みんなのシネマレビュー |
|
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 爻(コウ)ノ篇 昨年秋にこれを見て以来「SPEC」とは疎遠になっていたが、今回たまたま家でひとりゆっくり見る機会を得、「TV版は神、映画版はぐだぐだ」という事を改めて再認識した。が、それと同時に要は「割り切り」ではないか、とも思った。古い例で申し訳ないがうる星の「ビューティフル・ドリーマー」よろしく、これも「SPECワールド」を使ったアナザー・ストーリー、番外編と捕らえれば、エヴァやジョジョを名前位しか知らない身にとってこれはこれで楽しめるのでは?と。制作者側はハナッから見てる方にこの世界や理論を全理解する事なんて求めていない。という事はこちらもなんか難しい事言っててわからんけどそのシーン、画、流れ、セリフ、雰囲気はなんかカッコいいなあ、とか、後半もセカイやカラスが何者でなんで当麻と闘っているのかとかにこだわらず、漠然と「あー、凄いなあ。当麻がんばれよー」と理屈抜きで雰囲気だけ感じて味わえばいいのかなあと。実際、そう思いながら見ると特に後半部分は初見の時よりかなり引き込まれて見入ってしまった。ラストに「波の行く先」というセリフがありながらその直後にお馴染みのあの曲を使わなかった事や、わざわざとても「SPEC」に合うとは思えない佐野元の曲を持ってきたりするあたり、どう考えてもTVシリーズとは切り離そうという意図があったとしか思えない。もっとも、そう考えると一番気の毒だったのは主演2人。このシリーズの最大の核でありファンが求めているのは当麻と瀬文というキャラである、という事を最も理解してるからこそ制作者側がわざとその部分をほとんど見せないようにしてるこの台本読んだ時の落胆ぶりは想像するに余りあるし、この2人こそが「仕事」として最も「割り切ら」なければならなかったろう。そして、ただの一ファンである私。これを見終わって思った事。「もう1回TVシリーズ、見たくなったなあ」。これをこそが制作者側の最大の意図であったのかもしれないww[映画館(邦画)] 7点(2014-09-24 15:29:35)(良:1票) 2. 劇場版TRICK トリック 霊能力者バトルロイヤル 劇場版も3作目なのでもう少しなんかあるかと思ったのですが 相変わらずこの2人はいい歳してなんの進展もなし。期待した私がバカでした。 これならSP2の方がまだ良かったですね。 まあでもストーリー的には前作よりはまだマシでした。 最大の見所はやはりマツケン!さすがのトリックコンビも食われる程の存在感でした。 (だからこそこの2人にはもう少し特別な事をして欲しかったです。まともに行って 勝てる相手ではないですよ。) あとSP2でも思いましたが上田から以前のエキセントリックなオーラが少なくなったのが 気になりました。この2人にはもっとぶっ飛んでもらいたいです。 特に別行動になるととたんに弱くなるので。 それにしてもお江戸版奈緒子はキレイでした。やっぱり仲間さんはこういうの合いますね。 でももちろん、奈緒子が一番いいですよ。隣に上田がいる時の。[DVD(邦画)] 6点(2010-12-26 16:01:38)《改行有》 3. ケイゾク/特別篇 PHANTOM ~死を契約する呪いの木~<TVM> 《ネタバレ》 ホームズの「空家の冒険」方式ではあるが、とにかく柴田が生き返ってホッとした。TVシリーズの中で唯一気に入らなかったのがあのラストだったので。柴田は殺すキャラじゃないっしょ(でも彩はともかく壷坂までは行き過ぎかな)。逆に朝倉はもうやらないで欲しかったなあ。野口五郎のあの名演技が無駄になってしまった・・・ミステリー部が相変わらず面白かっただけにラスト10分はただのホラーになってしまって残念。真山までがこのパターンですか・・しかも映画で復活って・・(渡部、どう思ったのかな)[DVD(邦画)] 5点(2010-10-07 18:11:12) 4. TRICK トリック 劇場版 仲間由紀恵って正直好きな女優さんではなかった。美人過ぎて色気ないしおすましな感じで一本調子だし・・・でもこの奈緒子役は目からウロコ。「こんなにキュートな表情や仕草が出来る人やったんか」と。むしろこれの方が素に近いのでは?物凄く生き生きしてるし、とにかく「女のコ」してる。もともとが超絶美人の上にここので仲間さんにはさらに「可愛げ」が加わってもうめちゃめちゃカワイイ!まさに「キレカワイイ」の極致!たぶん「山田奈緒子」というキャラの個性と仲間由紀恵という女優の相性のなせる業だったんだろうけど、それを「上田次郎」というキャラと阿部寛のプロそのものの演技がさらに「山田奈緒子」と際立たせている。この阿部寛が心得たもので奈緒子の引き立て役に徹する事が結果的に自分をも光らせる事をよく知っている。いや、よくもまあこんな絶妙なコンビを作り上げてそれにピッタリの配役が出来たものだと感動するしかない。しかも絶世の美男美女がこのさえない3枚目コンビをコメディセンスたっぷりに演じている所にも視聴者はカタルシスを感じるという実に憎い作りになっているし、この二人の画はあまりにも絵になり過ぎている。この映画自体は大したストーリーでもトリックでもない。当然だろう。すべてはこの二人をいかに際立たせるかというのが最大の狙いなのだから。キャラ優先、その為のシチュエーションとそれをつぎはぎしたストーリー作り。それこそが「トリック」という作品だ。[地上波(邦画)] 6点(2010-06-22 15:34:26) 5. ヤッターマン(2008) 大体が元々のオリジナルアニメからして子供向けの低レベル、ばかばかしさがウリなので、その実写化である本作をまともに映画として評価しようというのがそもそも間違っている。「ヤッターマンが絵じゃなく本物の人間だったら」という放映当時子供だった今のオジサン達の夢を体現させたという意味では萌えたし、それこそが製作者の狙いだったはずである。くだらないストーリーにギャグに俳優達の棒読みを含んだワザとらしい演技、とってつけたようなオールCG等すべては「ヤッターマンだからこそ」というか「らしさ」を感じさせるものだし許されるものだ。故にヤッターマンファン以外は決して見てはならないし、何回も見るシロモノでもない。あくまでもファンの為のヒマつぶし映画である。(なお、個人的に岡本2号が初恋の私は深キョンドロンジョよりサキちゃん2号ばかりに目が行っていた・・)[地上波(邦画)] 5点(2010-04-25 15:37:20) 6. のだめカンタービレ最終楽章 前編 テレビの「特別編」は相当にカットされていたようだ。まあわずか5ヶ月前公開でしかもDVD発売もされていない作品をそのまま放映する訳にもいかず、かといって後編の宣伝用にやらない訳にもいかず、苦肉の策だったのだろうが、その結果のだめドラマ史に汚点を残す結果となってしまったようである。私は大の「ドラマ版のだめ」のファンであるが、やはりこれはちょっとと思ってしまった。ストーリー的にはダメオケを千秋が立て直すという、すでに連ドラでやった展開の海外版焼直しという感じで新鮮味はなく、最大のウリであるはずののだめと千秋の絡みもあまりなく正直肩透かしをくらった。確かにテレビ版SPの方が遥かに面白かった。他の方のレビューでもあるように、大々的海外ロケ敢行というふれこみの割にはその必要性はまったく感じられず、単に製作者側の自己満足に終わっている気がする。その効果が表れているのは演奏シーン位のものであるが、ここだけはさすがに凄かった。(この臨場感や微妙な動きや表情は、音のないコミックはもちろん、アニメでも絶対に出せない。私がドラマ版が一番好きな理由はここにある。)役の染み込んでる俳優陣は言うに及ばす、ベッキーらバラエティ組も真摯に役に取り組んで結果を出していると思う。結局ストーリーや脚本という根本的な問題か?もっともきちんと全編通して見るとそんな事はないのかも知れないのでとにかくDVD発売を待つしかないし、それとこれは後編とセットで見なければならないのかもしれない。これはあくまでも宣伝用の「特別編」、いわば「お祭り」だったということで・・・(ここに「特別編」のレビューを書く事自体反則なのかもしれないが、ちょっとひどかったので)[地上波(邦画)] 5点(2010-04-20 12:42:45) 7. サマータイムマシン・ブルース こういう映画にありがちな「未来は自分で作るもの」等の大風呂敷なメッセージ性もなく、タイムマシーンを誰が作り、何の目的で置いていったのかの説明の一切ない。ただただ日常に突然現れたタイムマシーンとそれをめぐる学生達の青春コメディ。もっと若い頃に見たかったなあ、絶対ハマったやろに・・独特のノリをどう捕らえるかで評価が割れるだろう。自分は学生時代を思い出して心地よかったし笑わせてもらった。ラストもしみじみと清々しくてよかった。だた主演女優2人をもっと活躍させて欲しかった。田舎過ぎず都会過ぎずなんともノスタルジックな風景もよかった。こういうとこ、イイよねえ・・・[DVD(邦画)] 7点(2009-11-26 13:21:05) 8. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 《ネタバレ》 しんちゃん及び野原一家はここでは主役ではない。そこがいつも双璧として語られる「オトナ帝国」との決定的な違いだと思う。極端に言えば本作はしんちゃん一家がいなくても別の一本の作品として成立させる事が出来たように思う。(だからこそ実写化されたのかもしれない)「オジサン」の世界にただしんちゃんが絡んでいるだけ。みさえ、ひろしでさえ存在感なし。「しんちゃん映画を見ている」という気があまりしなかったし、特に後半以降はしんちゃんギャグもただとってつけたように思われ逆にわざとらしい感じする程だった。この2作を見て改めて思ったのは、監督はメインターゲットである子供達に「オトナ帝国」では子供達の両親の事や自分達も大人になるのだという事、本作では自分達の国日本の歴史的文化や「死」というものについて伝えたかったのかもしれない。もしそうなら本作のラストはちょっとあっさりし過ぎていたのではなかったか?そこがたぶん「これはしんちゃん映画だから」という限界だったのかもしれないがここまでやるならもっと深く掘り下げて欲しかったような気もした。本作の高評価は、最後に「オジサン」が死ぬ事と時代考証の精巧差にのみあるように思う。ただ、私はきっと見方を間違えたのかもしれない。「オトナ帝国」を先に見ていた上に本作のラストを知った上で見てしまったのだ。もしそうでなければ印象も感想もまったく違って、もっと単純に感動出来たかもしないと思うと感動しそこなった自分がクヤシイ。(蛇足ながら私は「オジサン」の最後は静かに目を閉じさせたかったし、その後うずくまるレンちゃんに声はいらなかったと思う。)[DVD(邦画)] 7点(2009-10-07 13:45:09) 9. ガメラ対大悪獣ギロン 《ネタバレ》 ふと見ると昭和ガメラで最もレビューが多いのがこれ。しかも結構ダントツ。よくも悪くもこれってやっぱインパクトあるのかな。で、大のガメラ派である私はこれがガメラシリーズNO.1。とにかく大好きだった。なんといってもギロンの「包丁」「手裏剣」そして「ギャオス瞬殺」が子供心にカッコ良くてたまらんかった。でもやっぱりガメラ!ゴジラみたく絶対的な強さがない所が子供の人気を二分してたね。どの作品でも絶対一度は負けるし、最後はいつも「火炎放射」という単純技で勝つ。極めつけはもちろんジェット噴射。あの亀が手足引っ込めてジェット噴射しながらクルクル回りながら「ゆっくり」空飛ぶアイディアは怪獣史上最高傑作アイディアやと思う。しかも2パターンある。凄すぎ! レンタル屋に行くといつも置いてあって「見たいな、でも今見たらがっかりするかも・・」と思ってる内にいつの間に棚から消えてた。見るなという事か・・・子供時代の印象でもちろん10点献上![地上波(邦画)] 10点(2009-08-03 14:02:30)《改行有》 10. 千と千尋の神隠し いやあ、これは1回見た位ではなんのこっちゃ訳わからんけど、この世界観は嫌いやないな。とにかく画面に引き付けられるね。独特の動きや色彩だけやなくなんとも言えんシュールさや全体的な雰囲気がね。これだけ引っ張っといてなんともあっさり終わるしね。見終わった後は「はぁ?」って感じなんやけど、決してナウシカで感じたような「もう見たくない」って言うのとは違うし、うーん、こりゃもっかい見なあかんな・・・それにしても舞台が「風呂屋」っていう発想がもうイッちゃってるね。[地上波(邦画)] 7点(2009-06-07 17:17:33)(良:1票) 11. 風の谷のナウシカ 《ネタバレ》 宮崎アニメは「カリシロ」「ラピュタ」「トトロ」と見て感激しながらついに伝説のこれにたどりつく。が・・・ファンの方には申し訳ないがさっぱり良さがわからなかった。期待し過ぎたのかもしれないが少なくとも自分の感性にはまったく合わなかった。大昔に1回見たきりなので記憶も曖昧だが、まずナウシカがあまりにいい子過ぎてイライラした事、あとあの虫が気持悪くて正視出来なかった事、この2点がかなり悪い印象として残っている。私の中で宮崎駿が終わった瞬間でもあった。この後も宮崎アニメはそれなりに見ているが、かなり懐疑的な目線で見るようになってしまい、もう先の3作ほどの感動を味わう事はなかった。世間で圧倒的評価を得ている本作を理解不能だった自分自身がうらめしい・・・[地上波(邦画)] 1点(2009-05-11 11:36:50) 12. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 《ネタバレ》 好むと好まざるとに関わらず「アニメファン」を自称する向きはぜひ押さえておかねばならないアニメ史に残る最重要作のひとつ。うる星のキャラを使った押井ワールド全開、というのが定説だが、公開から四半世紀もたった今となってはそんな事はどうでもよく、むしろ未だに色褪せないこの全編に渡って繰広げられるシュールリアリズムを理屈抜きで楽しみましょう。みどころは多くの方が語っておられるので今更言う事もないが、個人的にツボなのは温泉マークとサクラ先生が喫茶店で語り合うあのシーン。普段セリフの少ない温泉の言い回しや回転する見せ方、途中で水を入れて去っていくウエイターの後ろ姿等これは歴史に残る名シーンといえるでしょう。唯一のマイナスはラムちゃんがあまりにも純情可憐に描かれ過ぎている事。原作を良く知る身としては「これはちょっと・・」と思わずにはいられない・・・[映画館(邦画)] 9点(2009-04-09 16:54:40)(良:2票) 13. 容疑者Xの献身 《ネタバレ》 「ガリレオ」の文字がどこにもない事からもわかるように、これはドラマ「ガリレオ」の続編ではありません。「ガリレオ」と同じキャラが登場しますがまったく別物と考えた方が良いでしょう。あのライトでコミカルな感じも、湯川が突然ひらめてところかまわず数式を書き出す名物シーンも、多くの人が期待したであろう湯川と薫の「その後」なんてのもありません。あるのは堤真一と松雪泰子による重厚な人間ドラマです。この二人が圧倒的でグイグイ引き込まれて行き、もう「ガリレオ」という言葉などどうでもよくなります。ただ、あれだけひっぱた割りにラストがあっさりし過ぎていたのと、ダンカンがどうにも浮きまくっていた事、無関係のホームレスを巻き込む辺りはもう一工夫して欲しかった事や石神の靖子に対する思いと何故自殺までしようとしていたのかという部分が消化不良だった点がマイナスという事で。それにしても最後の最後でとってつけたようなドラマのテーマ曲はいらなかったかも・・・[DVD(邦画)] 7点(2009-04-09 16:18:56) 14. ルパン三世(1978) 《ネタバレ》 日本アニメ史上不朽の名作「カリシロ」に唯一対抗出来るルパンものがこれ。どっちが本物のルパンかとかどっちが面白いかとかは個人の判断主観による。ただ言えるのは同じキャラものでありながら、これ程までに対照的でありながら、この2作品は四半世紀以上に渡って常に比較対象論議の的となって来た偉大な作品であるという事。なにしろこれ以降のルパン作品はほとんど話題にならないし、なっても批判ばかりなのはこの初期2作品が偉大過ぎるからである事は明白。老若男女が楽しめる究極のエンターテイメントである「カリシロ」と見る人を選ぶアダルティでハードボイルドな本作。まったく違ったルパンを楽しめ、且つ完成度の高いこの2作品。お薦め度を加味して点数に差をつけたが、私の中ではどちらも10点!どちらも大好きである。名セリフ「実際クラシックだよ、お前ってヤツァ」、「長ぇ事モンローとハンフリー・ボガードのファンだったが、今日限りデェ!」、なんともアンニュイな「ルパン音頭」等おおよそ「カリシロ」には似合わないエッセンスがここに詰まってる。そして極めつけはやっぱりラストの2人3脚。言葉では言い表せない。ただニヤニヤするしかない。[映画館(邦画)] 9点(2009-04-02 17:08:45)(良:1票) 15. ルパン三世VS名探偵コナン<TVM> 《ネタバレ》 たぶんルブランの「ルパン対ホームズ」へのオマージュ的意味合いがこの企画にはあったのだろう。栗貫ルパンはとっくに見捨てているがルパンもコナンも大好きだった私はなんの期待もせず見たのがよかったのだろう。まあまあという印象を受けた。多くのファンが期待したであろう「両雄の火花散る知恵比べ」という危ない橋を渡らずに「コナンの事件にたまたまルパンが絡んだ」という無難な手法は納得させられた。また平次や哀ちゃん、少年探偵団等の二次的キャラが無駄に登場しないのも好感が持てた(黒の組織が実はルパンと・・なんて悪夢的な事になってたらどうしようかと思った)。しかし肝心のストーリーや演出はやはりむつかしかったのだろう。途中まではダルかったし蘭そっくりの王女様という「王子とコジキ」的な設定もなんだかなという感じ(個人的に蘭は全然好きなキャラではないのでクドく感じた)。これだけ濃いキャラを平等に動かすのもちょっとムリだったみたいだし・・・とはいえ、ルパンが本格的に登場してからはさすがにシマってたしラスト何分かはなかなか見応えあったかなと思う。特にコナンの声にルパンが合わせる件等は少し意表を突かれた感じでよかった。細かい事を言い出すとキリがないが(オープニングはもう少しカッコよくならなかったのかな)、どう作っても非難轟々必至のこの企画を作り切った勇気に私も敬意を表します。まあ一種のお祭りという事で・・・(この分だとありそうな第2弾はもう少しハードボイルド且つお洒落に決めて欲しいけど)[地上波(邦画)] 5点(2009-03-31 20:28:15) 16. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 これはスゴイ。子供と一緒に映画館に来るであろうその親にも楽しめるような題材を、しかもメインターゲットである子供にもわかるように練り上げられ、かつ独特のギャグもストーリーの邪魔する事なく、むしろそれをさらにわかりやすくするスパイスとして散りばめられ、しんちゃんワールドをまったく壊すことなくこれ程の作品にした脚本と演出に脱帽です。しんちゃんは人を選ぶ作品なので万人にお薦めか?という判断からこの点数ですが自分の中では文句なく10点です。説教臭いお涙頂戴の単なる「冒険モノ」になってしまったドラえもん映画版(それはそれでひとつの方法でしょうが)に比べしんちゃんスタッフ、ブラボー![地上波(邦画)] 8点(2009-02-21 14:56:24)(良:1票) 17. 映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝 ドラえもんの映画版は受け付けない。ドラえもんは身近な日常がひみつ道具(この言い方も好きではない。別にひみつちゃうし)によって非日常へ変わって行くのがミソなのだ。故に起承転結のハッキリしたテンポのいい短編こそがドラの真骨頂である。子供がドラえもんの見れるトシになったので付き合って見たのだがやはり受け付けない。ドラえもんにはこんな大風呂敷の冒険は似合わない。ノビタはアホボンだからこそ親近感がわくのであって、こんなに英雄をきどらなくていい。5人がベタベタし過ぎ。あくまでも「近所の同級生」なのだ。・・・とは言え、これはあくまでも子供映画であり、私がどうこう言おうが子供の「あー面白かった」という言葉には勝てないのでこの点数で。(あ、でも声は大山時代よりずっとよかったです。特にしずかちゃん)[地上波(邦画)] 7点(2009-02-21 14:29:20) 18. 犬神家の一族(1976) 《ネタバレ》 金田一作品の良さは、犯人探しやトリック推理というミステリー部と、殺人の動機やその背景から来るメロドラマ部の織り込み方の妙にある。そして、作者が描きたかったのはだぶん後者の方であろう。一度見たら忘れられない稀代のインパクトを持つキャラ「スケキヨ」、そのマスクを使った入れ替えトリックのもう一人の「スケキヨ」青沼静馬の背景とスケキヨとの絶妙な関係、犯人の知らない所で起こる事後共犯、哀れな姿となった息子に財産を相続させようとする母の盲目的な親子愛、そしてこの悲劇の大元は結局戦争なのだという所まで描き切り、これらを巧みな伏線でひとつに紡がれて行くストーリーと、この時代の雰囲気をまさまさと伝える陰影を含んだ画面。さらに加えて脇を固める多数の濃いキャラとそれらを演じるこれ以上は望めない俳優陣の演技。この作品が「日本ミステリー映画の金字塔」と云われる所以は単なるミステリーで終わらない様々な要素を含んだ奥の深さにある。そういった所に注目して今一度見直して見てはいかがでしょう? それにしても一瞬だけ映し出されるあの湖から出る2本足のシーンのさりげなさと美しさ、そして怖さは見事としかいいようがない。[ビデオ(邦画)] 10点(2009-01-02 02:57:44)(良:1票) 19. 獄門島(1977) 《ネタバレ》 大好きな石坂金田一5部作の中でも個人的にこれは最下位にランクされる。まず主要俳優陣の演技がイマイチ印象に残らない。特に佐分利はいつにも増して何言ってるのかわからない。大原麗子や司葉子もどうも無難過ぎる気がするし。またストーリー的には殺人の動機が弱すぎると思う。もともと金田一モノはトリックや推理云々より殺人の背景にある、いわばメロドラマ部に重きがおかれており、そういう意味ではあの程度の動機では見ている方は殺人に対して納得出来ない。犯人が単なる殺人鬼に思えてしまい、肝心のドラマ部が破綻してしまうのだ。つまりミステリー部もドラマ部も、そして演技部も弱く結果作品全体として弱くなっている。金田一が575の並びのカラスを見て「俳句だ!」と気が付く部分も「なんだかな~」という感じだし。そして最大の欠点はタイトルバックに流れるあの「ボヨヨ~ン」。なんだあれ?「犬神」の「さあこれから一体なにが起こるんだろう」と見ている者を作品の世界に引き込むタイトルバックとBGMに比べ、なんという情けなさ。思わずズッコケル。このぼんやりした雰囲気を最初に印象付けてしまった為、結果的に最後までぼんやりした印象を引きずってしまう。まあ、救いと言えば相変わらず素晴らしい草笛光子(残念ながら出番が少ない)とこれまた相変わらず印象的な殺人描写位か。[地上波(邦画)] 5点(2009-01-01 15:58:45) 20. 犬神家の一族(2006) 《ネタバレ》 リメイクはオリジナルを超えられない、というのが定説である。しかしリメイクの中でも「お、これは?」と感じる部分があり、そういう部分にリメイク製作者の意地を見る事がある。この作品にはそれがない。というかこれには「オリジナルを超えてやる」という意図はまったくないのだろう。オリジナルは角川事務所第一作であり、なんとしても成功させねばならないという緊張感が画面いっぱいに溢れていた。しかしここにあるのは「リスペクト」ではなく「ノスタルジー」、つまり「同窓会」的なノリ。だから緊張感等は皆無。旧作出演者はそれでもいいだろうが、「仕事として」それに付き合わされた他の共演者達はどういう思いだったのだろうか?特に犬神3姉妹を演じた御大3女優は自らの株を下げる為にこれに出演したとしか思えない。最も残念だったのが松子婦人最後のセリフの演技。彼女が最後の最後に命がけで振り絞った最も大事なセリフがあんなにあっさりしてていいのか?ここをどう表現してくれるのか、高峰三枝子とどういう違いを出してくれるのかと期待していたのに、名優富司純子の名が泣くなと思った。 有名所ばかりが出ているこの作品は「あ、あの人がこの役をやってる。」という学芸会的な楽しみ方しかないのだろうか・・・[地上波(邦画)] 3点(2008-12-31 22:25:52)(良:2票) 《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS