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61.  水戸黄門(1957) 《ネタバレ》 普段、テレビドラマなどあまり見ず「水戸黄門」も大昔の東野英治郎版を数回見ただけだ。 で、今作の黄門様は正体を明かす時の「どうだこのヤロ」というカタルシスが凄く薄い。そういったシーンはあるが、これが印籠ではなく自身の地味な説明で、相手も下っ端の役人風情で、しかも「このことは黙っていなさい」だって。それで事が進むのもすごい。最後の最後に高田藩士たちが、今まで敵と認識していた自藩の悪官僚の敵討ちとして、黄門たちと関根先生まで討とうとするのは、ちょっと理解できない。何か解釈し間違えているのだろうか? でもまあ、総じて面白い時代劇だった。ずっと見ていたい、勧善懲悪。ずっと作られ続けてほしい社会風刺の物語。そういったモノを最近見ていない気がする。[DVD(邦画)] 8点(2018-08-04 15:14:58)《改行有》

62.  ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜 《ネタバレ》  一度食べたらその味を忘れない。それが大事なことだと確か『王様のレストラン』でも言っていたな。でも、一番大事なのはそれを再現できることじゃないのかな?まあいいけど。  劇中、麒麟の舌の説明を聞きつつ「なんでタイトルが『記憶』なの?」と思ったが、お店の火事のシーンで鮮やかにそれが解決される様が見事。このシーンの二宮君の瞳に炎が蘇る描写で、それを表現したのは凄いと思った。  途中、二宮君が「思いを込めて料理を作れば、おいしいと言ってもらえる、というのはどうか?」みたいなセリフを言うシーンで、それを口に出す(セリフで言っちゃう)かぁ?と思ったが、心配をよそにそれを超えて物語は感動的に展開した。  才能あるものがそれに溺れて、周りとの軋轢を生みやがてダメになってしまう。遂に本人もそれに気づき、生き方を変えて幸せを取り戻す。シェフとギャルソンの違いはあるが、前述のドラマ『王レス』もそうであったように、このプロットは王道なのだと思う。それを大戦中の日本軍の陰謀を絡めつつ、料理人の魂を込めたレシピと思いをつなぐ歴史の物語としたのは、面白かった。誰かのセリフで「のちに軍部が盧溝橋事件を起こし」と言ってたので、その前に実現しなかった陰謀事件という態なのだろう。  アイドルメンバーの映画と言って低評価をするには、能わない映画であると思う。  この物語に付け加えるには、蛇足的な感じもするが、エンドクレジットと共に映し出される佐々木充作の料理の詳細も見たかった。[DVD(邦画)] 8点(2018-05-30 21:28:16)《改行有》

63.  ゴジラ×メガギラス G消滅作戦 《ネタバレ》  何しろ『対メガロ』に続けて観ちゃったもんだから、ちょっと甘めの点数かもしれない。  初代のゴジラ上陸事件を、巧くリメイクしながら首都を大阪に変更したりする設定はナカナカ凝っていて、大阪上陸時の対ゴジラ戦闘の描写もよく、ちょっと期待させられた。だけど、だんだん小さなロボット手品とか「マイクロブラックホール」(!)だのと、胡散臭い話になってくるのが、ガッカリ。今はオスプレイがあるから垂直離着陸機は受け入れられるけど、空中で後ずさりするのはどうなのよ?  それと、最初の実験で時空のゆがみからヘンな生き物出てきちゃったのを知りながら、も一回それを使うのもどうなのかね?「これが最後の一匹とは思えない」という事になりはしないのか?人間は懲りない生き物なのかね…。[DVD(邦画)] 5点(2018-02-04 16:08:11)《改行有》

64.  ゴジラ対メガロ 《ネタバレ》 久しぶりにろくでもない映画を見た。まあ、観る前から薄々(いやかなり確信的に)気付いてはいたが。今までこれだけ見ていなかったのを、レンタル屋で見かけたのが運の尽きだった。 ロボットが巨大化する、ロボットが怪獣と話をする、地底の国からの工作員がほんの数人、唐突な地底国の撤退(だと思うが、その描写は無く真相は謎)、ゴジラにかぶせられる「プァーン、プァーン」という間抜けな音楽。うんざりする要素が満載の迷作。[DVD(邦画)] 1点(2018-02-04 16:04:31)《改行有》

65.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》  観ながら最初に感じたのは、しばらく見ない間に日本のアニメーションは凄い表現力を手に入れたものだ、という事だ。時折、実写か?と思う画面もあり、従来のアニメーションの背景との使い分けも巧み。  それに、物語も凝っていて素晴らしい。思春期男女の入れ替わりというと『転校生』を思い出すが、今作ではそれが時空を超えていて、それを少しずつ解き明かしながら見せる、二人の「結び」の物語が切ない。最後、三葉のほうが間に合わずに悲恋として終るかと思いきや、努力の甲斐あって大勢が生き残り数年後に再会するという展開に泣けた。  若い人たちの、新しい「赤い糸伝説」だな。[地上波(邦画)] 9点(2018-01-27 18:05:57)《改行有》

66.  DESTINY 鎌倉ものがたり 《ネタバレ》 物語序盤では、さすがにちょっと面食らった。妖怪が普通にひとと共存する世界。はじめのうちは「ああ、これは〇〇ね」なんて、当然のように説明する主人公とその世界観に異常な違和感があったが、色々な出来事を丁寧に描写していくうちにだんだんとこの世界に馴染んでくる。若い嫁が黄泉行きの電車に乗る時の「悲しい別れ」シーンには涙したが、その後の展開がちょっと不満。旦那が黄泉へ向かうあたりから、何かで見た感が凄いのだ。車窓から見る海の景色や、黄泉の国の建物の感じ。ジブリ入ってない?それに結局悪いやつをやっつけて嫁を取り戻して戻ってくる、というのが、ありきたり。現世でのハートウォーミングな世界観のまま、解決できなかったのか?[映画館(邦画)] 6点(2018-01-03 11:23:10)

67.  サバイバルファミリー(2017) 《ネタバレ》  「お父さんはそういう人なのよ」は、笑ったけど結構キツイと思う。だが、お父さんは頑張っているんだ。川の水を飲んでみせたのも、自転車に押しつぶされて溺れたのも、家族のためなのだ。決してドン臭いわけではないのだ(と思う)。笑いものにするな。笑ったけど。  さすがに、溺れて行方不明のまま終わるとは思わないにしても、瀕死で立ち上がってから汽車に乗った家族の前に現れるのは、出来過ぎのような気もするが。  ところで「地球が制止した日」的な状態だが、電気が使えないだけで蒸気機関は動くようで、汽車が来たのには笑った。蒸気機関車って鉄道会社だってもう持ってないと思うけど。  人間、スローライフ的な生活が一番なんてテーマじゃないんだろうが、田舎に知り合いの一つもない自分の場合には、都会で餓死しちゃうのかもしれないなあ、なんて暗い気持にもなった。この家族のように実家が田舎にある人、戻る場所がある人は幸いだな。[DVD(邦画)] 6点(2017-10-19 13:56:45)(良:1票) 《改行有》

68.  エヴェレスト 神々の山嶺 《ネタバレ》  超人的な登山家が「足手まといなパートナーは見殺しにする」(超訳)と嘯いてはいるが、その実最後まで見捨てない人であった。そんな登山家に興味を覚えた写真家は、同様の局面に至り登山家に救われるが、その後登山家の危機を救うことができずにほぼ見殺しに。  そんな写真家が、一度見捨てた登山家を探しに山へ行き、彼の体と魂を見つける話。最後に彼が山頂付近で「連れて帰る」って言ったのは、登山家の魂だったのだろうな。これ以降、写真家は登山家のように生きるんだろうか。  こんな話なので、イマイチ「神々の山嶺」な感じがしないのは残念。何しろ描かれているのは自分の力だけで最高峰に挑もうとする登山家の話だし、映像的にも物語的にも最高峰へ(特に写真家が)さして苦もなく辿り着いた感が出過ぎている。「神々の領域」感ゼロである。ワタシ的には「神よ!何故こんなに人を阻むんですか!」的な物語を期待していた。  それでも、現地ロケによる雄大な景色などは美しい。  しっかし、岡田准一ってのはよく映画に出てるなあ。[DVD(邦画)] 6点(2017-10-05 16:20:14)《改行有》

