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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  姿三四郎(1943)  厳しい戦時下で掴んだチャンスを見事にモノにした若き黒澤明のデビュー作。師・矢野正五郎を演じた大河内伝次郎の存在感、ライバル檜垣源之介を演じる月形龍之介の憎々しい演技、大根ながらも猪突猛進な三四郎をフレッシュに演じた藤田進の若さ、全てが素晴らしい。ラストの嵐吹き荒れる右京ケ原の決闘シーンは実際に悪天候を突いての撮影であり、早くも黒澤の拘り演出が観られる。この後5回もリメイクされるが、どれも黒澤版にはダイナミックさに於いて遠く及ばなかったことを言い添えておく。カット版ゆえ1点マイナス。9点(2003-01-18 12:28:57)

22.  雨月物語  ベネチア映画祭・銀獅子賞に輝く溝口健二の傑作。原作は上田秋成の同名小説だが、その中から「蛇性の淫」「浅茅ケ宿」をモチーフに、モーパッサンの「勲章」を組み合わせた脚本は川口松太郎の労作。原作の持つ”幽玄華麗”さが映像としてフィルムに込められており、ここでも宮川一夫のソフトフォーカスを駆使したカメラワークが絶大な効果を上げている。このセンスを今の邦画界に求めるのは余りに酷というものだろう。欲を言えば、「吉備津の釜」も同スタッフで映像化して欲しかった…!!9点(2003-01-16 16:46:44)

23.  砂の器  確かに清張の原作より素晴らしい(御本人も認めてらっしゃるし)。ここまでの傑作となりえたのは、原作でチョロッとしか書かれてない「父子の乞食遍路」をクライマックスに据えた橋本忍(と山田洋次)の脚本の上手さがあればこそ。イヤ、野村芳太郎監督の演出が(カットバックしまくりで)手堅いのも主たる要因だとは思うけど。加藤剛や丹波哲郎、森田健作に島田陽子は別にどうということもないが、緒形拳と加藤嘉の迫力には脱帽!ビジュアル系の若いニーチャンやネーチャンだけ出しても、脇を締める個性的なバイプレーヤーを欠けば、名画の域には容易に達しないコトが如実に証明されていると思う。原作を凌駕した希有な作品に敬意を表して…9点!(-1点の理由?泣かせようってのが見え見えなんで) 9点(2003-01-04 06:29:48)(良:1票)

24.  切腹  時代劇初挑戦の小林正樹監督にとって、橋本忍の脚本を得たことが成功の第一歩となった。彦根藩江戸屋敷を舞台に回想が入り乱れる怒濤のストーリー展開は並みのシナリオ作家には到底無理だった筈。石浜朗の若侍(千々岩求女)の竹光による悲劇的な死に様、リアルなお歯黒メイクの若き岩下志麻の熱演等見所も多いが、仲代達矢扮する津雲半四郎が丹波哲郎演じる沢潟彦九郎相手に見せるケッタイな剣法(胸の前で腕を交差させる)だけが何か浮いてしまっており、やや減点。ラスト、半四郎の大立ち回りで家宝である井伊家の赤備えを滅茶苦茶にされ、茫然となる三國連太郎演ずる家老・斎藤勘解由の表情がイイ。武満徹の音楽も秀逸で正に異色の時代劇。 9点(2002-12-24 12:11:16)(良:1票)

25.  フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ 《ネタバレ》 前作「フランケンシュタイン対地底怪獣」の姉妹編?的ポジションだが、前作よりも完成度が高い稀有な一例。成功の要因は幾つか有るが、何と言っても本多監督自身が馬淵薫と共に書き上げた渾身のシナリオであろう。とにかく極力ムダを省いた抜群のテンポで一気呵成にラストまで見せる物凄い馬力に圧倒される。第2にサンダとガイラを俳優に演じさせる愚を繰り返さず、(成田亨デザイン・利光貞三造形の)着ぐるみにしたこと!殊にガイラはスーツアクター中島春雄のパワフルな演技により出色の出来映え。海を目指して疾走する姿は従来の鈍重にノッソリ歩く東宝モンスターとは完全に一線を画していた。第3に皆さんご指摘のメーサー殺獣光線車による抜群の視覚効果。漲るハイテンションのL作戦シーンは伊福部昭の勇壮な「L作戦マーチ」の音響効果と相俟って屈指の名場面に仕上がっている。難点は…強いて挙げれば「ビアガーデンの女性歌手が歌うシーンの冗長さ」、「ラス・タンブリンのスチュワートがやや木偶の坊」と「終盤の海底火山噴火が唐突で不自然」辺りか。しかし満足度の高さで8点進呈。怪獣映画かくあるべし![DVD(邦画)] 8点(2010-02-21 02:48:27)

26.  マジンガーZ対暗黒大将軍 《ネタバレ》 公開から30余年が経過しようとしているが、今も尚コレを超えるインパクトを有したロボットアニメは(まぁつぶさに全てのアニメを検証した訳ではないけどサ)他にあるまい。それほどまでに本作におけるマジンガーZとグレートマジンガーの交代劇は当時の児童にとって筆舌に尽くし難い衝撃的なイベントであったのだ!まずもって主役たるロボットをよくぞここまで容赦なくサディスティックに痛めつけ満身創痍にしたものだ、とスタッフの英断には感心させられる。TV放映中にも多少のピンチは幾度かあったものの、敗北や死を予感させるような危機に甲児が見舞われたことなどほぼ皆無だっただけに観る者の不安・焦燥はいかばかりかご想像いただけるかと思う。だからこそ雷鳴と共に颯爽と登場し、絶体絶命のZを救援するグレートの勇姿と縦横無尽・快刀乱麻の大活躍にも尋常ではないカタルシスが生まれる。TV版最終回のようにZが戦闘獣にやられっ放しのまま終わるのではなく、反撃に転じつつグレートに借りた剣で敵の司令官にとどめを刺すラストも配慮が見られ嬉しい。惜しむらくはグレートの操縦者・剣鉄也のCVがニヒルな低音ボイス野田圭一ではなくチョット甲高い声の田中(デビルマン)亮一だったことと、タイトルロールたる暗黒大将軍が対決など一切せず、単なる顔見せに過ぎないばかりか「余の機械獣を云々」とチョンボ発言まで犯していたこと。併せて2点マイナス。でも、理屈が先走りロボットの活躍そっちのけで小難しい鬱な人間ドラマに傾倒しがちな昨今の妙なロボットアニメなんかよりゃ、遥かに血沸き肉踊らせる”熱い”傑作であり、後代に与えたその影響は甚大であるコトは疑う余地のない事実。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-30 02:48:51)(良:1票)

27.  あにいもうと(1953) 《ネタバレ》 かつて1936年に木村荘十二監督によって「兄いもうと」の邦題で映画化された室生犀星の原作を名匠・成瀬がリメイク。味わいと完成度で旧作には惜しくも及ばないものの、こちらも実に素晴らしい。何より古き「日本の夏」の情景をここまで活写した作品はそうそう無い。表の往来に打ち水・井戸に吊るして冷やした果物・川辺で網を振るっての魚採り・壜入りラムネ・ふんどし一丁で川に泳ぐ子供ら・日傘・かき氷・もんがパクつくアイスキャンデー…etc。元来ストーリーに拘りのない成瀬は伊之ともんのいかにも新派好みな兄妹愛場面を極力省略し、愛憎劇の舞台たる(今は失われた自然豊かな)多摩川沿いの状況描写を優先させた。結果として劇的な昂揚感(ドラマツルギー)は著しく減退したが、うだるような夏の情景はしっかりとフィルムに込められることとなった。その是非は観る者の判断に委ねたい。俳優アンサンブルとしては母りき役の浦辺粂子が矢張り絶品。ダメダメな夫・息子・娘を欠点込みで丸ごと愛する包容力を誇張の無い全身の演技で見せる上手さときたら溜め息が出そうな程だ。気の弱そうな大学生・小畑を演じた船越英二の飄々とした個性も実に良かった。森雅之はウマイことはウマイけど、余りに作り過ぎた役柄なのが些かハナについたので若干減点。木村版の丸山定夫が見せたブルーカラー丸出しの石工職人ぶりには及ばず。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-23 01:43:31)(良:1票)

28.  大江戸五人男 《ネタバレ》 松竹が30周年記念に制作したオールスター時代劇の決定版。この年の邦画興行収入1位を記録する大ヒットだったらしい。何と言っても役者の存在感が圧倒的!しかも名匠・伊藤大輔の的確なディレクションぶりはメリハリが利いており、主役級に止まらずちょっとした端役に至るまで実に活き活きとした見せ場が各々に提示されている。それでいてテンポは些かも澱むことなく快調そのものなのだから、面白くならないハズがない。阪妻扮する長兵衛が江戸の泰平を願い自らの生命を犠牲にして狼藉三昧の旗本・白柄組を(喧嘩両成敗で)壊滅に追い込むメインストーリーに「番町皿屋敷」誕生秘話までも絡め見応え充分。役者では阪妻や右太衛門も勿論イイが、個人的には権八役の高橋貞二、近藤役の三島雅夫、大久保彦左衛門役の山本礼三郎が出色の好演だったと思う。昨今の●HK大河ドラマ等を思えば、平成の世ではもはや再現不可能な”本物の役者による本物の時代劇”の稀少価値に…8点![CS・衛星(邦画)] 8点(2006-02-25 01:10:37)

29.  スウィングガールズ 《ネタバレ》 けっこう辛口のコメントが多いですね。しかも何か矢口監督が前作(ウォーターボーイズ)を踏襲し杉!という見方が大半のようです。しかし「最初はやる気も実力もないヘタレな登場人物たちが次第に真剣に(作品の主題たる何かに)のめり込み始めてラストで見事に締め括る」というプロットは洋の東西を問わぬ言わば”王道”であり、或る程度の類似性は無理からぬのではないでしょうか。あと、「女子高生にビッグバンドジャズ」という取り合わせで「奇を衒った」と云えば、まぁ確かにそう見えなくもないですが、私は寧ろ新鮮さと共に「故きを温めて新しきを知る」的な古典への憧憬すら感じましたね。クライマックスで「Sing Sing Sing」を(吹き替えナシで)鮮やかにキメる彼女らの活き活きした姿を見る限り、受け狙いのあざとさなんぞ殆ど気になりません。惜しむらくはテンポが些か冗長な点と彼女らに降りかかるトラブルに作為が目立ち過ぎる点。特に友子がコンテストの応募テープを送り忘れるくだりはドジっ娘とかで済まされない杜撰さ・無神経さでいくら何でもワザとらし杉。普通に会場に着いて演奏で全く問題なかったハズ。それと、こういう吹奏楽系で短期間に上達するには優れた指導者が不可欠なのに最後まで不在のままなのも痛い。竹中直人にその役割を振ろうとして余計なエピソード(実はハッタリでした的なサゲ落ち)まで盛り込んでいるが明らかに蛇足。素直に谷啓あたりに任せて欲しかったと思います。2点マイナス。最後に矢口監督について。二番煎じでお茶を濁してる、とか云うよりも若手を積極的に起用して才能を開花させよう!という日本映画界への前向きな姿勢を私は買いたいですね。若手俳優の成長なくして邦画の復権などありえないのですから…。[DVD(字幕)] 8点(2005-08-28 23:08:14)(良:3票)

30.  五瓣の椿 《ネタバレ》 何やらNHKのTV時代劇としてリメイクされるらしいですが…。果たして本作の岩下志麻が全身から発散させる”怨念と復讐の炎”を再現できるのかどうか、個人的には甚だ疑問ですな。そもそもお茶の間で見るには余りに際どい内容なだけに「オイオイNHK、ちょっとマズいんじゃ?」と突っ込みたくなります。で、その本作ですが‥野村監督の安定した演出と川又昂のカメラワークの美しさのお蔭で辛うじて悲惨なラストまで何とか観終わることができますた。出演者にかなり曲者を多数配しているので、彼らの演技を見るだけでも充分に堪能できるかとは思います。が、いかんせん長ーーーーーい上に、いくら何でも重苦し過ぎます。救いが無さ過ぎてやりきれません。マイナス2点。もしもNHKリメイクを見て軽い好奇心でオリジナルを鑑賞するつもりでしたら、恐らく凄まじいリバウンドを食らいますから、そこんとこよくよく覚悟して御覧を。先述の岩下の熱演もさることながら、お歯黒メイクの左幸子が演じる業の深いにも程がある”好色一代女”っぷりも隠れた見所かも。8点(2004-11-21 02:13:16)

