みんなのシネマレビュー
アンドレ・タカシさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051

421.  斬る(1968) 《ネタバレ》 みなさんが仰っている通りで「用心棒」や「椿三十郎」なんかと似たプロットです。よそ者が現れて、そこで起こっている事件に手を貸して去ってゆく。でも、当たり前だけど監督が違うと全く違うものになる。細かいストーリーの構成云々より、作品が持っている空気が違う。この可笑しみを湛えた作風は岡本喜八監督ならでは。先に挙げた黒澤映画は三船敏郎の一人舞台だけど、こちらはズラッと名のある俳優を並べて、その全員に見せ場を用意している。ときどき、出演者の顔が画面から飛び出すくらいにアップになるんだけど、困った状況でもみんなその表情がとてもイキイキしていて、変な喩えだけど陸に揚げられた新鮮な魚がピチピチと跳ね回っているような感じです。侍社会=管理社会という構図をちょっとIQが低く見えるほど皮肉っているが、その率直すぎる解りやすさも岡本監督の作風だと赦される。娯楽時代劇という意味で最近の「十三人の○○」などは、これに較べて進歩しているだろうか?[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-26 21:31:29)

422.  平凡ポンチ 《ネタバレ》 変なタイトルに惹かれて観たんですが変な映画でした。でもレビューに先客がいてちょっと安心しました笑。↓目隠シストさんが仰るように、秋山莉奈が魅せます。いきなり「パルプ・フィクション」のモノマネから入るんだけど、その堂々とした恫喝の雄たけびにオオッと刮目する。グラビアの紙面より100倍魅力的に映りました。いや、彼女の本職を貶すつもりは無いんです。グラビアも充分に魅力的です。でも女優の方が花開く可能性を感じました。事務所に頑張ってもらいたいです。さて本編ですが、映画好きは自分がその主人公だったなら…と夢想するものです。秋山莉奈は無理矢理に劇的な状況を作り、その中に自分を置くことで映画気分を味わおうとします。同時に、売れない映画カントクにそれを撮らせて文字通り「人生を映画にする」ことを目論見ます。この命題は面白いのですが、売れない映画カントク(本作の監督)の態度が煮えきらない。ただカメラをまわして彼女から「映画は面白くなくちゃだめなの」とたしなめられる始末。あくまで商業映画を撮りたい気持ちが先行して彼女とシンクロできません。彼女への下心が邪魔してたようでもある。劇中劇を逆手に取って映画自体を俯瞰させる構成で、最後はカントクが解脱して「人生を映画のように生きる」ことに辿り着いたよう見せていましたが、自分にはそうは思えず。彼女とヤッちゃうだけのオチはダメでしょう。脚本の詰めに疑問符が付きました。ちょっと気難しいかな。秋山莉奈にプラス1点。[CS・衛星(邦画)] 3点(2011-01-24 22:52:59)(良:2票)

423.  機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光 《ネタバレ》 「ファースト」と「Z」の間を繋ぐティターンズ創設のお話ってオチなので、すっきりしない見応えになるのは当たり前にしても、コウとニナの青臭さがそれに拍車をかける。特に可愛く描かれている分、反動としてニナの自己中女ぶりには嫌気が募る。これでガトーがゆるいキャラだったらとても観れたものじゃなかったでしょう。以前に、この映画版を観た後にOVAを観たら随分と良い方向へ印象が変わったことを覚えています。それはニナに対する印象の違いだったように記憶しています。口直しはOVAで。[ビデオ(邦画)] 5点(2011-01-24 22:32:49)

424.  隠し砦の三悪人 《ネタバレ》 キャラクターの個性がやたら際立っていることが本作の特長でしょう。随所に挟まるアクションは三船の独壇場。特に馬上で手綱を放し、刀を構えて逃げる敵を追うシーンの迫力は尋常じゃない。何気に薄着のお姫様は毅然とした猛々しさを持って描かれ、戦国という世に馴染んでいました。足を開いて屹立する姿には惚れぼれします。この二人に対照させるのが百姓の凸凹コンビ。こいつらは最後の最後まで凸凹だけどあけすけな人間性がこの作品にコミカルな味わいを与えてます。このお姫様を中心とした一行がレイア姫の一行の起源だとすると、三船は一人でルークとオビ・ワンとハン・ソロをやっていたってことですね。あっ、チューバッカも。まさに八面六臂の活躍でした。最後のオチともいえる「裏切り御免!」の便利な切れ味には痺れましたな。なにか不都合が起きたら「○○御免!」と叫んでトンズラしてみよう。ちなみにリメイクを先に観ましが、そのときは確かに「こりゃ、スター・ウォーズだ」と思ったんだけど、このオリジナルを観ている間は全くそんな感想が浮かんで来なかった。樋口版は本作のリメイクというより「スター・ウォーズ」のリメイクだったってことですね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-01-19 21:25:54)

425.  フレッシュマン若大将 《ネタバレ》 前作で大学を卒業した主人公。本作では入社試験からやり直して自動車メーカーに勤め始めます。家族の設定はそのままだけど、江口(江原達怡)と妹(中真千子)が結婚式を挙げる。シリーズ第一作から観ていると、なんだか嬉しいものである。江口夫婦が実家のすき焼き屋を継いで主人公の部屋を新婚家庭にしてしまったため、主人公は会社の寮住まい。出会う女性が酒井和歌子。前作までヒロインを務めた星由里子のような落ち着きのある美人とは違うタイプだけど、この頃の彼女はアイドル歌手のような可愛さがあります。主人公は必ず何かのスポーツの大会で優勝していたけど、それが無くなりました。その代わり、上手にアイススケートをするシーンがあります。このあたりが変更点。自動車メーカーの新入社員として営業部門へ配属され、ゴマすり型の上司に付いてサラリーマン修行を始めるストーリーだけど、相変わらずのマイペースでした。人事面接で落とされていたところが、社長に人物を見込まれて採用になるとか、他社との競争を得意先社長の娘と懇意になることでクリアするとか。矢島金太郎や島耕作のパターンはすでにこの頃から定番だったようです。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-18 20:24:42)

426.  日本万国博 本作は私にとって記録映画というよりアルバムでした。40年前の自分をドキドキしながら捜すような興奮と感慨がありました。間違いなく日本が過去に経験した最大の「お祭り」がこれだと思います。歳をばらしますが、当時8歳。小学校の2年生でした。そしてこの万博の会場となった大阪府吹田市に住んでいました。その幸運で何度も会場へ行けたことは、今となっては記憶の財産です。交通機関がストをやった日は小学校が休校で、そんな日は親も会社が休みで、チャンスとばかりに会場へ行くと、通常なら3~4時間並ぶのが当たり前だったアメリカ館も三菱未来館も並ばずに入れました。ちなみにその日、お祭り広場の大屋根で外国人と一緒にいたおじさんを指して、母親がサインを貰って来いと言いました。太陽の塔を見ながら喋っているそのおじさんにサイン帖を差し出すと「仕方がないねえ」と言われたことを覚えています。サイン帳には「岡本太郎」と書かれていました。本作を観ていると、本編中に映る小学生は全員が自分に見えました。何気ない会場の風景を映されるだけで子供の自分が様々に去来する。幼年期の記憶とダイレクトに繋がっている映像って強いです。いや、これは全くレビューになっていない。すみません。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-16 19:59:33)(良:2票)

427.  ヴァイブレータ まいった。なんにも伝わって来ないや。女優の好き嫌いも関係してるけど、ああいう人には近づきたくない。[CS・衛星(邦画)] 1点(2011-01-16 04:31:49)

428.  20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗 《ネタバレ》 映画を3本使って「ともだち」の正体へ一歩ずつ丁寧に迫って行き、最後は「そうだったんだ」と納得、する訳ないだろ! もうどうでもいいよ、そんなこと。これは毎週に小山を設けてぐずぐずと引っ張る週刊連載の手法を映画にしただけ。ストレスが募る原作をそのまま映画にするこの監督の想像力と創造力の無さもどうかと思う。大阪万博の「太陽の塔」は世紀を越えて存続する芸術作品と認識しているが、そのリアルな姿を知らない世代も観る映画にあんなまがい物を晒して良いものなのか?[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-01-16 04:29:13)(良:1票)

429.  おとうと(2009) 《ネタバレ》 面倒見の良いお姉ちゃんとダメな弟のお話。いくら迷惑を掛けられてもその弟を憎みきれない肉親の心情って、寅さんを憎めない周囲の人たちと同じ。弟に悪意がないことが条件ですが、すごく日本的&山田洋次的な世界観の映画です。それには新しさは無くとも安心感がありました。自分にとって重くて深かったのは大阪のホスピスのシーンです。あれが一般的なのかどうかは分からないけど、いつかは訪れる自分の死を意識して観てしまった。そちら側から観たのは初めてかも。そして、石田ゆり子がたくさん喋っていたけど、不覚にもそれに胸が熱くなってしまった。自分はまだしばらくは生きるつもりだけど、最後はどこでどんなふうに死んで行くのか、なんてことにリアルな視線が向かう歳になったことを自覚した。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-14 00:09:27)

430.  リオの若大将 《ネタバレ》 1961年に「大学の若大将」で始まったシリーズも12作目。足掛け7年でやっと主人公は大学を卒業しました。さすがに30歳を越えて大学生を演じることに無理を感じたんでしょうね。若々しい雰囲気を纏っていても貫禄があるおっさんです。就職は造船会社に決めて、入社するなり海外へ赴任してエンディング。それがブラジルのリオで、まぁ地球の反対側です。それでスケール感を出そうと思ったのかもしれません。このあとも暫くシリーズは続いて行くんですが、ひとつの区切りなのでもう少し劇的なシナリオにも出来たと思うんだけど、ノリはいつもと変わらない。実家が営むすき焼き屋の田能久の後継ぎ問題はシリーズの最初の頃から常に親父(有島一郎)との間で喧嘩の種だったのに、あっさり江口(江原達怡)を妹(中真千子)と結婚させて後を継がせたことには拍子抜け。ヒロインの澄子(星由里子)ともリオで結ばれるような見せ方だったけど、どうせなら学生結婚くらいはやって欲しかったかな。ちょっと勿体ないストーリーでした。自分は星由里子がモロにタイプでそれが楽しみで観ていたこともあるのですが、彼女は本作で卒業。このシリーズとゴジラ映画で何度もお世話になり、このサイトで統計が見られる投稿作品の出演女優ランキングで「蒼井優」に次いで2位に躍り出ました。[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-01-13 23:13:34)(良:1票)

431.  20世紀少年 -第2章- 最後の希望 話があっちこっちにとっ散らかって、ストーリーに流れがない。この映画を観ている人は、誰もあの気色悪いマスクの下の顔なんか知りたいと思わないだろう。別に誰でもいいじゃない、って感じ。小池栄子だけが光り輝いていました。彼女が新興宗教の教祖なら入信する。[CS・衛星(邦画)] 3点(2011-01-11 20:22:21)

432.  雨鱒の川 《ネタバレ》 これはメルヘンですね。だって彼女にとっての王子様が迎えに来るんだから。番い(つがい)の鱒に似せて、いかだ(!)で駆け落ちを図ることもおとぎ話なら赦される。でも、その世界に住んでいるのは主演の二人だけであって、他の方々はちゃんと現実の中で生活している。その落差が本来のテーマだと思うのだけど、描写のバランスの悪さが決定的な突っ込みどころになっています。自動車が軽々といかだに追いつくあたりが象徴的。おばあちゃんも、その息子も、川で釣りをしてるジジイも、本当に好きな人とは結ばれていないことが伏線です。でも息子は酒蔵が大事なのでちょっと強引な手段を取る。そんな「現実側」の葛藤をもう少し丁寧に描かないと、「メルヘン」の意義が薄れて浮き上がります。「現実側」の松岡俊介が二人を認めたのは「メルヘン」を大切にしたからだけど、それも唐突に映りました。ちなみにその松岡俊介はヘアスタイルをもう少しどうにかしていたら結婚できたかもしれないね。実は他人事ながら彼のその後の人生が最も心配になる映画でした。ティーンだった綾瀬はるかが今とほとんど変わらないことにびっくり。星由里子のおばあちゃん役にいちばん興味があったんだけど、大切な役回りを彼女らしく上品に演じていました。[CS・衛星(邦画)] 3点(2011-01-09 18:16:10)

433.  マイマイ新子と千年の魔法 《ネタバレ》 昭和30年代の地方の田園風景の再現は「トトロ」を彷彿させる。「トトロ」が家族の親愛の物語ならば、本作は友達とのコミュニティを扱った作品だろう。子供たちは友達と遊ぶことで世界を拡げて行く。行動半径だけではなく、精神世界も広がってゆく。学校の授業では教わらない、とても大切なものを身に付けて行く。その舞台として用意されるのが、デジタルが一切無い緑と水に溢れたご近所。その豊穣な世界観を観るだけでも意味があると感じる。一方で、友人の父親の自殺が大人の世界への鬼門として表現される。本作の子供たちは、それに抗する手段を持たない未熟な弱者として描かれる。いつかは、友達と遊ぶ時間も厳しい現実に取って代わる予感。だからせめて今は精一杯に遊ぶ。その時間と仲間たちを慈しむ。それだけを切々と謳っている映画でした。心を素にして感じる。そんな映画でした。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-04 17:32:44)(良:1票)

434.  トップをねらえ! 《ネタバレ》 OVAを繋ぎあわせただけの体裁。ラストがいきなりモノクロになったのでテレビが壊れたかと思った。調べたところ元々の作業が間に合わずモノクロで世に出たらしい。映画にするならそこくらいは新たに描き起こさないとダメでしょ。内容は、庵野氏を始めとした当時の若手の製作者が趣味的世界をちゃんこ鍋に放り込んで混ぜ合わせたような印象でした。その悪ふざけ的世界はちょっとしつこい感じはするけど、SFファンだけに通じるような骨太な設定も随所に見られるアンバランスが、その方面のファンには堪らないのだろう。自分にも少しその傾向はありますが。ジョー・ホールドマンの「終わりなき戦い」をモチーフにしたらしいが、意外なことに相対論的時間概念を導入している映像作品は、本作以外には「猿の惑星」くらいしか思い浮かばない。[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-01-04 15:52:30)

435.  白痴(1951) 《ネタバレ》 原作未読、というかドストエフスキーは読んでいない、というか過去何度もチャレンジして挫折しています。そんな原作知らずの私から見ると、これはまるでSF映画でした。主人公の能力は、相手の目を見るとその人が幸福か不幸かが判ること。ニュータイプみたいだ。不幸な人を見つけると、その人の性別や富貧に関わらず感心を持つ。それは憐れみに近い感情のようだが、女性は愛情と勘違いする。それがいざこざの種になる。まるで一人の超能力者がその能力をひけらかして騒動を起こしているような風情だった。本来は、無垢な精神を持つ者が周囲の俗物から浮いてしまって不幸が起こるという話なのだろうが、先述のように観るほうがしっくりくる。主人公はタイトル通りの人には見えず、超能力者だと思ってしまうと、もううざったい奴以外の何者でもなくてイライラしました。原節子と久我美子はともに美しく、特に原節子は眼差しの迫力が怖いほどでした。[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-01-03 14:47:09)

436.  機動警察パトレイバー2 the Movie 《ネタバレ》 「戦争を知らない子供たち」という歌があった。その子供たちが国家機能の中枢に収まるほど「戦後」が続いた日本の、危機管理意識と平和ボケとシビリアンコントロールの脆弱を仮想的に描いた作品。自衛隊の治安出動があっさり決まったりするあたりがやや都合良いけれど、永田町周辺で黒いマイクロバスから汚いダミ声でがなっているおっさんたちの話より、これを観る方がずっとためになる。世界標準的に日本の平和ってやっぱりどこか歪んでるんじゃないか、という懸念にそれらしく回答してくれる。9/11以降のハリウッド作品には対テロ戦争ものが多いけど、こちらの方がずっと深くシナリオが練られている。日本はこういう作品を実写でやるといきなり陳腐になるんだけど、アニメなら描き切れる。それが誇らしくもあり残念でもある。押井守っぽい、理屈をこねくり回した台詞にイラっとするところもあるが「パトレイバー」という「容れ物」を借りて存分に作家性を発揮させた創造力に感服。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-01-03 14:31:37)

437.  生きものの記録 《ネタバレ》 本作の前年の第五福竜丸の被爆以降、国内では反核キャンペーンが盛り上がったらしい。映画で最も協力した作品は「ゴジラ」だけど、本作もその気運に連なる作品なのでしょう。原水爆の恐怖に怯える男を、三船が老け役で演じる。その老け演技がなかなか見事です。一族の無事を願ってブラジルへ移住しようとする男と家族の対立がメインストーリー。第五福竜丸の被爆も米国科学者の計算値を越える範囲に死の灰が降ったことが原因だったので、この男の主張をバカバカしいと軽く一蹴できない世相が当時にはあったはず。そんな漠然とした不安を衝くシナリオは、鑑賞者には刺さっただろうと想像する。この男はブラジルへの移住を計画する前には青森あたりに核シェルターも建造していて、テーマや設定を見廻すと、これは黒澤作品唯一のSF映画と言えるのではないかと思います。黒澤らしい力強い映像と割り切れない終わり方の組み合わせは新鮮でもある。前年に「ゴジラ」で水爆への恐怖を語った志村喬が同じような役目を担っていました。ちなみに、なぜブラジルへ行けば死の灰の恐怖から解放されるのかは説明されていません。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-02 21:49:43)

438.  トニー滝谷 市川準が映画のコードを総動員して村上春樹作品の映像化を試みた、というような印象を持ちました。そして、かなり成功していると思います。原作は未読だけど、小説の中の文章をそのままシナリオに転用していると思える部分が多々あった。彼の文章を映像にすると、結果として限りなく詩的なエッセイに接近するようです。ストーリーらしきものが無く、シチュエーションの断片が積み上がる。それぞれのシチュエーションに登場人物がどのように感じたかは語られるが、「なぜ」そのように感じたかは語られない。ただ、そこからは哀しみや孤独だけが立ち昇ってくる。事象の表層から、特定の感情だけをすくい取り、まるで人は何かを失くすために生きているように見せる。それを繊細と感じる人もいれば、意味不明と憤る人もいるだろう。私は村上文学のテーマは「喪失感の描き分け」と思っていますが、本作からはそのエッセンスが十分に伝わってきました。通常の文法で映画を作るとこの味わいは得られない。本作が面白いかどうかは別にしても、私は拍手したいです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-01-02 15:27:05)

439.  嵐を呼ぶ男(1957) ドラムを叩きながらマイクで歌い出す有名なシーンを初めて映画として観ました。荒っぽいけどナイーブな主人公。裕次郎映画は別に初めてじゃないけど、本作にはフレッシュな存在感を覚えました。後に彼が病気で入院したとき、マスコミが異常なほどにこぞって頑張れエールを贈っていました。自分は「太陽にほえろ!」でほとんど座ったままのボス役から入った人だったので、その騒動の意味が良く分からなかったんだけど、本作を観て少し理解できた気がします。なんというか、放っておけない人だったんですね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-02 13:28:47)

440.  クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 《ネタバレ》 映画でしか「クレヨンしんちゃん」を知らない私には、ぶりぶりざえもんを語る資格は無いのかもしれないが、これはぶりぶりざえもんのための映画でした。自分勝手で利己主義ですぐに日和って信用できない。そんな最低に近い奴が、改心して人助けをして消えて行く様に感動する。生みの親のしんのすけが、彼を更生させるために用意したお話がとても良かった。それだけで、観た価値があった気がする、というのは言い過ぎか…。以下余談。先日、仕事でお付き合いのある女性と食事したときに聞いた話。中学生の息子をデキちゃった婚と笑う40代の素敵な方でした。曰く「亭主とは長く見知った間柄で、全く良いところが無くてむしろ嫌な奴だったけど、何かの折に優しくされたことがあり、その時だけ魅力的に見えてデキちゃった」らしい。普段が低空飛行だと、平均的な行いが高得点になる。見知らぬご亭主のその顔が、ぶりぶりざえもんにオーバーラップしました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-01 17:41:50)(良:1票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS