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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 296
性別 女性
ホームページ https://kawamari7.hatenadiary.com/entry/2021/09/03/221816
自己紹介 取り締まる法律が必要な(1)XX中毒。生まれた場所のせいで3歳で兆候が現れ、13歳で表彰状物の重症に、今ではより強い刺激を求め(2)X屋の中だけではなくこのサイトに出没、ネットで(3)XXXXXXがないかと探し回るのに誰も助けてくれません。KW = 「かわまり」「はてなブログ」で原子力開発関連の「プロメテウス達よ」と19世紀ヨーロッパを夢と詩で描いた「黄昏のエポック」を公開しています。  (Xの数に文字数が一致する言葉を入れてください。)

空欄の答え:(1)XX=「言語」、「活字」も可、(2)X=「本」、(3)XXXXXX=「読める外国語」、キリスト教国際病院で生まれ、宗教は仏教。

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  四十七人の刺客 時は平成、潤沢な社内留保を誇り、社員の福利厚生にも厚いAK社はライバルYZ社の密かなロビー活動によって採用された新基準のために製品の大量リコールを余儀なくされ、さらには公聴会での社長の失言によって自らの業務の完全停止、生産ラインの他社への売却と労働者の他社への移管、経営陣とトップ技術者計約三百名の大量解雇という制裁を課されてしまった。この難局に際し、経営の実権を握る専務大石は備蓄してあった部品と原料の即時売却による収入と社内留保とを併せて解雇されたトップ社員の生活保障に充てるよう計らい、再就職先が潜在的に多数存在する某商工業都市に失業窓口を設けるなど対策に奔走した。しかし、大石ら旧AK社幹部の真の目標はライバルYZ社の意図のままに製品基準を変えるよう動いた国会議員吉良(きら)の政治資金規正法違反を暴くことだった・・・。原作を読んだ方がロジスティクスなど緻密な内容が再現されていないと指摘され、また「討ち入り場面が山場であとは平坦・・・。」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、原作未読で「討ち入り場面だけが見所なのだろう」くらいの考えで何も期待しなかったわたしは十分満足することができました。何よりも画面が美しいのが良かったです。組織のありかたなどについて学ぶべき教訓を多く含み、映画としてはこの上なく緻密に作られていると感じました。特に、解雇に伴う手当ての支給額が発表されるところなど、服装が違うだけで現代でもしばしばありそうな光景でした。美人の奥さんとの間にたくさんの子供がいて、京都にも愛人がいて、自分の死後に二人が困らないよう手配して散っていった渋いおじさん、大石内蔵助を演じているのは・・・高倉健・・・エンド・クレジットまで気がつきませんでした。わたしにとっては初めて見た高倉健のちょんまげ姿でした。[DVD(邦画)] 8点(2010-02-12 05:09:25)

22.  太平洋の地獄 三船敏郎のファンがディスカウント・ストアで4ドル(400円弱)で売られていたこのDVDに遭遇したら・・・飛びつくのは当たり前、ましてやDVDの字幕でスペイン語とフランス語を勉強しようと欲ばっているわたしとしては天にも上る気持ち・・・と言いたいところですが、後者の期待は裏切られ、「うるさい!」とか「こんちくしょう!」といった表現ばかりを学ぶこととなりました。美しい南太平洋の島を舞台にくりひろげられる、敵対する国の軍人としての威信と生存をかけての壮絶な戦いと協力の顛末を描く重厚な作品で、言葉が通じない二人の登場人物間で交わされる台詞はほとんど重要ではないのです。三船でなければできない演技に魅了されっぱなしの本作品は三船以外の俳優が主演していたらBC級の作品になっていたことはまちがいありません。「三船敏郎の後継者と目されている某氏は首から下は演技をしていないよ。」という俳優志望の人の指摘を聞いたことがありますが、それからというもの、三船敏郎出演の映画を見るたびに彼は世界の演劇史でも稀にみる名優だとつくづく思います。米人役がちょっと軽いかったり、三船には超エリート海軍中佐の風格が十分なのに簡単な英語も話せなかったりするのが不自然ですが見ごたえは十分でした。ディスカウント・ストアさん、これからは20ドル以上でこのDVDを売ってください。それだけの価値があります。 BGMがジャズもありクラシックもありでおもしろかったです。[DVD(字幕)] 8点(2009-03-21 13:30:58)

23.  雨月物語 能楽ファンにはたまらない魅力がある作品だと思います。私は謎の若い女を演じた京マチ子の仕舞の出来をどうこう言えるほど能楽を見たわけではありませんが、能舞台では男の能役者によって面をつけて舞われる仕舞が能面のような顔をした京マチ子によって舞われ男性の謡(うたい)がバックに聞こえるのは官能美の極地です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-07-31 15:49:22)(良:1票)

24.  羅生門(1950) “Rashomon syndrome”という言葉がある。権威のある英語辞書(Oxford やRandom Houseなど)にこの言葉が熟語として収録される日も近いと思われる。この熟語の発祥の地である日本で対応する言葉、「羅生門症候群」が一般的に使用されていないのは不思議な気がするが、英語圏でこの熟語が市民権を得てきた背景にはキリスト・ユダヤ教に基づいた一元的世界観、また裁判を好むアングロ・サクソン民族の風土が存在する。西欧の一元論において真理は一つしかないとされる。しかし裁判など「人」がどうあっても真理を探りそれに基づいて何らかの結論を下さなければならない場合において、「人」の証言というものは各人の背景や利害、証言を行う環境などに容易に左右されてしまう。“Rashomon Syndrome”は一つの真理に対して複数の見方を存在させるに至るような集団の心理状態を指す。この熟語が権威ある英語辞書に収録された場合、語源は[Rashomon < Japanese, the title of a film by Akira Kurosawa]と記載されることは間違いない。なお、“Rashomon syndrome”に対して ”Trashomon”という言葉がある。この単語が権威ある英語辞書に収録されることはまず無いが、一応意味と語源を日本語を交えて記しておく。意味:どうでもいいようなくだらないことに複数の人間がやかましく意見を述べること。また、その状態。  語源:[trash(はきだめ)+ Rashomon < Japanese] (付記:黒澤の他作品でこの作品を越えるものが多数ある、という理由で初投稿後2点減点しました。)[映画館(字幕)] 8点(2004-02-04 03:30:49)

25.  この世界の片隅に(2016) アニメとコメディーには8点以下しかつけないことにしているわたしがこの点数というのはつまり満点でもないので申し訳ないのですが、もっと強烈なものをリアルな映像や本で読んでしまい、いちいちそちらと対比してしまったのでこの点数です。暮らしの手帖社から出ている「戦争中の暮らしの記録」でこの本は暮らしの手帖社がある限り絶版にならないし同社がなくなったら他社が版権を引き継ぐべき書籍です。かいつまんで言えば、この映画作品の中で主人公のすずがしている食べ物の工夫が書かれた分量にして何倍も掲載されている上に衣料、美容など、暮らしの手帖社の雑誌「暮らしの手帖」に網羅されている生活の工夫が戦時中にはいかにしてなされていたかが詳細に描かれているのがこの書籍です。この映画作品の原作者もおそらくこの本を手にして漫画作品中にどれを取り込もうか考えあぐねたと思います。一般の人々からの投稿による同書は映画作品中のすずと同じく戦時中の人々の生きるための精一杯の努力が描かれているのと同時にB29による空襲によって必死で支えた生活があえなく瓦解するさまも描かれています。そして本作品ですが、舞台は原爆が投下された広島の隣に位置する造船の街、呉市ですが、1945年8月の初め、「広島の実家に帰ろうか。」というすずを観客は皆、声に出しても出さなくても止めることでしょう。ここまで強く生きてきたすずの命が決してここで終わってはいけないと誰もが思うのです。これから広島と長崎への原爆投下を経て終戦に至るすずの生活は決して100%幸せではありません。これはもう、強い人間には神は耐えられるだけの試練を与えるとしか言いようがありません。でも、終戦の日を迎える前に国の内外であえなく命を落とした人も大勢いることを忘れてはならないと思います。[映画館(邦画)] 7点(2019-08-25 05:06:35)

26.  単騎、千里を走る。 《ネタバレ》 北京オリンピック開会式のプロデューサーを務め、その後の作品で潤沢な資金やエクストラを駆使して「昔の心意気はどうした!」と揶揄されたチャン・イーモウ監督のまだ擦れていない頃のお涙頂戴もの作品です。別に日中両国をまたがなくても、とかツッコミどころはありますが高倉健と仕事をしてみたかっただけなのかもしれません。でもプロの日中ガイドと少し話しが混みいるとしどろもどになるガイドの二人を配して言葉が通じないことからくるドタバタもあり、最後は言葉を越えてわかり合うようにもっていくところなど、心憎いストーリーでした。リーの仮面の下での涙は唐突に感じましたが自分の子供のために動き回れる高田(高倉健)に対する羨望と囚われの身の自分に対する自責の涙だったのですね。高田がガイドを介して伝えた決断はリーとヤンヤンの父子両方にとって妥当なものだったと思います。高倉健さんは昨年亡くなりましたが「チャン・イーモウ監督、高倉健が元気なうちに撮れて良かったね。」と言いたい一作です。雲南省の風景がとても綺麗でした。 [DVD(字幕)] 7点(2015-02-12 08:00:51)《改行有》

27.  トラ・トラ・トラ! 日章旗を前にして整列する真っ白な夏服の日本海軍の兵士たちや山本五十六ら、日本人海軍将校たちのセクシーなこと(アブナイ!アブナイ!)・・・。勝利は究極的には自由と民主主義にもたらされると説いた山本五十六、そして(2.26事件、5.15事件などによって当時、日本の民主主義は実際には麻痺状態だったのですが)国民の信託を受けたはずの内閣に権威で対抗するのではなく明治天皇の御製歌を朗読することによって内閣の戦争突入の意向を暗に批判した昭和天皇など、戦争に反対するこれだけの優れた日本人がいながら、外交の敗北という過程を経て日本が戦争に突入していく様がリアルに描かれていたのが良かったです。日本軍による真珠湾攻撃は山本五十六がラスト・シーンで言ったように戦術(tactics)上の勝利であり、戦略(strategy)上での日本の敗北を意味していました。二十世紀前半、人類は一度で懲りずに二度までも愚かな戦争を経験してしまったわけですが、旧戦勝国と旧敗戦国の映画陣が協力し、お互いの情報収集力や俳優、映画技術を駆使してあの頃一体何が起きたのかを冷静に分析し、それぞれの立場で描いたなら、オスカーどころかノーベル平和賞を受賞してもいいような人類全体に資する至宝が次々と生み出されることでしょう。 本作品でのアメリカでの評価はIMBDによると10点満点で平均7.4点(4,665人)、米国Amazon.comでは5点満点で平均4.5点(174人)。因みに「戦場にかける橋(Bridge over River Kwai)」は米国Amazon.comで同点(132人)、IMBDはデータなしです。冷静な分析がなされている戦争映画はアメリカではメチャ受けます。ましてや、この映画は謎に包まれたかつての敵国についてです。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-29 00:36:51)《改行有》

28.  タンポポ 私は大友柳太朗(巻頭のラーメンの先生)の食べ方のほうがおいしそうだと思います。(こんなこと主張しあうなんてしょうもな・・・。)大滝秀治、加藤嘉、中村伸郎、井川比佐志など超ベテラン俳優が惜しげもなく脇役やチョイ役に使われていい味を出している、配役の面でも贅沢な映画です。トンカツ屋のことで文句を言う浮浪者役も超有名な俳優さんのはずなのですが、名前が思い出せません。誰か教えてください。7点(2004-04-14 13:50:39)

29.  始皇帝暗殺 イエス・キリストは 1. ローマに布教に行く途中で病死した。2. 磔にあって刑死した。3. 天寿をまっとうした・・・の答えと同じくらい司馬遷の史記のこのくだりは日本人の知識人、特に男性にとって長い期間、常識と言える事実だったのことです。「・・・だったとのことです。」という断定を避ける言い方をしたのは源氏物語の中で光源氏のライバルが燕の皇太子が決意に煩悶する史記のくだりをあてこすりで暗誦する場面があるのを思い出したからで、私自身は史記は「覇王別姫」の元になった「垓下の戦」を高校の漢文の時間にちょろっと舐めた程度ですが・・・。コン・リーがやはり出演していますね。この人は強い女しか演じられないと私は思っているのですが、趙夫人のような強い女の役をどんどん演じてほしいです。でも、男と言い争った後でくるっと踵を返して肩を怒らせてスタスタ歩いていくようなのは止めてほしいです。もっとも「女の三従」なんていう道徳律が一般化されたのは後世のことで、この時代の女性がシャネル、ではなくてしゃなりしゃなりと歩いた、なんていう記述が「史記」あるとは思えないので、地のままでいくしかなかったのでしょうが・・・。日本の新石器時代の年代をこの頃だったのかな・・・などと推定するのに放射性炭素のお世話にならなければならない紀元前3世紀に、お隣の国では貨幣や度量衡の制定、交通路の整備、北方民族の侵入阻止などのために強大な指導力が必要とされるほど商工業が発達し、もちろん文字もあればウーマン・リブ運動もあった・・・というのは一番最後だけ未確認です。7点(2004-04-07 02:46:19)