69.  多羅尾伴内 《ネタバレ》  まあ、荒唐無稽なんだけど、ミステリというよりはサスペンスドラマ的な面白さ。好きな人には楽しいんだろう主演役者の様々な演技を楽しめる。最後の名台詞の後にカッコいい藤村大造が現れた時に、ああ、ようするに変身ヒーロー的な最後のカタルシスと同じなんだなと思った。とはいえ、せむし男の仮面をはぎ取った後に帽子かぶってるのは流石にどうよ?なんて頭によぎるが、カッコよさ優先なんですね。ハイ、正解です。  さて、犯人が分かってしまってからがちょっとダラダラと長い。また、ワイヤで体が半分に切れるというのも何か趣味悪い感じだが、実際に宝塚歌劇団でそういう事故があったと知りビックリ。[DVD(邦画)] 6点(2017-09-21 14:50:42)《改行有》

70.  SCOOP! 《ネタバレ》  ホテルのカーテンを開けさせる花火の手口など、なかなかやるものだと感心するが、容疑者の実況見分の時の大暴れなどは、大目玉だけでは済まないようにも思える。  昔、映像関係の学校へ行っていたことがあって、その時の先生の教え子が百恵ちゃんと友和のスクープショットを撮ったのだとか。いろいろと関係者に物議をかもしたりしたそうだが、その彼曰く「撮ってしまえばこっちのもの(勝ち)」と。そんなことを思い出した。劇中の福山も「でも、これが見たいんだろう」的なことを言う。その辺の倫理的な攻防は色々あろうが、世間の興味にこたえること、踏み込んで良い事とそうで無い事、写真というものの強さを考えさせられた。  そこまでして、世間の見たいものを撮る話が、最後シャブ中の友達に誤射されて死んで終わりっていうのが、とてもとても消化不良である。  ちょっと自分の期待とずれた方に物語が展開していって残念。[DVD(邦画)] 6点(2017-09-06 17:22:37)《改行有》

71.  相棒 -劇場版Ⅳ- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断 《ネタバレ》  前にもに国が国民を見殺しにした事を糾弾し、人々にうったえるために、大勢の観客の命を狙うぞ詐欺のような事件(その時はマラソンだった)があった。  ただし、そのときも今回もまどろっこしくって実際に多くの群衆には事件の騒ぎは気付かれなかったという展開に、肩透かし感があった。無辜の人たちに酷いことをするつもりはないという設定なのだろうが、それにしたって何かの騒ぎがあったと気付かれるようなやり方じゃなきゃ、意味ないだろう。どうせ実行する気がないんなら、ビルの上じゃなくてパレードのど真ん中に飛び出して、スキットルを開けるしぐさだけで充分じゃないか。現実的にはその際の大量のエキストラに演技させるのは大変なのかもしれないが、そこはそれ映画ならではのお金の掛けようじゃないの。  という訳で、大騒動を思わせる予告編の期待を見事に裏切るいつもの相棒劇場版であった。また、官房長の時を思わせる「右京さーん!」も、右京さん死ぬわけ無いと誰もが思っちゃうので、無意味。[映画館(邦画)] 5点(2017-08-30 13:31:17)《改行有》

72.  後妻業の女 《ネタバレ》  殆ど詐欺と言っていい感じなのだが、結婚詐欺と違うのは、ホントに結婚して合法的に遺産を受け取るところである。合法なら詐欺じゃないのだが、愛情をもって結婚しているかという点において、限りなく詐欺に近い印象を受ける。ただし、これは自分が結婚というものをしたことがなく、この歳においても結婚というものにある種の幻想を抱いているからかもしれぬ。  TVドラマの話になってしまってナンだが、打算的な合理主義で結婚ができるか、という話で始まった「デート 恋とはどんなものかしら」という杏ちゃん主演のコメディがあったのを思い出す。このドラマは最終的に二人が完全に恋愛状態に落ちて終わる。お見合い結婚だって結局は恋愛結婚だ、みたいな結論になっていた。この時私は合理主義に期待した。  それなのに合理的なこの映画の結婚観に対しては、何故そう違う気持ちを持つのかというと、本作は事件が深刻すぎるのだ。彼らの生き方には、何件かの殺人の疑惑があり、拳銃まで登場している。最終的には人を埋めようとまでした。これで最終的に「それでも楽しくやってます」的に終わるのは、釈然としない。[映画館(邦画)] 6点(2017-08-22 05:01:58)《改行有》

73.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》  期待が高すぎた。最初に噂を聞いてから何年も経っている。自分の中でかなり都合よく再解釈されてしまったかも知れないこの魂の物語を、写実的表現の映画で納得・感動できるというのが、無理だったのかもしれない。  それでも大好きな小説の映画化だ。人間の行いと不釣り合いなほどの大自然の美しさとの対比などは、映像作品ならではの魅力である。  私にとってのこの小説の魅力というかキモは最後の「踏むがいい」という「主」の声である。イエスでさえこの場にいたら踏むだろうという極限の選択を迫られた者にしか聞こえない、主の声である。それからの「そのために私は十字架を背負ったのだから」までは、初めてこれを読んだ高校生で無宗教であった私を打ち震えさせた。だが、これは魂の描写だ。映画でここを感動させるのは難しいだろうと思っていた。果たして実際にその場面を見てみると、実に普通の、モノローグと変わりない表現で肩透かしであった。奇を衒った表現を期待したわけではないが、あまりに普通。そこが感動の頂点になるような、盛り上がりがあって良かったと思うのだ。原作では絶えずロドリゴは主に呼びかけていた。これは主観的な表現でそれに対応した表現としての声。それまでの客観表現に突然声が聞こえれば??となるだろう。  棺桶の中で最後に持っていたものについて。あれは、日本に入ってきて変質してしまったキリスト教の象徴のような思える存在なのに、それを持っているのは違和感がある。ロドリゴは教会のでも切支丹のでもない、彼のみに答えた「主」を感じて、絵を踏んだのだ。彼が生涯持っていたとすると、それを表現したものでなければおかしいのではないだろうか。  さて本編とは関係ないのだが、パンフレットにキチジロー役の俳優のインタビュー的なものが載っていて「キチジローは弱い人間ではないと思う」などと書かれている。いやいや、キチジローは弱い人間なんだってば。なんでもポジティブに或いはユニークな考え方をすりゃ良いってもんじゃない。遠藤周作は転び者・弱い人間を肯定的に描いて、それを許す母性の神というものを描いたのだ。キチジローが強くなっちゃったら作品世界が全く違うものになっちゃうよ。こういったチグハグ感がこの映画をイマイチ感動できないモノにしているのかもしれないなあ。 [映画館(字幕)] 7点(2017-02-09 10:53:00)(良:1票) 《改行有》

74.  秘密 THE TOP SECRET 《ネタバレ》 第九室長の人は何やらものすごく深刻ぶってるけど、結局親友の脳を覗いて描かれた事は、主人公や恋人の知っていたことと然程変わらず、なんであんなにダメージを負っているのかわからない。  警察関係者なら犯罪者に逆恨みされる事なんて、(物語の中で)よくあることだろうし、異常性格者なら当て付けのようにして自殺されることもあるだろう。そんなこと秘密にしておくなよというようなことで深刻ぶりすぎだ。しかも自分の命を犠牲にしてまでそれを守ろうとした松坂桃李くんは、つまりこの犯罪者の一連の行為が友人の責任だと思っていたという事で、もう全然ダメ。  そんな事よりも、究極のプライバシーであるはずの、他人の記憶を読み取ることが出来るというテクノロジーに対して、当然巻き起こるはず数々の懸念や問題について物語が語らず、便利な道具として使用されるだけで本筋はサイコパスの捜査である。それならそれで、そっち側の深淵な闇を解き明かしてくれるのかと思ったら、そっちは意味もわからず「サイコパスだから」という事でどんどん事象だけ進む。犯人の幼なじみは何故殺されたのかサッパリわからないのだが、サイコパスってそういうものだとこの物語の登場人物は納得しているのだろうか。  先の異常犯罪者と女の犯人が、同一の記憶に存在しているというだけで「繋がった!」と喜んじゃう単純な犯罪捜査者には、心を解き明かす可能性のある記憶のテクノロジーはもったいなさ過ぎである。[映画館(邦画)] 3点(2016-10-09 06:34:30)《改行有》

