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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 テーマは戦闘機の開発秘話だがヒューマニズムとはかけ離れている あえてその辺のおりこうな演出を避けたと思われる ただただ飛行機に惚れ込んで最高の小型機を開発する為だけにすべての情熱を注ぐ主人公の物語だ 開発された戦闘機は戦争で使われるが、「戦争は嫌だが戦闘機はやっぱり凄い」的な宮崎愛に溢れていて、戦闘機=戦争の道具からははっきりと乖離している ある意味いさぎよい 今までと違ってあえて手書き風の背景とか風景 雲を突き破って出て来る飛行機もいつものダイナミズムは無い スタッフロールも手書きなのは、一途だが稚拙な主人公を表した表現なのかと思ったのは考えすぎかな 開発者の情熱はある意味幼稚でその恋愛においても身勝手な稚拙さに溢れている 庶民の生活苦の様子もちらりと出て来るが、あえてブルジョワな主人公とヒロインの生活ぶりが描かれていて「今回は安っぽいヒューマニズムは抜きだ」と監督の方向がはっきりとわかる ここが気に入らない人はこの映画はまず駄目だろうな あるいはそこまでもこぎ着けなかった人も多いだろう ヒューマニズムやら優等生的な事は、はっきりいってどーだっていいや的な研究者だ たびたび出て来る喫煙シーンはそのへんのメタファーなのか 感情的で幼くて稚拙な恋愛も一途な開発者の主人公に合っていると思った これまで一貫してエンターテイメントと自然崇拝に溢れた作品を作り続けた宮崎駿が、最後の最後に作りたかった映画が今までと丸反対なテーマだった事は正直に潔いと思った しかしこれを万人が見て面白いのだろうか 少なくともこの作品の描きたかったテーマがわかった人は正味半分ぐらいじゃなかろうか 最後の最後に宮崎駿らしい花を咲かせたと思う[ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-07-29 00:03:38)

22.  フィギュアなあなた 《ネタバレ》 「花と蛇」以降ちょっとセンセーショナルな女優の裸にこだわりすぎるきらいがあった石井隆の作品 あいかわらず不可解な演出があるが今回は見事にはまる シリアスから外れてファンタジーというカテゴリーなので石井隆の不可解演出にさほど違和感を感じなかったせいだろうか お約束のネオン管や雨もこの映画にはぴったりだった ヒロインの佐々木心音はとにかく脱ぎっぱなし ヒロインの凄い体をとにかく舐め回す様に撮るが、やはり前作の「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」でも思ったことだけど 長過ぎる ワンシチュエーションでのヌードシーンはこんなに長く無くてもいいよって思った しかしヒロインの無表情のフィギュア振りとかシャワーで体を洗ってやったりトイレに座らせたり男の妄想爆発なシークエンスは中々良かった 石井監督は一貫してすべての愛を純愛で描くが今回は人形に対する愛である これは「GONIN」の男同士の愛並みのインパクトがあった 序盤で出てきたレズのタチ役のヤクザの暴れっぷりもかなり良かった 殺されたあとで意味なくパンツをずり下げられて貫禄の腹まわりにアンダーヘアー丸出しの演出は見たいかと言うと残念ながら微妙だが、なかなかの女優根性だ この辺の普通じゃない恋愛も石井隆ならではという感じか この映画、女のヌード(とくに下半身)をバカバカしくなる程無駄に出していて、そこにスラプスティックな可笑しさや哀しさを感じるが、そこに気が付かない人にはただの悪趣味な映画に思えるのじゃなかろうか ラストのヒロインが歌いながらノーパンバレリーナで踊り狂うのは、ばかばかしさ大爆発 あまりにも不条理なので逆にカタルシスに繋がって何故だか涙が出た それまで劇中しつこいぐらい繰り返しかかっていた名曲「Aura Lee」がこの時初めてヒロインの声に乗って流れる  優しくて哀しくて切ない[ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-07-28 23:44:16)(良:2票)