30.  マルタイの女 この作品は今までのいくつかの女シリーズでのテーマだった単純な善悪ではないと私は思います。全編から「おまわりさん、ありがとう、ありがとう、ありがとう・・・(淀川長春のパロディーではありませんよ。)」という伊丹監督の叫びが聞こえてくるようで痛々しいです。考えてもみてください・・・「マルサの女」で血税をとる国税庁査察官の努力の姿を描きながら、「ミンボーの女」で暴力団をテーマにしたばかりに右翼に狙われ、妻宮本信子と夫婦ともども警察のご厄介になりながらの映画活動を余儀なくされたんですから・・・伊丹監督本人の生活を模写したこの作品の中で二人のスゴ腕の警官がその間他の仕事は全くせずに女優ビワ子に付き添い、当然のことながら結構な給料や超過勤務手当てをもらっているのですが、現実の社会では彼らの給与は国民の税金によって賄われているのです。「納税者のみなさん、私がやりたいことをやったばかりにみなさんの税金がこのように使われてしまっています。ごめんなさい・・・。」という伊丹監督の声も聞こえます。映画ファンとしては警官が10人付き添っても構わないからいい映画を作り続けてほしかったですが、その期待が伊丹監督の負担になったことは想像にかたくありません。「もう、勘弁してください。」とう伊丹監督の自殺予告の声まで聞くことができます。伊丹監督の自殺は惜しまれる死ではありますが、やるだけのことは果たした上での散り方だったと思います。合掌。7点(2004-03-13 07:30:20)(良:2票)

31.  ラスト サムライ 日本のことをよく勉強しておるのお・・・褒めてつかわそう。途無来須(トム・クルーズ)の殺陣もあっぱれじゃ。(ラストバカ殿様) ・・・さて真面目に戻って、この作品について英語のレビューサイトを見たところ、中に「勝元の叛乱の理由がわからない。」というのがありました。作中で主人公オルグレン大尉が手記の中で明確にしている年月日をからもわかるように、このストーリーは1877年の西南戦争と西郷隆盛をモデルにしています。上記のアメリカ人とは異なってこの映画を見た日本人のほとんどは西南戦争が起きた年を覚えていなくても西南戦争は知っていてそのせいで作品のストーリーにすんなり入っていけたと思います。でも、どれだけの日本人が西南戦争の本当の理由を説明できるのかは疑問です。少なくとも私は「征韓論に敗れたから。」なんて理由は納得できません。だから登場人物の大村(=岩倉具視?)が近代化に名を借りて私腹を肥やしていた、という大胆な仮説を採用してストーリーに肉付けしたハリウッドの製作者は偉いと思うのです。7点(2004-03-06 10:20:37)(良:1票)

32.  まあだだよ 英文字幕付のDVDで見ました。こういった作品は劇場で見るのではなくて家庭でお茶でもすすりながら見るのが合っていると私は思いますが、黒澤映画独特の美しい画面はもちろん健在です。師弟間の情感がたっぷりと描かれているのはもちろんのこと、師弟の間で交わされる会話に方丈記あり、ファウストあり、李白ありと知的に豊かで、また別棟の書斎を「禁客寺(キンカクジ)」と名付けるなどの言葉遊びが豊富だったのでその都度DVDを戻して「英語はどうなっているのかな・・・。」と詮索してしまいました。終わり近くのシーンの「このくそ坊主!」「まだ、俺の出番じゃない・・・。」なんて英語、覚えて使うきっかけあるのでしょうか・・・?7点(2004-02-25 03:28:14)

33.  菊豆/チュイトウ 染物屋が舞台になっているだけあって、色彩がすばらしい。それからコン・リーの演技もよかったです。「跡継ぎ息子を産め!」といって妻を虐待する子供のない老人(こんなふうにして子供ができるわけないでしょう)に耐えかねて主人公は「自分の身を守るためにはどうしても子供を生まねば・・・。」と決意しますが、封建的な中国社会に特有かもしれない家(それに加えて自分の身)を守り、跡継ぎを確保しようという意図がポルノまがいのストーリーとシーンにつながっていくのにはぞっとさせられました。この映画、決してポルノ映画ではないけれど、中国で上演禁止になったというのもわかります。後半、子供ができてからはもっと怖い。「中国人よ、家の亡霊に取り付かれるのはやめろ・・・。」という作者の叫びが聞こえるようで、何事もいきすぎると変態じみていくのかと感じました。美しい映像が重苦しいストーリーをなんとか救っています。7点(2004-01-23 10:54:32)

34.  マルサの女2 《ネタバレ》 一世を風靡した感があった前作と比べ、地上げ屋や新興宗教を取り上げ、国会議員も登場させてちょっと手を広げすぎた感じがしました。わたしは本作品を確かニューヨークのマンハッタン、リンカーン・センターの近くの映画館で見た記憶があります。「あの石を3つ所有する者は世界を支配すると言われています。今のところ教祖様の他ではロックフェラー財団が一つ持っています。」と怪しげな教団勧誘者が言った時にはアメリカ人が殆どの館内がわっと湧きました。伊丹監督は異文化も充分意識したようです。ただ三国連太郎が扮する地上げ屋兼新興宗教の教祖の夫は前作で山崎努が演じた守銭奴のようにユーモラスではなく、「日本の東京がその国際的地位を奪われないように俺が汚い役をかって出る!」のような悲壮感のある決意がありながら自らの欲望のために少女の将来を台無しにするといったどちらかというと憎むべきキャラなのが前作とは異なり、悪役への感情移入を難しくしてしまったのが残念です。[映画館(邦画)] 6点(2020-05-30 11:53:44)

35.  風立ちぬ(2013) わたしは人間と人間の手足頭脳の延長としてのメカとの関係を描いた作品(例えば「アポロ13号」や「ハドソン河の奇蹟」)に高得点をつけることにしていますが、堀辰雄のセンチメンタルな私小説と同じタイトルのせいでずっとこの作品は恋愛物だとばかり思い込み、長らく鑑賞をサボっていました。あるきっかけで零戦戦闘機というメカを追求した技術者の話だと知って即レンタルしましたが、やはりタイトルに沿った恋愛の脚色が邪魔に感じられました。実際の堀越二郎は作品の中の同姓同名の人物と違って愛妻との間に多くの子宝に恵まれ、戦前には貴族にも列せられて公私ともに恵まれた人生を送ったようですが、ただ一点、心血を注いで作った零戦戦闘機が特攻隊の若者を乗せて敵の軍艦を百発百中で撃沈する道具に使われ、つまり破壊されることが目的で使用されてしまったという、実際の堀越二郎がおそらく抱いていたのに違いないやり場のない怒りや悔いを恋愛抜きでもっと掘り下げて描いてくれていれば良かったのに、と思います。[DVD(邦画)] 6点(2016-10-12 13:20:39)

36.  テルマエ・ロマエⅡ ちょっとマンネリかな。本来、ローマの奴隷文明で可能になった数々の考案を電気文明の私たちが真似している部分も多いはずで、それを逆にしたことで前作は笑いをさそったのに、ルシウスがアイデアに行き詰まると現代日本にタイムスリップするのも「またか!」といった感じになってしまいました。前評判だった力士の登場も、特に曙と琴欧州についてはストーリーにあまり絡んでなかったし、プッチーニのオペラ、ツーランドットからの「誰も寝ない」もトリノ五輪開会式でのパバロッティの熱唱、同五輪女子フィギュアスケートで荒川静香さんが逆転金メダル獲得した時の演技曲、前作でルシウスが皇帝に表彰された時のBGMと続いてわたしにとっては今回四度目の感動シーン(?)での採用ですっかり食傷気分になってしまいました。やはり脚本がイマイチです。今回、オペラ以外からのBGM選曲は新鮮でまた、アケボニウスのいでたちやコロセウム、草津温泉の風景など、視覚的にはたっぷり楽しめました。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2015-01-24 04:19:35)《改行有》

37.  千年の恋 ひかる源氏物語 酷評が多いけれど、そんなに目くじら立てることはないんじゃないかと・・・今から千年前に書かれ、日本が世界に誇れる世界初の近代文学だとか吹き込まれている上に高校の古典の時間や大学入試で油を絞られた記憶から辛い点数がつくんじゃないかと思います。光源氏と明石の君が熱帯魚が泳ぐ海中でダイブの追いかけっこするシーンとか目いっぱい楽しんだんですけれどね。本作の欠点は長いことだけです。目を楽しませる色彩や豪華な衣装・背景や耳に心地よいシンセサイザー音楽なんて一時間半以上続けて見ると食傷気味になります。で、かく言う当方はイアン・マックラン監督兼主演で戦車が突進し軍用機が空を舞う「リチャード三世(シェイクスピア原作、上映時間104分、本サイトでの平均点8.75)」の大ファンです。リチャード三世にあげた点数と同じ9点をあげようとも思ったけれど、質的にちょっと落ちる「ロミオ+ジュリエット(シェイクスピア原作、レオ様主演、本サイトでの平均点5.54)」にわたしがつけたのと同じ点数にしておきます。「シェイクスピアと紫式部を差別しないでください!」というのがわたしの切なる願いであります。[DVD(邦画)] 6点(2012-09-29 12:35:52)

38.  フランケンシュタイン(1994) 点数をつけにくい作品。ホラー・ファンには不評のようですが、ブラナーのフランケンシュタイン博士は彼にぴったりだし、デ・ニーロは顔をぐちゃぐちゃにされて気の毒だけれど、元モーツアルト(「アマデウス」の主人公)、トム・ハルスが演じる博士の親友の凡才が登場する度になぜか心が和むし、ボナム・カーターは人形のようなきれいな顔をしているから終わりのほうの・・・これ以上書くとネタばれをオンにしなければいけないのでやめておきます。出演の俳優さんがそれぞれ個性を発揮したいい演技をしています。他の方のレビューの中で「中世は苦手」とかいうコメントがあったので一言。冒頭のテロップで簡単に触れられていますが、時代背景は19世紀始め、フランスは大革命を経験し、イギリスでは議会政治が成熟して産業革命が進行中、ジェンナーが始めた予防接種の科学的根拠が議論され、蒸気機関や電気も応用まであと一歩というところで、当時の知識人の科学に対する信頼と希望は現代人のそれを上回っていたのです。原作者メアリー・シェリーが後に夫となる詩人のP.B.シェリーと駆け落ちしてスイスに滞在していた時、P.B.シェリーがあまりに科学を信じていることに疑問を感じて書いた作品です。人造人間だのクローンだのはとても一人の科学者が達成できるものではなく、例えば遺伝子(DNA)の解明などといった関連の業績がある度にノーベル賞が奮発され、臓器移植にからむ脳死だのが倫理的に取りざたされてきたということを現在のわたしたちは知っていますが、人間による生命解明に対するわたしたちのこういった姿勢も、メアリー・シェリーが科学万能の考え方にいち早く疑問を投げかけてこのような作品を書いたからこそ生まれたのかもしれません。本作品はそこまで深くは考えさせませんが、原作は文学史上で不朽の地位を確立しているし、映像は美しいし映画化の価値は十分に認められてよい作品です。 原作では博士の弟を殺した罪でのジャスティンの裁判がしっかり書かれていました。この経緯が省略され、民主制の当時のスイスではまさかのような唐突な絞首刑のシーンがあって時代背景を中世だと思わせてしまう一因となっていますが、この減点は大きいです。[DVD(字幕)] 6点(2008-03-18 14:47:28)

39.  お葬式 面白かった。決して高い評価ではないけれど、海外のスペクタクル映画などに出演した経験もある伊丹十三のほのぼのとしたホーム・ドラマで一度は見てみるといい作品。宮元信子は専業主婦から俳優稼業に復帰したばかりだと思いますが、後年のキャリア・ウーマン・シリーズとは異なって演技が固い感じがするけれど、それも悪くはないです。[ビデオ(邦画)] 6点(2007-04-04 05:28:59)

40.  Shall we ダンス?(1995) アメリカ人の大家さんが「すっごく面白いんだから!」と又貸ししてくれたビデオで見ました。この事実がカルチャー・ショックだったんですね。わたしは「すっごく面白い。」とは思わなかったけれど、アメリカ人が見ると「すっごく面白い」んだな・・・というのでびっくりしました。何でも「バイオレンスもセックスもない楽しい映画をありがとう・・・。」というような映画評がアメリカであったんだそうで・・・。私にはただのホームドラマにしか見えなかったんですが・・・だったら、日本のホームドラマの製作者のみなさんはもっと自信を持ってどんどん作品を輸出するといいと思います。最初のダンス・シーンでシェークスピアの言葉が小説の巻頭引用のように出てきて英語圏の人を引き付けるのに十分・・・でも、話の展開が私としては「ホームドラマ」なので、いやはや・・・ほのぼのとしていい感じではありましたが・・・。役所広司にはもっとマッチョな役が似合うと思うのでこの点数です。竹中直人のダンスには感服しました。[ビデオ(字幕)] 6点(2005-06-29 00:30:28)

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