みんなのシネマレビュー
枕流さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 496
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 皆様のレビュー、いつも参考にさせていただいております。私のレビューも参考になれば幸いです。

2012年以降忙しくなったので、レビューを一言にしています(上半期分は6月末にまとめて投稿)。参考にしにくいかもしれませんが、あしからずご了承ください。採点基準は以前と同様です。

私の連絡先はこちら⇒えむいーあーる75jp[あっとまーく]yahoo.co.jp

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12345
投稿日付順12345
変更日付順12345

41.  Dolls ドールズ(2002) とりあえず。最後まで。観た。何も言えねえ。[DVD(邦画)] 1点(2010-06-26 20:19:30)

42.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 なんだよ。面白いじゃねえかバカヤロー。カンヌの気取ったガイジンどもにゃ、このテのハナシが理解できねえだけなんじゃねえかコノヤロー。何でヤクザ映画なのにこんなに笑えるんだって思いながら関内と加藤のやり取りを観てると、時々ゾクッとするほどかっこええ水野まで出てきちゃうんだからすげえだろ。加えて、しょうもねえ池元と村瀬のキャラとか、笑うしかねえよ。確かに凄みの利き方が足りねえシーンもあったけど、こりゃもはや「コメディバイオレンス」っていう新たなジャンルの地平を切り開いてるんだよクソヤロー。暴力の連鎖が不毛だとか当たり前のことを当たり前にタラタラ抜かしてる奴らの隣で、タケシさんは淡々とすんげえもん作っちまってるじゃねえか。暴力の不条理さを笑いながらも、その美学への礼儀を欠かさねえタケシさんのスタンスには恐れ入るしかねえだろこのボケが。日本の「パルプ・フィクション」って言ったら褒め過ぎかも分かんねえけど、こいつらの会話とか間とかキャラとかがいちいちこっちのツボに入ってくるんだからしょうがねえじゃねえか。この面白みを理解できる日本人で良かったって感謝するのは久しぶりだよ。最高。[映画館(邦画)] 9点(2010-06-19 18:15:36)(良:3票)

43.  嫌われ松子の一生 かなり最低の部類に入ると思われる人生を生きた女性の話なのだが、なぜかこれがさらっと観られちゃうから不思議だ。「幸福」は徹底的に主観的なものということを改めて認識した。「人生とは何をしてもらったかじゃなくて、何をしたかだ」というメッセージも確かに受け取ったが、それよりも主人公の持つ「幸福」の基準が興味深く、なるほどと思いながら鑑賞した。男に殴られてもついていく女の気持ちが少し分かった。アイデンティティの見出し方は千差万別だ。 それにしても、この映画の中谷美紀は一世一代の名演技!大好きになった。この監督は女優を使うのがうまいなあと思う。[DVD(邦画)] 7点(2010-06-14 00:34:55)(良:1票) 《改行有》

44.  告白(2010) 《ネタバレ》 原作未読。どのような視点で評価するかによって、採点がえらく変わってしまう作品だ。話の筋は、こちらの意表を衝く展開の上、事件がてんこ盛りに発生するので楽しめるのだが、現実性があるかと問われると、少し疑問符を付けざるを得ない。いくら口封じをしたところで、クラスの誰かが血液入り牛乳の件を親か他の先生に話すに決まっている(と思う)。そもそも、犯人Bが怯えすぎ。頭が悪く、人を信じやすいという設定だが、あれだけマザコンならイの一番に親に話すだろう。 あとは、主人公がたかが中学生の少年たちに対してまともに相手をしすぎ。僕だったらいくら子供を殺されてもああいう対応はしないと思う。同じ土俵で争う自分が大人気無くて恥ずかしくなるし、そんなに暇じゃない。僕だったら、少年AもBも、普通に警察に突き出し、一旦少年院に送ってもらう。彼らもそのときは「有名」になれたと喜んでも、大人になれば結局は損をするわけで、彼らが大人になった後に過去の事件を持ち出してねちねちと攻めたてて、孤独に追いやった方が、よっぽど「復讐」の醍醐味を味わえるのではないか。大人になって手に入れたものを失わせるほうが、「目には目を」の精神にも合致していて美しい。 映像に定評のある監督だけに、確かに映像の使い方はうまい。ともすれば単調になりがちな「語り」が多い映画だが、スローモーションを効果的に使った映像で、生徒たちの思春期のきらめきを見事に表現できていた。ただし、終盤の爆発シーンは冗長だったが。 学校に心底うんざりしていた中学生の頃に観たら、もっとカタルシスを得られたかもしれない。中学生の持つ「うざさ」が、すごく良く描けていた。うざいいじめっ子、うざいネクラ、うざい秀才。みんな身の回りにいたような気がする。そのリアリティを加味して、総合で6点。話の展開には不満が残るが、観て損は無い作品だと思う。[映画館(邦画)] 6点(2010-06-14 00:17:11)(良:1票) 《改行有》

45.  その男、凶暴につき これが初監督作品か?これが初監督作品とは! 問答無用のバイオレンス。男の悲哀とエロス。全てこの作品の中に萌芽がある。大傑作「HANA-BI」や「ソナチネ」には劣るが、凄い作品。 もう一回言うとこれが初監督作品だなんて本当に信じられない。[DVD(邦画)] 7点(2010-05-16 22:02:21)(良:1票) 《改行有》

46.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 「俺たち、もう終わっちゃったのかな?」 「馬鹿野郎!まだ始まっちゃいねぇよ!」 ラストで心を射抜かれる。[DVD(邦画)] 9点(2010-03-12 23:47:28)(良:3票) 《改行有》

47.  生きる 《ネタバレ》 黒澤映画はどうも自分にとってはムラがあるようだ。この映画のストーリーは嫌いではないのだが、全体的に退屈だった。なるほど、愚鈍になりきった志村喬の演技は素晴らしいのかもしれないが、愚鈍な人を見ているといらいらしてしまう僕にとっては、逆にこのうまさが苦痛だった。ボソボソしゃべるし、目はいつも下を向いている。彼がその鈍重さを生かしたまま、公園事業を貫徹する様はすごいことなのだろうが、どうも気持ちが乗り切れなかった。死ぬと決まる前から、もっと早くから仕事やれよ。としか感じられない。数十年間給料泥棒をしてきた人が最期だけ働いてもあまり感動を覚えないのである。 役所に入った友達の話を聞くと、今でも仕事をしない老人は職場に数多くいると言うことで、きっとこんな感じなんだろうなと同情してしまった。僕なら小田切さんみたいにさっさと辞めてしまうだろう。[DVD(邦画)] 5点(2010-03-11 21:37:11)《改行有》

48.  七人の侍 《ネタバレ》 長い映画だ。百姓達が七人の侍を雇い、村を略奪に来た野武士と一戦交える。ただそれだけの話なのだが、侍一人ひとりの個性、百姓達の意識、そして異なる身分同志の交流と反発、様々なテーマを取り扱い、しかもそれらをきちんと、しかも適度なユーモアを以って描き出すにはこれくらいの時間はやはり必要なのだろう。確かに削るべき場所がほとんど見当たらない。 この作品を観て一番思ったのは、最後に勝つのは百姓なんだろうけど、自分は武士でありたいなあということだ。まさにラストの勘兵衛の台詞は「武士は食わねど高楊枝」の考え方がストレートに表現されており、苦笑を浮かべながらも彼は満足(仲間を失った悲しみはあるが)だったのではないか。他人を守り、そして黙って立ち去る。そこに武士の本懐が垣間見えて、僕もそんな人間でありたいと思った。偉ぶらず、人のために役立つことができる人間でありたいと思った。 そして、今だったら、それぞれ誰が演じるだろうと考えた。勘兵衛は寺尾聰、勝四郎は妻夫木、久蔵は寺島進、菊千代は…。いない。彼の演技はアクが強くて普段はあまり好きじゃないけど、三船敏郎って凄いなと改めて感じた。彼の最期のシーンはアクションなのに涙が出そうになった。百姓を捨てきれない男の怖ろしいほどの執念が見えた。 長かったけど、観て良かった。[DVD(字幕)] 8点(2010-02-16 23:10:39)《改行有》

49.  ぐるりのこと。 《ネタバレ》 正直に申し上げると、あまりリリー・フランキーが好きではなくて、何故かと言うとあの自然体に不自然な印象を持っていたからだ。飄々としているぜ、超然としているぜ、と言っていないのに言ってる気がして、そこから引きずりおろしたかったのである。でも、この作品のリリー・フランキーは、すごく良かった。まさに自然体だった。こういうタイプ以外の役ができるのかは分からないけれど、少なくともこの作品にはぴったりだった。 法廷画家のカナオと小さな出版社で働く翔子の結婚生活が、その時代の大事件と被せて編年体で語られるという地味な作品だが、人の心の動きを丁寧に追うという意味では、とても優れた作品になっている。いい加減なカナオと几帳面な翔子の生活は、最初はコミカルに描かれるのだが、娘の死を境に翔子はうつ状態に陥る。そこの部分の描写がちょっと弱い(実際のうつ病はもっと本人も周りも大変)かな?と言う印象は受けたが、許容範囲には収まっていると思う。その後、翔子が回復していく過程の描き方も温かくて気分が良かった。 あとは、翔子の兄夫婦を演じている寺島進と安藤玉恵の演技は特に良かった。倍賞美津子とか他の脇役も味のある演技でストーリーを盛り上げていた。[DVD(邦画)] 8点(2010-01-24 21:43:07)《改行有》

50.  愛のむきだし 《ネタバレ》 すごい映画なんだけど、とびぬけて面白くはない。青春ラブバイオレンスとでも言えばよいのか。でも、4時間あればクロスオーバーなものになるのは当たり前かも。長すぎて、評価するのが難しい。ゆら帝聴きながら、4時間観てると脳も溶ける。 まず良くない点としては長すぎること。この映画は長さに関して完全に開き直っているから、言うのは野暮かもしれないけど、あえて「長い」と言わせていただく。だって4時間ってすごいよ。最初の1時間は本っ当に退屈で、この映画を勧めてくれた友人に電話して、続きを観るべきか一旦確認しようと感じたくらいだった。主役3人の生い立ちはもうちょっとうまくまとめられると思うんだけど、監督は全くまとめる気がないからなあ。あとは中盤~終盤のユウがAV業界で働くシーンとか全部カットしても良いと思う。コイケが介入してくる中盤は面白いが、終盤の宗教関連の部分は陳腐でだらける。ラストの展開も甘い。 次に悪いところはB級なとこ。サソリの喧嘩シーンとか見ててこっちが恥ずかしくなる。それにコメディシーンはわざとらしいし(邦画全般に言えることだが)、下手なドタバタに堕しているし、同じネタの繰り返しだし。やたら勃起シーンと流血シーンが多いのだが、血の色も酷い。勃起で笑えるほど子供でもなし。 次はパンチラの盗撮について。この映画は最後まで盗撮を否定しないし、映画の中では結構重要なテーマなんだけど、本当にそれでいいんだっけとずっと感じていた。個人的に全くパンティに興味がないせいもあると思うんだけど、嫌がる女性がほとんどなんだからやらないほうがいいんじゃないかなあと思いながら観ていた。何と言うか、盗撮に対してあんまりテンションが上がらなかった。 要は、この映画の悪いところは確信犯的にやってるというのは分かるんだけど、ちゃんとした「映画」を作ることができる監督なのかが分からないのがもどかしい。タランティーノは傑作をいっぱい撮った後で、「今はこんなのが好きで、こんなのがやりたいんだよ」って「グラインドハウス」とかで表明していると思うんだけど、園監督にはそこまでのことができるのか正直分からない。「あえて」感はたまに出すから面白いんだと思う。 紙幅も限られているので、最後に一つだけ良い点。ヨーコ役の満島ひかりが良かった。めっちゃかわいかったし、演技も良かった。最後まで観られたのは彼女のおかげだ。[DVD(邦画)] 4点(2010-01-20 21:57:03)《改行有》

51.  羅生門(1950) 《ネタバレ》 物凄くエロい映画だと感じた。昔のお公家さんのようなメイクで、現代では全くエロく見えないはずの京マチ子が凄くエロく見えて仕方なかった。意識的、無意識的を問わない記憶の美化や荒廃した世界におけるヒューマニティなど、多くの抽象的な事柄を扱った作品であることは理解できるが、個人的には女性のつかみ所の無さ、そこから来る怖さに最も惹かれた。そしてそれがたまらなくエロいと感じた。 木こりは別として、結局生き残るのは女一人であり、女の行動が話のキーとなる部分であり、そして女の行動自体が一番意見が分かれるところなのだ。この話は男が語る「女」の話であり、この「女」は男(僕)から見た女性一般を表象している、様な気がする。怖ろしや怖ろしや。[DVD(邦画)] 7点(2010-01-10 16:58:33)(良:1票) 《改行有》

52.  仁義なき戦い 代理戦争 僕にとって広島のイメージを決定付けるシリーズとなってしまった「仁義なき戦い」。ヤクザ映画自体初見でしたが、これにはやられました。「昨日の敵は今日の友」という言葉がぴったりの乱世を生きる男たちの熱い戦い、そして権謀術数の数々。菅原文太の演技がうますぎで怖いこと怖いこと。他のヤクザ映画とは出来が違うと評されるのも頷けました。 それにしても深作欣二監督は昔はこんなに面白い映画を作っていたんですね。「バトル・ロワイアル」で騒いでいる若人たちにはこちらを観てほしい。かと言って僕は「ピストル・オペラ」で懲りているので、他の作品に手が伸びるかと聞かれれば伸びませんが。このシリーズをもっと観るかどうかは迷いどころです。[DVD(邦画)] 7点(2010-01-10 16:39:02)《改行有》

53.  ストロベリーショートケイクス 里子はデリヘルの電話番で秋代はデリヘル嬢。ちひろはOLで塔子はイラストレーター。この2組の女性の群像劇。原作は魚喃キリコという漫画家で本人も塔子役で出演している。彼女のマンガは前から読んでみたかったので、偶然この映画に出会ってちょっと得した気分になった。映画としては、脚本も演技も共に自然で全く違和感は感じなかったし、飽きずに最後まで観られた。ただし、異様に登場人物の声が小さく録音されているのがストレスフル。終始イヤホンをつけて鑑賞せざるをえなかった。 男性が観れば、「女って怖い」という感想が自然と出てきそうな映画だ。「女ってこんなこと考えてんだ」とか「女性に比べて男は子供だ」とか。女特有のねっとりとしたというか隠微に淫靡な雰囲気が濃厚に感じられる。それはそれで面白かった。でも、ちょっとこれはやりすぎと言うか何と言うか、「男には分からない女」を描くことに固執しすぎたがゆえに、嘘っぽく見えてしまうところもある。 世の中は、女性が男性を打ち負かすことを良しとする戦闘的なフェミニズムの時代から、女性が「ありのままに」「自分らしく」生きていくことを是とする時代になった。この映画は完全に後者の視点で作られており、それが少し俗っぽく感じられた。例えば、この映画にはデリヘル嬢が出てくるんだけれども、一抹の寂しさはあれど、彼女の生きかたはまったく否定されていない。それどころか、この映画を観た女性のレビューは概ねこの4人の生きかたを支持しているものが多い。彼女たちの色んな意味での奔放さは「何かかっこいい」のである。 となると、この映画はリアルではないのではないか?という疑惑が生まれてくる。人間は、普通自分にないものを持っている者をかっこいいと感じるからだ。男性に隠されている女性のリアルな部分が濃縮された結果、この映画はリアルではなくなったのではないか。この映画のもつ不自然な「女臭さ」(「男臭さ」と対比して)が同性の支持者たちの憧れの対象なのではないか。ということで、結論は以下のとおり。 結論:この映画はリアルではなく、「女臭い」映画である。したがって、女はそんなに怖くない。 でも、僕は所詮男だから「いや、本当に女はあんなふうに考えていつも行動してるんだよ。」と女友達に言われたら、信じるしかなくてちょっと怖くなる。「女なんて怖くないさ!」と嘯く僕はまだ子供なのかもしれない。[DVD(邦画)] 7点(2009-11-19 23:09:32)(良:1票) 《改行有》

54.  手紙(2006) 《ネタバレ》 この作品には本当に期待していて、ぼろ泣きを想定してタオルまで用意して観たが、何と自己レビュー史上初の2点をつける結果になり、分からんものだと感じた。でも、これで0点から10点まで全ての点数をつけられたので、メルクマールとしての機能は果たしてくれたようで、ある意味満足している。 ここから、レビューというかこき下ろしに入るので、読みたくない方は読まないようにお願いします。まず一番個人的に受け付けないのは直貴の性格・態度一般。兄貴のせいで人生をぶち壊しにされた彼の気持ちは分からんでもないが、由美子に対する態度があまりにも酷すぎる。干渉を恐れるが故の態度だとしてももう少しやりようがあるだろう。対して由美子の直貴に対する入れ込みぶりもちょっと気味が悪い。確かに愛はどこにでも生まれうるが、人間としてちょっとおかしい(と思う)直貴に対する愛情の注ぎ方がよく分からなかった。そして、コンビ解散後に、急に由美子と仲良くお好み焼きを食っている直貴。その間の経過が全く描かれていないので、いきなり談笑しているシーンが来たときには腰を抜かした。何と言うか「自分」を持ってない奴だとしか感じられなかった。 あとは、リアリティの無さとベタベタさも酷い。テレビはほとんど見ないのでよく分からないが、出来の悪いトレンディドラマ並みの酷さだろう。兄貴が刑務所に入っているとわかった途端に優しくなる仕事の先輩。相方の祐輔に屋上で殴られるシーン。中条家の朝美の親父そしてメイド。ケーズデンキ(笑)の会長。公園で露骨に帰りだす団地の奥様方。ことごとく鳥肌が立ちまくりで、一回一回映写を止めて休憩した。一つ一つに突っ込む余裕はないが、マンガでももう少しマシな演出をするのではないかとだけ書いておく。沢尻エリカのかわいさとラストの被害者宅での謝罪シーンに免じて2点。これが限界。 レビューを書くため、何とか最後まで観たものの、改めて現代邦画のレベルの低さに仰天した。「ジョゼ」は物凄い例外なのか。但し、本作の予告編でまた観るべき邦画を発見。ほとんどMの領域だが、新しい眼を持つためにもっと邦画を観ていこうと思う。[DVD(邦画)] 2点(2009-11-14 11:17:28)(良:4票) 《改行有》

55.  お早よう 《ネタバレ》 小津作品の中でもコメディー色の強い作品。何となくジャック・タチの映画を思い出した。どうでもいいおしゃべりこそが大切なのだと言う説教臭いテーマを見事に軽妙なコメディに昇華した傑作だ。 同じシーンの繰り返しのような展開が笑いを誘う。近所づきあいというものの難しさを軽妙に描く実力は流石だ。ただの口さがない女たちのおしゃべりを芸術作品にしてしまうのだから凄い。ここでは、杉村春子の圧倒的な演技力が光る。 また、本作の主役は子供たちなのだが、彼らの使い方もうまい。いつも親が子供たちに甘いのは小津作品に共通なのだが、この子供たちもやりたい放題で観ていて微笑ましい。くだらないことに一生懸命になっていたあの頃を思い出した。 最後に、ラストのオチが素晴らしい。明日から知らない人にも挨拶したくなる。そんな映画。[DVD(邦画)] 8点(2009-11-03 17:31:21)《改行有》