23.  GONIN 《ネタバレ》 オリジナルよりも10分長いリアルエディション版を見る 石井隆最高傑作 石井隆はあれこれ見たがやはりこれが最高 なによりも石井隆の描く純愛が今作は同性愛であることが大きい いつもの男女の恋愛は石井の場合必ず純愛であるが故に、持ち前の過剰演出と俳優のオーバーアクトがじゃまになって見ていられない時が有る しかし殺し屋と弟子の愛情まで(もち男同士w)、ことごとく愛情が純愛であるところは石井隆の真骨頂だ しかしその恋愛そのものはかなり屈折していて一筋縄じゃないところも哀しくて説得力が凄い たけしの抑えた芝居と、普通なら鼻につくオーバーアクトの本木雅弘の芝居がぴったりとはまった感がある 話の展開も読めないし竹中直人の自宅でのエピソードもギョッとした メインキャストの5人が殺されてゆく順番もかなり以外で自分的にはまったく読めなくて、そういう意味でも楽しめた キャラ作りが抜群でメインの5人だけじゃなくヤクザ達にもちゃんと見せ場があってすべてのキャラが立っている とくにたけしの登場シーンはぞくっとした 女が出ない石井隆も珍しいが男同士の恋愛映画としても抜群で、本木演じる三屋の美しい横顔で終わるエンディングも心に残った[DVD(邦画)] 8点(2014-06-09 16:24:35)(良:1票)

24.  トリハダ -劇場版- 《ネタバレ》 テレビシリーズをまったく見ていないのでこの劇場版がシリーズのどの辺に位置する作品かはわからない 劇場版と言いながら有名俳優等は誰も出ず、いたってテレビ的だ しかし88分という短い尺でメインストーリーを含め無駄無く7話分の話を凝縮して見せたのはなかなかだ 一話ずつも違和感無くどれかがつまらないと言う事も無い 設定に違和感を感じるエピソードはあるがどれもオチは秀逸 このオチですべてが許せるのは「世にも不思議な~」等よりもかなり練り込まれてる感がある 短い時間に必要な情報を凝縮して見せても破綻しない 心霊現象にも逃げてない 「V/H/S シンドローム」よりも一話多いのにちゃんと見せるのはたいしたもんだ 各エピソードの中では「異常な愛情と執念の6日間」がシチュエーション的に一番怖い この手のモンスターストーカーに魅入られたらどうしようもないな 「誘惑と疑念の葛藤と脅迫」の営業ねえちゃんのトークは凄い 絶妙にイライラさせながらも強引に話を続けさせるセールストークは詐欺営業のお手本にしたい 脚本が充分に練り込まれてる感がある 部分的なストーリーに若干の関連性があるが、全話を通してなにか通した話が有れば良かったが、さすがに求めすぎかな テレビシリーズも見てみたいと思わせた一作だった[DVD(邦画)] 8点(2014-06-09 16:19:44)

25.  ソナチネ(1993) 《ネタバレ》 北野映画ってこんなんだよねって感じの代表作 おかしな間、ためのない暴力、らしくないキャスト、笑えない悪ふざけ、遠い目線、北野映画のすべての要素が満載だ キャストが遠い目をするとバイオレンスシーンになるのがお約束 ヤクザの夏休みを青い空の下で延々と描く 花火をしたり、踊ったり、落とし穴を掘ったり、ビーチで相撲をするシーンは、部屋の中で和気あいあいとトントン相撲をするシーンと繋がっていて楽しい しかしその先の悲劇を予感させて、切なくて哀しい名シーンだ エンターテイメントからは少し遠ざかるが非常にバランスがいい作品だと思う ラストで自殺するたけしは今となってはわかりやすすぎてあまりにも文芸チック 今のたけしだったらもっと違ったラストになっていた気がする[ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-06-09 16:12:24)

26.  舟を編む 《ネタバレ》 タイトルから想像すると小難しい映画かと思ったら、きわめて直球のわかりやす映画だった 前半、宮崎あおいが出て来るまでにかなり間があって、それはそれで主人公の人生の最良の転換点が描かれていて結構面白かった 宮崎あおいと会って結婚するまでも笑えるシーンが多くて楽しい 出会いの場面などあまりにもベタで気恥ずかしいと思ったが、この映画なら許せる範囲だ ラブレターを渡すシーンも結構あっさりで「渡すんかい!」とか、告白するシーンも「ああ、言っちゃったよ」とかいちいち画面に突っ込んだ(笑) しかしそれ以降、宮崎あおいの存在が印象不鮮明で居ても居なくてもいい感じに思えた ヒロインの表情もさえなくて、むしろマジメ(主人公)との結婚生活に問題が有る様な演出にも思えたのは私だけだろうか 辞書の編纂に恐ろしいほどの時間が掛かって、出来上がるまでにも様々な問題や監修の先生の死などのドラマもあって、むしろ静かだがスポコン物の様な展開だ 数々の問題を乗り越えながらも新しい仲間が増えたり、何十年も一つの仕事に関われるなんて羨ましい職場だ 地味で以外に長かったけど良い映画に出会えたと思った[ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-04-23 10:44:27)

27.  紀子の食卓 《ネタバレ》 「自殺サークル」の前日譚であり解明篇でもある 「自殺サークル」がまったくオチなかったので、ある程度理解出来てそれなりの満足感があった しかしやはりというか秘密結社の様なカルト集団の話である このオチはこれしかあり得ないので月並みな、「やっぱりか」という落胆も伴なった 3人のヒロイン達のモノローグでストーリーが進行して行く手前、各自の想像や希望なども盛り込まれていて、一筋縄ではいかない展開も違和感を伴う しかしそもそも徹底した一人称の表現は、多少リアリティを外してもかなりの部分で許容範囲なうまい表現じゃなかろうか 園子温にしては表現がかなりソフトだがヒロインが皆若いのでしかたがないのか 曲がりなりにもアイドルのキャスティングだし ヒロインの紀子は基本、身勝手なイライラさせる女なので、行く末が悲惨でもしかたがないかなと思って見ていたが、しかし一番の悲劇はさほど出てこない母親だと思った この人はほとんどキャラを描かれないのでむしろ可哀想で救いが無い 精神障害を伴う女性の表現は一番の不得意科目なので見ていて結構つらかった しかしカルト集団からヒロインを救い出す話は、2年後の「愛のむきだし」で完成されていて、同じテーマで愛の本質(この場合は家族愛か)に近づいて行く映画作りはさすがに見事だ[DVD(邦画)] 8点(2014-04-09 11:46:13)

28.  復讐するは我にあり 《ネタバレ》 文化や風俗、トラックやタクシーにいたるまで手抜き無く昭和30年代を再現している 緒形拳は始終へらへらした激クズの主人公を怪演 これほどまで鬼畜なクズは見た事が無い 出て来るヒロイン達はことごとく熟女で、人によってはかなりがっかりだと思うが私は気に入った というよりも大好物だ(笑) 倍賞美津子は勝ち気な山猿熟女をこれまた怪演 とにかくエロすぎる もう一人のエロ熟女小川真由美を殺した理由が不可解だと思ったが、主人公が自分のDNAを自分でも気づかず潜在的に残したく無かったと思えば納得できる しかしそれにしても鬼畜 エンディングの散骨シーンはストップモーションの部分はちょっと映像効果の意図がわからなかったが、散骨とは名ばかりの、鬼気迫る二人の恨みが凄まじいまでに伝わる衝撃のラストシーンだ 「復讐するは我にあり」というタイトルは主人公の行動では無く、クズ主人公の遺骨に家族が凄まじい怨嗟を投げつける映画だった[ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-04-09 11:39:37)

29.  東京ゴッドファーザーズ 《ネタバレ》 冒頭から次々と偶然に主人公達に関係する人達に出会うのは都合よすぎるぞと思っていたら、その出会いの都合良さがこの映画のキモである事が徐々にわかってくる なので途中から、そこはまったく気にならなくなった なにせ次々と出会う人達に助けられながら、闇雲に走り回っても目的の人物にたどり着く 捨てられてた赤子の清子の回りで次々と事故が起きたり事件が起こったりする描写があるのに、清子に何か特別な力があるっていうオチなのかと思ったがそこは最後まで説明されなかったのはちょっと不満だ 余りにも偶然が続くので実は清子は天使(あるいは悪魔)だったみたいな所を匂わせる事が少しでもあれば良かったのに 後半の幸子の逃走劇に集束するように主人公3人の過去が明かされていくのは中々見事な展開だ しかもその時点で2つの話が同時進行する理由の為に、ギンを病院に置いて行くハナのエピソードが泣かせる上にめちゃ笑った 以降同時並行で話が二手に分かれる この辺は話の組み立て方としてめちゃうまい 別々に話が進行して大団円に向かって集束して行くのはドライブ感があって素晴らしいと思った 追跡の途中で、またまた不運なタクシーの運ちゃんに出会ったりしてコメディのセオリーをちゃんとおさえてる感があって楽しい エンディングは完全に予定調和なので、あそこまであっさりじゃ無くてもいいんじゃなかろうか 尻切れとんぼな割に驚きも無かった 宝くじのエピソードもちょっと判り安すぎて意外でもなんでもない むしろ要らないかな あぶく銭が入るとギンはまた身を持ち崩しそうだし それよりもホームレスから抜け出した3人を最後にちょっとだけでも見せて欲しかったな[ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-03-24 23:11:52)

30.  座頭市血笑旅 《ネタバレ》 三隅研次が座頭市に帰ってきて格段に良くなっている カメラワークもこれまでよりかなり斬新でローアングルからの撮影や人物の頭の部分を大胆にフレームアウトさせる詰まったフレーミングはなかなかの迫力だ ヒロインは若干熟女だがこれはこれで結構イイ 座頭市が義理を感じて面倒をみる赤ん坊に徐々に肩入れしていく様子は時として儚くて泣ける 遊女に赤子の世話をさせるが、気になって眠れない状況をコトコマかに描いていて、座頭市が赤子を可愛くて仕方が無い様子を充分感じさせる演出はうまいと思った 赤ん坊を挟んでヒロインのお香の失敗に、手のひらを優しく叩く座頭市が、二人の儚い幸せを連想させて目頭が潤んだ[ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-03-21 15:20:02)

31.  横道世之介 《ネタバレ》 冒頭からバカすぎる主人公で、「うっとおしいわ、こいつ」と思ったが徐々に気にならなくなってくる むしろ一人で踊ったり浮かれたりする世之介が可愛く見えて来るのは不思議だ ヒロインの吉高由里子も世之介とまったく同じタイプのいい気なバカ女で見事なバカップル誕生 雪のアパートの前でファーストキスしてはしゃぐ二人を俯瞰でとらえるカメラワークは素晴らしい くっついては離れて又くっいてはしゃぐ、二人の足跡が雪の中に点々と残り、天上から浮かれる二人を見下ろす天使の視線で、もっとも輝いてる時代の二人をノスタルジックに描いた 途中途中に挟まれる、友人達が世之介を思い出すエピソードも非常に短くて、だからこそ印象的だった 綾野剛演じるホモの加藤のエピソードは特にいい、「そういえば忘れてたけど、思い出したら優しい気持ちになれる凄く良い奴がいたな」みたいな、思い出すと切ない気持ちになった 徐々に世之介の短い人生に迫って行く演出には正直衝撃を受けた 世之介がすでにこの世にいないことがわかってから以降、それまでくだらないかに見えたエピソードのすべてが愛おしい事がわかる瞬間だった 最後の母親のモノローグは絶対にいらなかったと断言できる それまでセリフで説明するところがまったく無かったのに残念だ エンディング間際に、ヒロインの元に届いた一本のフィルムにわけが分からない写真が映ってて、何がなんだかわからなかったが、それを一枚ずつ再現していくエンディングには感動した 「これかよ……」って思ったら不意に涙が出た 幸せいっぱいの世之介がバカ丸出しで疾走するエンディングは秀逸 既にこの世にいない世之介の青春の最高点を目の当たりにして胸に沁みる切ないラストだった[ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-03-21 15:14:41)(良:2票)

32.  Love Letter(1995) 《ネタバレ》 冒頭、雪に埋もれたヒロインの美しい横顔から始まる そのままカメラがパンすると美しい小樽の景色 その中を走るヒロインを延々と長回しで撮る 本当に岩井俊二は女を撮るのがうまいな いきなり始まるトヨエツとのキスシーンも息をのむ巧さ これほど美しくエロいキスシーンは見た憶えが無い 手持ちカメラで臨場感一杯で撮るシーンも、今時流行のカメラワークの様で95年の映画とは思えない巧さ 物語は事故で失った婚約者に、現在あるはずが無い住所に出した手紙から返事が届くミステリアスな展開 その後現在の恋人と謎の解明の為に小樽へ出向くが、そこで驚きの二重構造の物語が展開する これ以降かなりのネタバレです きおつけて下さい 見てない方は読むのを控えたほうがいいかも 「え、……そうだったの」みたいな話の構造 ……ヒロインは二人いた! しかも同じ顔! こんなことを言ってる時点で岩井の術中に見事にはまってるというしかないかな あいかわらず単純な私だ(笑)その後も図書カードの藤井樹ストレートフラッシュとかの伏線も丁寧に回収されていて中々巧い その時の中学校をポラロイドで撮りまくったヒロインは完全に中山美穂のPVと成っていた 中学の同級生の鈴木蘭々の挙動不審振りとか、担任の中村久美とかのキャラも少女マンガのようで笑える ヒロイン(渡辺博子の方)は現在の恋人に過去の婚約者の事を相談するとか、綺麗な女にありがちな自分勝手な奴でイラッとすることもあるが、逆にそれがリアルでもある エンディングでは、ヒロインが婚約者が逝った山に向かって突然、「お元気ですかー」って叫んだときには「はぁー?」って思ったが、それを何度も繰り返す内に「私は元気でーす!」と叫ぶヒロインの、めちゃめちゃな展開に何故か号泣している自分に驚いた これが岩井マジック! もう一人のヒロイン(藤井樹)の方にも中学時代の藤井樹からメッセージが届く なんとこれがタイトルの「Love Letter」だった 徹底してベタなロマンチストぶりにはまいったぜ、岩井俊二[ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-03-15 13:33:24)

33.  戦場のメリークリスマス 《ネタバレ》 映画にとって音楽の大事さを痛感する作品 一番いいところであれ(戦メリのテーマ曲)が掛かると、とにかくグっとくる 作品としてはテーマが見えにくい作品だけに音楽の重要性は高い おなじみのラストシーンにかけて静かに、しかし劇的に話が進行する 前半に「日本人は命乞いはしない」とローレンスに言い切ったハラ軍曹 そして自分がその立場に立たされた時に、もっとも言いたいであろう命乞いの代わりに出た名セリフ「めりーくりすます ミスターローレンス!」くぅっ! タケシのあの名セリフに戦メリのテーマ曲がどーんとかかると何よりもせつないエンディングだ 映画的にはホモセクシャルが大きなテーマとなってるだけに、ヨノイ大尉が魅入られるセリアズ少佐に余り悪魔的な魅力があると思えなかったのがストーリーを難解にしていると思った 同性愛の映画だと思わなかった人たちもいるのではなかろうか セリアズに魅入られて翻弄される上官を心配する部下達も、分りやすく描かれていないので、唐突にヨノイ大尉が狂ったように見えてしまう そのかわり唯一濃いメイクの坂本龍一が出ただけで、こいつはホモだとわかるようになっている(笑)[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 8点(2014-01-08 01:44:07)

34.  犬神家の一族(1976) 《ネタバレ》 昔見たイメージとかなり違っていた 76年なのでテレビで見ただけなのかもしれないな 146分という長さで見たのは初めてかもしれない 憶えていたイメージよりずっと破綻の無いストーリーだった テレビで見ただけならかなりカットされてたはずだ 意外だったのはまず画面サイズ、シネマスコープだとばかり思っていたら標準サイズだった 画質もシックで暗くどちらかというとローコントラスト もっと絢爛豪華な原色ハイコントラストなイメージがあった 大作だとばかり思っていたからか このイメージの違いが晩年、市川崑がもういちどまんま大作として撮り直そうと思った理由かもしれないな 照明は徹底したサイドライト、その分役者の顔半分に強いシャドウが出るがことごとくシャドウ部分の背景にハイライトが入っていてシャドウが背景にとけ込まない工夫がしてある この背景ライトの部分が豪奢な襖絵などになっていて過去に見たイメージが絢爛な原色のイメージを作ってしまっていたのかもしれない サイドライト自体はおどろおどろしいイメージを作るのに十分役立っている 古い町並みや旅館や駅などもうまく再現されていて作り込みも素晴らしい 映画はとてもよくできていたがこの長い尺ですら原作をなぞって端折った感がある やはり緻密な原作を限られた尺で表現することは不可能だろうがイメージは充分伝わった[ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-31 01:14:11)

35.  座頭市物語 《ネタバレ》 シリーズ最初の記念碑的映画 勝新の緩急ある芝居はうまい 普段のとぼけた調子から時々でるドスの効いたセリフは中々出せる物じゃないな それだけでもすごい役者だったことがわかる 座頭市が仕込みを抜くシーンは少ないが一瞬で稲妻が走る様な演出は印象的 役者もかなりの修練だ 座頭市が何故、人の気配がわかるのかを思わせる足音や衣擦れの音などがかなりの音量で響くシーンが何度かある これだけ耳がよければ普通の生活は大変だったろうと思わせるほどだ ほとんど超能力の様に気配を感じる盲人座頭市の世界を判りやすく表現したシーンを時々挟むのはうまい演出だ 労咳やみの平手造酒の鬼気迫る芝居の天知茂も抜群だ この先のシリーズが27作も続いたのがわかる傑作である ゴジラシリーズの第一作目と同じ印象を受けた カメラワークやライティングもなかなかいい カメラワークが大魔神に似てると思ったら二作目『大魔神怒る』の監督だった[ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-31 00:50:18)

36.  ゴジラ対ヘドラ 《ネタバレ》 シリーズ中屈指の傑作 引きのカメラ多用で特撮もいい ヘドラの造形も飛行形態から巨大ヘドラまでバツグンの出来でシリーズ一の異彩を放つ 冒頭ヒロインのサイケな公害の歌で始まるのはスゲー破壊力、「宇宙大怪獣ギララ(1967)」の地球の歌で始まるプロローグと同質のインパクトだ その後もライブハウスでの海のモジモジくんみたいなコスチュームのヒロインもすごい 股間がホタテだった(笑) この70年代らしいサイケデリックで反体制なイメージは子供には伝わらなかっただろうな 環境汚染をかなり強烈な見せ方で警鐘を鳴らす 実際にヘドロたっぷりの海とか雀荘の客の凄惨な死に方とか 柴俊夫率いる若者達がヘドラにたいまつ(笑)で応戦するも一蹴されるとかも、当時体制に反抗した若者達が政府に一蹴された過程を思わせる ここでメインキャストらしき柴俊夫簡単に死亡 結構骨太な展開は当時の子供にはかなり怖かったはずだ 「かえせ~かえせ~青い海を 青空を かえせ~♪」と歌う歌も強烈に不気味 子供の絵で公害に警鐘を鳴らしたりサイケデリックなアニメーションを挟むなど前衛的な演出も他に類を見ない エンディングも公害の歌をバックにゴジラが狂ったようにヘドラを切り刻む強烈なラストは子供にとってはトラウマだっただろう[DVD(邦画)] 8点(2013-12-27 18:38:52)(良:1票)

37.  天国と地獄 《ネタバレ》 今見るとメインキャストが大物俳優なのは当たり前だが、大勢の刑事役から記者にいたるまで大物俳優で埋め尽くされているのは驚きだ まったくセリフの無い記者の中にも大滝秀治がいた さすが黒澤 序盤傲慢な主人公権藤に辟易しながらも徐々に彼に傾倒していく警察陣は見物だ 車とか当時の風俗や横浜の景色も興味深い 50年も前の映画ながらミステリー部分は十分面白く143分の長さを感じさせない エンディングは逆境にもくじけない権藤に、呪詛の言葉を吐く犯人の前に非情なシャッターが閉まる このエンディングは何を言いたいのかちょっとピンとこなかった もとから金持ちの権藤は金を失ったが人間らしさはそのまま高潔だ 対してしいたげられてきた犯人は結果命も奪われて救われない これは苦労してきてもダメな奴はだめ 逆に楽しく生きて来た奴の中にも高潔な人物は居ると言いたいのだろうか ならばあたりまえのことなのにわざわざ描く意味があるのか? ただただ、ああ無情と思えばいいのかな?[ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-24 12:51:09)

38.  ガメラ2  レギオン襲来 《ネタバレ》 前作は結構古さを感じたが1年しか経っていないのに今作は古さを感じさせなかった 前作ヒロインのシャツインパンツとか伊原剛志のへんてこな髪型のせいかな 前作で違和感があった部分が見事に解消されている 前作の本田博太郎の様なマンガ的キャラはいなくなり特撮も一部CGを巧く使ってよりリアルになった 仙台消滅のVFXとかも衝撃的だ この辺の特撮とCGの兼ね合いがちょうど良いんじゃなかろうか 以後イリスではCGが多用されてつまらなくなっている 怪獣のいる風景として引きのカメラが多用されてよりリアルな怪獣映画となっている 空港でレギオンとガメラの戦闘を飛び立つヘリから俯瞰で見るとかカメラワークも新鮮『クローバーフィールド』を彷佛とさせた 爆発シーンを背景に見栄を切るレギオンとか消滅した仙台に佇むガメラとか美しい景色も健在 ガメラの造形も前作よりさらに凶暴な感じ レギオンにおいては歴代怪獣造形としても傑作である ガメラが吐く元気玉のエフェクトもより迫力を増している 自衛隊の協力も前回どうりだが例えば戦車が集団で戦闘するシーンよりも一般道を走行する戦車隊のほうがよりリアルに緊迫感を感じさせる巧い演出があった ラストの反則とも言うべきガメラ最終奥義も劇場で見てぶっとんだのを思い出した そういえば当時1996年で見た年のすべての映画の中でナンバーワンだったなぁ  傑作怪獣映画だと思う[ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-24 12:29:55)(良:1票)

39.  大魔神 《ネタバレ》 とにかくカメラワークが抜群 驚いた 冒頭,家老の謀反から若君が逃げ出すまでの殺陣を含めて手抜きなしの時代劇 以後黒澤並のカメラの巧さがある 大魔神が出て来るまでに一時間以上あるがまったく退屈しないで見られた 大魔神登場後も特撮部分も同じ大映のガメラよりもいいと思った 大魔神も悪大名をぶっ殺した後、何の罪も無い村人もついでにぶっ殺すみたいな荒ぶる神そのもの 「人間の都合なんて別にどうでもいいや」的な展開もなかなかいい 全体的にもホラーぽい作りで結構楽しい[ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-24 12:23:17)

40.  黄金を抱いて翔べ 《ネタバレ》 冒頭、主人公幸田の何だかわからない場所で何だかわからない独白から始まるがラストシーンで見事に繋がる 幸田とチームリーダーの北川が一緒に仕事をするにいたる経緯とかは描かれない 仲間達が集まった経緯とか関係は本当にざっくりで序盤はハリウッド映画っぽいスピード感があると思った ただし舞台が大阪なのでコテコテだ ホテルのロビーでの西田敏行登場のシーンでは東京人は見ていられなかっただろうな 乱暴な銀行襲撃と緻密な計画とのバランスがいい 左翼とかヤクザとかとのトラブルとかも日本的だがちょっと安易かな 結局北川の家族をあっさりと失うのはチームの用意周到さを思うと違和感がある 変電所の爆破がちゃんと描かれないし爆破自体が銀行襲撃の陽動でしかないのはちょっと物足らないけど緻密な原作を映像化するのは元々無理な話だ 幸田とモモの関係が仲間以上のホモっぽい描かれ方があるがそれはそれで中々良いと思った こういう描き方だからこそこの韓流アイドルキャスティングが生きている モモが襲撃直前に死んでしまったのは残念だ 全編を通してもう少し幸田の厭世観が強調された描き方だとエンディングの印象が違ったんじゃなかろうか しかし十分面白かった[ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-24 12:20:31)

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