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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. カラオケ行こ! 《ネタバレ》 原作の漫画は未読。ただその原作の漫画が面白いという評判は伝わっていました。たしかにカラオケを通してのヤクザと中学生という異色のコンビは面白い。それ自体はいいのだけれども、やっぱりリアルに考えちゃうとありえないしファンタジーなお話。そもそも歌が上手くなりたいのならこのネット社会、いくらでも探せば手段や方法はありそうなものだし、それに狂児は元々カラオケ店でバイトをしていたんだから歌の上手い知り合いくらいいそうなもの。それと聡実くんも狂児に声をかけられてなんで簡単にカラオケ店に行っちゃうんだかわからない。原作ではその辺りの流れは丁寧に描かれていたのかな?映画だと省略されててなんで?てなってしまった。狂児の性格から推測するとどうしても脅したり無理やりって感じはしないんですよね。だからこそ尚の事なんで?でした。 それとどうしても、ヤクザ=おバカ、みたいな設定をしてしまうステレオタイプはなんとかならないものかと。まあでもそもそもが、ありえない、を大前提にしているわけだから、それらもひっくるめてさっきも言ったようにもはやファンタジー、ということなんですね。まあなのでこの映画はファンタジーとして捉えればまあまあ楽しむことは出来ました。てか結局親分さんの誕生日カラオケ大会の結果はどうなったんだ?すごく気になる~・・・(笑) 綾野剛さんの内に秘めたる殺気と気迫はさすがでした。それと聡実役の齋藤潤くんの「紅」はめっちゃ熱かったです。最高でした。[インターネット(邦画)] 5点(2025-04-12 17:45:45)《改行有》 2. 湯道 《ネタバレ》 題材もテーマもいいのにムダに長い。もっとコンパクトにまとめてればな~...。長湯は禁物ですね。あ!もしかして、豪華俳優陣にそれぞれの見せ場を作るために長くなっちゃったのかな? 湯ナイテッドステーツのダダスベリのインパクト強w[インターネット(邦画)] 4点(2025-03-22 20:04:15)《改行有》 3. 侍タイムスリッパー 《ネタバレ》 タイムスリップしてきた戸籍謄本もない身元不明の人間が、海外進出までする大スターになる摩訶不思議さはさておいて(笑)本当に評判通りの良い映画でした。タイムスリップしてきた侍が現代の色んなものに驚くのは今まで色々と見てきたけれど、ショートケーキを食べてこんな美味しいものが誰もが食べれる世になったことに感動するあのシーンは、思わず涙が出てしまうほど名シーンでした。主人公が実直で穢れなき武士道を生きてきた人物だからこそ余計にその想いがストレートに伝わってきました。 この映画で言われている通り、時代劇、特にテレビでは再放送や特別放送以外ではほんと見なくなり、映画では「武士の家計簿」や「大名引越し」などのようなちょっと変わった視点から描かれる作品が増え、たしかに変化、衰退している昨今。それでも「室町無頼」や「十一人の賊軍」のようなしっかりとしたチャンバラ時代劇も作られなんとかその存在を保ってはいる。保ってはいてもじゃあ盛り上がっているかと言われればまだまだそこまでではない。バラエティでは昭和ブームなどとやたらと昔がクローズアップされることが目立つけれど、それでも「時代劇」そのものが一つのムーブとなることはない。この映画が大ヒットし日本アカデミー最優秀作品賞まで受賞したことをキッカケに何かしらの追い風が吹けば、農作業の合間をぬって作品を完成させた安田監督も本望でしょう。 ただ昔のような「時代劇」ではなく今の時代に合わせた進化した「時代劇」でいいと思います。それは今まで一人称が「拙者」だった主人公高坂新左衛門が最後に「俺」と言ったように、変化して生きていくことこそ大事なんだと思います。斬られ役をやりながら生きていても心のどこかで侍としての本懐がまだくすぶっていて、そのくすぶりが宿敵と再会してさらに強くなり、真剣を使い宿敵との真剣勝負へとなっていく。ただ非常に面白かったのがその真剣勝負の中でそれまで染み付いた殺陣の動きが出ちゃうところ。あれはわざとなのかたまたまなのかは分からないけれど、死人を出したら作品がどうなってしまうのかをちゃんと理解し合っていたということなんでしょうね。そして決着がついて過去と決別しそこで「俺」って...もうマジで実に良く出来た脚本でした。 あとこの映画でもう一つ大事なテーマ、メッセージがあって、人を殺すことの重み、痛みをしっかりと描いていることです。私たちは当たり前のようにアクションや娯楽性の高いドラマや映画などで人が人を殺すシーンを見てきてますが、そこに命の尊さを感じることはあまりないです。でもこの映画はコメディ色も織り交ぜながそれをごく自然な話の中にぶち込んで来たもんだから大したものです。その尊さをしっかりと伝えてきたからこそラストの殺陣のシーンは固唾を飲んで見入ってしまいました。殺陣だけで心臓をバクバクさせられたのっていつ以来だろうか・・・いや、過去にあったかも定かではないのでもう初めてということにします。 とにかく本当に素晴らしい作品でした。最後もコメディな要素のまま終わって作品全体を重々しくしすぎてないのも好感が持てました。ありがとう。良い映画でした。[インターネット(邦画)] 7点(2025-03-22 08:35:30)(良:2票) 《改行有》 4. 私にふさわしいホテル 《ネタバレ》 主人公のヒロインそのものはめっちゃ面白いのに、それだけで作り上げられている感が否めない。もったいない。活かしきれてない。とにかく中だるみも酷い。もっとはっちゃけて欲しかった。ただ主演ののんさんはとてもチャーミングで魅力的で、このヒロインにピッタリのはまり役でした。[インターネット(邦画)] 3点(2025-03-16 11:57:32) 5. MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 《ネタバレ》 かなり評判が良かったので、結構期待値上げて観ちゃいました。結論から言うと確かに面白いことは面白かったんですが、そんなに大絶賛するような映画なのかとも。大雑把な話の内容は大体分かってはいたんですが、何ていうかその分かっていた範囲を特に超えるようなこともなく終わってしまって、感動や興奮、高揚感、うわ~やられた~そうきたか~、等々を感じることがなかったんです。期待値を上げすぎてしまった反動なのかとも...。 まあでもループすることによって仕事がどんどん上達していくというのは結構面白かったし、職場ループの本質をついてるな~と思いました。 それとちょっとだけ気になっちゃったんですが、会社以外の他にいる人たちってこのループ現象をどう感じているんだろうかって。例えば窓から見える横断歩道でハンカチを落としてそれを拾うあの二人とか。何回も繰り返しているって気付かないんですかね。ループの原因の部長と関わりのある人物で半径何メートル以内とか、そういった縛りがあるのかな?まあどうでもいいことなんでしょうけどね。 マキタスポーツさんだけめっちゃ浮いて見えたのは他の役者さんを知らないから?(笑)[インターネット(邦画)] 5点(2025-03-02 07:29:09)《改行有》 6. こんにちは、母さん 《ネタバレ》 まあある程度仕方はないのかもしれないけれど、山田洋次監督もだいぶお年を取られてきたな~と感じずにはいられませんでした。とにかく観ているこっちが恥ずかしくなってしまうようなクサイ台詞のオンパレードはまさにザ。昭和で、古き良き時代とかそういったニュアンスではなく、もうそういったことを平然とやれてしまうようになってしまったんだなと。昔の山田洋次監督作品にも確かにクサイ台詞はそりゃあありもしたけれど、なんていうか作品の中で自然としっくりときていたんですよ。でもこの作品でのクサイ台詞は妙に浮いちゃってるんです。違和感に似たような、ビシッとハマってこないんです。必要以上に演じさせちゃってるんです。大泉洋のナレーションもいらないなと。はい。だからとにかくもうみんながみんなお芝居していますよ、演技していますよっていうのがヒシヒシと伝わってきちゃうんです。そうじゃなく感じる場面は多分ですが即興のアドリブなのかも。大泉洋が布団につまずいて転ぶシーンとか(笑) それと「寅さん」はフーテンで自由気ままだけど将来の不安しかない不安定さと、それと相反する町工場の大変だけれどもなんとか地に足のついた生活ができている安定さを描いていたけれど、この作品ではサラリーマンがまるでダメで、ホームレスが天使なのかも、て、ええ!!?? ですよ。サラリーマンの人たちだってみんなそれぞれ苦労しながらでもそれでも頑張ってるんだし、ホームレスの人たちもみな理由はあるのかもしれないけれど、もう少しエンタメとして前向きな演出で再起に向けて頑張る姿もあってよかったようにも思える。「寅さん」とは真逆過ぎちゃって戸惑いを隠しきれません。 それと新しく来た外国の神父さんやお掃除機のルンバとかに対するダメ出しな演出もあまり気分のいいものではなかったですね。 もうちょっとホッコリできる映画かと思ってたけど、自己犠牲が美しいみたいな感じで終わちゃって特に何も残らなかったです。 PS:山田洋次監督といえば前で演技しているその後ろでエキストラもしっかりと演技をしている。ていうのがよくあるんですが、今回も同窓会の相談で訪れた居酒屋でのシーンで、後ろの個室で賑やかに宴をしているエキストラの人たち、めっちゃ演技しててニヤってなりました。ほんと、好きですよねこういうの。 とまあさんざんダメダメな感じで言ってはきましたが、私も昭和の人間なのでどうしてもこういった世界観は落ち着けちゃうんですよね。なので出来不出来抜きでこの点数です。はい。[インターネット(邦画)] 5点(2025-02-23 20:22:21)《改行有》 7. 線は、僕を描く 《ネタバレ》 普段そこまで知ることのなかった水墨画の世界を興味深く知りながら観れた。墨で描かれた一見すると地味に見える絵なのに、実はものすごくエネルギッシュな作業で、魂のぶつかり合いなんだというのが観ていて胸が熱くなった。ちょっぴり自分も描いてみたくなりました。 横浜流星くんは名前からてっきりアイドルなのかと思ってましたが役者が本業だったんですね。この作品が彼をちゃんと見た初めての作品でしたが、とても良い役者さんだと思いました。ちょっとした感情の細かな表現とかとても自然だったし、イケメンなのにそういった感じを封印しきって当たり障りのない普通な大学生に成りきってました。あとやっぱり清原果耶ちゃんは良い。彼女の演技は本当に素晴らしい。つい最近観た「まともじゃないのは君も一緒」で彼女のことをめっちゃ評価したんだけど、もっと売れてもいいみたいなコメント書いちゃってて、実際はもう売れっ子の女優さんだったんですね。お恥ずかしい。 主人公の親友が出てくるけれど彼の扱いがなんか中途半端な気がした。それと若者向け映画だから仕方ないとは思うけれど、夜行バスで故郷に帰るあのシーンはとても大事なシーンだと思うから、やっぱり歌(挿入歌)はな~...て思えてしまった。歌そのものはとても良い曲なのは分かるんですが、歌詞がそのシーン、夜行バスで故郷に帰るシーン、もうそのまますぎちゃってるのがなんか、映画も音楽も互を食い合っちゃってるみたいで...とにかくもうちょっと演出的にあそこだけがこの作品の中で浮いてしまって見えちゃいました。すいません。 江口洋介が水墨画を描くシーンが好きでした。特にTシャツで描きだすところ格好良かった。[インターネット(邦画)] 5点(2025-02-20 15:09:39)《改行有》 8. まともじゃないのは君も一緒 《ネタバレ》 大野と秋元のコンビが最高。まるで夫婦漫才かのような掛け合いでついつい見入ってしまった。結論から言って個人的には「普通」ていう概念は人には当てはまらないように思える。だって人の数だけ価値観や個性があるわけで、例え社会ルールや倫理観を基本としていてもやっぱり十人十色ではあるんじゃないかな。人それぞれの生き方があるんだと。だから人には「普通」は当てはめにくいですね。 ラストで秋元が受験に2,3回失敗して...て言ってたけど大学受験失敗して浪人生てこと?でもなんで学生服着てるんだろう?卒業してないの?よ~わからん。てかそこ大野ツッコまなかったし、よくよく思い返してみたらラブホに現役高校生は絶対にアカンやつなのにそこも指摘してなかった...つまり大野は秋元の実年齢、というか現状を把握していたってことですね。まあ入会時に必要事項を記入しているからそれで分かってはいたんでしょう。 それにしても清原果耶ちゃんは素晴らしかった。特にスナックでまるで酔っぱらいかのようにあーだこーだ騒ぎ立てるシーンは最高でした。表情の変化も素晴らしかった。もっと売れていいと思う。 数学て聞くとどうしても拒絶反応を起こしてしまうほど苦手なジャンルなんですが、数学は元々自然界にあるもの、ていう台詞にそういう考え方で学生時代に接しられてたらもっと好きになれてたかも。 ホッコリとできる映画でした。[インターネット(邦画)] 6点(2025-02-05 16:42:08)《改行有》 9. そして、バトンは渡された 《ネタバレ》 見事にやられました。とっても良い映画でした。普通これだけ誰も彼もが良い人ばかりだと鼻についてもおかしくないはずなのに、全くそんなことにはならなくって、むしろ清々しいほど心地よかった。最後に石原さとみ演じた梨花のことが明らかになっていくシーンは全ての点が線で繋がってスッキリとしてそして、胸が熱くなり自然と泣けちゃいました。みぃたんが死なないで長生きしてね、て言ったあれが後々の全てへと繋がっていくわけで、だから必死に病を隠し続けたって分かってまた泣けた・・・。 全体的に編集が神懸かってます。こういった時間軸が交差する映画ってやっぱり編集が肝になってくると思うんですが、本作の編集は本当に素晴らしかったです。ちぃたんと優子が同一人部なのか違うのかっていう惑わせ方は実に巧妙でした。お見事。 ちぃたん役の稲垣来泉ちゃん。ベテラン俳優の中に混ざっても全く遜色ないほど素晴らしい演技してるな~...て思って調べたらもう子役デビューして9年も経っていたんですね。大人たちに翻弄されながらもスクスクと健全に育っていく姿を見事に演じきってました。将来が楽しみ。 卒業式に実は梨花が来ていたって後で知るけれど、体育館のあれだけ高い舞台からだったら後方にいる車椅子の人が視線に入らないのはちょっとおかしい。あそこは無理があるって思えた。それとやっぱり娘をバトンて表現するのはなんかモノみたいでそれには抵抗を感じてしまいました。表題なんですけどね。すいません。 まあでもなんだかんだで観て良かったて思えたこともまた事実。良い映画でした。ありがとう。[インターネット(邦画)] 6点(2025-02-04 22:31:16)《改行有》 10. 八犬伝 《ネタバレ》 エンタメには様々なジャンルがあり、中でも日々の疲れやストレスを忘れさせてくれるような作品は多くの人達に好まれる傾向にある。つまりそれがどんなに大げさな作り話であっても、この世界に必要とされているということ。それはもう何百年も前から続いているわけで、この映画はその重要性を改めて感じさせてくれた。劇中内で「侍として辛い日々があっても、どれほど「八犬伝」の正義に勇気づけられたことか」という台詞があるように、「実の世界」に生きる私たちにとって「虚の世界」は一つの道標となることもある。この映画のテーマは本当に素晴らしいと思います。 ただ全体的にやっぱり長いと感じてしまうし、病=悪と捉えてしまうのは昔だから仕方がないだけでは少々腑に落ちなかったです。それと「八犬伝」パートのチープさはもう少しなんとかならなかったものかとも...はい。 お路役の黒木華さんの立ち振る舞いや作法は本当に見事で美しい。特に代筆を願い出るシーンは美の極みでした。 実生活でどんなに善い行いをしても必ずしも報われるとは限らない。ならば善き行いなんてしなくても・・・て陥りやすい世の中ではありますが、それでも私は最低限できる善き行いはしていこうと思ってます。この映画を観て改めてそう考えさせられました。 あ、でも点数は・・・(^_^;)[インターネット(邦画)] 5点(2025-02-02 10:51:04)《改行有》 11. 室町無頼 《ネタバレ》 見終わって真っ先に思ったのは、こいつぁ昭和の頃によく作られたチャンバラ時代劇、ぽいな~でした。音楽然り、カット割り然り、極めつけは夕日を背に歩いてくる大泉洋たち然り。時代考証も一応はされてはいたみたいですが、もうそんなの関係ないくらいエンタメエンタメしまくりで、野暮なツッコミなんかいらぬお節介と思えてしまうほど、懐かしのチャンバラ時代劇を感じさせてくれました。で、最初に「ぽい」といったのは、あの頃の時代劇は勧善懲悪がほぼ主流だったけどこの映画は多少は勧善懲悪を本流としながらも、やや考えさせられる不変的な問いかけ要素も含んでいて、痛快なエンタメ映画にとどまっていなかったのと、それを象徴するかのような堤真一の存在が単純な憎たらしい悪役ではなかった点ですね。私利私欲ではなく揺るがない理念や信念を持って行動するタイプで、それでいて処世術で世渡りもするような、単純に善悪で割り切れるようなキャラではなかったです。まあ何となく中村主水みたいな、そんな感じでしょうか。 この映画の主演はもちろん大泉洋。彼のファンも大勢観に来るでしょう。がしかし、今回の大泉さん、あまり表情の変化がなく多彩な演技力をあまり感じられませんでした。主演とは言いつつもなんかそこまでぱっとしないんです。主人公ぽくないというか、困難や試練を苦労して乗り越えるようなこともなく、終始ひょうひょうとしているんです。だからどちらかといえば孤児の才蔵の方が主人公ぽくは感じられましたね。読んではいないけどもしかしたら原作小説は才蔵が主役なのかな?わからんけど。とにかくこの才蔵くんが努力して強く成長していく過程がまるで少年漫画のようで面白かったし、最後の大立ち回りも最高にイカしてました。ハッキリ言って大泉洋よりもめっちゃ強かったです(笑) 正直、もう少しコンパクトにまとめても良かったんじゃないかなとも。それと殺陣のシーンにもう少し迫力は欲しかったな。なので最初は及第点で5点くらいかな。て思いもしたんですが、チャンバラ時代劇がめっきり減って需要もあるのか分からぬこのご時世に、それでもこうやって作品として世に出してくれたことへの感謝と、作品から滲み出てくるチャンバラへの熱い愛をいやというほど感じ取れたのでプラス1点で6点にしました。あしからず。 追記:もしこれから鑑賞してみようかと思われているのなら、多少なりとも歴史を軽くかじっておくことをお勧めします。室町後期と応仁の乱あたりを中心に。私は知らない状態で鑑賞してしまったので知ってたらもう少し感じ方も違っていたかも...と後悔しちゃったので。はい。[映画館(邦画)] 6点(2025-01-19 21:37:04)(良:1票) 《改行有》 12. 怪物(2023) 《ネタバレ》 予告編だけの情報しかなかった時はもっと猟奇的な内容なのかと思ってました。実際に観てみたら全然違った。たしかにミステリーぽさはあるけれど、これはもう一つの純愛映画でしょう。同性愛に気付き始めてしまったまだ幼い男の子の純愛物語。私はそう捉えました。「怪物」ていうのは恐らくマイノリティを受け入れられない「偏見」への揶揄なのかな。または自分自身の中にある「嘘」に対するものかも。誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない。誰にでも手に入るものを幸せって言う。この台詞こそが「怪物」に対しての宣戦布告なのでしょう。 物語は母親、教師、息子と、三人の視点によって進んでいきます。母親目線だった時は観客も「怪物」であるように仕掛けられて、教師目線でそこから少し距離を取れるようになり、最終的に息子の目線で全てが白日のもとにさらされて「怪物」から解放される。実に見事な編集です。 また一つとても良い映画に出会えました。ありがとうございました。 それとこれは余談ですが、安藤サクラさんの演技が個人的には一番、怪物、でした。ほんと、すごすぎです。[インターネット(邦画)] 7点(2025-01-06 16:30:30)《改行有》 13. アナログ 《ネタバレ》 可もなく不可もない、いかにも日本人が好きそうな感じに作られた映画ですね。それとタイトルである「アナログ」が、思っていたほどではなかった。単純に有名なヴァイオリニストである事から身を潜めたいがために携帯を持っていなかっただけで、二宮くんと真剣にお付き合いしていこうと思った矢先にはしっかりと携帯電話購入してたからね。不便な交際をどれだけ楽しく見せてくれるのか。そこが一つの魅力だと思っていたけど、多少のピュア感はあっても結局不便さの方が目立ってしまっていた。もうちょっと不便さの中にあるささやかな幸せみたいな事にこだわって欲しかったかな。 二宮くんは別に悪い役者さんだとは思わないけれど、そこまで感情を揺さぶられることがないのが歯痒いです。一生懸命さは伝わるんだけどね。 余談ですが、劇中内での波留さんのファッションがとても素敵でした。 以上。[インターネット(邦画)] 5点(2025-01-05 22:41:24)《改行有》 14. Cloud クラウド 《ネタバレ》 いくらなんでもアウトレイジな展開はちょ~っとないんじゃないんか。この作品を通して言いたいことも分かるし、エンタメ要素が大事なのも分かる。でもね~、じゃあ実際にこれを主人公のような転売ヤーが観たとして辞めるとは思えないんですよね、転売を。鼻で笑われちゃうんじゃないかな。ないないないって。そもそも命の危険にさらされているのにオークション品を取りに自宅に戻るってありえないし、尊敬してない先輩だろうと頭下げて命乞いくらいはするだろうし、あそこまで心が無さ過ぎるのもやりすぎじゃないかな。まあだからこそ怪しい組織に目を付けられたのかもしれないし、恋人の秋子が死んで初めて人間らしさを見せるあそこのシーンが活きてくるんでしょうね。まあ心が痛まないからあんな転売が出来るっちゃ出来るのかも。ただな~もうちょっとリアリティのある復讐劇の方がゾッとできたかも。銃撃戦って怖くないんですよね。現実味も感じにくいし。特に一般人がそれをしちゃうとなおさらです。 劇中内に現れる様々な「?」に対して明確な答えを提示しない不気味さだけは良かったかな。得体の知れない不気味さはこの監督の持ち味ですね。[インターネット(邦画)] 5点(2025-01-05 10:16:26)《改行有》 15. PERFECT DAYS 《ネタバレ》 特にこれといってドラマチックな展開があるわけでなく、ただただ淡々と進んでいく。毎日同じことの繰り返し。休みの日もほぼ同じ。そんな決まったルーティーンの中にたま~に予期せぬ出来事が舞い降りてくる。その時にチラッと現れる普段とは違う姿。「人間」ていう生き物をここまで的確に、かつリアルに描ききった演出にはただただ恐れ入りましたの一言です。多少の違いはあったとしても主人公平山は、ほぼごく普通に働いている人達の写鏡であり、わたしたちそのもの。何のために生きているのかふと疑問に思うこともあるかもしれないけれど、そんな哲学こそ日々の中に潜んでいて、それを心地良く感じながら共存していくことが完璧な日々、パーフェクトデイズなのかも...。 寡黙な作品ではあるけれど、その実、多くのことを語っている作品でもありますね。 主人公の職業をトイレ掃除に設定したのは恐らく、汚いものを綺麗にすることで心が浄化されていく...そんな意味合いがあったのかな。 ちょっと脱線しますがよくその会社が優良企業かどうかはトイレを見ればわかる、という話を耳にしたことがありますが、たしかにそうかもって思った。だってトイレって一番汚れる場所だし綺麗にしてもまた汚れる。だったらそこまで丁寧に掃除しなくても...ていう考えにもなるし、どうせ従業員しか使わないならそんなに気を使うこともない...てなってそこまで掃除しなくなる。つまり会社のために働いてくれている従業員の人たちに対するリスペクトの気持ちがそこまでない会社、てことになっちゃいますよね。気持ちよく働いてもらいたいっていう気がない。そんな会社を優良企業とは言えないですよね。 不特定多数の人たちの使う公衆トイレを綺麗にするのって、そう考えると縁の下の優良企業であって、自分自身を誇れる事の出来る仕事でもあるんじゃないかと。はい。 ただ一つだけ難点を言わせてもらえるならば、平山の担当する公衆トイレが最新式でめっちゃお洒落で綺麗な点かな。そこがなんか救われている気がしちゃって、誰もやりたがらない嫌な仕事に見えにくくなっちゃってるかも。まああれか、世界に日本のトイレの「美」を見せたかった狙いがあったのかもしれませんね。だから芸術性はアップしてますね確実に。リアルに汚いトイレを見せるよりは。 この映画を観て私自身の中の汚れも多少は綺麗になれた気がします。良い映画をありがとうごいました。[インターネット(邦画)] 6点(2025-01-02 08:52:43)(良:1票) 《改行有》 16. ルックバック 《ネタバレ》 元の原作はネットで読んでたことがありました。でも最後どうなるかとかは明確に覚えてなかったです。元の原作漫画自体がとても良く出来ててめっちゃ感動した、てことは覚えていたので鑑賞前からすでに高評価は間違いなしだったけど、本当にそうだった。てか原作漫画読まずにこのアニメだけ観てたらもっと違った感動だったんだろうな~...まあでも本当に素晴らしい作品です。 とにかく主人公藤野の心境の変化が本当に素晴らしい。自分より絵の上手い京本の存在を知って努力し始める。しかし努力しても適わないと努力を諦める。しかしその京本から実は先生と崇められていたことを知りまた努力し始める。それも二人で...。この一連の流れが思春期の時期とリンクしてより一層そこに、青春。としての輝きを放つ。漫画制作という傍からはじみ~に見える世界なのにとてもキラキラと輝いて見える。二人の、二人だけの世界が本当に純粋で美しい。だからこそその京本が、離れ離れでも存在していた京本が、突然この世界から消えてしまう喪失感は、心を半分もぎ取られたみたいでいたたまれない。藤野が外の世界に連れ出した自分のせいだと責めるけど、そうしないと息をすることさえままならない。悲しすぎるけどそれでも京本が昔描いた4コマ漫画を読んで、漫画の魅力を、自分が漫画が好きだということを、二人で歩んできたあの大切な日々を、思い起こさせてくれる。言葉や台詞はなくとも表情だけで心境の変化を表現して見せてくれる演出には本当に脱帽です。素晴らしすぎます。 藤野が小学生の時に描く4コマ漫画が、いかにも小学生が描きそうな漫画すぎてその内容がもう優勝です(笑)[インターネット(邦画)] 7点(2024-12-02 17:18:05)《改行有》 17. THE FIRST SLAM DUNK 《ネタバレ》 原作漫画は当時リアタイで読んでました。読んだのは当時のその時だけ。なので最終的にどう終わったかまではハッキリと覚えていなかったです。ただなんとなく全国大会のトーナメント中のとある試合で全力出し切って、次の試合でボロ負けをした、というのは覚えてはいたんですが、それが漫画原作の方だったのか、アニメ版の方だったのか記憶が曖昧になってしまっていました。で、劇場版を観る前にテレビ版をアマプラで見返してみました。すると!アニメ版はその全国大会に行く前で終わっていたことに気付きました。なのでこのファーストはテレビアニメの続きであり、原作漫画の最後の試合が描かれるていうことなんだとわかりました。 と、ここまでが本編を観る前の下準備。得てきた情報も予告編のみ。さあいざ出陣! ん?おや?あれ?始まってしばらくしてこの映画ってひょっとして主人公はリョータ?そうなの?て困惑。でもまあこういったアプローチの仕方も別に否定はしない。新しいものを見せてくれなら。でもね、やっぱり自分の中にある「スラムダンク」て花道なわけで、青春スポーツコメディなんですよ。新しいものへの期待はそりゃああったけど、父が死んで次に兄が死んでって、昭和のお涙頂戴かよ!てなってしまって、自分が好きな「スラムダンク」とはなんか違う場所にある要素がいきなりなだれ込んで来ちゃったからもう大困惑ですわ。まあでもこの映画って脚本も監督も原作者である井上雄彦さんがやられているから、こんな「スラムダンク」も描きたかったってことなんですね。原作漫画やアニメのあの感じのままやっても意味ないと、そういうことなのかな。 これを投稿する前に他の方のレビューには目を通していないので皆さんにどう評価されているかは分からないけれど、勝手に想像すると半々か、賛成・肯定派の方が7割くらい多いかな。わからんけど。では自分はどうだったのか?見終わってみて思ったのは確かに昭和のお涙頂戴ではあったかもしれないけれど、それでも原作者の井上先生が描きたかった、見せたかった新しい「スラムダンク」はたしかにそこにあったし、主人公であるリョータも今まで見てきたリョータと何ら変わらず、さらに奥深さが増した。結果これはこれでアリてなりました。ただ100%の完全肯定ではないですが。 アニメ版を見終わってからそんなに間を開けずに鑑賞したから、どうしても声優の違いには違和感を感じずにはいられませんでしたね。これは仕方ないです。それと花道のあの独特のおバカなノリを、超キレイなアニメで見せられちゃうのも変な感じではありました。 とにかくあっちこっち、モブまでもずっと動いているからすっげえアニメだな~て感心しまくり。こういうのこそまさに映画!て思えますね。 メインとなる山王戦。前半はそうでもなかったけれど後半に入ってからの山王の圧倒的な強さが目立ち出し、湘北大ピンチ!な展開はやっぱり引き込まれちゃいますよね。結果は知っていても湘北頑張れ!て自然と応援しちゃってました。やっぱピンチからの追い上げは胸熱です! 全編CGで声優も変わっててシリアスな部分もあったけど、それでもなんだかんだで「スラムダンク」の正式な完結(たぶんw)をこうやって観れたことには素直に感謝しかないですし、主人公を変えちゃうという斬新さもスピンオフとして捉えれば別に問題はない。あと対戦相手の山王の沢北が神社でのお願い事に対して「敗北」がそれだったことのあの演出はこの映画の中で1番好きなシーンでした。てへ。 蛇足:花道の悪友たちが応援席でペットボトルをドンドン叩くアレ。アレって原作でも山王戦の時はやってなかったのか?アレ好きなんですよね。それだけw[ブルーレイ(邦画)] 6点(2024-11-27 21:59:37)《改行有》 18. ミステリと言う勿れ 《ネタバレ》 原作は未読でテレビは全話観ています。めっちゃ好きなので劇場版には少なからず不安はありました。だって劇場版にした途端急にお金をかけて無駄に派手にしたり、ウケ狙い的な要素を詰め込んで本来の持ち味を台無しにしたり、今まで多くのヒットしたドラマの失敗した劇場版を観てきたから...。でもその不安は見事に吹き飛ばされました。これは傑作です!実に面白かった!遺産相続争いのまま話が進んでいくのかと思いきや、途中から全く違う展開になっていくからまんまとしてやられちゃいましたね。そして主人公整くんの観察力のすごさが相変わらず冴え渡っていて、それが伏線回収されていくのは毎度のことながら(;`Д´)<お゙お゙!お゙お゙!てなっちゃいます。ただ今回の真犯人の彼はあの登場人物の中でとても分かりやすい立ち位置にいたから、薄々彼じゃないかっていうのはバレバレでそこまで、(;`Д´)<お゙お゙!お゙お゙!とまではならなかったけど。 あと最後の石のプレゼント。正直あれはヒロインのだけで良かったんじゃないかと。他の兄弟の分は端折っても問題なかったかなって。 汐路役の原菜乃華ちゃん。なかなか良かったです。内に秘めた闇を隠して大げさに芝居をする芝居が、なんともいえず物悲しさに包まれていて、哀愁もあり健気さもあり、ヒロイン汐路そのものでした。ほんと、素晴らしかったです。 自分の才能に気付いて夢を諦めた汐路に、気付いたってことはそれは上達するチャンスなんですって整くん言ってたけど、そういう自分も色々な夢、才能ないからって全部諦めちゃってたからあの台詞はものすごく刺さりました。もっと早く整くんに出会えてたら...(^_^;) 最後に我路くんの所に1枚の写真が届くけれど、汐路ちゃんがマフラーを巻いていたのがニクかったですね(*⌒―⌒*) なかなか良くできた脚本で素晴らしかったんですが、どうしても映画的な感じがしなくて、撮影、編集、照明、音楽、どれもみなテレビ感拭えないので、7点に近い6点ということで。はい。 原作は読んでいないのでわからないけれど最終的には整くんと我路くんの、最終決戦!になるのかな?ドラマにせよ映画にせよ、映像化希望です。はい。非常に観たいです。お願いします。[ブルーレイ(邦画)] 6点(2024-11-27 13:34:14)《改行有》 19. すずめの戸締まり 《ネタバレ》 映画公開から約2年。やっと観れた~。その間この映画に関する情報は予告編のみ。なので細かい内容や設定は全く知らず出来る限り真っ新な状態で観れた。観る前に思っていたのは、あの髪の長い青年は扉の向こう側から来た別世界の人間なのかと。でもごく普通...いや違うけどこっち側の人間だったんですね。そんな彼、草太に淡い恋心を抱きはじめるヒロイン鈴芽の心の変化の表現が、この監督のセンスの良さなのか、嫌味のないごく自然な感じでそうなっていくのが本当にお見事で、相手がただイケメンだからとかそういった感情だけでないところも憎めないです。 人々の記憶から消え始めてる廃墟から、天変地異を引き起こす災いが出てくるていう設定はとても良いと思った。そういった場所って負のオーラが溜まりそうだし、色んな場所にありそうだから。ただ御茶ノ水のあそこだけはなんか違うよな気がした。あそこってなに? 震災で母を失った少女が成長し、今度は震災を止めるための手助けをする。なるほど、そういうことなんですね。 ダイジンが実は空いてしまった扉に鈴芽たちを誘導していた、ていうことらしんだけど、じゃあ東京にあった要石は誰がどかしたんだろう?ちょっとそういう細かな所わからなすぎる...。その東京の要石がサダイジンでいいのかな?で、そのサダイジンはなんで叔母のたまきにとり憑いたようになって本音をぶちまけさせたの?でも最終的にはなんか味方みたいになってるし、もうその辺の整理が全然追いつけませんでした。 旅の途中で出会った人たちに帰りにまた会ってお礼をするシーンは好きですね。粋です。 焼きうどんにポテサラは真似しそう。自分はカレーライスにポテサラはたまにやります。 あと見終わって思ったのはこの作品の聖地巡礼って、大変そう~でしたw[ブルーレイ(邦画)] 6点(2024-11-25 21:45:20)《改行有》 20. 劇場版 SPY×FAMILY CODE: White 《ネタバレ》 「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」みたく映画だからの特別感は特に感じられず、まあまあいいところ、テレビスペシャル版の様相を醸し出している。端的に言えばつまらないわけではないけどこれを、映画、としていいものかは甚だ疑問です。 とにかくお互い正体がバレずに素性を隠し通すのが本作の面白さであり売りであって、テレビシリーズではそれが非常に丁寧にコミカルに描かれていた、がしかし!いくらなんでもアーニャが軍に連れ去られたからって戦闘機に普通に乗る、医者、なんておかしいし、飛行中の軍用飛行船にやってきたただの公務員もおかしすぎる。百歩譲ってヨルさんは天然キャラだからそれくらいのことでは怪しいとは思わないにしても、頭脳明晰なロイドに至ってはあのヨルさんの行動をスルーするのは不自然すぎます。劇場版だからと、派手に豪勢に大盤振る舞いした見返りが、まさかの本質を見失ってしまう結果になろうとは...脚本の段階で気付かなかったのかな? それと女スパイの「とばり」とヨルはテレビシリーズで面識があるのに、特にめっちゃ変装しているわけでもない「とばり」を知らいない人としているのにはやや疑問符が残りました。 あとヨルさんの正装であるあの殺し屋スタイルがOPのみというのはファンとしては寂しすぎます。てか相手がいかにも弱そうなターゲットを始末する描写は一時殺しに対して疑問を抱いたヨルさんを知ってしまった側として、痛々しく見えちゃいますね。最後にサイボーグみたいなやつと戦うけれど、取ってつけたような敵すぎてなんの感情も湧いてきませんでした。炎でやられるっていうのもなんかつまらなすぎました。 大好きな作品ですがやはり「映画」としての点数はこうなります。[ブルーレイ(邦画)] 4点(2024-11-24 07:26:02)《改行有》
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