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1. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 「芸術とは積み重ねたコインを真上から見るようなもの」とある芸大学長の講演でそのような話を聴きました。
シンゴジラはまさに日本映画芸術の現時点であり、高く高く積み重ねられたコインの中にはこれまでのゴジラ(東宝特撮)シリーズ、ウルトラマンやパトレイバーは勿論、邦画(アニメ含む)の名作・傑作の数々が含まれていて、更には 鳥坂先輩や空想科学読本にはじまる「シニカルでリアルっぽいファンタジー」の終着地になっています。そして「さぁ、次は君の番だ!」とバトンを渡すがごときメッセージが感じられ、「神」「芯」「進」 TV特番でキャストの皆さんが示した「シン」に込められた想いにも 日本語=日本人 の奥深さや可能性が込められていて感慨深いものがありました。蛇足になりますが田んぼアート「シンゴジラ」の「なるほど!」と唸らされる見事さがまた嬉しかったりする 日本だからできた、日本人に見て欲しい 日本らしい映画です。[映画館(邦画)] 9点(2016-07-31 01:28:33)《改行有》
2. アマルフィ 女神の報酬
《ネタバレ》 6月にイタリア旅行をしていたので 公開をものすごく楽しみにしていました。もしくは もうすぐイタリア旅行を控えているので、なんて期待していた人も多いのではないでしょうか? でも結論から言うと「ローマの休日」には遠く及ばず、「天使と悪魔」にも届かない、「オールイタリアロケ?」と首を傾げたくなるようなビジュアルでした。
前半の空港のエピソード、車上の会話からコロッセオ、、のシーンまでは とてもイイ感じだったので残念です。単なる観光映画にしたくない、と意識的にこうなったのか 脚本、演出、編集の力量不足なのかはわかりませんが、ある意味 「もったいないなあ~。」と感じてしまいます。。「誘拐劇」というのは「天使と・・」もそうですが 観光映画にするにはとても使いやすい素材です。原作は未読なのですが 少々、いえ場合によっては大胆にアレンジしてでも「商業映画」として昇華させたほうが良いのではなかったでしょうか?(賛否両論ですが「天使と・・」はその良い例だと思います。)
(サントラを売りたいの? ってちょっと思いました。、DVDではメイキング等で名所、観光地がもっと観れるのかな?)
ストーリーの骨子はありがちで、ちょっと無理がある突っ込みどころ満載な脚本ですが 俳優陣が頑張っていてなんとか乗り切った、という印象ですね。
特に戸田恵梨香さんはイイです。「デスノート」の時にも感じましたが 存在感は凄い!主役キラーぶりを発揮しています。
佐藤vs織田と云うと「ホワイトアウト」を連想してしまいますが 双方ともあれから更に熟練の味を増していていい感じでした。
ただ やっぱり脚本が。。もったいなかったよなぁ~
日本の俳優さんはずいぶんと損をしていますよね、海外にでた人が評価されるのが良くわかります。決して織田さんヒイキではありませんが ちょっと可哀相に思えるくらい「もったいない。」作品でした。[映画館(邦画)] 6点(2009-07-20 09:17:43)(良:1票) 《改行有》
3. それでもボクはやってない
エンドロールがはじまった時「あぁやっぱり」と云う変な納得があった。ストーリーにでは無く 裁判というものについての感想なんだけど。。多分これが全てじゃないのは別ってる。けど結局、人が人を裁く難しさや システマチックになっている審議の流れに対する失望感は結構キツかった。ほとんど「運」ですまされてしまいそうな人生の理不尽さ、天災にも等しいような突然襲いくる事件との遭遇。人との交わりや接触を怖がる現代人の心理の底にはこういう恐怖があるんじゃないかと思ってしまいます。人も法(社会)も信じられない私達はこれからドウすればいいんでしょう。メールやSNSに「仲間」を求め、自分の存在感を固定し安心したいと考えるのは仕方がないのかも。。。自分を守ってくれるのは仲間だけ、、「天網恢恢疎にして漏らさず」という言葉は既に失われてしまったのでしょうか。私は基本的に無神論者ですが デジタルに支配され、神の不在を見て見ぬふりをする日本。このままでは陪審員制度が実施されても、なにも解決はしないのではないでしょうか? 司法制度だけではなく、今の社会を風刺した映画だと思います。[映画館(邦画)] 7点(2007-08-19 15:15:23)
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