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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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41.  南極料理人 《ネタバレ》  いきなりシリアス風から落とすコメディータッチで始まり、飄々と進んでいく展開は、実に心地良い。  コミカルな演出は、行動としてはかなり誇張されているけど心理的には嘘ではないと感じるギリギリの線で味付けされており、堺雅人の飄々とした演技と相まって、長期間の基地生活の過酷さをベースにしっかり感じさせつつ、嫌味でないほのぼの感と笑いを醸し出している。  あざとい感動のヒューマンドラマの一つも入れたくなりそうな設定なのに、それが一切ない。コメディーもドタバタのの手前で収まっている。そして何より、「食」そのものが映画の中心で、他の要素は全て添え物という潔さががある。  「食」を楽しむことが長期間の閉鎖社会をうまく乗り切る上で非常に重要ということを、見るものの感性に直感的に訴えるうまい演出であり、若干現実離れした行動であっても、充分に共感を呼ぶリアル感を出せているように思う。  ただし、KDDオペレータだけは、ちょっとやり過ぎかも。面白かったけど。[DVD(邦画)] 7点(2011-05-02 01:10:10)(良:1票) 《改行有》

42.  他人の顔 《ネタバレ》  人間の最も代表的なレッテルである「顔」の持つ意味を問いかけるセンセーショナルな作品。  顔を失って狂気的な懐疑心に苛まれている患者と他人の顔を与える実験をする狂気的な精神科医との間でかわされる会話によって、現実離れした視察室の造形や映像表現を駆使して、見事にレッテルで人を判断し個々を識別する社会の不条理を問題提起している。  そして、その後行われる実験、その顛末によって、一つの答えを導き出している。  兄妹のサイドストーリーも、観るものに色々な意味を投げかけている。  自分にはレッテルと本質があると思い込んでも、他人から見ればそれがどちらであるかわかるはずもなく、レッテルが人間関係の全てである。すなわち、自分の本質というものは社会の中では意味がなく、レッテルこそが社会の中で認識される自分である。レッテルを張り替えることによって、様々な自分を作ることができるが、自分の本質に固執すれば帰着するところは孤独でしかない。  娯楽の部分は皆無であるが、人間の本質に迫る深層心理を見事に表現しており、非常に見ごたえのある作品となっている。  ただし、精神的に疲れてる時に見ると相当落ち込むかも。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-05-01 00:29:53)《改行有》

43.  電送人間 《ネタバレ》  東宝特撮もの。題名がいかにもB級で笑い飛ばそうと思って観たがストーリーはなかなかシリアスで、「電送」の部分以外はそこそこ硬派で真面目なシナリオで作られている。しかし、あまりにも非現実的な「電送」という突飛な発想を、単なる真面目なシナリオで受け止めるのは無理がある。  「電送」が推理ドラマの種明かしの一つにしかなっておらず、生かしきれていない。しかも、この非現実的な種明かしでは、推理ものとしては完全に反則。  娯楽映画であれば、「電送」と戦う姿をもっと組み込んでアクションものにするとか、ドタバタにするとか、いっそのことコメディーにするとかしないと、成立しないと思う。  いっそ、もっと手抜きの子供騙しのシナリオにしてくれれば、笑い飛ばしながら見るという、B級ならではの楽しみもあるのだが、そこそこ真面目なシナリオだけに、笑い飛ばすことも出来ず困ったB級映画である。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-04-29 22:52:40)《改行有》

44.  釈迦 《ネタバレ》  ウィキペディアによれば当時の大映のスターを集めて映画化した日本初の70ミリ超大作映画ということだ。  たしかに、当時の日本映画の中では群を抜いて頑張って、お金もかけてることはわかる。70ミリカラーの画面の緻密さとワイド画面を意識した映像作りもよく頑張っている。セットやスペクタクルシーンの現実感、スケール感は、その後の日本の怪獣特撮物より充分上回っている。  しかし、日本初ということで仕方ないことかもしれないが、ハリウッドのお金のかけ方やその技術力には、追いついていない。チャレンジ精神は充分感じられるのだが、ストーリー的にも、ベン・ハー(1958)や十戒(1956)の劣化コピー感が拭えない。  で、そのストーリー、シナリオだが、「釈迦」を題材にした時点で失敗だったかなあと感じてしまう。   日本では、普段から「釈迦」との接点は気づかないくらい多く、多かれ少なかれ「釈迦」に対するイメージを持ってるはずだから、単純にフィクションとして見ることもできず、しかし、信心深い人も少数なので宗教的に感銘を受けることもできず、中途半端になってしまったのではないだろうか。  もっとベン・ハーみたいに人間ドラマを中心に持ってくればもう少し良かったのではないだろうか。  日本初の超大作なのに、これまでテレビ放送もリバイバル上映もあまりなく、私自身、今回CSで放送されるまで全く知らなかったのも、一般的な日本人の感性としてストーリーが受け入れ難いのが原因かもしれない。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-04-29 20:02:46)《改行有》

45.  地獄門 《ネタバレ》  1953年、日本初のイーストマン・カラーだそうだ。さすがに気合が入っていて、スタンダードサイズだが色彩は綺麗であり、この時代の他の日本映画と比較すると、絵としてはかなり見ごたえはある。京マチ子の魅力も存分に発揮されている。  しかし、テンポは悪く、ストーリーにも違和感ありまくり。  いくら、時代設定が平安末期だとしても、長谷川一夫のあまりのジャイアンぶりは全く共感できず、むしろ不快感すら覚える。   さらに、最後になってその理不尽なやつが反省するのも、ありえなさすぎで不自然。お子様向けのアニメじゃないんだから、ラストで反省できる頭があるんだったら、最初から考えるだろう。  当時、海外でも高評価、日本の平安時代末期の時代設定の映像が海外ではあまりにも物珍しかっただけのような気がする。[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-04-24 19:21:12)《改行有》

46.  御用金 《ネタバレ》  映像に凝ろうとするのはよくわかるのだが、映像美だけを追っかけた無駄なシーンが多いと感じてしまった。もっと尺を短くするとか、人間をもっと深く掘り下げたシナリオにするとか、映像美を追いながらもテンポを崩さないやり方もあったのではないかと思う。  仲代達矢があまりにもシリアスなのに対し、萬屋錦之助が軽薄な役どころで、この対比の妙がもっと引き出せればいいのだが、全体を暗く叙情的に仕上げているため、萬屋錦之介の魅力がかなりスポイルされている。  叙情的な映像美を追求するなら、もう少しシナリオを練り込むべきだし、このシナリオで行くなら、もっと娯楽に徹してテンポよくして欲しかった。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-04-24 17:23:19)《改行有》

47.  日本の熱い日々 謀殺・下山事件 《ネタバレ》  モノクロ・スタンダードサイズで、随所にニュース映像を織りまぜてドキュメンタリータッチを狙ったのはある程度成功している。しかし、役者の演技がドラマ的に大げさになる部分ではその映像がかえって逆効果となる。  特に、後半、どんどんドラマ的に展開して、最後に、警察もおらず、駅員と医者がいるだけで記者が駆けつけて遺体と対面なんて、現実にはありえないシーンとなり、ドキュメンタリータッチとの違和感が満点になったところで終わりというのはかなり減点。  実際の下山事件はいまだに諸説のあるミステリーな事件なのだから、ドラマ的展開はもっと控えて淡々とやってもそれなりの作品になっただろうし、ドラマ的にしたいのであれば、もっと脚色を加えて映像もカラーシネスコにしても見ごたえが出ただろう。  そこそこ見ごたえはあったが、中途半端感の残る作品。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-04-24 00:10:08)《改行有》

48.  熱海殺人事件 《ネタバレ》  そこそこ面白いのだが、元々舞台用の現実離れしたデフォルメしたシナリオだけに、なんでわざわざ映画にしたの?っていう感じ。  映画ならではの特有の映像表現をしようという努力は、あちこちに感じられるのだが、まだまだ足りてない感じがする。  原作・脚本がつかこうへいという大物、監督がネームバリューのない高橋和男、ということで、映画用に大胆にアレンジできなかったのかもしれない。  役者陣は、舞台でも映画でも通用する芸達者が揃っており、そのおかげで、なんとか、観終わって面白かったと言えるのが救いではある。  音楽が久石譲で、トトロの風の通り道とそっくりのメロディーラインが入ってるのが笑えた。トトロのほうが後だから、もしこれが大ヒットして有名になってたら、トトロの音楽は別のメロディーになってたかもしれない。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-04-23 16:33:49)《改行有》

49.  地球防衛軍 《ネタバレ》  ゴジラの3年後、TOHOSCOPEのカラーシネスコで、光学合成もふんだんに使用、志村喬も出演し、実写の兵器映像も交え、気合の入った特撮大作、、のつもりだったのだろうが、相当笑える出来栄えになっております。  制作陣が真面目にお金をかけて娯楽大作を作ろうとした努力は伝わってくるし、当時としては出来は良かったのかもしれないけど、今となっては、トホホ満載のB級娯楽作品。でも、この超B級感が大好き。  異星人とのファーストコンタクトも、「未知との遭遇」を知っているだけに、その幼稚さが際立ってます。意味不明な異星人のヘルメットや、意味不明なデコレーションだらけのアイテムで未来技術を表すところがあまりにも古典的で漫画的で泣けてきます。  後にモゲラと名付けられた怪獣形ロボットも、哀愁をそそります。1匹目はそこそこ破壊活動をしますが、橋から落ちて敢え無く憤死。2匹目はさらに悲惨で、地上に出てきた瞬間に頭の上にアンテナが倒れてきて瞬殺されてしまいます。存在意味がよくわかりません。  つかまった女性達を助けに行く若い学者が地下の洞窟から難なく侵入できるし、そこから、全員しっかりと逃げ帰ってくるし、異星人の危機管理能力の無さには脱力してしまいます。  夜のシーンだろうと思われる場面も、昼に撮影してトーンを落としたのがバレバレで、さらに、それもいい加減で昼か夜か解らなくなってしまってます。  でも、うるさい子供が出てこないし、変に説教っぽいところもないし、突っ込みどころ満載のB級映画の楽しさを堪能できました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-04-21 01:13:08)《改行有》

50.  大阪の宿  製作年である昭和29年まさにその時代の風景を、大きなテーマも出来事もな異淡々としたストーリーでありのままに映しだしただけの映画なのだが、なぜか妙に懐かしさと心の琴線に触れるものを感じる。  私が生まれるより前の話なのに、この懐かしさに似た感覚は何なんだろう。日本人であることって、こういうことなのかとちょっと考えこんでしまった。それとも、ただ昔を懐かしむ世代に突入してしまったのだけだろうか?  娯楽映画としては大して面白くもないのだが、このへんな感覚が妙に心地良く、最後まで飽きることなく見てしまった。  乙羽信子って、若いときはすごく魅力的な役者だったんだね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-04-21 00:44:56)《改行有》

51.  蟹工船(2009) 《ネタバレ》  原作を大胆に脚色した構成だが、原作の持つ時代背景、テーマの強さ、深さに完全に負けた感じ。  1953年版と比べると格段にフィルム事情、撮影技術も進歩しているはずなのに、舞台劇程度の場面展開しかなく、画面の迫力が格段に負けている。  松田龍平はじめ、個々の役者の演技や心理描写は光るものがあるのだが、原作の持つテーマをなぞってちょっと光らせてみました程度で、大胆に切り込んだ感じはなかった。  原作、1953年版を完全に忘れた状態で見れば、少しは評価が上がるかもしれない。[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-02-14 01:00:17)(良:1票) 《改行有》

52.  蟹工船(1953) 《ネタバレ》  原作の雰囲気をうまく伝えている。白黒のやや荒れた映像も、物語の暗さ、救いの無さにマッチしている。  蟹工船の悲惨さを、当時の技術でここまでしっかりと映像化したのは脱帽もの。  役者である山村聰、監督としてきっちり仕事しているが、出演する必然性はなかったかも。物語の根幹に関わるものではなく、いろんな過去を持った乗組員の一人という役回りで、全体の中で本来そんなに出番があるべきではないのだが、ちょっと存在感を出しすぎ。  役者が監督ということで、出番を多くできず、無理して存在感をだそうとした感じで違和感があり、監督に徹するか、大事な役に回るか、どちらかにして欲しかった。  それ以外は、しっかりとした構図、演出、展開で、文学原作の映画として、独自の解釈や演出は控えめにして、真面目にそのままの雰囲気を出すことに成功していると言える。  ただ、原作の重さ、暗さがそのままの迫力で表現できてしまったため、後味の悪い、楽しめない映画でもある。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-02-13 17:40:51)(良:1票) 《改行有》

53.  マタンゴ 《ネタバレ》  TOHOSCOPEと誇らしげに始まるカラーシネスコの気合の入った映画で、出だしの東京の夜景もカラーならではの美しい映像、期待が膨らみます。しかし、だんだんと期待はずれ感が大きくなり、途中からはガッカリ感のみ。尺が短かったので最後まで見れた感じ。  基本となる設定、ストーリーの幹は名作にもなり得るアイデアなのに、ぶち壊すような展開、脚本にガッカリ感が漂う。カラーシネスコの威力と、特撮(特殊メイク)技術と、水野久美の妖艶さとに頼って、脚本をサボったような印象が否めない。  漂流する7人のキャラを、緻密な心理描写もなくあざとい演技だけで安易に見せすぎ。難破船の成り立ちも、マタンゴの行動も納得出来る理由提示もなく投げっぱなし。  といいつつ、この映画全体の雰囲気は、ガッカリ感を含めて、不思議に魅力があり、ツッコミまくって見るタイプの映画ではないのだが、何故かB級映画ファンとして心にひっかる。  しっかりとシナリオを練りなおしてリメイクしてはくれないだろうか、、「マタンゴ」が地味で不気味すぎて多分無理だな。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-02-11 23:09:53)(良:2票) 《改行有》

54.  白と黒(1963) 《ネタバレ》  見ごたえのある映画。  小林桂樹と仲代達矢の見事に心理描写された演技、それを支える周りを固める役者の演技、ストーリ展開、全てが、ドンピシャと決まっており、最後にどんでん返しまで用意されており、一気に引きこまれた。  最初に犯行シーンを見せて事件解決に到るまでの過程を描くという手法は、刑事コロンボ風ではあるが、法廷劇を絡めて心理描写、社会批判を物語の核に置き、主人公をヒーローにしないところが、今見ても目新しい。  外国映画であっても、このような展開のものはあまり観たことがなく、これが1963年の日本映画だということに、驚きを感じる。  この作品は、CSでたまたまやってたから観たのだが、巨匠に名を連ねる様な有名監督作品でなくても、まだまだこんな埋もれた名作があるって、日本映画、ホントにすごかったんだと思える作品。[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-02-06 21:01:18)《改行有》

55.  CUTIE HONEY キューティーハニー 《ネタバレ》  最初からB級作品であることを覚悟して観たので、それなりに楽しめた。  サトエリの演技は小っ恥ずかしくてみてられない、他の役者も個々にはいい味を出しているのだが、全体としてテンションがシンクロしていない。  しかし、テンポはそれほど悪くなく、アホらしい設定や大げさな演技も、アニメの実写版のB級と割り切れば、そこそこ許容範囲。  そもそも、原作はコミック、アニメでこそ生きる、エロティックコメディーヒーロー物という独特のもので、どんな監督でも、その実写版をまともに作れるわけがない。どんないい役者を使って、どんなにお金をかけても、大真面目に作ったらほぼ確実にコケるだろう。  となると、はなから名作「映画」にしようとすることは捨てて、B級映画に徹した作りをして、CGやアニメで映像的な冒険をふんだんに盛り込もうとするのもありだと思う。  サトエリは、本来この映画で見せるほどの大根役者ではないが、スタッフ一同、この脚本、演出で名演技ができる程うまい役者でないことは分かっていたはずであり、これをドンピシャでやれる名俳優が他に居るとも思えず、わざと大根に見える脚本、演出にしたとしか思えない。  サトエリを他から完全に浮いてしまうようなキャラ設定で大根演技に見ることで、あたかもサトエリのファンのためのアイドル映画のように作ったのも、狙ってやったものと思えてくる。   映画としての評価は低くならざるを得ないが、B級お馬鹿映画として、突っ込みながらそれなりに楽しめ、アニメ実写化にまともに挑戦してコケた痛い映画よりずっとマシ。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-02-05 23:43:29)《改行有》

56.  肉弾(1968) 《ネタバレ》  コメディータッチでテンポよく娯楽作品の匂いをプンプンさせながら、戦争の不条理とそれに翻弄される人々の無力さ悲しさを徹底的に表現している。  「あいつ」とそれを取り巻く人々の状況、心情を、シュールでポップでコミカルな表現でありながら、実感を持って確実に描写できており、映像的には非現実的でコントのようにストーリーが展開するのに、反戦という重いテーマが全くスポイルされていない。いや、逆にその本質が強調されている。  人々が国のために戦うというのは妄想で、自分が守りたい人のために戦うのであって、それですら、戦争に巻き込まれた状況で自分を無理やり納得させて鼓舞する屁理屈に過ぎない、というメッセージがひしひしと伝わってくる。  明るいゆえに、コミカルなゆえに、より悲しく虚しい物に見えるこの手法は、岡本喜八監督ここにあり、という感じでまさにお見事というしかない。  娯楽作品としてお薦めできる映画ではないが、「名作」を見たいという人には是非この映画も見てもらいたい。[DVD(邦画)] 7点(2011-01-29 17:15:15)《改行有》

57.  銀座化粧 《ネタバレ》  当時の普通の町並み、風景、生活を自然に感じられる歴史的価値満点の映画。しかし、映画としての構成力も素晴らしい。  画像、音ともに現代の映画と比べるには、あまりにも土俵が違いすぎるし、ストーリーも粗筋を書いてしまうと凡庸なのだが、風景を映し出す構図がしっかりしており、演出も日本人の琴線に触れる人情とか感情とかが自然に表現されて、しっかりストーリーに引きこまれてしまう。  画像や音がチープな分、画面構成、演出、編集の力量だけが問われるわけで、この時代にこれだけの映画が作れるのはすごい事だと思う。  成瀬巳喜男監督の作品を気を入れてしっかり見たのはこれが初めてだが、さすがに、日本映画史に名を残し多くの作品を撮り続けた監督の力量を感じる。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-16 02:08:04)《改行有》

58.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》  サスペンス、コメディー、青春の要素をテンポよく明るく描き、時にはクスリ、ホロリとさせ、途中だれることなく一気に引きこまれた。  カミさんが途中居眠りせずに最後まで見たというのは、ピクサーのアニメ以来で、画期的なこと。  時間を前後させていろんな人間関係の糸を解きほどいていく手法は「アヒルと鴨のコインロッカー」同様、リアルと誇張をバランスよく配して緊張を切ることなく笑いを織り込む手法も「チーム・バチスタの栄光」と同様に、非常にうまくまとまっており、監督のウマさが光っている。ツッコミを入れたくなるようなご都合主義も、誇張が過ぎたありえないシチュエーションも、ハラハラドキドキとクスリ、ホロリの絶妙のタイミングの繰り返しで気にならない。  ただし、最後の結末のシーン、堺雅人の演じる主人公に完全に感情移入して感動した後なので、リアルに役者まで変えてしまよりも、若干のメイク程度で堺雅人が演じたほうが、見る側が堺雅人と完全に判っても誇張した演出として許せるし、感動がさらに大きくなったかも。[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-01-15 23:56:00)(良:1票) 《改行有》

59.  上意討ち 拝領妻始末 《ネタバレ》  理不尽な組織の押し付けに怒り反抗するも最後は虚しさだけが残るというストーリーは、小林正樹監督の代表作「人間の條件」と通じるものを感じる。  しかし、三船敏郎の殺陣を見せたかったという意図かもしれないが、ちょっと人を殺し過ぎ。  この作品の中での女性の扱い、家制度、武士の建前の理不尽さは充分に理解できるし、感情移入できるのだが、主人公が反抗することで殺される雑兵達の理不尽な死のほうが逆にとても気になってしまった。  映像は叙情的でさすがに小林監督という感じだし、三船敏郎、仲代達矢はじめ出演者の演技も素晴らしく、良作には違いないのだが、個人的には、同じストーリーで主人公達と主たる悪役以外は一切死なないシナリオにすればもっと名作になったと思う。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-15 20:30:36)(良:1票) 《改行有》

60.  いのち・ぼうにふろう 《ネタバレ》  日本の巨匠の一人、小林正樹監督の叙情的な映像表現が発揮されて、ぐっと引き込まれる人情物映画。  心にぐっとくるものがある点では名作なのだが、娯楽として気楽に見るにはあまりにも重く暗すぎる。  ハリウッドだと同じようなストーリーでも、もっと軽快に陽気につくるんだろうなと思いつつ、ハリウッドはおろか最近の日本映画でもめったに見られないテイストで、これはこれで凄い。  このところ、仲代達矢の出演映画を立て続けに見ているが、監督の意図通り、どんな役もぴったりハマッてこなしてしまうすごい俳優だと、改めて感心してしまった。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-10 20:11:17)《改行有》

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