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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
61. 人狼ゲーム クレイジーフォックス 《ネタバレ》 なかなか厳しい評価を受けているようですが、なんでだろう?ビーストサイドと同じくらいには面白かったです。 あっという間に退場した男3人が、ガンガン自分の意見を言っていたのが気持ち良かった。 そんなリーダーシップを見せるから、狼側が『強そうなのから減らしていこう』とまっさきにターゲットにしたのも至極納得。 今作の登場人物たちは、わりと合理的に真剣にゲームに取り組んでいる気がするから、3作のなかでは一番ストレスなく見られたかもしれない。 『狐』って、何の能力もないし、味方もいないしで、圧倒的に不利。貧乏くじもいいとこ・・・って思っていたのですが、『人狼ゲーム』ってゲームの性質上『村人と人狼が同数になって人狼側の勝利』っていうパターンが多そうな気がします。 だとしたら、『狐』は立ち回り方次第では今作のように最強のジョーカーになれるかも。なかなか面白い役職です。 人狼の最後のひとりが誰だかわからないってのは面白いかもしれませんが、前作まではカードに書かれていましたよね?前作までと同じルールのつもりで見ていたので、その辺はあまり変えないでほしかったかな。 人狼同士で3人目が誰かはわかっているけれど、視聴者にはそれが誰かは教えない、ぐらいのほうが良かったかも。 人狼の2人のやりとりで、3人目は誰だろうといろいろ考えることもできるし。 最後に有希が佐伯桃子を指して、芽亜里に『お前むかつく』と言い放ったのは最高にスカッとしました。 これには賛否両論あるかもしれませんが、私は彼女の決断を支持します。 何気に最高のツンデレキャラだった気がします。[DVD(邦画)] 7点(2024-05-01 02:11:45)(良:1票) 《改行有》 62. 人狼ゲーム ビーストサイド 《ネタバレ》 シリーズのなかでは一番評判の良い本作。確かに面白いです。 描写が少々過激になっているのも、人気の一因かもしれないですね。 う~ん、でも個人的な好みでいくと、1作目のほうが好きだったかなぁ・・・。 2作目なので、人狼視点でのストーリー展開は正解だったと思います。1作目と思い切り差別化を図れるし。 特に今回から『用心棒』という新しい役職が追加されたので、人狼視点はますます必要だったように思います。 前作と同じだったら、『用心棒はどうやって守ったんだろう?』ってどうでもいいことが気になりそう。 ですので、2作目としては至極正しい方向性だと思われるのです。 面白かったし。 ただねー、最初っから人狼がわかっちゃっているっていうのがねぇー。 人狼はやっぱ誰かわからないほうが面白い気がします。 小曽根が亜希子を好きなので、私情で恋敵の伊勢を吊ろうとしたり。美海がラストで、『あなたとは次のゲームで生き残れない』という理由で、人狼とわかっていながら由佳ではなく瞳を指したり。 こーゆーシンプルな人狼ゲームに、人間の感情という不確定要素をうまく織り交ぜたドラマは面白かった。 だから映画的には今作のほうが出来が良いのでしょう。実際人気も高いみたいだし。 こればっかりは好みの問題でしょうね。 ちなみに土屋太鳳の演技はとても良かったのですが、やたら歌うのがうっとうしかった。 ラスト、外に出てから、普通に駐車場や公道に車が走っているのが見えたのが、なんか空恐ろしかったです。 [DVD(邦画)] 7点(2024-04-30 15:31:15)《改行有》 63. 好きっていいなよ。 《ネタバレ》 原作を途中まで読んでいるので鑑賞してみました。 ここでの評価があまりに低かったものですから、もちろん期待はしていませんでしたが、なかなかどうして良かったです。 大和は原作に比べるとチャラチャラ、へらへらしすぎで魅力に欠けますね。 ですが大和以外のメンバーはかなり原作に近く作りこまれていたように思います。 肝心の原作が、たいして面白いエピソードもなければ大きな事件もないので、そもそも映画には不向きの題材かもしれません。 でもぼっちの主人公が次第に周囲の人たち溶け込んでいく原作の良さはしっかり出ていました。 個人的には原作でも映画でも、めいと愛子の関係性が結構好き。今作の愛子はかなり原作に近いキャラに仕上がっていて良かったです。愛子役の足立梨花は良い仕事をしたと思います。 まあ、基本この映画は主演ふたりのイチャイチャを延々と見るだけですから、万人向けとは言えないでしょう。 ただ冒頭15分でも川口春奈を魅力的に感じたならば、見る価値はあるかと思います。 私はこーゆーオーソドックスな恋愛ものは好きだし、川口春奈が終始かわいかったので、ずっとにこにこしながら見ていましたよ。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2024-04-05 03:20:07)《改行有》 64. 殺人ワークショップ 《ネタバレ》 キャストさんは知らん人ばかりでしたが、妙にリアルで凄かったです。 世の中には無名でも演技が上手い人はたくさんいるんだなと変に感心してしまいました。 まあ、なかには素人同然の人もいましたが・・・。 オープニングのDVシーンからして、妙に生々しくてリアルで、執拗。 でもこのシーンがあるからこそ、主人公が殺人ワークショップに参加するまでの説得力が生まれます。人間追い込まれて鬱屈すると、こーゆー突拍子もないものにすがりたくなる気持ちわからなくもない。 正直、このワークショップ、最初はうさんくささ100パーセントでした。インチキなんじゃなかろうかと疑って見てました。 ダンボールのナイフで刺す練習を繰り返させるだけなんて、誰でもできる。 そうではなくて、『絶対に自分がやったとばれない方法』とか『完全犯罪のやり方』とか、そーいったものをレクチャーするものだとばかり思っていたので、なんか期待と違いました。 でも反抗的な犬猫虐待サイコパス男を椅子に縛り付けて、みんなに殺させるあたりから、江野は本当にやばいやつだと認識。 ま、そこまでは結構だるいんですけどね~。1人目の犠牲者が出るあたりからもう緊張感半端ないです。 個人的に一番緊張したのは、ワークショップから女の子が逃げ出そうとするシーン。 ドアを開けるシーンでこんなにドキドキするもんかね、っていうくらいドキドキしました。 友人を自殺に追い込まれた気弱な青年、彼の復讐に全く手を貸さない江野。 でもその後の女の復讐にはなぜかがっつり手を貸す江野。 その辺はちぐはぐで統一感ないな~と、残念な感じです。[DVD(邦画)] 7点(2024-01-26 04:04:47)《改行有》 65. 凶悪 《ネタバレ》 いやはや、恐ろしい人間がいたもんだ・・・。 『実話をもとにしたフィクション・・・』のナレーションで始まる本作。 どれくらい実際の事件が反映されているのか気になるところ。まあ、フィクションって自分から言っているくらいだし、ほとんどフィクションなんだろーなーって思っていたのですが・・・。 ほぼ全部ノンフィクションやんけ~。まじっすか~。名前と顔が違うだけ。あとは記者の家族エピソード、これがおそらくフィクションなんじゃないかなぁ・・・。 それにしてもこの映画、時系列の使い方が上手です。回想シーンがずっと続いていたところに、突如リリー・フランキーを撮る山田孝之が映し出される。この辺りうまいなぁ。実に自然に過去から現在へと戻ってきます。 さて、他の方も言及されているように、私もこの藤井記者がどーにも好きになれません。いくらなんでも妻をないがしろにしすぎ。そっちが気になってしまって、序盤と終盤は藤井家のごたごたが邪魔で仕方なかった。真相を暴く記者の姿だけ映してくれたらよかったのに。それに山田孝之は声を張り上げる演技があまり上手じゃない。感情を押し殺した演技はうまいんですけどね。 でも終盤、法廷で『生きる喜びなんか知るな』って須藤にキレるシーンは良かったです。ただあんたにそんなこと言う資格はないけどね。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-05-09 15:12:59)(良:1票) 《改行有》 66. 真夏の方程式 《ネタバレ》 『容疑者Ⅹの献身』に比べると、非常にガリレオっぽくてこちらのほうが好き。特に序盤はキレキレの湯川節がザ・ガリレオって感じで楽しい。くそ真面目、超クールなのに、そこにユーモアを生み出すのが湯川学最大の魅力だと思います。 ミステリーとしてはやや弱いか。演者の表情や雰囲気でなんとなく真相が読めてしまう。そしてその想像の範囲を出ない真相。さもありなんといったところ。ごりごりに推理を楽しみたい人たちにとっては物足りないことでしょう。 そのぶん人間ドラマに魅かれるところがあるかと言えば、それもぼちぼち。前作『容疑者Ⅹの献身』では犯人の皆様にすごく感情移入できたのに、なぜでしょう。他の方のレビューを見てなるほどなと思いました。必然性の欠如。これは原作の問題かもしれませんね。 唯一良かったのは男の子かな。理科は嫌いって言う恭平君に、「聞き捨てならない」と理科の魅力をペットボトル探査機を使って伝える湯川さん。2人のやりとりに終始ほっこりしてしまいます。 ・・・だからこそ恭平に殺人の片棒をかつがせたことは許せいないです。それに気づいている湯川さんが、成美に恭平を支えてやれと言ったシーンはぐっとくるものがありました。 総評。傑作とまではいかないかもしれません。ですが万人に愛されるガリレオシリーズの一品だと思います。 ※ちなみに東野圭吾作品、すべて読んでいるわけではありませんが、彼の作品は過程はすごく盛り上がるのですが真相やオチがいまいちなものが多いです。そういった意味では、この作品はとても東野圭吾っぽいです。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-05-06 09:05:57)《改行有》 67. るろうに剣心 最終章 The Final 《ネタバレ》 私は個人的に、るろうに剣心の原作は十本刀編がピークで、縁編はいまいちだったんです。十本刀編に比べると、雪代縁編は敵の数が少なくなるうえに、質もいまいち。せっかく『幕末の人切り抜刀斎への復讐』という贖罪のテーマを掲げたのに、まともに復讐しに来ているのは縁と鯨波くらい。みんなが剣心に恨みを持っているのならまだ良かったんですけど、ただの戦闘狂や殺人狂が混ざっている。しかもあんま強くない・・・。その辺りが原作では残念な感じだったのですが・・・ まあ、乗りかかった舟ですし、こちらでの評価も高かったので見てみることに。結果良かったです。原作より良かったんじゃないかな。鯨波とか乙和とか八ツ目とか、みんな見せ場がありましたし。この映画1本で完結させたのも高評価です。 原作コミックには無いシーンが追加されていて、それが思いのほか良かったです。冒頭の列車アクションとか、宗次郎の参戦とか。個人的に『昨日の敵は今日の友』的な展開は胸アツなのでテンション上がります。 一番謎だったのは刀狩りの張・・・彼はいったい何がしたかったのか・・・結構好きなキャラなんですが、終わってみればいてもいなくても良いキャラでしたね。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-04-29 04:32:48)《改行有》 68. るろうに剣心 京都大火編 《ネタバレ》 アクションに関しては1作目よりスピード感が増して好き。スケールも大きくなって、これぞ映画って感じです。 残念だったのは、これ1作で完結しなかったこと。まあこの時代、スターウォーズにしろロード・オブ・ザ・リングにしろ、マーベルにしろ、シリーズ化するのは当たり前みたいなので仕方ないか・・・ ・・・でもいかにも『続く』みたいな終わり方はどーなんでしょ。テレビドラマみたいで萎えるんですけど。そこはもっときりの良い終わり方をしてほしいものです。この作品はこの作品で、ボス的ななにかとの決着をつけるとか、一応めでたしめでたしの形をとるとか。そのうえで、エンドロール後に何か不穏な空気を漂わせて終わる、みたいな。映画という形式をとる以上、それが最低限のマナーというか礼儀のような気もするんですがねー。 内容はとても良かったですよ。原作ファンなら熱くなること間違いなし。原作の重要人物、人気キャラはほぼすべて出そろいますからね。 巻町操役の土屋太鳳が圧巻のアクションを見せてくれたり、見所たくさん。ラストの京都大乱闘は否が応にも盛り上がります。 ただみなさん絶賛されている志々雄役の藤原竜也。私は個人的にミスキャストだったなぁ。声やセリフに、重さと迫力が全然足りないんです。どうせ包帯ぐるぐるまきで顔なんかわからないんだから、もっとドスの効いた声の役者さんのほうが良かったんじゃないかなあ。 駒形由美ははまりすぎ。方治はだめ。この人熱狂的だけど、実は切れ者なんだから、ただのバカキャラクターにしないでほしい。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-04-09 00:23:17)《改行有》 69. るろうに剣心 《ネタバレ》 『おろっ』とか『ござる』は漫画であれば違和感を感じないのですが、リアルでは違和感ありまくりですね。 マンガの映画化ですから、期待はしていませんでした。ですが、思っていたよりは大分良かったです。 左之助、刃衛、高荷恵のエピソードをひとつにまとめちゃったわけですが、上手いことひとつのストーリーとして成立しています。たいしたものです。 原作では剣心がやたら技の名前を叫ぶのですが、今作ではそんなマンガチックな表現を避けたのも功を奏していると言えるでしょう。技の名前を叫ぶのは少年漫画では定番。一番盛り上がるところ。その一番盛り上がる部分をあえてしなかったのはこれ以上ない英断です。 キャスティングは概ね良かったのですが、武田観柳役の香川と高荷恵役の蒼井優はちょっとイメージと違いましたね。 香川が演じると、コメディ色が強く出すぎてしまいます。 蒼井優は好きな役者さんだし、演技も良いんですが、いかんせん役と合っていない。どうしても子供っぽくなりすぎてしまいます。そこが残念。 過去を振り返る回想シーンは、剣心、刃衛、高荷恵、どれもよくできていて、作品に深みを与えています。特に剣心の回想シーンは涙を誘います。 ちなみに私は原作をばりばりに読んでいる世代なので、大きな混乱もなくすんなり見られましたが、原作を知らない人が見たら登場人物の多さに混乱したりするのかな?[ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-04-06 01:57:28)《改行有》 70. 探偵はBARにいる3 《ネタバレ》 シリーズのなかでは一番好きかなー。 でも8点つけるほどではないので、7点で。順番では3>1>2。 まず、今までで一番探偵らしいのが良い。寄り道もほとんどなく、無駄が少ないです。 キャストも良かった。ヒロインの北川景子は最高です。華があります。演技も良い。 緊張感のあるサスペンスで始まるオープニングも良いですねー。この女の子は何者なのか。なぜただの運転手が銃を持っているのか。そしてその運転手もいきなり撃ち殺されてしまう。いったい何が起きているのか、興味をひく仕掛けとしては100点でしょう。 もうひとつのオープニングがエロ教頭。いきなりゆるい推理から入るゆるいオープニング。このギャップがなかなか楽しい。 それでいていつものアクションもちゃんとある。 前半丁寧にミステリー仕立てにしてくれたのに、後半のネタばらしはやけにあっさり。 大泉洋が観覧車の中でその推理を披露。・・・・で、その推理したとおりでした・・っていうのはいささか拍子抜けです。 それに、これは最後まで見ないとわからないことではありますが、岬マリが赤の他人のためにそこまでリスクをおかす、いや、殺人までしちゃうっていうのは、少々共感しづらいものがあります。そこはストレートに岬マリの子供でよかったのではないかな。 切なさや悲しさを感じるよりも、『え?まじ?』っていう気持ちのほうが勝ってしまいます。 リリー・フランキーにしろ、北川景子にしろ、キャスティングはすごく良かったと思います。[DVD(邦画)] 7点(2023-03-26 01:26:03)《改行有》 71. 任侠ヘルパー 《ネタバレ》 まあ、こーゆー映画を見るときに大切なのは、あくまで娯楽だから、という優しい目線になることでしょう。 オープニングうまいです。なんか引き込まれます。 剛くんの存在感抜群。この人のドラマは結構見てきましたが、どんな役柄でも起用にこなす印象。ハードボイルド系は初めて見ましたが、なかなかどうして、堂に入ってますね。 ただ、オープニングのつかみは良かったものの、そこから先の展開はあまり好きではなかったです。なぜなら主人公を含め共感できる人物が一人もいないから。底辺とクズと悪い人間ばかりで気が滅入ります。 ・・・ただ、ただ、ただ! しばらくして主人公が一念発起。突然老人ホーム?の立て直しをやり始めるところから俄然面白くなります。 お客さんであるはずの住人たちにも手伝わせちゃう。認知症のお年寄りたちに仕事を与える。この常識では考えつかないようなことを実行しちゃう破天荒なストーリーこそ映画の醍醐味。そしてこれがあれよあれよとうまくいっちゃう。なぜか人間関係も良くなっちゃう。こんなあからさまなご都合主義が許されるのも娯楽映画の特権。サクセスが好きな自分にとって、この展開は素直に気持ち良かったです。 弱い人間を食い物にする悪人代表の組の親分たちに反旗を翻し、一矢報いるのも気分が良い。 ラストは主人公以外は新しい人生を再スタートで、小さなハッピーエンドがたくさん。主人公だけが割を食う。 普通だったらもやもやしたものが残りそうだけど、主人公のキャラがそうはさせない。この後も痛快な任侠道を突っ走ってくれるのだろうと思わせてくれる。 アウトローなヒーローにしか出せないこのスッキリ感がなかなか良い感じです。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-03-20 02:18:27)《改行有》 72. 探偵はBARにいる 《ネタバレ》 私は単純なので、最初の乱闘シーンでちょっとこの映画に期待しちゃいました。 ただの情けない主人公かと思いきや意外に強い。そして松田龍平はもっと強い。そう、主人公が腕力でもいい、知力でもいい、とにかく強いと私は映画を楽しめてしまうのです。 でもねぇ。やっぱ探偵なわけですから、腕力は副産物、大事なところは頭脳で勝負してほしいものです。 ・・・・あんまり頭脳戦でしびれるシーンやストーリー展開は、・・・ないかなぁ。 表向きはお調子者でひょうきん。でも実は冷静で頭が切れる。そんな探偵だったらよかったのに。 感情的だし。すぐ罠にはまるし。頭脳プレーで相手の鼻を明かすようなシーンもない。 夫婦が殺された現場に駆け付けたとき、感情のままに暴れるシーンは正直ひきます。 まあその一方で、アクションについては過激なシーンも多く見ている分には飽きないタイプの映画。 そして思い切り好みの問題ですが、大泉洋も松田龍平も小雪も好きな役者さんなので、3人が出ているだけで満足っちゃあ満足。 小雪演じる沙織の壮絶な最期も見ごたえがありますねぇ。 全編通してややコメディ調なテイストが感じられたので、このバッドエンドは意外ではあります。 エンターテイメント作品としては及第点ではないでしょうか。[DVD(邦画)] 7点(2023-02-22 04:16:39)(良:1票) 《改行有》 73. 悪の教典 《ネタバレ》 こーゆーサイコパス的な映画は結構好き。 特に前半から中盤にかけての不穏な空気がたまらんです。 何かが起こりそうな予感。あるいはもう起こってるんじゃね?っていう雰囲気。そのただならぬ雰囲気がクセになります。 カンニング。不良。万引き。セクハラ。モンスターペアレンツ。 問題ばかりの学校で、唯一まともな教師はすみ。 ところがこいつが一番とんでもないサイコパスだった。 ほとんど予備知識なしで見たから面白かったです。 毒を以って毒を制するような展開になりそうだったところも好き。 ただそこは期待していたほどには盛り上がらなかったです。 映画の尺の関係上仕方が無いことなのかもしれませんが、3人とも一方的にやられちゃうのがもったいなかったかな。 いや、それはそれで『はすみ』の圧倒的な恐ろしさを際立たせるのには一役買っているわけですが。 子悪党が雁首並べたところで、本物の悪には傷一つつけられない、っていうことですかね。 この映画のピークは『けいすけ』が拷問されるところまでかなぁ…。 ラストの大量殺戮は何の芸もなくて面白味に欠けます。ただのスプラッタ映画に成り下がってしまいました。 アーチェリーの少年。ゲイの少年。東大を目指しているヤなやつ。印象的な生徒がたくさん出たのに、ただ銃で撃ってまわるだけ。 AEDの伏線があったんだから、それで局部を感電死させるぐらいのゴア描写があっても良かったんじゃなかろうか。終盤のたたみかけはもう一工夫欲しかったところです。 『モンスターペアレンツ』『たで』『つりい』『けいすけ』までは8点から9点くらいつけちゃおうと思っていたのですが、最後の大暴れで減点です。 正直最後はバトルロワイアルと何が違うのかと思ったり、思わなかったり…[ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-12-26 04:51:53)《改行有》 74. スプリット 《ネタバレ》 シリーズもの2作目ということで鑑賞。 1作目とはうってかわってホラー色の強い内容。めちゃめちゃ怖いわけではありませんが、途切れない緊張感で最後までハラハラさせてくれます。 終盤で女の子たちが必死で逃げようとするシーン。あと少しで扉の鍵が開く…!そこまで見せたら次はビーストとの攻防…!と思いきや、次のシーンではすでにビーストに捕食されちゃっている女の子たち。この辺はシャマラン監督独特のセンスを感じます。 本来であれば一番観客をひきつけるビーストとの攻防シーンをあえて省くなんて、よほど腕に自信がなければできないと思うんですよね~。 主演のジェームズ・マカヴォイもすごい。 仕草だけでなく、雰囲気や声色まで変えて複数の人格を演じ切ります。 ヘドウィグのときは子供にしか見えないし、パトリシア?のときには女性に見えます。 この人の演技力があって、初めて成立する映画ですね。 ヒロインはやられちゃうのかと思ったら、生き延びましたね‥‥。次作でも出てくるのでしょうか。 それにしてもビースト以上にケダモノの叔父。この人に何の罰も与えられないまま物語が終わっちゃうのが消化不良。こいつにこそえぐい罰を与えてほしかったものです。 次作ではいよいよダンと相まみえるのか…今から楽しみだ…[ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-09-05 03:33:10)《改行有》 75. アンノウン(2011) 《ネタバレ》 つかみが100点。オープニングからぐいぐい惹きこまれます。 最初はよくあるなりすまし系のサスペンスなのかと思っていたのですが、リズ(妻)と自分でない男のツーショット写真が出てきたあたりで、実はすべてリーアム・ニーソンの妄想なのかと思ってみたり。『これはちょっと先が読めないぜ…!』と映画にのめり込んじゃいます。 マーティン・ハリスが頼みの綱にしていたロドニー・コールもなんやら危ないやつだし。そのロドニー・コールにもう一人の現地の協力者ユルゲンが殺されてしまうし・・・。この辺までは8点~9点くらいの、もうかなりよくできたサスペンスです。 ただ、正直申し上げて、真相がわかり始めてからオチに至るまでの盛りあがりが弱い。これぞ典型的な尻すぼみ映画。 そんななか終盤のお気に入りシーンは、プラスチック爆弾の解除が間に合わずにリズが爆死してしまうシーン。ここで間に合わせないのはちょっと好きな演出です。珍しいパターンだし、ちょっと笑っちゃいました。 殺し屋グループのみなさまも、個性があって良い味出していました。 ただそれぞれの最期はあっけない。ロドニー・コールの最期なんて、本当にあれで良いのだろうか。素人のジーナに瞬く間に二人もやられているんですけど・・・。 それにしても『リーアム・ニーソンが普通のおっちゃんやってる!なんか新鮮!』って思っていましたが、その正体はやはり凄腕の暗殺者。ですよねー!でも一流の殺し屋が空港に忘れ物してんぢゃねーよ。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-07-24 21:17:15)《改行有》 76. 祈りの幕が下りる時 《ネタバレ》 東野圭吾の小説も、加賀恭一郎シリーズも結構読んでいるのですが、この作品は未読。 どうしても見る前に期待値が上がってしまっていたので、映画そのものはその期待値を超えるものではありませんでした。 ただ期待値を超えてきたのは浅居父娘のパート。ここから全く別の雰囲気に。 小日向演じる浅居父が崖の上で何やら決意する。『ごちそうを食べに行こう』といって蕎麦屋に行く。この辺りからもう辛くて見ていられませんでした。 14歳の浅居博美がワゴンに連れ込まれてからしばらく無音でワゴンだけを映すシーン。このシーンが最高に怖い。そこからのトンネル。皆さんが口をそろえて絶賛されているように、今作の名シーンだと思います。