31.  清水港代参夢道中 《ネタバレ》 太平洋戦争前夜の1940年時点に浪曲で余りにも有名過ぎる「遠州森の石松」を巧みにパロディ化したマキノ正博の秀作時代劇。暗い当時の世相を微塵も感じさせぬマキノの”活動写真”への愛が全編に横溢しており、思わず観る者をニンマリさせること請け合い。何と言っても、典型的な時代劇ネタに「タイムスリップもの」を融合させた斬新でユニークな先取り感覚が本作のキモ。ヒステリックな舞台演出家・石田と森の石松の二役を千恵蔵が飄々と好演。演出家の自分は話しのオチを知っているからとばかりに、閻魔堂の死闘で都鳥一家に騙し討ちされるハズなのを逆に返り討ちにしてしまう場面は特にケッサク!!虎造のシブいノド(「馬鹿は死ななきゃ直らない~♪」)も随所に挿入され実に聞き応えアリ。おふみ役の轟夕起子も可憐で良し。七五郎に手を引かれ石松の元へと走りに走るスピード感は圧巻!志村喬や澤村国太郎の達者なコメディリリーフぶりも楽しい。当時はまだ美しく残されていた東海道界隈をロケーションした金毘羅代参道中シーンの詩情には溜め息が出そう。題名で”夢オチ”が思いっきりネタバレってのが何ともアイタタ…ではあるが、それでも充分に楽しめる。8点(2004-10-22 16:14:48)

32.  鴛鴦歌合戦 《ネタバレ》 千恵蔵ちょっとモテモテ過ぎ!お春ちゃん干した傘いくら何でも多過ぎ!志村喬は歌ヘタッピ過ぎ!ディック・ミネの峰沢丹波守はケイリー・ヒロユキ・タガワに似過ぎ!三吉はポール牧に似過ぎ!!1939年作品なのに戦時色が全く無くて楽し過ぎ!職人マキノ正博のエンターテイナーっぷりに乾杯~!!8点(2004-06-16 00:04:02)(良:1票)

33.  三大怪獣地球最大の決戦 稀代の悪役怪獣キングギドラ初お目見えとなった印象深い一作。何と言っても隕石から出現し、空中で炎が具現化する場面が素晴らしい。全身金色に輝かせ3本の首から光線を発射しつつ飛翔する姿は千両役者の貫禄だ。鳥居越しにロー・アングルから捉えたショットもセットの作り込みとの相乗効果で秀逸。対するゴジラ・ラドン・モスラが(小美人の通訳付きで)会話する辺りはチト寒いが「赤ひげ」のせいで超短期間での製作を余儀なくされた経緯を思えば止むを得まい。寧ろ世界のクロサワの尻拭いという悪条件下でこれだけのクオリティに仕上げた本多監督と円谷特技監督の奮闘努力を評価すべきだろう。進藤刑事(夏木陽介)とサルノ王女(若林映子)の別れのシーンはチョット「ローマの休日」っぽくて好き。8点(2004-02-13 12:46:14)(良:1票)

34.  狐の呉れた赤ん坊(1945) 《ネタバレ》 阪妻の戦後初の時代劇。派手な立ち回りのいわゆるチャンバラ時代劇を封印された形となった中で才気煥発な丸根監督は、粗暴だが優しさを秘めた人足・寅八が捨て子を我が子のように育て上げ、最後に思わぬ別離を迎えるという人情喜劇に仕立て上げた。まったくもって阪妻あっての作品であり、丸根監督も「無法松の一生」で見せた彼の魅力をよく承知して豪放な彼の持ち味を増幅させることに傾注している。子役の沢村アキヒコは「無法松~」に出てきた敏雄にそっくりだなぁと思っていたが 、沢村アキオ(長門裕之)の変名と知り納得。8点(2004-01-28 08:50:27)(良:1票) 《改行有》

35.  江戸川乱歩の陰獣 乱歩の映画化では恐らく最高傑作。加藤泰って監督は70年代斜陽の邦画界にあっても全く力量が衰えていない。凄いや。ただ、役者のレベルダウンは彼をもってしても如何ともし難く、あおい輝彦では全編を引っ張るには明らかに力不足。キャストではダントツで大友柳太朗がイイ。奥山和由はコレをよーーく観て修行し直せ!8点(2004-01-17 02:02:43)

36.  お嬢さん乾杯 《ネタバレ》 一応、便宜上コメディにジャンル分けしましたが、正確に云うならば「人情喜劇」がピッタリかと思います。欧米のコメディのノリで観ると肩透かしを食うかもしれません。斜陽華族のお嬢様、恭子を演じた原節子の気品溢れる演技、対照的な自動車修理工・圭三役の佐野周二が見せる野暮ったい中にも誠実さを滲ませた演技、いずれも見事に彼らの持ち味が引き出されています。流石は木下恵介、といったトコロでしょうか。”金のための意に沿わぬ見合い”に打算を感じ、決然と結婚を破棄する圭三の姿には失われつつある当時の日本人の心意気を見ました。ラストで見せる恭子の情熱的な行動がグッと高揚感を増して心地良い幕切れでした。8点(2004-01-16 09:29:59)(良:1票)

37.  モスラ対ゴジラ 《ネタバレ》 後のマニアをして”モスゴジ”と呼称せしめる程、本作でのゴジラの憎々しい造形は見事!操演怪獣(モスラ)との闘いといった新機軸に挑む本多監督&円谷特技監督の志の高さをもっと評価して欲しいナ。憎まれ役を一手に引き受けて天晴れな貫禄を見せるゴジラのふてぶてしさもGoo!チョココルネを髣髴とさせるモスラ幼虫は片方(たぶん尻尾で叩きつけられたヤツ)が死亡したコトを後に「三大怪獣 地球最大の決戦」で知らされ何となく(´・ω・`)ショボーン。8点(2004-01-12 02:33:33)

38.  長屋紳士録 《ネタバレ》 おたね(飯田蝶子)が為吉(河村黎吉)、喜八(坂本武)とクジを引く場面がケッサク!!全部にペケが付いてるイカサマとも知らず、気の早いおたねは自分が貧乏クジを引いたと宣言して茅ヶ崎行きを余儀なくされる。河村黎吉も得難い名脇役だったよなぁ。笠智衆扮する田代の隠し芸「覗きカラクリの口上」場面といい、戦後復帰第1作!みたいな気負いもなく飄々とした小津のユーモアが味わえる貴重な一篇。個人的には初期の小津作品の方が好きかな。8点(2004-01-10 11:45:10)

39.  ミステリー・トレイン ジム・ジャームッシュって”成瀬巳喜男”信者らしいね。デビュー作から一貫して平凡な人物のたわいもない会話にえも云われぬ味を滲み出させる辺り、確かに成瀬の影響アリアリだ。本作でも工藤や永瀬の若い持ち味に絶妙の間を入れる呼吸が実に上手い。悔しいが現在の邦画界に成瀬の後継者が(絶望的に)見当たらず、アメリカ人ジャームッシュにお株を奪われた形となったのは何とも皮肉な話ではある。本作を観て「つまらない」「退屈」「だから何?」と評した方は恐らく成瀬作品も全く肌に合わないだろう。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」や「ダウン・バイ・ロー」に比べ、より演出が洗練された本作は、オムニバスっぽい作りとか技巧が前述の二作より妙にハナにつくので2点マイナス。でも近年のそこらの邦画よりは遥かに面白い!悔しいけど。 8点(2003-12-31 17:13:11)(良:1票)

40.  永遠の人 《ネタバレ》 木下恵介&高峰秀子だからといって、呉々も「二十四の瞳」の感動を期待してはいけません。もうドロドロのぐちょぐちょです。何とも暗澹たる気持ちになります。田村正和が阿蘇の火口へ投身自殺するくだりでは此方まで奈落へ突き落とされます。MVPは鬼畜外道な地主の息子を演じた仲代か、と思いきや意外にも善人風を装って死ぬ間際まで高峰秀子扮するさだ子を翻弄し続ける真性の鬼畜・佐田啓二だったりして吃驚させられます。木下忠司のフラメンコっぽい挿入歌もバリバリに浮きまくって果てしなくノイズです。が、しかし!前作「笛吹川」といい、コレほど厭世観に満ちた暗く重い作品が堂々と劇場公開され(それなりに)収益を上げていた事実に、私は嘗ての邦画界の懐の深さを垣間見た気がしました。それは製作側のレベルの高さもさることながら、当時の観客の鑑賞レベルの高さに負うところ大だったのではありますまいか?色々と示唆に富む本作には8点進呈。但し、余りの重苦しさ&フラメンコギターに2点マイナス。ううむ恐るべし、木下恵介!!奥が深い…。8点(2003-12-20 02:08:36)(良:1票)

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