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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 250
性別 男性
自己紹介 サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。
評価はもちろん主観です。
評価基準 各2点ずつで計10点
1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか?
2.視覚的に何かを象徴できているか?
3.プロットの構成は適切か?
4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか?
5.作品のテーマに普遍性はあるか?

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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61.  世界の終わりから 紀里谷和明監督は真面目に現代社会に向き合おうとしていると思います。しかしその割りに内容は薄く感じてしまいます。主観的で情緒的すぎて客観的な構成力が欠けているのがきついです。若者向けに作ったのだとしても、もう少し知性に訴えかける部分が欲しいです。ラスト・ナイツ以降CGゴテゴテ画面を捨ててしまったのはまともに評価されたいからなんでしょうけど、CASSHERNやGOEMONにはあった派手なアクションシーンのような娯楽要素が減ってしまいひたすら画面が地味です。その上で純粋な演出と脚本のドラマで勝負できるほどの実力はこの監督にはないと思います。まあそれでも日本国外でも構いませんので腐らず映画を撮り続けてほしいと思います、社会に対して何か言いたいことがあるのは作家にとって最も重要な素質ですから。伊東蒼はハマり役です、いかにも幸が薄そうな顔が最大限に生きています。映画の出来がもうちょっとまともなら彼女の代表作にもなったと思います。[映画館(邦画)] 4点(2023-04-29 22:26:11)

62.  デビルマン この映画の良いところ、何よりデビルマンのデザイン。役者も演技はともかくビジュアルは悪くない。ストーリーはほぼ原作に忠実で人間のエゴやグロテスクな描写にも容赦がなく全く媚びていない(迫力があるとは言わない)。いや実際脚本は結構悪くないと思いますよ、出てくる絵面がトンチキなだけで。ビー・バップ・ハイスクールの那須博之ですので学園のシーンはそこまで悪くないです。仁科克基関係の友情ドラマは丁寧に描かれてます、一番感情移入できる部分です。でもジンメンは適当に処理されすぎです。個人的に一番感心したシーンは戦争をビルの狭間から火花が飛び交うのを見せるだけで表現するところです。単に予算がなかっただけなんでしょうが、続く窓から炎の光が差し込む中でのキスシーンも含めて暗闇の中に差し込む火という象徴性を帯びています。暴徒に襲われる牧村夫妻が寄り添い灯すマッチの火もそれに対応していると思います。明が了にお前キレイだなあというシーンはススムがミーコにキレイだねお姉ちゃんというシーンと対になっています、演出で生かせてたら割と感動的になったかもしれません。というか染谷将太って子役時代にこの映画に出てたんだ…。今見直すと2000年代の空気が詰まった懐かしコンテンツとしての需要もあるかもしれません。こんな時代だったな~懐かしいな~だけどそれほど良い時代でもなかったな~という微妙な気持ちにさせてくれます。[インターネット(邦画)] 4点(2023-03-24 23:24:11)

63.  許された子どもたち 監督がホラー映画畑出身の方なのは知っていたのですが、ここまで低予算ホラーの域を出ないレベルの作品とはがっかりです。ホラー映画というジャンルの中で社会的テーマを扱った作品として見れば評価できるかもしれませんが、社会派映画として見るとホラー映画的な観客を不快にさせ不安を煽るような演出が却って本筋を見失わせるノイズとしてしか機能していないように感じます。昆虫の気持ち悪さがいじめの怖さと何か関係があるのでしょうか。内容が意欲的だとしても人物描写はステレオタイプで浅薄なものでしかないです。母親は狂信的なまでにどこまでも子供の味方であり、そこに内面の葛藤のようなものは見られません。いじめや少年法にまつわる社会問題を本気で扱うならば個人と社会の関係をもっと丁寧に描く必要があるはずですが、むしろ映画の終盤になるほど大人が関わらない狭い世界へ収束していきます。あのパイ作りのシーンは何の意味があるんでしょうか。結果的に印象に残るのは凝った構図やカメラワークだけでこれで社会問題に関する理解が深まるとは思えません。[インターネット(邦画)] 3点(2023-10-03 23:40:31)

64.  渇水 いかにもかわいそうでしょう?かわいらしいでしょう?という姉妹を出してくるのがあざといなあと感じます。これも台詞で全部説明しちゃうタイプの日本映画です、これじゃテレビドラマレベルの演出です。全体としてのんびりダラダラ展開するので深刻さは感じられません。姉妹も貧しくても楽しそうにしていますので実際そこまで深刻に受け取るような話ではないのかもしれません。葛藤が描かれているようであからさまにこいつは気に食わない俗物ですという見せ方を平気でやります。そもそも渇水と水道料金未払いって直接関係している問題ではないはずなのですが、なぜか混同してはいないでしょうか。もし渇水時にこういう問題が起きうる制度上の問題があるならそれを詳細に説明するべきなのに、その辺りが終始曖昧で個人的な悩み以上に問題意識が広がりません。もうちょっと個人の感情じゃなく社会の理性に訴える部分が必要です。下手すればこれではただの公務員叩きにしかならない恐れもあります。描きたいテーマの芯が定まっておらずとにかく薄味の内容でした。子供が万引きするシチュエーションがまた出てきたのにはこの手の日本映画の表現の引き出しの少なさを憂いたくもなります。[インターネット(邦画)] 3点(2023-10-01 23:54:56)

65.  Mr.ノーバディ 退屈な仕事の象徴がエクセルなのには笑いました。見終わってから知ったんですがハードコアの監督だったんですね。前作のように一人称カメラで撮られているわけではないものの、この映画もまた主人公の主観から一方的に語られる一人称的作品で、妻や子供たちの内面を全く描こうともせず主人公のものの見方が相対化されていません。ふつう複数視点で語るか主人公を現実と妄想の境目が曖昧な狂気の人物として描くような内容にするのが常道だと思うのですが、逆に暴力シーンをはじめとしてリアリティが追求されているような演出で違和感が強いです。所詮中年サラリーマンの願望充足映画なのですから、もうちょっと夢のある内容にした方がいいと思います。痛みを強調したリアルな暴力シーンを目指しているのかと思いきや終盤は普通に非現実的で馬鹿馬鹿しい銃撃戦になっちゃいますしこういうのは正直見飽きました。タイトルにも意味があるんだかないんだかという感じです。ハードコアは少なくとも斬新な挑戦を見る楽しさがあったのに、これはありきたりでつまらない内容でしかないです。それにしてもロシア人監督がロシア人を悪役にするのはどういう心境なんでしょうか(笑)。[インターネット(字幕)] 3点(2023-09-06 23:48:37)(良:1票)

66.  十三人の刺客(2010) 作品のテーマとしてはおそらく封建社会や武士道の矛盾や欺瞞を暴くことを目指しているのでしょうが、結局は稲垣吾郎演ずる殿様の頭がおかしいだけで侍たちを含めた他の人間をその犠牲者以上のものとして描けているようには思えません。劇中の台詞にもあったように下が支えなければ上は成り立たないですから、その共犯関係をちゃんと描かなければ社会風刺としては不十分でしょう。伊勢谷友介演ずる山の民がもうちょっと侍社会を相対化する視座として機能すれば良かったのですが、それもコメディリリーフ程度の存在で終わってしまっています。映画としての最大の欠点は登場人物の人となりからその心情、戦略に至るまでとにかく一から十までご丁寧に全部台詞で説明してしまっているところです。一応本格時代劇の体裁を整えるよう努力はしていますが、やはりこれは当時のテレビ局製作の日本映画の限界が見えてしまっていると言わざるを得ません。そんな中松方弘樹だけはその人物像がろくに説明されないにも関わらず立ち振る舞いや顔つき、台詞の発声だけでこの人は何か違うと思わせる異様な迫力を漂わせています。何をやらせても様になっており若い頃に自分がどう動けばカメラに一番カッコよく映るか相当訓練されたんでしょうね。この映画が存在する一番の価値は松方弘樹の殺陣をある程度まともな一本の作品の中で後世に残したことでしょう。[DVD(邦画)] 3点(2023-08-14 23:46:29)(良:1票)