75.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》  2014年版のゴジラのレビューに、「平成ガメラの後に本来東宝が作るべきだったゴジラ」と書いたのだが、まさに本作がそれである。およそ20年の遅れである。だけど、まだまだそこかしこに嘘くささが残ってはいる。例えば石原さとみ。いろんな人に指摘されていて可哀想とは思うが、頑張ってはいても国を代表している感じゼロなのは悔しい。それでも飛べるはずもない格好した新兵器とか、訳の分かんない光線兵器などは登場せず、通常兵器と驚くべき流用の爆弾と、工事現場でお馴染みのポンプ車を使った「毒殺」作戦は面白い。  また、序盤で小さな川を登ってくるおかしな怪獣は、ゴジラの背びれだけ似せた別の巨大化生物(東宝怪獣映画でよくあるやつ)なのかと思ったら、そこからの進化がゴジラだというのも斬新で良い。  さて、ゴジラといえば「核(兵器)の象徴」という性格付けが付いて回る。今回も核廃棄物を食べた、と言う事になっていておそらくそれ故の異常生物だと。しかしながら、それが核の恐怖に繋がっている感じがないのが残念。周辺の状況はそれっぽい。例えば「直ちに影響はない」と言いながら次第に事態が深刻に推移した現実を茶化すように、専門家が進言する言葉が次々に覆されたりする描写は笑う。いや笑っちゃいけないが。  まあ、そう考えると「固めてしまう」という方策は、たしかに核のトラブルっぽい。所謂内部からの「石棺」であろう。  「逆襲」で人間がゴジラをやっつけたのを評価した自分だが、今回は通常兵器(厳密には化学兵器だけど)で、自衛隊が核の脅威を封じ込めるというのは、なかなか良い展開だと思ったが、よくよく考えるとゴジラはやられてはいけない存在のような気もする。そうしないとゴジラという物語が核批判にならないのではないのか。結果ありきで物事語るのは良くないとは思うが「頑張れば知恵と勇気で核は制御できる」なんてメッセージになりかねないのではないか。それでは原典を否定してしまう。  監督の発言(何かで読んだ)によると、うろ覚えだが「日本もまんざらダメではないゾ、頑張れ日本」というメッセージらしい。それはそれでアリとは思うが、世間(少なくともアメリカ版ゴジラを批判する一部の人達)の期待の反対を主張してしまう。  自分としては、続編『シン・ゴジラの逆襲』であの石棺(血液凝固)が崩れて、再び大暴れするゴジラを期待したい。そうすると、監督のメッセージを否定してしまうかな?[映画館(邦画)] 9点(2016-08-03 18:48:03)(良:3票) 《改行有》

76.  64/ロクヨン 後編 《ネタバレ》 「犯人の声」を通じて真犯人にたどり着き、またそれに失敗して傷付いた者が事件を引き起こし、ついにそれによって二次犯人が判明する、というのはうまいというか、面白い展開だったと思う。あまりそこんトコロ、意味あるように描いてないのが残念なのだが。自分的にはこの映画のタイトルは「声」。  誘拐事件を扱った映画というと思い出すのが、ショーケンの「誘拐報道」だ。あの鬼気迫るショーケンの演技をちょっとだけ思い出させたのが、緒形直人。彼が模倣犯に振り回された挙句に真犯人であることを突き付けられるメモを見た瞬間の表情がスゴイ。今の今まで娘のために懇願していたのが、突然「悪い顔」に変貌したシーンはちょっと唸った。思えばアレのレビューで、被害者犯人の双方の憔悴を描いてみれば良かったのにと書いたが、今作では双方の立場を持ったこの犯人が一瞬それを垣間見せてくれた。  ところで、ロクヨンという時代を説明したこのタイトルだが、内容的にはそれほど意味を感じさせないのが、残念だ。ほんのひととき存在し、人々から忘れられた時代、それとそれとこの事件は掛かっているのかな?でもそれによって傷ついた人、傷付けた人は忘れなかったんだよね。そりゃあ、そうだよな。[映画館(邦画)] 7点(2016-07-01 16:27:26)《改行有》

77.  殿、利息でござる! 《ネタバレ》  予告編が思わすほどコメディではなく、途中からどんどん感動物語になってきて、最終的に地域のイイ話に。ちょっとこれはナシだよなあ、という感じ。それなりに感動するし面白いのだが。  予告編でも物語初旬でも言われていた「利息を取る」が途中で「献上」なんて言葉に変わっていてオイオイと思ってしまう。原作のタイトルを見れば解ったのだろうが、無私の人の話だから貸し付けるのと献上との違いなんてそれほど気にしていないのかもしれない。でも、くどいようだが予告で見たように「利息を取る側に回るのか取られる側に回るのか」の攻防とかを期待していた。そのように導かれていたと思う。  そもそも殿様の他藩への対抗心で金が要るなんて理由で、利息を払うことができるのか?金を運用するわけでもなく、払うとすれば結局それは年貢から捻出されるわけで、総合的に楽になるのかどうか?とか、興味はあったのだが、そんなことは微塵も語られない。あるいは、公共の福祉の概念とか、江戸時代の経済システムとか、そういった内容を期待していた。  それでも、劇中で(というか実話らしいから現実にということだが)描かれている通り、利息が支払わてたらしいが、それもある時勝手に支払が廃止されたというのは驚き。原本は返済されたのだろうか?というか、タダの分割返済だったのでは?[映画館(邦画)] 5点(2016-05-20 17:22:19)《改行有》

78.  64/ロクヨン 前編 《ネタバレ》 原作未読。誘拐事件の捜査の話かと思っていたが、前編はそれにまつわる警察内部と記者クラブの話が主。警察の隠蔽体質も、地方と中央の覇権争いも、記者クラブの権利バカ体質も、それぞれ困った話なのだが、見てる者の一番の関心事はやはり誘拐事件である。もちろん、これが横山秀夫だ、と言われればその通りで、たぶんこれが後編で感動の結末への布石というか伏線というか道筋なのだろう。これらのゴタゴタが前編の終盤に起こった模倣犯事件とどのように絡んでくるのか楽しみである。何と言ってもまだ物語り半分、後編に期待である。 …ところで「子供がいなくなる。それがどういう事か、刑事はそんなこともわからないのか!」と叫ぶ佐藤浩市が予告や宣伝で多く流されているが、これ前編では出てこないんだね。[試写会(邦画)] 6点(2016-05-19 02:44:24)《改行有》

79.  GAMBA ガンバと仲間たち 《ネタバレ》  原作は未読で、昔のTVアニメは全視聴。だけどほとんど忘れている状態で観た。  昔のTVアニメ版の、超デフォルメなのに劇画調という大胆なデザインと比べると、今作のガンバたちは何か平凡で、さらに中途半端な衣服のおかげで「はだか感」がちょっとキツイのが難点。それとそれぞれのネズミたちの擬人化の具合がマチマチで、特にガクシャの顔がなんか、角もないのにヤギっぽく見える時があるのは、ヒゲのせいだろうか。そうかと思うと、「これは人だ」としか思えない顔もあったりする。  TVアニメしか知らずに言うのものなんだが、物語は基本的に”昔のまんま”。だが、ガンバの主人公感がちょっと薄い。ヨイショのほうがリーダーっぽいところもあるが、そこは「仲間たち」の物語なのだからだろう。  個人的には「元祖ガンバ」の声と共にノロイを追い詰めるところで、泣きそうになった。[映画館(邦画)] 7点(2015-10-31 05:53:01)(笑:1票) 《改行有》

80.  名探偵コナン 業火の向日葵 《ネタバレ》  基本的に怪盗キッドが活躍する話は好きである。というか怪盗キッドそのものが好きだ。TVアニメが終わってしまったのは残念至極。  さて、ここ数年の劇場版コナンの、リアリティもなく呆気にとられるだけの超人的なアクションが無く、その無敵っぷりがない分、最後の脱出できるかどうかという部分に説得力を与えているのが良い。その代わり、超人的なアクションは怪盗キッドが見せるが、彼の場合にはそれが不思議でもないキャラで、尚且つ本作程度のことは出来そうな範疇なので、これまたOK。  今回の事件は、真犯人の動機がとてもじゃないが納得出来ない、という点を除けば、変にややこしくなくて悪くない感じ。途中で過去の殺人犯が現れるが、その話はいらなかったと思う。その分、芦屋のお嬢様のその後に心砕いた男の話を、現在のお嬢様と絡めて見たかった気はする。彼は向こうでは重要な登場人物なんだし。  それにしても絵一枚に360億円というのもスゴイが、それを見せるために作った施設は何百億かかるんだ?3000人ポッチの入場者のために。なんて考えてはいけないのは、わかっているのだが…。  それと、冒頭のいつもの説明で、コナンの正体について知っている人にキッドが含まれているようだが、そんな顛末があったっけ?あ、もう一人の怪盗さんも知ってるんだよね。[映画館(邦画)] 6点(2015-04-21 09:41:05)《改行有》

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