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プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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581.  霧の旗(1965) 《ネタバレ》 大塚弁護士が九州の殺人事件の弁護を断ったのは、業務の流れからは当然といえる判断です。でも、倍賞千恵子側の視点では、資金の不足、(国選?)弁護人の無気力、兄の獄死といった不幸が、大塚弁護士の責任に転嫁されて行った。典型的な逆恨みです。実は、最後は真犯人を見つけてハッピーエンドかと思っていたので、復讐劇だったことに少なからず驚きました。敢えてテーマをあげるなら、人の心情が目に見えないことの怖さでしょうか。意思が強く頑なで、思い込みも激しそうな倍賞千恵子だったけれど、正義感が強そうに見えたので、まさかあそこまでドロドロの復讐心に囚われていたとは思わなかった。可愛い顔とのギャップを見せどころにしています。逆恨みに起因する仕返しなので、達成されたところで爽快感は皆無。人のネガティブな執念に引きずられる映画でした。山田洋次監督を勝手に人情ものの名手と位置づけていたけれど、これもある意味人情ものなのね。「男はつらいよ」以前の作品は初めてだったが、サスペンスタッチの今作でも、すでに堅実な演出手腕を感じました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-25 01:29:44)

582.  時をかける少女(2010) 《ネタバレ》 時をかける少女のお話だけど、元少女のお話でもあった。自分は世代的に元少女の方も楽しみました。主人公・あかりがタイムリープするのは、病床の母・芳山和子からあることを頼まれたから。目的は果たしたけれど、大切な人を失い、記憶を消される憂き目に遭うタイムリープでした。でも、30年以上の時を遡った少女の泣き笑いの奮闘のなかに清々しい情感が散りばめられ、ひとつの青春映画として充分な見応えがありました。仲里依紗の溌剌とした演技に依るところが大きい。彼女が大声を出すシーンでは真琴の顔が浮かんで何だか嬉しかった。さて、サブストーリーの元少女の方は念願かなって深町クンとの再会は果たしたものの、再び記憶を消されてしまう。それでも、あの個性的な男と結婚し、娘を出産し、離婚はしても翳りは見えず、なにより元気印の娘と暮らす彼女に自分は目を細めました。過去に縛られず、しっかり現在を生きている。いい人生じゃないですか。大林版の後日談としては心地よいシナリオで、安堵させてもらいました。ひとつ残念だったのは中年になった深町の台詞。確か「消し忘れ」という言葉だったと思う。「土曜日の実験室」の約束を指していたんだけど、その記憶を大切にして生きてきた芳山和子には酷な台詞でした。本人に聞かれなくて良かったと思う。その昔から深町は嫌いだったが、相変わらず嫌な奴でした。昔に比べてイイ男になっていたので尚更(笑)。余談だけど、ちょっと計算しました。今作の芳山和子は1972年に中学3年生だったから1992年・35歳であかりを出産して2010年現在53歳。でもそんなに老けていない。もし1983年の大林版を起点に考えるなら、26・7歳であかりを出産して2010年では43・4歳といったところ。これは安田成美の実年齢にピッタリ合う。実は原田知世でも合う。そんな好条件が揃っていながらも、あえて1970年代へ時間を遡らせたのはやはり世代の違いを目に見える形で描きたかったからと推測します。吉田拓郎、神田川、「2001年」やブルース・リー。それは1980年代では感じられない文化の違いでもある。安田成美は50代に見えなかったけど、70年代に思い出の多い自分には嬉しい設定でした。[映画館(邦画)] 6点(2010-03-19 03:06:36)(良:1票)

583.  座頭市と用心棒 勝新太郎と三船敏郎。この2大スターのキャラを活かしているとも言えるし、活かしていないとも言える。それぞれの個性は良く出ていた。でも、お互いを傷つけないように遠慮しあっている印象。終始コメディ調で進むことも悪くはないが、例えば三船&仲代がいくつかの作品で演じたような、ヒリヒリする緊張感を漲らせた方が良かったのではと、観終わった後には思う。ジャイアント馬場とアントニオ猪木がタッグマッチで戦って、外国人選手がフォールされたって感じです。[地上波(邦画)] 5点(2010-03-18 00:18:45)

584.  激動の昭和史 沖縄決戦 日本にとって平和な時代が続きすぎているからか、こういう映画を観ても「反戦」という言葉が浮かんでこない。最も強く感じたことは「自決」とは何だったのかということ。言葉の定義だけならば、自らの主義を貫くために自殺することだ。国民が一丸となって戦争に臨む教育がなされていたことは、両親や祖父母の世代から聞いていたけれど、負けた時の心構えなんて誰も口にしなかったのでしょう。言った途端に非国民扱い。そして、負けたら絶望というような強い思い込みが自決に繋がったように思える。思い込みは主義ではない。戦争とは、戦闘員と非戦闘員の線引きを明確にし、軍人が陣地を取り合って、そこだけで勝敗が決まらなければならないのだと思う。日本が最後に経験した戦争では、そんな常識であるべきことを曖昧にしたまま戦争にのめり込んで行った感がある。その大きな流れに飲まれて、非戦闘員までが自らの命を絶った。誰が悪かったかというと、これは明確で、戦争を指導する立場の人たちです。自決を当然と考えるタイプが指導的立場の人たちに多かったことは、この映画からも見受けられる。考えてみれば、戦争の勝敗の決し方なんて誰かに習った覚えがない。せめて義務教育の歴史の授業とかで取り上げても良いのではと思ったりする。戦争なんてやらずに済むに越したことはない話だけど…。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-18 00:04:44)

585.  嫌われ松子の一生 悲劇をエンターテイメントとして扱い、でもしっかり悲しませる。初めて今作を観たときはその語り口に驚き、とても新鮮味を覚えました。邦画の歴史の1ページに刻まれるくらいに意義のある作品だと思います。子供の頃に心を動かされたおとぎ話に触れたような、現実感はないけれど重く響く見応え。それはリアリティに乏しいストーリーと、画面の隅々まで神経の行き届いた絵作りのアンバランスから生み出される。まさに、大人のおとぎ話という形容が嵌ります。お涙頂戴ではなく、反対に笑いで綴られた悲劇からは、経験したことのない類いの悲しみが沸き起こる。笑われることを宿命付けられたピエロの存在自体が持っているような深い悲哀という印象でした。凄い映画だと思います。この監督からは明確で強力な作家性を感じます。お世辞じゃなく、世界を相手に個性を発揮して欲しいと思います。[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-03-17 23:46:35)(良:1票)

586.  カンゾー先生 麻生久美子の映画でした。優等生的に納まっている役柄しか記憶に無かったのだけど、今作のワイルドでエロい彼女は素晴らしい存在感を発揮していました。美白ばかりが叫ばれる昨今ですが、久しぶりに健康的な小麦色の肌を見た気分でした。医者は足だ、という概念は分かりますが、ただ走らせているシーンが多いだけでは真意が演出できているとは思えなかったです。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-17 03:32:00)

587.  あした晴れるか 《ネタバレ》 この格別の晴れやかさ! 湿った部分が微塵も無い。メインキャストの間に恋愛感情が芽生える手前で意図的に関係をストップさせ、最後までドタバタの中で話を締めくくる。わんぱくな幼稚園児たちが悪口を言い合いながら仲良く遊んでいるような印象。裕次郎の天然キャラも嵌っていたが、面白かったのは芦川いづみ。細面には大きすぎる太い黒フレームのメガネをかけて、勝気な三枚目を演じている。素が美人だから許せるような屈折キャラです。終始、不機嫌そうな態度で眉と口角の上下だけで感情を表現しているんだけど、オーバーアクションとも言えるその仕草がベタなコメディタッチでこれまた可愛い。素顔を見せたのは登場シーンと泥酔シーンの2カットだけで、都合10秒もなかった。その2カットのチラ見せが、たぶんファン心理をくすぐったのでしょう。私はくすぐられました。彼女のこんなタイプの芝居はこれまで観たことが無かったので、古い映画だけどとても新鮮。きっと明日もよく晴れます。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-16 00:42:46)

588.  青い鳥(2008) 《ネタバレ》 重いテーマと誠実なメッセージに射抜かれました。吃音症の教師の言葉は、数こそ少ないがひと言ひと言が重く響く力を持っている。ストーリーは中学のイジメ問題を中心に展開するが、学校の中に限られた話ではなく、もっと普遍的に意識されて然るべき問題の核心を突いていると思う。「反省」自体が持つ曖昧なニュアンスを反省文の枚数で計ることは、事象に形式的な決着を付けるための詭弁にすぎない。仕事上の事故などを「始末書」で決着させるのは仕方がないとしても、教育の場に相応しい方法論とは思えない。ではどうすれば良いのか? 教師は「責任を持て」と言った。これには、自分の目からも鱗が落ちた想いでした。大事なことは、忘れて終わらせることではなく、抱き続けること。それが事実の中身を反芻させ、傷付いた者の心情を汲むことにもなり、再発の抑止以上の意味をもたらすのでしょう。転校した生徒の机を教室に持ち込んだ一連の行動は、無骨ではあったけれど、教師と園部君の会話シーンで納得しました。この映画の良いところは、回答に絶対性を持たせていないことだと思います。ラストの反省文も全員が提出した訳ではない。学校側が書かせた5枚の反省文も否定している訳ではない。メッセージの受け取り方を観賞側に委ねている。だから尚更、考えさせられる。きっと肌に合わない人もいることでしょう。大人になっても悔やむことは起こります。若い頃に比べて、塞ぎ込む心を早めに戻す術も身に付けました。でも、悔やまれたことのエッセンスを抱きながら暮らして行きたいものだと、この映画を観て思いました。[CS・衛星(邦画)] 9点(2010-03-13 01:37:59)

589.  ハルフウェイ 《ネタバレ》 ストーリーの中身はかなり幼稚。手持ちでブレブレのカメラワークも最低に近い。北乃きいのアップダウンが激しい性格設定などは、高校3年生にしては我がまま過ぎる。早々にクソ映画の烙印を押しかけたが、途中からさほど悪くもないと思い始め、鑑賞後に自分の心情がじんわりと温かくなっていることに気付きました。自分は理屈で映画を観るタイプなので、内容に納得しない限り低めの点数を付けるのが普通ですが、そんな仄かな温かさを覚える作品も希少価値として評価すべきと思った次第です。実は何が良かったのかが明確に言えないんだけど「花とアリス」を観た直後も似たような気分だったことを思い出しました。たぶん高校生の恋愛感情のピュアな部分だけを強引に抽出して、それ以外は切り捨てるような作り方を、一種のファンタジーとして受け入れたのだと思います。すると劇中の日常が、役者たちの表情も含めてすべて輝いて思い出せるから不思議なものだ。以前に「幸福な食卓」のレビューで北乃きいのことを、美人過ぎないところが良い、などと書いたのですが前言撤回です。色んな意味でグッと存在感が増しました。なにより演技の質で、今後さらに期待できるポテンシャルを感じました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-03-10 21:02:24)

590.  乱れ雲 《ネタバレ》 司葉子の表情を観る映画でした。まさか、あの二人が恋仲になるようなベタな展開じゃないよな~、と思っていたら、あらあら本当にそうでした。でも、司葉子の眼差しにある冷たい塊りを見ているうちに、どんどんと引き込まれた。恨み、悔しさ、哀しさ、拒絶。司葉子はほとんど目だけでそれらを表現していた。裁判でも過失を問われない事故との判決が出ているんだから、あの視線をぶつけられる加山雄三が可哀想でした。彼女は自分の理不尽さも理解していて、その葛藤も微妙な表情に表れる。酔いにまかせて本音をぶちまけてからは、まるで憑き物が落ちたように表情が和らぎました。この転換が見せ場とも言える。加山雄三の下宿を訪ねて、階段の下から彼を見上げる時の切ない表情は強く印象に残る。そして、最後の別れも理解できます。恨みや憎しみは忘れることが出来ても、深い悲しみが消えるためにはもう少し時間が必要だったようです。でも、悲しみで穿たれた心もいつかは埋まるはず。この二人は、これで終わりではないと思いました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-08 22:18:55)

591.  ヒポクラテスたち 《ネタバレ》 キャンディーズのランちゃんのファンでした。グループ解散後の最初の仕事がこれじゃなかったかと記憶している。それで、ずっと気になっていたのにこれまで縁が無かった映画です。観賞後の率直な印象は、ちょっと観るのが遅すぎた、ということ。この頃の大森一樹にはまだ自主制作映画の匂いが残っていて、本来は新鮮に映るはずなのに、それが違和感になってしまった。失敗しました。医学生たちの日常を切り取っているけれど、特別なことはほとんど何も起こらない。唯一、心情を行動に移したのは白衣を黒く塗って暴れた古尾谷雅人。どうやら医師の聖職性に疑問符を付けたかったようです。現代に照らすと問題の置きどころに違和感を覚えます。この映画が製作された頃は、医者は崇高は人格者であれと期待されていた記憶がある。大森監督は元医学生ということもあり、医者にも普通に悩みがあり、特に医学生はまだまだ青いってことが言いたかったのだと思います。そのテーマも基本的には内面の問題意識で、そこには強い社会性も無ければ、60年代の青春映画のような発散もない。妙に自己完結しているところに80年代初頭の空気を感じる映画でした。エピローグの伊藤蘭の自殺には驚いた。そんなことにするのなら本編でもっと突っ込んで欲しかった。というか、もっと出番を増やして欲しかったですね。古尾谷氏は惜しいことになりましたが、共演者のほとんどが現在も活躍中で、彼らの30年前を観るのは楽しかったです。余談ですが、相当に古い映画なら「時代劇」的に楽しめるけれど、自分の思春期に作られた青春映画を何十年も経てから観るのは難しいものですね。視点の置き所が定まらない。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-07 23:05:06)

592.  南極料理人 《ネタバレ》 たくさん笑わせてもらいました。ちょっと大げさに言うと、邦画の笑いもこなれて来たなぁと思うシーンがいくつかありました。南極で、特に奥地のドームふじ基地で越冬する観測隊の生活は相当に過酷だと思います。特に映画の後半、何ヶ月も夜が明けず(極夜と言うらしい)、気温はマイナス70度まで下がる。ひとつ手違いがあれば、即座に凍死です。肉体的にも精神的にも、かなりタフさが要求されるはず。リアルに描写したら観るのが辛くなるところを、ぬるま湯の温度感で見せてくれた。語り口としては、素敵な欺瞞でした。その昔、「バペットの晩餐会」という映画を観たとき、美味い食事は人を幸せにするという真理を見た気がしたけど、今作では「食べる」こと自体が人の心に起伏を作り、時に精神の平衡を保つ機能を持っていることが分かります。頭がエビフライモードになった奴らの気持ちが良く理解できる。この、人の営みの根幹を成す行為の大切さを改めて認識した次第です。堺雅人と家族の絆が、この映画の語り口にシンクロしたとぼけた距離感で心地よかったです。心残りはオーロラかな。みんなラーメンに熱中してましたが、極夜のオーロラは凄いらしいです。[映画館(邦画)] 7点(2010-03-07 22:19:01)

593.  独立愚連隊西へ 前作とは全く別のお話でした。そして、前作には馴染めなかったけど、こちらはたいへん面白かった。日本軍の軍旗の争奪戦が軽快なテンポでコメディを交えて進行する。帝国陸軍のお堅い規律に対する風刺がしっかりと効いていて、本当は軍旗より命の方が大切だという思想が根底に流れているのが心地良い。敵方も含めて出演者全員のキャラが立っていて、その入り乱れた個性をねじ伏せるように1本の映画にまとめたの岡本監督の力技は大したものだと思います。銀幕デビュー間もない加山雄三が主演といえる役柄を担っているけれど、すでに爽やかで清廉な芝居を堂々と演じており、これはサラブレッドの血筋もあるけど、持って生まれた爛漫さではないかと思った。同じような空気を持っている人って長嶋茂雄さんくらいですね。[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-03-07 21:54:07)

594.  ノン子36歳(家事手伝い) 《ネタバレ》 「アンテナ」以降のこの監督の作品を観ている。最初はその常識的な描写からズレた語り口が味わいに思えたが、単に平衡感覚がズレているだけのようです。都会生活に夢破れて、実家に戻った「家事手伝い」の女性の居場所の無さを描こうとした視点は悪くない。でも、最後まで観ると焦点がボケてボケて…。実家で自堕落に暮らしながらも、希望が見えればそれに縋ってみたくなるのは分かるが、その話を持って来た元亭主とのセックスは必要だったのか? さらに、あの年下のガキが酷すぎる。奴が何をしたかったのかがさっぱり分からず、結局は自分勝手な馬鹿だったとしか思えない。だから、その男に肩入れする主人公の心理も分からなくなる。結局、この監督の映画的表現には違和感しか残らないことを思い知りました。[CS・衛星(邦画)] 2点(2010-03-07 02:03:43)

595.  舞妓Haaaan!!! お茶屋で遊んだことはないが、仕事で舞妓さんを撮影したことがある。置屋から京都郊外のスタジオまでタクシーで送迎したのだけど、そのタクシーの中で「おにいさん、○○さんに似てはりますなぁ~」とのんびりした調子で言われた。その○○さんが女性だったりしたので面食らった。後にも先にも、そんな方に似ていると言われたことはない。このちょっと浮世離れした感じが舞妓さんの世界なんだなぁと思った次第…。余談でしたが、実はそんな舞妓さんの世界が拝めるのかと思って観始めたんだけど、完全に勘違いでした。早々に阿部サダヲに塗りつぶされた。確信犯で暑苦しさを演じている。その芝居には生理的な嫌悪感を覚えるんだけど、映画はそこそこ面白かった。過去に類を見ない語り口は新鮮でした。新しいと思います。でも気持ち悪い。なので評価が難しい。ここはニッポン人らしく、優柔不断に5点です。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-06 15:57:28)

596.  めし エンディングで原節子のモノローグが定義する女(=主婦)の幸せに、現代の女性たちのどれほどが素直に頷くかは甚だ疑問だけど、形態だけを見ると主婦のポジションの本質はあまり変わっていないのだと思います。正直に言うと、普通に始まって、ゆるい夫婦喧嘩とゆるい家出をして、さしたる理由も無く元の鞘に納まっただけの印象で、それ以上のものを感じなかった。原節子の容姿が全く自分のタイプじゃないからだと思う。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-01 22:25:27)(良:1票)

597.  影の車 《ネタバレ》 このところ、松本清張原作の映画をまとめて何作か観た。自分は「鬼畜」「天城越え」や今作のように、子供や少年の心理を描写した作品に魅かれました。起こる事件の社会性という意味では「砂の器」や「ゼロの焦点」などに比べてスケールダウンするが、パーソナルな事象を扱った作品の方が軒並み高質だと思った次第。さて今作。子供の虚飾のない感受性に晒されると、大人たちの事情はどうしようもなく自分勝手で穢れて感じられる。子供の視線はその後ろめたさを写す鏡でもある。だから加藤剛は子供を問い詰められないまま、ずるずるを恐怖を募らせて行った。子供の純真に怯える不倫スリラーってところだろうか。そんなテーマとは別に、岩下志麻ってこんなに美しい人だったのかと感嘆! 自分が映画に興味を持った頃にはすでに姐御肌スタイルが定着していた感があり、今作のような献身的で可愛いタイプの芝居は観た記憶がなかった。露出が多い訳じゃないが、脚線から伺えるスタイルの良さも逸品。実は岩下志麻だけで得した気分でした。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-01 21:08:58)(良:1票)

598.  波の塔 なんと半世紀も前から不倫をやっていた津川雅彦、はどうでも良くって、有馬稲子の映画ですね。髪をあげて暗い顔をした和服姿はあまり似合うと思わなかったが、何度か見せた切ないまなざしには背筋がゾクゾクした。あれには、ほとんどの男はイチコロじゃなかろうか。個人的には、それ以外は観るところが無かったです。このサイトのレビューでは出来るだけ使わないようにしている形容だけど、典型的な「テレビで充分」な映画。[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-03-01 21:06:45)

599.  霧笛が俺を呼んでいる 赤木圭一郎さんの映画を初めて観た。スケールを感じさせる芝居のなかに繊細さも滲ませている。惜しまれている訳が分かります。芦川いづみに背を向けて次の航海へ向かう背中が表現する哀愁は、誰にでも真似できるものではないと思いました。余談だけど、この頃の映画が好きでよくCSで観ています。昔の役者さんって、いかにもそれらしくフレームの中に納まっている。当時の原色が強く写るフィルム特性もあるのだろうが、そこだけがパッと明るくなったような、これこそ「映画スタア」って見映え。今作に関しては、赤木圭一郎はもとより、芦川いづみやデビュー間もない吉永小百合にもそんなオーラを感じます。こんな作品を観ると、現代の役者さんはもっともっと自分を主張しても良いのではと思ってしまう。ただの懐古趣味かもしれませんが…。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-01 02:56:39)

600.  旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ ベテラン男優のオンパレードだけど、イマイチ盛り上がりに欠ける作品でした。ブツ切りのエピソードの連続という感じで流れがよろしくない。動物たちの描写は活き活きしていているのだけど、それが却って役者さんたちの芝居を分断している印象です。西田敏行のこういう役どころにも少し飽きました。[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-02-27 00:44:38)

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