56.  沈まぬ太陽 《ネタバレ》 爆発的な面白さはなかったが、202分と言う長さにもかかわらず、最後まで飽きずに観られたのは原作の功か渡辺謙のおかげか。ただし原作は未読。 この原作を映画化するには、角川映画をはじめとした各社の並々ならぬ努力があったと聞くが、それも頷ける濃い内容だったことにまずは賛辞を送りたい。主人公の恩地元は国立航空(日本航空がモデルとされる)の元組合長。その彼が、左遷を繰り返されながらも会社のため、社員のために会社組織と奮闘する姿が感動的に描かれる。僕のように左翼に対してかなり厳しい目を持つ人間でも「こりゃ酷い」と感じるほどだから、一般的に観ればかなりの同情票は集まると思う。それほど会社側が酷い。一社員に対して組織的な陰謀で対抗するようじゃ全然ダメだ。正々堂々と戦うべきだ。それで勝てないならば、よっぽど会社のあり方が間違っているんだろう。一方で、彼は継続的に会社を改善しようとひたすら努力する。それは観る者の心を打たないではおかない。「そんなに会社に嫌われているのになぜ?」と皆訊くが、それは彼の意地が許さないのだ。何となく分かる。 演技では、恩地を演じる渡辺謙の迫力も物凄い。この映画はほとんど彼のためにあると言っても過言ではないだろう。プレミアで涙したと聞くが、それも頷ける熱演を見せる。「演じきる」とはこういうことかと思った。しかもそれが過剰になっていないのがまた素晴らしいところ。脇役も三浦友和、松雪泰子、石坂浩二と顔ぶれが揃っているが、ちょっと次元が違う印象がある。海外進出する実力は伊達じゃない。 それでも最後に言わせてもらえば、現実の日航七労組の主張は目に余るものがある。彼らの主張に興味がある方はサイトを見れば、組合ニュースが載っているから見てみればよい。これじゃ会社が危機に瀕するのも無理は無い。[映画館(邦画)] 7点(2009-10-27 00:06:51)《改行有》

57.  東京物語 《ネタバレ》 この映画は何回も観てきたけれど、そのたびにボロ泣きなので、今回も泣くかと思いきや、意外に泣かなかった。分析的に観てしまったせいがあるかもしれない。そのせいか、小津監督の映画作りのうまさを改めて感じたし、やはりこの作品が代表作とされるのはその様式美が遺憾なく発揮されているからだろうと思った。同じカットを映しながら、人や物の配置を替えたり、あえて配置しないことで、その違いを際立たせたり、同じ人物を近くから撮ったり、遠くから撮ったりすることでその心象風景を描き出したりと、この映画には彼のテクニックがてんこ盛りに詰め込まれている。 話の構成・展開も見事だ。老夫婦が東京に来てから少しずつ際立つ違和感、彼らの子供たちの生活に投げかける波紋が残酷なほどに丁寧に描かれる。子供たちとて歓迎したくないわけじゃない。ただ忙しいだけなんだ。だが、その「忙しい」という言い訳がどこまで通用するのか?彼らはそれにかまけて逃げているのではないか?小津さんの追及は厳しい。長女しげを演じる杉村春子の演技はあまりにも見事で身につまされるが、僕らの大半は彼女なのだ。悲しいことに。 しかし、彼らは背景に過ぎない。本作の女神は紀子だ。親不孝な僕たちにとっては美しくも怖ろしい。怖ろしいほどイノセントで神々しい彼女が最後に漏らす「私、ずるいんです。」という一言は見るものすべてに止めを刺す。それがずるいのなら、僕らはどれくらいずるいのだろうか。と僕たちは感じざるを得ない。キリストが人間だとしたら、尚更その神性が際立つようなものだ。 今の世界に小津さんがいたら、果たして彼は何を描いただろう。観終わってそんなことが気になった。しかし、ちょっと考えると、彼はまた同じ物語を作ったのではないか?とも思った。それほど時代を超えて(あるいは国を超えて?)普遍的な物語がここにある。[DVD(邦画)] 9点(2009-10-25 00:49:56)(良:1票) 《改行有》

58.  人狼 JIN-ROH 《ネタバレ》 庵野監督とか押井監督のアニメ映画は全般的に苦手だが、この映画はなかなか良かった。と思ったら、原作・脚本だけで監督は別の人なんだ。 とりあえず、脚本がしっかりしているのが良いし、説明不足に陥っていないのが良い。映画にしても小説にしても、芸術作品は一回観て分かるように作るべきだと僕は思うのだけれど、これはだいたい観て分かった。「エヴァ」とか「攻殻」とかの「分かるやつにしか分かんねえよ」的な独善臭が無いのはありがたい。その世界について知るために一回観て、ストーリーを把握するために一回観て、伏線も含めて全てを把握するためにもう一回観て、更にその世界全体について理解するために副読本を読んだりしなきゃいけないような映画は嫌いだ。 その点、この作品は架空の世界のお話でありながら、冒頭の時代背景等の説明がしっかりしているため、スッと馴染むことができた。主人公が無口すぎるため、心情の変化を読み取りにくいのには少し閉口したが、過去を思い出すシーンや伏線となる童話「赤頭巾」の効果的な引用のおかげで十分推測が可能だった。組織と組織の争いに翻弄される個人というテーマは陳腐といえば陳腐だが、二転三転するストーリーやバイオレントな戦闘シーンは観ていて面白く最後まで飽きなかった。きちんとした起承転結のあるアニメ映画。 結構暗い話なので観る人を選ぶと思うが、そこが大丈夫ならば、コアな押井ファンもそうでない人も楽しめると思う。アニメ嫌いの人にもお勧めできる。[DVD(邦画)] 7点(2009-09-13 22:41:17)《改行有》

59.  キサラギ うまいこと作ったなとは思うが、それ以上のものが残らない映画。ドタバタ演技も和製コメディにありがちなオーバーアクト気味で、そこまで笑えなかった。香川照之以外の俳優の演技が弱い。脚本がしっかりしているのは良いが、この手の作品は最近邦画に多く(「運命じゃない人」等)、それ以外の部分が凡庸ではちょっと厳しめの評価を付けざるを得ない。 皆さんがおっしゃっているように特にラストシーンは酷い。何がやりたいのか意味不明だ。というか台無しだ。[DVD(邦画)] 3点(2009-08-29 00:30:58)《改行有》

60.  二十四の瞳(1954) 《ネタバレ》 確かに、風景は本当にきれいでいつまでも観ていたいほど…。なんですが、いくらなんでもここまで風景を観せられ、唱歌を聞かされだと退屈なのも事実。何回か観るのをやめようかと思いましたが、何とか最後まで観ました。結局は「ああ、観てよかったなあ」と思えましたが。 教師よりも「せんせい」という呼び方がぴったりくる大石先生は、映画の後半以降ほとんど泣きっぱなしなのですが、確かに泣かないとやっとられんだろうなあと心底思いました。僕も泣きました。結局12人の教え子のうち、3名戦死、1名病死なんですから。安易な反戦映画は眉に唾して観るようにしている僕ですが、これは「実際こういうことってあったんだろうなあ」と大石先生の心境に共感できました。自分の教え子が貧困や徴兵によって次々と失われていく先生としての気持ち、病気で母を亡くし、戦争で夫を亡くし、事故で娘を亡くした一人の女性としての気持ちがとても良く伝わってきました。 映画としては6点以上はつけられませんが、小さな島を舞台にここまで「反戦」というテーマを色濃く浮かびあがらせることができたこの映画は素晴らしいと思います。特に、先生を職業にしている方には是非観ていただきたいですね。貴い職業だと思います。[DVD(邦画)] 5点(2009-08-02 21:23:26)《改行有》

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS