせぶりなライダー大戦は、都合よく無くなって唯の単体戦となり、ディケイドは自ら選んだように、死を遂げる。その上、、結局は「ライダー達を倒す」事とは関係ないストーリー(TV版の時代)の頃の、門矢士への仲間の思いにより、彼とディケイドは復活する。これはつまり、ライダー大戦、ひいては平成スタッフが大好きだった、ライダー同士の決闘が、無意味であり、受け入れられなかった、「敗北」を意味している。 歴代の仮面ライダー達との共闘が、お祭りとして面白かった、TV版ディケイドの勝利である。そして、劇場版で自らの面白さを真っ向否定した、この異端の仮面ライダーに終止符を打った、夏みかんこと、仮面ライダーキバーラの活躍に、3点献上。 [映画館(邦画)] 3点(2011-08-04 21:43:39)(良:1票) 《改行有》

365.  世界大戦争 《ネタバレ》 「大戦争シリーズ」として、見てみたが、これは「宇宙」や「惑星」と違って、SFではないシリアスなドラマ。兵器技術がどんどん進歩して、ボタンひとつで、世界を何度も破滅させるだけの核ミサイルが発射できる、という事に気付いた人々が、恐怖を覚え製作された映画。DVDに収録された資料などを見ると、この映画のメッセージ、本気で世界に発信したいと思っていたのが判る。立派な映画人たちだと思う。  その手法は、まさかのバッドエンド。全編通して登場する人物を、最後たっぷり感情移入させといて、吹き飛ばしてしまう、その無情感。その恐怖。そこんところを、得意の特撮でたっぷり描こうというわけだろう。その部分の「爆裂的」な破壊シーン以外は、いいセン行ってると思う。相変わらず模型の戦車やミサイルはチャチだけど。  高野さんが言った「日本人は世界ではじめて火薬兵器にやられ、次に原爆、ビキニ環礁での水爆、常に悲劇を味わってきた。だから我々日本人こそが、再び人類の上に不幸を招いてはいけないと言い続けるべき」という、ちょっとこじつけっぽい言葉も、すごくよくわかる。今現在では、「最初」でこそないが、それに原発事故の放射線汚染が、加わっている。  この映画は、核戦争の危機の話だが、冷戦の去った現在でも核の恐怖は続いていることを、我々はイヤというほど思い知った。しかも、今回のは正面きってみんなが反対というほど、単純な話ではなく、相手も軍じゃない。今の相手は、利権と慢心。手強い相手だ。  また、ミサイルに逃げない一家のバックに流れるラジオの声、「冷静になれ」というのが、イマドキの「直ちに影響はない」を思い起こさせ、ちょっと恐ろしくなる。 [DVD(邦画)] 7点(2011-08-04 01:16:57)《改行有》

366.  惑星大戦争 《ネタバレ》  大まかに言うと、地球を侵略しようとしている宇宙人に対して、近場にあるその基地を見つけ、攻撃して勝つ、という話。最後の本土決戦がないだけで、基本的には「宇宙大戦争」とおんなじセンス。  そして、今回の目玉は、かなり宇宙戦艦ヤマトに影響を受けてはいるが、昔からの東宝の夢「轟天号」。これとガレー船をモチーフにした敵戦艦の戦いらしい。でも、轟天は古臭い東宝特撮の世界観で、未だにエンジン噴射に煙が出る始末。敵戦艦との一騎打ち戦も、細かい描写がいい加減で、艦の位置関係と、砲塔・砲撃の向きが、メチャクチャで、かなり萎える。たぶん相当の工夫の結果なんだろうが、あの「リボルバー」も、もっと細かい所詰めなくては、戦闘機が装填された後、回転によって斜めになっちゃってるし、発射時には完全に逆さになるぞ、アレ。しかも最後のリボルバービームってどうなってんのか?という疑問がわく。そもそもあれの利点がわからない。あそこに色んな武器を入れて、臨機応変に使う位の工夫を見せろ。  んー、期待したんだがなあ。基本点5点。約20年も前の映画から、進歩していない基本姿勢に-4点。浅野ゆう子のかわいらしさに3点。轟天への固執と描写のダメさに、に-2点。で、総合で2点。 [DVD(邦画)] 2点(2011-07-30 05:57:52)《改行有》

367.  怪獣大戦争 《ネタバレ》  SFチックな前半から、話が次第に荒唐無稽に…そして怪獣が破壊の限りを尽くし、最後はグダグダの怪獣プロレス。  X星人が、一回地球人を騙す理由がわからない。一息にキングギドラを連れて来ちゃえば良いのに、ゴジラ・ラドンの捕獲も自力でやっちゃえるんだし。  自分たちの弱点である「特殊な音波」を発生する機械に、対策を施す事もしないで、飼い殺すって発想がスゲー!X星人って意外と人間的かも。電磁波って、電波のことだから、それで(よしんばキングギドラは別としても)ゴジラが操れる理屈が分からん。それなら直接、人間操ったらどうだ?また、電波に載せた「特殊な音波」は、敵さんがラジオ聞いてないと効かないと思うし、もっと驚愕なのは、電子計算機が星人と同様にそれで誤動作する事だ。  最後、「まだ見ぬ未来に向って脱出する」なんて、カッコ良さ気に持ってこうとしてるが、彼らに一片の同情もできないから、何にも感じない。彼らが地球の水を欲しているらしい描写が前にあったが、直接の要求をしていないので、彼ら側に理由があって「止む終えなかった感」が無いからだ。それどころか、「ゴジラ貸せ」ではなく「少し水ください」って言えば、ガンの特効薬と交換で、くれた可能性は高いと思う。  日本家屋や、古い工場なんかの壊れる様は、実に良く出来ている。もろい壁と、それを支えている木の柱などの混じった様は、本当に凄い。それと、この映画の中で、ワンカットだけ度肝を抜かれる特撮がある。ゴジラが崩しているビルの中で走って逃げている人の、その前景に瓦礫が落ちるシーン、今までの東宝特撮には出てこなかった表現。どうやって撮った?  さて、洗脳から溶けた両怪獣のバトルが少ないのが、今作のとても良い所だ。トカゲと鳥を一緒に閉じ込めても、普通はいきなり殺し合いしないものね。こういう所、子供相手の映画では結構重要なんじゃないかと思ってるのだが。  水野久美さんの美しさと、先の特撮映像に、5点。ゴジラの「シェー」に-2点。で3点。 [DVD(邦画)] 3点(2011-07-29 18:13:25)《改行有》

368.  宇宙大戦争 《ネタバレ》 昔の人は律儀というか、真面目だったんだろうな。 宇宙人が人類に最初にコンタクトして、地球人が相手の月面基地を発見、出撃し攻撃、その後全面戦争になって、勝利する、なんて、一本の映画には荷が重すぎるに決まっている。が、最期まで描かないといけないという、固定観念というと時代的にかわいそうな気もするが、そういう律儀さが、スターウォーズを見ている今の我々には、なんて無謀なことを…という思いを抱かせる。もっとも、そこを解決しても、特撮技術がその分向上するわけではないのだが、少なくとも「局地的少数人数で物語が進んでいる感」は、何とかできたかも知れないのに。 で、そのムリを強引に推し通した結果、あらゆることが、安直に進む。 すでに相手の星深く入り込み、地球人の一個人を洗脳するテクノロジーを有している相手が、月面基地でまんまと敵の接近を許し、あまつさえ設備を破壊される。ここの宇宙人の描写、特に女性隊員がさらわれそうになるシーンなどを見ていると、高度なテクノロジーを持っているとは言いながら、制作陣はやっぱり侵略者を下等生物と見ているフシがあるのが、かなりイタイ。これ、当時の日本人の「外の人間観」だったりしない? ちなみに、いま見て気付いたこと。劇中登場するコンピュータ「HIPAC」ってあのパラメトロンを使った日立の国産コンピュータだったんだ。 また、カナダの国旗が今のと違うとか。 [DVD(邦画)] 4点(2011-07-26 03:37:04)《改行有》

369.  ギターを持った渡り鳥  スナックのカラオケでおじさん達が時折歌う、どことなくウエスタンっぽくもあり、南の汐の香りをも感じる甘いメロディの、この歌を主題歌に持つこの映画を、前から見てみたいと思っていたのだが……。  今まで幾つか見てきた日活アクション映画と同じく、たいして工夫もなく成り行きで事が運ぶ事件、それでいて後出しジャンケンのように後から判る重大な事実。当然伏線なんてほぼ皆無。なんのために要るのかわからない登場人物。まあ3週間で撮影されて、クランクアップ後3日で初号試写だもんな。凝った映画は作れないよな。  それでも、基本的な路線、「カッコイイ旭、美しいルリ子、派手なアクション、風光明媚な土地の風景」によって、成り立っている邦画黄金期の一本。 [DVD(邦画)] 5点(2011-07-24 01:25:33)《改行有》

370.  銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー 《ネタバレ》 CGの999ショボすぎ。車体の表面に何のテクスチャも無いのっぺらぼう。連接棒周りだけが異常に明るい。 それに引き換え、手で描いた部分の絵の上手さ。特にメーテルの絵は全ての映画版の中で一番だ。それだけにこの出来は残念だ。 政治的な事情で、完結しない導入編なのだろうが、それが恐らく999の寿命を縮めたのだと思う。  太陽が超新星化して、地球も壊滅したという、とんでもない風呂敷広げちゃって、たたみ切れる感じがしない。クレアの再生がヒントだとすると、その解決は、今までの999世界にはなじまない「魔法」しかない気がする。 それに、いくら原作「エターナル編」の映画化と言っても、世間では全2作のイメージは強い。鉄郎の顔が元通りになるのはいいとしても、メーテルいつまでその体なんだ?とか、車掌さん元の体にもどらんのかい?とか、思っちゃうよね。どうしても。 [DVD(邦画)] 3点(2011-07-22 05:14:52)《改行有》

371.  さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅 《ネタバレ》  999を見て、順番だからと30年ぶりに見たが、好きじゃないものはやっぱりキツイ。  基本的に世界観が前作と違いすぎて、「あの」999の世界とは思えない。戦いを描くのは悪いとは言わないが、前作は個人個人の闘い、ウエスタン的で、今回のは、組織的な戦い、戦争映画的だ。もう、完全に世界が違う。  前作の、「母の体と娘の心」の喪失に対し、その逆の「娘の体と母の心」が残っているというのは、物語を続けるには、まあ巧い言い訳だったかも知れないけど、そのおかげで、基本的には「前作の繰り返しの宿命」を負い、それにより前作の意義を失わせる結果になった。これは、残念を通り越して、前作ファンへの裏切りのレベルだ。あんまり前と同じじゃぁな、という訳か、黒騎士ファウストなんてモノを出した。その名の示す通り、悪魔(機械帝国)に魂を売った男で、鉄郎の父。しかし、結果的にこれが「ダースベーダー丸パクリ」で、なんとも情けないし、最後のやられ方が安っぽいテレビドラマ的。サイレンの魔女については、訳のわからぬ「機械エネルギーを吸収」なんて設定にせず、宇宙の海に時折発生する伝説の災難、にでもしたほうが良かった。そうすれば、少なくとも999が蒸気機関(!)で走らなくてもいいし、何しろ機械化人のエネルギーが「人の命」であることを、直前までのドラマで言っているんだから、ヘンだろ、機械だけに作用するの。  演出としては、999の発進の時、車掌に引っ張り上げてもらって乗ったり、ぎりぎりで線路が崩れたりする演出が、これもまた安っぽいテレビドラマ的で引く。大体アンタ、終盤でこの列車は、空間を流されながらも走り続けるのに、何でレールが要るんだよ!  老パルチザンだけは、松本零士の描く老戦士そのもので嬉しい。特にポイントを切り替えた後の、鉄郎を見送るセリフ、紛れもなく彼のセンスだ。 絵的には、結構松本テイスト溢れていて、好印象。特にコントロールセンターの999の入っていく部分、意味もなく壁中"松本ゲージ"なのだが、彼なら絶対こう描くだろうと思って嬉しくなる。  総合的には昔嫌っていたほど、悪くはないが、どう甘めに付けても5点がいいとこ。 [DVD(邦画)] 5点(2011-07-22 05:11:58)《改行有》

372.  私は貝になりたい(1959) 《ネタバレ》  こういう映画って、どうしても「反戦」のメッセージを読み取らないといけないと言うような風潮の中で、学生時代を学んだ。当然、その時代に自主上映会で最初に観た時には、「この映画は、反戦を訴えているんだ」と考えながら観た。しかし、今から見るとまだまだ戦後を引きずっていた、あの時から時間が過ぎ、"洗脳"も溶けかかってきた今、これを見ると、この映画の主題は「絶望」ではないかと思えてくる。  激しい戦闘シーンで殺し殺される恐怖を描くのでもなく、戦闘による重症や被爆などによる悲しみを見せるでもないこの映画が、かくも絶望を思わせるのは、表題にもなったこの「今度生まれ変わるときには、誰にも邪魔されることもない、深い海の底の貝になりたい」という言葉に現れている。直前に妻や子供に対して、もう一度会いたいという思いを綴りながら、来世にはもう何ものとも関わりないことを望む。すべてを拒絶する絶望感。「戦争」というよりは、理不尽に対する怒り。いや、怒りという能動的な力もない悲しさ。  同じように戦闘のない戦争を描いた映画、「戦場のメリークリスマス」のハラ軍曹も、同じように死刑になる。彼もまた、自分の行動は、日本軍の軍人としては当たり前の行動だと理不尽を嘆く。それでも彼は「メリークリスマス」と祝いの言葉を他者に与えた。  豊松の絶望感、いかばかりであったか。 [DVD(邦画)] 8点(2011-07-20 15:09:22)(良:1票) 《改行有》

373.  銀河鉄道999 《ネタバレ》 この映画は個人的には低得点は付けられない。自分でお金払って観た初めての映画、友人と初日に徹夜した映画。 だからという訳でもないが、多くの人が評価し、好きだというTVシリーズよりも、私はこの映画版の方が好きである。というより、TV版は好きではなかった。 透過光を大胆に使った、美しくセンスあふれる画面。(ホテルの窓からのメガロポリスの景観だけが残念だったが) TV版のように、いつも悲しそうな顔をしているわけではない、表情豊かなメーテル。 TV版のように、「鉄といえば灰色・窓といえば水色」のようなステレオタイプではない999の色デザイン。 TV版のように、「悲しい場面に悲しい曲」のようなステレオタイプではない、美しい楽曲。 世界観にマッチしている、ちょっと頼もしくなった鉄郎。 主人公をフォローする"スター"、ハーロックとエメラルダスのカッコ良さ。 名画の一シーンを見ているような、別れのシーンの切なさ、やさしさ。(これ自身、すでに名画か。) どれも、映画版ならでは、の魅力である。 他の多くの物語に見られるように、人々の殆どが、それを渇望しているという訳ではない、「永遠の命」。鉄郎は復讐の目的のために、それを欲しただけ。だから、実は永遠の命に関する描写もドラマも殆ど無い。強いて言えば、クレアとシャドウのエピソードくらい。機械伯爵は根っから悪いヤツの描き方だ。だから、「機械人間たちを見ていると、永遠に生きるだけが幸せじゃない」のセリフが、妙にこそばゆい。この映画の唯一の弱点は、このくらいしか思いつかない。 [映画館(邦画)] 9点(2011-07-19 17:42:01)《改行有》

374.  転校生-さよならあなた- 《ネタバレ》  少年と少女が、思春期を乗り越えるという、オリジナルに比べて、今作は「命」をやり取りするすごさ。少年は少女の体のまま自分の死を覚悟したし、少女は少年の体で生き続ける一方、自分の体の死を見守る覚悟をした。しかも少女は、一瞬のうちに「本当に死ぬ側」に転換する。  実を言うと、この元通りの展開の後、病も同時に去るのではないか、と密かに思っていた、というより期待した。オリジナルのように、ファンタジーとして結末をつけて欲しいと願った。しかし、見ているこちらよりも、この二人は怯まないで、運命を受け入れた。彼女は、彼が死なないで済んだのを、おそらく安堵したろうし、彼は、彼女が自身の中に生き続けるという実感を持っていたのではないか?  この、強い結びつきを胸に、少年はさらなる一歩を踏み出してゆく、というのが今回の映画のテーマなのだろう。  切ないファンタジーだった前作と比べて、なんと強い心の物語なのだろう。これで中学生とはちょっと凄過ぎる。二人は高校生でも良かったと思う。 [DVD(邦画)] 8点(2011-07-18 03:23:49)(良:1票) 《改行有》

375.  紅の拳銃 日活アクションは、渡り鳥シリーズや、裕次郎のものを幾つか見たが、これほど伏線を放棄したような映画は、滅多に無かったように思う。 この時代のこういう映画に、そんなモノ求めるのが、ヤボなのかも知れないが。 赤木圭一郎がカッコ良くて、白木マリ・笹森礼子らが、キレイならいいのかな?話自体がもうちょっと面白ければなあ。 [DVD(邦画)] 4点(2011-07-17 18:23:00)《改行有》

376.  デビルマン 《ネタバレ》  さて、ワーストランキング4位の「期待の」デビルマン、最終的には良く期待に応えてくれた、という気がします。  ただし、戦争がおこる前あたりまでは、「仮面ライダー」のレベルを許容する心を以て観れば、フツーに観れます。いや、かなりお金かかってる感すら感じます。所々、ちょっとCG臭いところもありますが、そういう技術的な部分は、物語の出来がよければ、どうにでもなるものです。それと、原作への愛とか、リスペクトとかも、実はどーでも良かったりします。私には。精神論でモノが作れるわけじゃないですからね。しかし、この映画は東映の特撮映画なので、物語として「平成仮面ライダー」のノリで作られると困るなあ、と思っていたのです。が、スタッフはそういう系の人でないので、さすがにそれはないだろう、とも思っていました、実は。  まず、この物語の中で、明確に呼び分けられている、「デーモン」「サタン」「デビル(マン)」が、どう違って(または同じで)、どういう立場で、どうしたかったのか?まるでわかりません。どっかの地下から掘り出した、謎の生命体に合体されたのが、同じなのなら、デビルマンと他のデーモンの強さがあんなに違うのに、合点がいかないし、サタンは純粋種なのかどうか?もしそうだったら、何故、わざわざ生命体を掘り出したのか?とか、その起源とか、他の者たちとの関係がどうなのか?この異生物に対し、というかまずデビルマン自身、異形の者になった時点で自身のアイデンティティ的に、そのへん調べるでしょう、普通。  また、地球の何分の一かの規模で、闘いの破壊力の影響を及ぼしながら、打ち合った後に実に平和そうな浜辺があったり、女の子と少年が生き残っていたりするのも、なんでしょうね?  あ、思い出した。シレーヌって何のために出てきたんでしょうね?そして、あの人は何?サタン? と、色々と解らない所、というか解釈のとっかかりさえ見えない映画でしたが、実は人間が滅んだっぽい時点(最後の大決闘)で、私は興味を失いました。なにしろなんにも感情移入できないから、あの後どうなっても、全然OKでした。  最後に皆さん、何度も言うようですが、「仮面ライダー」に比べれば、まだマシで、2点はあげられますよ。 [DVD(邦画)] 2点(2011-07-16 09:43:58)《改行有》

377.  拝啓天皇陛下様 《ネタバレ》  軍隊というのをこういうふうに捉える人というのは、珍しい。  よく、「タダで飯が食える場所」として刑務所に何度も入りたがる、犯罪者の話を物語の中では見るが、それも軍隊となれば、普通は話は別だろう。それだけこの主人公は、体と心に自信があり、且つシャバでは苦労した人なんだろう。  生来の丈夫な体と、図太い神経で、軍隊ではさほどの苦労もなく、良き上官に恵まれた「ヤマショウ」は、天皇陛下の熱心な信奉者(というと語弊があるか)になる。、今で言うところの「ファン」なのか!  最後、ヤマショウが、亡くなった時、画面に手紙の文面が映しだされる。 「拝啓、天皇陛下様  陛下よ、  あなたの  最後のひとりの       赤子が  この夜  戦死をいたしました。」  これは、ヤマショウの視線ではなく、観客の視線の文面、我々が陛下に知って頂きたいと願う視線の、出すことの叶わぬ手紙なのだ。そして私は、ここまで来てやっと思い知る。この物語全体が、陛下に宛てた手紙だったのではないかと。ヤマショウが出そうとして出せなかった、ファンレターなのではないかと。 [DVD(邦画)] 8点(2011-07-15 21:45:39)(良:1票) 《改行有》

378.  人間の証明 《ネタバレ》  息子のひき逃げを知り、自首したいと告げられた母、八杉恭子の言葉。 母「罪を背負ってこれからどうやって生きてゆかってことが、あなたの人間としての証なのよ。」、  えー!?人間の証明って、そういう事だっけ?  びっくりしたけど、その割にはこの母親は、最後に霧積に身を投げちゃうんですよね……。  原作は、約30年前に読んだきりなので、うろ覚えだけど確か、この物語のキモは刺された現場からなぜあんなに遠くへ移動し得たのか?→(母)我が子に思い切り刺す事が出来なかった、(子)現場から遠くへ行きそこで深傷を負うことで母を守りたかった、(刑事)それを平然と隠しおおせるのか?ってとこだと思っていたので、そのへん軽ーく描かれている本作は、『人間の証明』とは言い難いという思いが強い。  そもそも、人間の証明という原作は、その他の部分は『砂の器』丸パクリ作品で、そこの部分こそ、この原作の物語の「証明」だと思うんだよね。刺したときの躊躇い、それを察して、母を守る子、再現シーンはそれらをもっと分かるように、描くべきだった。  授賞式での発言で、日本人の子の死についてはクドクド悔やんでいるのに、ジョニーの死については、サラリと流す。それについての唯一のセリフは、「私はすでに麦わら帽子を失っています」。自分で差したのに、コイツ何なんだ?  また、どうしても終戦時の幸せな親子三人の中の母親と、GI向けバーの薄幸な女がつながらない。父が子を連れて帰国した描写、日本人は行けない事、取り残された悲しさの描写が通りいっぺん過ぎて弱い。だからそこが繋がっているように見えない。 [DVD(邦画)] 4点(2011-07-13 20:24:40)(良:1票) 《改行有》

379.  十三人の刺客(1963) 《ネタバレ》 リメイク版と比べると、何というか、半兵衛さんのキャラが薄い感じ。新左衛門との因縁・確執がちょっと迫って来ない。 でも、リメイク版より好きな部分が二点ある。 一つは、最後の砦での戦い。精鋭の13人とはいえ、随分とオタオタと戦っているリアリティ。あり得ないくらい、めっぽう強いってのは、シラケるから。 もう一つは、殿様が最後までヘタレだったこと。こういうのは、悪役に多少でも哲学めいた「理」があるより、この殿様みたいに最後まで将軍の弟とか、明石十万石の威光で虚勢を張るしかできない様が、最後やられる時に気持いいわけ。 基本のストーリーは単純でわかりやすいし、相手がどう出るか読み合う作戦の妙、殊に殿様の性格を読み抜いて、行列の道筋を推しはかるあたりも面白い。 ああ、そういえば、あれだけ精進し、実際に強かった西村晃、いくら刀持ってなかったとはいえ、最後なんで無様に死ぬかね? それと、最後に参加するやつの存在意義がよく分からない。最初から十三人ではいけなかったのかな? [DVD(邦画)] 6点(2011-07-11 18:59:25)《改行有》

380.  ごくせん THE MOVIE 《ネタバレ》 テレビの第一シリーズは見ていたが、かなり忘れている。原作漫画は好きで全部読んだ。で、この映画だが、ギャグなんだろうが、クマが吹っ飛ぶとことか、コンクリート壁ぶち破ったり、非現実過ぎて、ちょっと見てられない。冒頭のハイジャックの部分、あんなに銃声がしてたのに、どうやって、犯人を制圧したんだと、考えちまった。物語中の事件は、とても学生と教師が介入するべきものじゃなくて、このドラマには相応しくないと思ったが、もしそれでも、この内容でいくなら、せっかく映画ということも考えて、大江戸一家の面々にも出番を作ってやったらどうか?と考えた。あれじゃ、宇津井健が勿体無いよ。[地上波(邦画)] 2点(2011-07-11 14:51:34)

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