ワゴンからトンネルでの父娘の別れまでが強烈すぎて、他のシーンが霞んでしまったようにさえ思えます。 ミステリーとしてはちょっと不満が残ります。 苗村先生と容疑者が全くの別人だったっていうところはわくわくしたのですが。 結局苗村はただの目撃者。押谷もただの目撃者。生きているはずのない浅居博美の父を目撃したから殺されただけ。 そうなってくると、浅居忠雄にも同情しづらくなります。 もちろん毒妻のせいで生き地獄を味わわされたことは同情に値するでしょう。 ですが『自分の存在を見られた』なんて理由で罪のない人を2人も殺していいはずがありません。娘のためにというならば、苗村先生に見つかった時点であきらめるべきでした。親が殺人犯として捕まるのは最悪。ましてや親が自分のために死ぬのはもっと最悪。でも更に最悪なのは、子供の手で自分を殺させてしまうこと。その時点で死ぬのもあきらめてほしかったです。 いや、そもそも論になりますが、なぜあんな女と結婚したのか。 あんな女を妻に選ぶなんて見る目が無さすぎでしょう。 真相が明らかになるまでは抜群の安定感で楽しめるのですが、真相がわかって腑に落ちないのは東野圭吾作品ではよくあります。 やはりこの人の作品はプロセスを楽しむものなんでしょう。 オチに期待してはいけませんね。 ちなみに加賀恭一郎シリーズは個人的に『卒業』が一番面白いと思っています。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-06-28 16:07:22)《改行有》 77. 麒麟の翼~劇場版・新参者~ 《ネタバレ》 東野圭吾はクエスチョンの出し方は上手くて興味を引かれるのですが、それに対するアンサーはたいしたことがない、ってのが多い気がします。 鶴、水泳、工場でのワンシーン、ネカフェの会員証、麒麟の像を見上げる婦人、張り紙、などなど、ヒントの出し方が小出しで断片的。でもあからさまに伏線ですよってわかりやすくしてくれている。でもどーつながっていくのかが予想できない。だから興味を引かれる。よーできてます。刑事もの、ミステリーものとしては見ごたえがあります。 こんな感じで東野圭吾の小説はそのプロセスを楽しむものが多い。もちろん物語の9割はプロセスなんだからそれは小説が、ドラマが、映画が面白いということと直結します。でも最後まで見てしまうと火曜サスペンス劇場とスケール的には大差ないというのが正直な感想。まあ、火サス好きなんで別に良いんですけど・・・。 キャストは凄く豪華なので、そこはザ・映画って感じがします。ただ、一部の大根のせいで全体が安っぽい印象に。青柳家の娘や八島の工場友達などは特にひどい。ガッキーもこの作品はなんかいまいち。脇役も大事ですねー。 この映画で一番緊張感あって盛り上がるシーンが、『加賀ぁ!捜査を振り出しに戻して!お前はどの線を追っているんだ!』って警察本部長が恫喝するシーンですからね。ベテラン俳優は凄いです。若い役者さんたちにも頑張ってもらいたいものです。 それにしても、結局青柳家は父が殺され、社会的には父の汚名もそそがれないまま映画は終了。なのに晴れ晴れとした顔をしている、この事件の発端となった青柳家長男。八島だって本当は死ぬ運命じゃなかったかもしれないのに。なんかちょっと良い雰囲気で終わっていますが、切ないうえに決して後味の良い作品だとは思えないんですけどね。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2022-06-19 16:26:22)《改行有》 78. テルマエ・ロマエⅡ 《ネタバレ》 勝手知ったる2作目なので、序盤からローマと日本をいったりきたりっていうテンポの良さは良かったと思います。ここで前作みたいにもったいつけられたら気分が醒めちゃうかもしれません。 前作の前半のノリが大好き。だから今作でもそのノリを踏襲してくれたのは嬉しい。 マジック・ショーで気絶するシーンが最高です。 今作では温泉というより温泉街を模倣します。古代ローマになんちゃって温泉街が出来上がっていく様子がなんとも微笑ましくて楽しい。相撲文化をコロッセオに取り入れるのなんて何気に斬新。なのに最後のほうではまた血生臭いコロッセオに戻っていたのはとても残念。それだったら最後のほうで相撲文化をコロッセオに取り入れて、血生臭い殺し合いはなくなりましたってフィクションにしてくれたほうが良かったです。 今作はシリアスなドラマパートも前作よりなんだか楽しんで見られました。ただケイオニウスの兄と元老院にどんな罰を与えるのか、どんな逆転劇を用意しているのかちょっと期待していたぶん、力技と説得だけっていうのは正直期待外れでした。 ラストは結構好き。死の運命を受け入れるルシウス。離れ離れになる二人。でも真美の漫画がヒットして映画化されるというサクセスを用意。切なさと幸福感を次々と感じられるラストはなかなか良い。 最後に結局ルシウスが日本に来ちゃったのは、嬉しいけれど、蛇足感は否めない。 そういえば、混浴のシーンでルシウスが『なんて牧歌的なんだ・・・』みたいに、めっちゃ良いようにキレイごと言ってましたけど、私は普通にえろいと思いました。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2022-06-08 02:26:17)(良:2票) 《改行有》 79. テルマエ・ロマエ 《ネタバレ》 ず~っと最初のノリでいってくれたら8点~9点。 中盤くらいから笑えるところがほとんどなくなって残念です。 それは裏を返せば前半のコメディセンスがずば抜けていたということ。 特にウォシュレットのくだりは笑いの神様が降りてきていますね。これ笑わない人いるんでしょうかっていうくらい笑いました。 それに、『現代の文明を過去に持ち込んだらどーなるか』っていうアイデアは使い古されていてもやっぱり面白いのです。わくわくしちゃうのです。ポスター。衣類かご。フルーツ牛乳。そのたもろもろ。 阿部寛は唯一無二の役者さんですね。この人が出ているだけで映画やドラマが面白くなるんだからたいしたものです。 上戸彩はなんだか本来の持ち味が活かされていなかった気が・・・ 彼女のセリフがなんともありきたりなものばかりでぱっとしないです。これは彼女の責任というより、脚本・演出が良くない気がします。 ストーリーは悪くないのですが、戦時下の戦場で湯治場づくりとはずいぶんと気の長い話だと思いました。まあみんなで協力して湯治場を作っていく雰囲気はすごく楽しげで活気があって悪くなかったです。 もう少し前半のカルチャーショック祭りを楽しみたかったので、少しばかりの物足りなさを感じつつ終劇。 前半8点。後半6点。間をとって7点というところでしょう。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2022-05-29 01:52:22)《改行有》 80. シグナル 月曜日のルカ 《ネタバレ》 原作の小説が結構面白かったので映画も見てみました。 まず杉本ルカが原作のイメージにかなり近くて良かったです。杉本ルカを演じた女優さんはとても魅力的なかわいらしい人ですが、この作品以外映画もドラマもほとんど出ていないようです。もったいない。 もう一人の主人公宮瀬恵介。演じるのはAAAの西島隆弘。イメージがどうとか言う前に、かなり大根です。とくに序盤は演技がへったくそで気になって仕方がありません。でも不思議なことに、見ているうちにそれがだんだん『味』に変わってきます。これはこれでアリかと。 そして舞台がいいですね。レトロな映画館。そこで映写技師をするヒロインと主人公。上映される映画も古い映画ばかり。昭和の空気感がたまらない。映写室とか、こーゆー映画館が身近にないので、小説では想像しきれなかった画を見られて満足です。 ウルシダレイジはもう少し華奢なイメージでしたが、性格は結構イメージ通りかもです。人の話を聞かない。子供。被害者意識が強くサイコパスの才能あり。そうそう、こんな感じです。 原作では金でチンピラを雇って恵介を襲わせていましたが、映画では単身映画館に乗り込む武闘派。どちらかと言えば映画館の外で待ち伏せするタイプなんですけどね。ウルシダレイジのおかげで映画に程よい緊張感とメリハリが。 そしてラスト。恵介とルカの今後が見たくなる、そんな余韻が残る終わり方がまた良い。[DVD(邦画)] 7点(2022-05-20 03:17:24)《改行有》
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