67.  母性 人物の心情と作品のテーマを全部モノローグと台詞で説明してしまう、典型的なダメな小説の映像化作品という感じです。いい歳してここまで母親に依存する人間とか存在するのか…そう思ってしまう序盤は嘘くさく感じて全然乗れませんでしたが、娘の視点から語られるエピソードに入ってからはある程度リアリティも増し結構楽しめました。それでも性格に問題のある人間の博覧会を眺めるようなあまりよろしくない楽しみ方ではありますが(笑)。戦時下でもないのに火垂るの墓みたいな展開になっちゃうのは笑っちゃいました。ただやはり複数視点から物語を語ることができるのは映画という表現の強みだと思います。ラストはステレオタイプを批判しているようでステレオタイプに収まってしまったような居心地の悪さを感じます。これは映画だけでなく原作の方にも問題がありそうですがあまり確認する気にもなれません。[DVD(邦画)] 3点(2023-07-23 21:49:47)

68.  ALIVEHOON アライブフーン 去年の一時期イオンシネマに行った際に予告をよく見かけた謎の映画でした。イオンエンターテイメントはたまに漫画原作や人気俳優を使ったような売れ線とはまた違う映画を配給しているところは好印象ではありますが、かといってそういう作品が必ずしも質を伴ったものでもないのは歯がゆいところですね。内容は車好きのおじさんのための映画という感じでそれ以外の人間が楽しむのは難しいと思います。登場人物もステレオタイプの域を出ずドラマは退屈です。CGなしと言っても走行シーンだとカメラの性能が落ちるのかところどころ画質が悪くなっているところがあります。良かったのは中盤のペットボトルを使った訓練のシーンと一部の空撮ぐらいでしょうか。こういうところでIMAXカメラを使用してみせるような挑戦をしないと日本映画はその限界を打ち破ることはできないでしょう。[DVD(邦画)] 3点(2023-07-22 22:29:18)

69.  ケイコ 目を澄ませて フィルム撮影で若いかわいそうな女性が主人公、この映画の情報を見た時おじさんウケ全振りみたいな映画だなあと思いましたし実際に見てもその印象はむしろ強まるばかりでした。黒背景白文字の字幕は聴覚障害者だからサイレント映画オマージュってわけですか、安直な発想ですね。聴覚障害者やコロナ禍を題材にしてるだけでやってることは明確なストーリーやメッセージがあるわけでもなく閉じた人間関係の中で淡々と丁寧な日常描写を重ねるってよくあるパターンです。聴覚障害へ無理解な人間を登場させたところで明らかに今いる場所に居心地よく安住している人間が作っている作品です。一番劇的な展開が障害者本人に関わることではなく所属してるコミュニティの危機というのもおかしいですよ。しかもそこが戦前から続く日本で一番古いジムというのがいかにも権威主義的です。父親的存在に最後まで依存し続け変化することをネガティブに描き、内は味方で外が敵という発想しかない。こんな保守的なだけの映画が過剰に評価されていると日本映画はますますダメになると思うのではっきり批判しておきます。[インターネット(邦画)] 3点(2023-05-19 22:36:35)

70.  アルキメデスの大戦 この映画のダメなところは大きく三つ。①構成が悪い。冒頭に派手なVFXシーンを持ってくるのは掴みとしてはいいが同等のシーンがクライマックスに無いので物足りなさを感じてしまう、竜頭蛇尾でバランスが悪い。②演技・演出・人物造形が漫画的過ぎる。菅田将暉はステレオタイプな理系キャラで現実味がなく、軍人たちはいかにも間抜けで戯画化された悪役でしかない。田中泯の眼鏡が光る演出はエヴァンゲリオンかよと(笑)。③史実を無視している。戦前の戦艦大和は日本の象徴として宣伝されるどころか国民にその存在を隠されてすらいる。その伝説化は戦後に生まれた種々の物語によって作り出されたものであり、この映画ですらその一つである。以上3点からあまり評価する気にはなれませんが、この映画の良いところは原作からの改変部分、特に山本五十六の描き方です。合理主義は非合理的な軍国主義に必ずしも対抗するものではなくむしろあっさり加担すらしてしまうということを露呈させていることです。それに最後まで抗えるのは主人公がアメリカに渡るのを留まったように人道の尊重・他社への共感以外の何者でもないでしょう。そして、我々もそうあるべきなのです。[インターネット(邦画)] 3点(2023-03-08 22:34:36)

71.  沈黙の艦隊(2023) VFX班はがんばっていたと思います。潜水艦の上にマリンスノーが積もる描写は詩的で良かったですね。そうした本筋に関係ないディテールでは褒めるところはあるのですが肝心の本筋がもうダメダメですね。原作を読まずに見た私が悪いのかもしれませんが、映画で語られる部分のみだと主人公の海江田が部下を冷徹に見殺しにして米軍の原子力潜水艦を勝手に強奪しただけの完全に頭のおかしいただのテロリストにしか見えないんですよ(笑)。そんな人物に深淵な思惑があることを前提にしてストーリーが進んでいくので全く感情移入できずに置いてきぼりにされたまま映画が終わっちゃいました。大沢たかおも王騎の大物演技がウケたからって終始にやけ面ってのがさらに人間味を感じさせない要因になっています。[映画館(邦画)] 2点(2023-10-08 21:40:38)

72.  エヴェレスト 神々の山嶺 役者はまともな人間を揃えてますしコメディやホラー、漫画原作映画でもないのにここまでの評判の悪さは珍しいですね(笑)。角川映画ということもあってか最近というよりひと昔前の日本映画のダメさが詰まったような映画です。海外ロケをすれば映画としての価値が生まれるというのは大きな勘違いです。回想を多用し説明台詞も多くこれでは作りが完全にテレビドラマで映画らしい表現がまるで見られません。緊迫感もドラマチックさもリアリティもない登山シーンはただただ退屈な時間が続くだけです。原作は読んでいないので憶測でしかないですが、テレビドラマとして数話に分けてじっくり描く方が良さそうな内容ということは伝わってきます。脚色も下手なのでしょうが、そもそも原作が長尺すぎて映画向きではないのでしょう。[インターネット(邦画)] 2点(2023-09-14 23:06:44)

73.  日本のいちばん長い日(1967) 序盤の広島への原爆投下映像、あれ戦後の核実験の映像の流用ですよね?こういう細部でいい加減な仕事しちゃダメでしょう、原爆ならどれも同じだと思ってるんでしょうか。仁義なき戦いは静止画とはいえそんな間違いは犯しませんでしたよ。オールスターキャストゆえの名作っぽい雰囲気だけで評価されていないでしょうか。ドキュメンタリータッチといえば聞こえがいいですが事実を再現するだけで作品のテーマやメッセージがいまいち見えてきません。映画なんてのは所詮作り話なのですから何か特別な理由でもないならばそこをはっきりさせるべきです。戦争継続に固執する軍人批判にしては軍人がカッコよすぎますし、国民の犠牲と対比するならあまりにも国民側の描写が少なすぎます。三船敏郎なんか急に平和を願ういい人に変わってませんか?まさか軍人たちの苦悩に共感しろという話なんでしょうか?そんな義理は私たち一般市民にはありませんよ。やってることは見知った人間同士のほぼ馴れ合いに近い内ゲバですもの。そもそも肝心の事件の描写がしょぼすぎませんか?狭いセットの中でひたすら役者が喚いているだけで銃撃シーンは窓ガラス割るだけで終わりです。この作品が作られた時には既に日本映画黄金時代は過ぎ去っていたというのには納得です。結末がわかりきった話なのでどう展開するかハラハラしようもありません。それっぽいナレーションで締めて終わりというのもちょっと…。ただ佐藤勝のエンディングテーマは名曲です。[DVD(邦画)] 2点(2023-08-13 22:31:21)(良:1票)

74.  ヤクザと家族 The Family うーんテンポが悪い、オープニングクレジットが入るのに20分、ここまで丸々カットしても普通に話が理解できそうです。藤井道人監督の薄暗い映像は好きじゃないですねー、安っぽく感じてしまいます。煙を吐き出す工場のショットが何度も挿入されますが、別にヤクザのしのぎとも関係ないようですし単にかっこいい画を挿入したいだけなんでしょうか。90年代の時点で義理とか人情を謳うヤクザは絶滅危惧種になってそうなんですが、まるでそれが未だに生きてるような不思議な世界で物語が展開します。同じ綾野剛主演のヤクザ映画なら白石和彌監督の日本で一番悪い奴らという作品もありますが、頭の中だけでお話を作らずあちらのように実在の人物への取材に基づいたリアリティのある人物造形をするべきではないでしょうか。当時の風俗をしのばせる要素も出てこないので1999年、2005年、2019年という数字には何の意味もないです。時代は変わったという旨の台詞が何度も出てくる(本当に何度も出てくる!)のはまともに時代を再現して変化を演出するつもりがないからでしょう。ヤクザというか舘ひろしの役は理想的な親父として美化しすぎていると思います。ヤクザと社会の関係を描く作品のはずなのに基本的にヤクザの身内の中の人間しか描かれません。彼らを追い詰める暴力団関係の条例も抽象的で具体的にどんなものなのかすらよくわかりません。これではヤクザ同士が延々と傷の舐め合いをしている甘ったるいメロドラマという感じです。半径5mの世界しか描かれないダメな日本映画そのものですよこれ。余命10年はてっきり売れるために嫌々撮ったのかと思ってましたが、実は泣けるラブロマンスというジャンルこそこの監督の資質に一番適した仕事なのかもしれません。[DVD(邦画)] 2点(2023-07-04 22:58:33)

75.  告白(2010) 90年代以降日本で盛り上がりを見せた少年犯罪の凶悪化言説、それが反映された最末期の作品ですね。なぜか2010年代以降この手の作品が全然話題にならなくなった気がします。他に注目すべき問題が出てきて少年犯罪程度で騒ぐ時代ではなくなったのか、あるいは観客やクリエイターの世代交代が進んだおかげでしょうか。アメリカの銃乱射などは現役バリバリの題材なところを見ると実は大して現実を反映した深刻な問題でもなかったんでしょうね。松たか子が殺してやりたいというと教室が静まり返る場面は良かったですね、みんな先生の話を聞いていないように見えて実はちゃんと聞いているんですよね。法律があてにできないにしろ警察の存在を無視しなければ成り立たないような不自然な物語を構築するのはやめるべきだと思います。こんなしょーもない内容で罪と罰を持ち出すとか勘弁してください。[インターネット(邦画)] 1点(2023-09-24 18:37:05)

76.  シン・ゴジラ この映画の良いところはゴジラへの愛がないところです。愛なんてろくなもんじゃありません、くだらないこだわりでしかないです。既存の作品のイメージにこだわらずに震災のイメージを借用し現代的な作品として再構築することに成功しました。その上で言います、この映画の悪いところはゴジラへの愛がないところです。庵野秀明という人はエヴァンゲリオンというアニメーション作品においてキリスト教の要素をあちこちに散りばめておりましたが肝心のキリスト教がどういう思想かという点には全く興味を持っておりませんでした。あくまで表層的に言葉のカッコよさだけで引用していたわけです。この映画ではゴジラは日本神話に登場するヤマタノオロチになぞらえられております。しかしこれがまさに表層的にしか物事を理解していない人間の陥る誤りなのです。ゴジラは日本の作品である、ゴジラは神のごとき存在である→日本神話の中から何かを引用しよう→日本神話に出てくる怪獣といえばヤマタノオロチだ、こういう思考の流れだと推測します。しかしゴジラはヤマタノオロチではなく、むしろそれを退治したスサノオに近くはないでしょうか?高天原(≒東京)を荒らした後、地上に降りヤマタノオロチ(≒キングギドラ)を退治し英雄となるような存在なのです。スサノオのように複数の顔を併せ持つことがゴジラが愛されてきた理由ではないでしょうか。この映画はその点の解釈で致命的な誤りを犯しているためシリーズにおいて異端でしかあり得ません。そしてその方が一個の作品としては正しいとも言えます。[インターネット(邦画)] 1点(2023-03-11 23:25:41)(良:1票)

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