みんなのシネマレビュー
スノーモンキーさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 67
性別 男性
自己紹介 最近になり、やっと映画鑑賞に時間がさけるようになってきたので活動再開していきます。自分は記憶力が悪く、映画を観ても内容をすぐ忘れてしまうので、できるだけレビューを残していきたいと思います。基本書くことは苦手ですので、大したレビューは書けませんがよろしくお願いします。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12

1.  長屋紳士録 《ネタバレ》 結構残酷な内容のはずなのに、何故か笑ってしまう不思議な映画でした。幸平は戦争孤児という設定なのに、体型がふっくらしているというのが可愛らしいんですよね。飯田蝶子演じるおたねも、どこか憎めません。怒りっぽいが情に弱い一面も持ち合わせていて下町のおっかさんと言った感じでしょうか。茅ケ崎の海岸に幸平を置き去りにしようとするシーンなんか、下手な監督が撮ればただの鬼婆ですよ。そこを、子供が追いかけてきてだんだん距離が縮まっていくショットを観せ、最終的に一緒に家に戻ってしまうことでほっこりさせてしまう。このあたりの演出が上手いなあと思います。 クジではめられるシーンやぶかぶかの帽子など可笑しい場面はいくつもありましたが、一番笑ったのが、あれだけたくさん芋を買ったのに、幸平の父親がお礼に芋を持ってきたところ。あれは爆笑でした。 今回改めて小津監督は喜劇作家であることを実感しました。本作が公開されたのが昭和22年。この時代にこんなにも明るい戦争映画が日本で制作されていたことにも驚きました。[DVD(邦画)] 8点(2017-03-18 01:40:23)《改行有》

2.  黒蜥蜴(1968) 元々は、原作が江戸川乱歩の長編探偵小説を、三島由紀夫が戯曲化したものです。それを深作欣二監督が映画化しました。製作には主演の美輪明宏さんも関わっていたそうです。 映画を観て思ったのが、これが本当に1960年代の日本映画なのかということです。元々、戯曲ということもあり、とても言葉遊びの多い作品です。私は、言葉の多い映画はあまり好まず、映像で語る作品の方が好みなのですがこれは別です。詩的であり言葉の一言一句がとても美しいのです。日本語ってこんなにも美しかったのかと驚きました。まるでジャン・コクトーの映画を観ているかのようでした。舞台芸術を導入した装飾品もどれも綺麗で妖艶な雰囲気を醸し出しています。美しい背景に合わせるかのような会話劇は、全てが計算しつくされています。 本作をここまでの芸術作品に仕立てることができたのは、もちろん美輪さんの名演技があってのことです。何なのでしょうかあの甘美さは。男女の垣根を超え、まるで天人のようです。 仁義なき戦いや、バトル・ロワイアルといったギトギトした映画を撮る深作監督が、本作を撮ってしまうというのも驚きです。いやもう美しすぎて、ため息しか出ないですね。余韻がハンパありません。天才たちが集まると、こんな映画も作れるのですね。本作はホモセクシャルな描写があるためDVD化されないそうです。くだらないことを言ってないで早急にDVD化していただきたいものです。多くの人に観てもらいたい芸術映画です。[ビデオ(邦画)] 9点(2017-03-18 01:10:10)《改行有》

3.  ひみつの花園 《ネタバレ》 お金が大好きな女の子の暴走ストーリー。趣味がお金を数えることというだけで、銀行の面接に受かってしまう適当さにこの作品の異様な空気を感じました。池に沈んだ5億円を探すため、あっさり銀行を辞め大学受験を受けてしまうというハチャメチャな展開に呆気にとられる。最初の目的からどんどん脱線していき、素人の女の子がスキューバダイミングやロッククライミングなどに挑みプロ並みの実力を身につけてしまう。孫悟空並みに純粋無垢な彼女は、あらゆるものをどんどん吸収していきます。そんな姿をみていると、何だか元気ができます。最後までノンストップで走り続けていく映像のテンポの良さは、まるでアニメ映画を観ているようだ。遠回りの末、ようやく池に沈んでいる5億円を見つけます。しかし、ラストであれだけお金に執着していた彼女が、お金はいらないと言って埋めてしまうのである。様々な体験をしていく中で、彼女はついにお金よりも大切な何かを見つけたのだ。おめでとう!咲子![DVD(邦画)] 7点(2015-01-19 00:09:41)

4.  ヨコハマBJブルース 《ネタバレ》 松田優作の念願が叶い、工藤監督の映画に初出演した作品。自ら原案を手がけてしまうほどの熱の入れようだったとのこと。良くも悪くも松田優作が目立ちすぎてしまっている。内田裕也や蟹江敬三といった個性的な俳優をキャスティング。また、ストーリーにホモネタや少年愛といった過激な演出を入れ込むも、それでも松田優作が浮いてしまい不自然な印象を受けます。天才であるが故、自分の個性が強すぎることで作品全体が歪んでしまっていることに気付いていないようにみえました。本当に楽しそうに演じているんだもん・・・ これは石原裕次郎にも言えることである。同じスターでも、器用な高倉健はそのことに気付いていたであろう。(この人、不器用じゃないよ。絶対。)幸せの黄色いハンカチ以降、彼の演技ってすごく自然でした。ストーリーが、某ハードボイルド映画のオマージュというかパクリなのは鑑賞した方なら分かると思います。ラスト、少年の亡骸に服を着せ、歌を聴かせるシーンは大変印象的で松田優作の優しさを感じました。最近の日本の映画やドラマは、キャラの個性やぶっとんだ設定でインパクトを与えることしか考えていない作品がとても多い。香川照之さんなんてどんな役も演じられる素晴らしい俳優なのに、癖のある演技ばかり求められて不憫でなりません。そのような流れを作ってしまったのは、もしかしたら工藤、松田コンビあたりからかもしれない・・・ [DVD(邦画)] 4点(2015-01-17 00:41:21)《改行有》

5.  アウトレイジ ビヨンド 《ネタバレ》 冒頭の服役中の大友の格好に笑ってしまった。帽子を被り、胸には名札。まるで幼稚園児ではないか。ここに哀れな男の姿がありました。前作のアウトレイジでは、奇抜な殺し方に注目が集まりすぎてそれを北野監督は快く思わなかったようだ。本作はそのような表現が抑えられている一方、言葉の暴力で魅せてくれました。花菱会の若頭の西野との怒鳴り合い、「殺すぞー!」「やれるもんならやってみろー!」これは完全に子供の喧嘩である。そんなやり取りすら、漫才にしてしまう北野監督はさすが。裏切っては裏切られ、あるものは頂点から奈落の底へ突き落され、無残に殺されます。哀れで大バカな男たちの悲劇的な喜劇。北野監督のバイオレンス映画は、最も残酷な形で暴力社会を否定しているのである。暴力を否定するには笑いとばしてやればよい。幸せを肯定するなら残酷な悲劇を見せつけてやればいいんだ。そうすることが一番効果的であることを北野監督は知っている。絶対的な感性で社会に疑問を投げかける北野監督は天才であり、彼の作品を愛してしまうのは当然であろう。最近の作品は、なんだかんだ言っても客が入らなければ意味がないというスタンスで映画を製作しているので、今まで北野作品に縁がなかった人も鑑賞するようになり嬉しく思います。[映画館(邦画)] 8点(2015-01-15 00:15:33)(良:1票)

6.  もらとりあむタマ子 《ネタバレ》 私は正直、前田敦子さんは女優として成功していけるのか懐疑的でした。しかし、この映画を観てこの考えは大きな間違いであることを実感しました。冒頭のロールキャベツを頬張るタマ子の顔に度肝を抜かされ、トイレで奇声を上げるタマ子。中学生の男の子をこき使うタマ子。外面だけは一丁前のタマ子。どんどんと女優、前田敦子ワールドに魅了されていき、終始口元が緩みっぱなしでした。タマ子の就活用の写真には爆笑してしまいました。でも笑っては失礼ですね。だって、あの写真はタマ子の新たなる人生の第一歩なのだから。この映画の風景には、真っ青の大空も、透き通るように綺麗な海も出てきません。さびれた商店街と曇天とのコントラストのような、素っ気ない描写ばかりが映されます。しかしこの映像にこそ、タマ子のモヤモヤした心情が見事に表現されており、山下監督のセンスが光ります。物語が大きく展開するわけでもなく、あくまでタマ子のモラトリアムだけを写し続けます。そんなタマ子もいよいよこの町を出る決心をし、中学生の男の子にそのことを告げるが素っ気ない態度を取られます。その後の一瞬の間が可笑しい。最後に一言、「自然消滅なんて言葉、久しぶりに聞いたわ。」と小憎らしく吐き捨て突然のエンディング。この唐突な終わらせ方に、最後の最後でまた爆笑してしまいました。モラトリアムは終焉を迎え、これから厳しい社会の中での物語が幕を開けるのです。頑張れ!タマ子!そして女優、前田敦子さんのこれからの飛躍を応援します。[DVD(邦画)] 7点(2015-01-14 20:50:49)

7.  異人たちとの夏 《ネタバレ》 シナリオライターの英雄は、幼い時に両親を事故で亡くします。多感な時期に愛情を受けずに育ってきた英雄は、人当たりも冷たくあまり人間味を感じない。奥さんとも離婚することになり、ますます生きる気力を失っていきます。そんな彼はある夏、桂という女性と亡くなった両親に再開します。桂とは恋愛関係となり、忘れていた愛を取り戻していきます。また、失われていた記憶を取り戻すかのように両親との会話や食事を楽しみ、親の愛情を久しぶりに感じるのである。しかし、自分の生命力が弱っていることを桂の言葉で悟り、両親と会うのをやめると誓うのです。最後、親子ですき焼き鍋を囲みます。英雄の感謝の言葉を聞いた両親は、これからも彼が生きていく意思があることを感じ食事に手をつけることなく夕日と共に消えていきました。「ありがとう。お父さん、お母さん。俺頑張るよ。」ここで終われば感動のハッピーエンド。「生きる希望を取り戻した男の愛情物語」ということになるのだが、大林監督はそんなに甘くなかった。恋愛関係にまで発展していた桂も、自ら命を絶ち幽霊になっていたというオチ。しかも寂しさを紛らわすため、英雄を自分だけのものにしようするホラーさながらの超展開。これは大林監督の「どんなに希望を持って生きようとしても、必ず理不尽や恐怖、絶望が襲ってくる。それらを乗り越えなくてはならない。生きるって大変なんだ。」というメッセージだと勝手に解釈しました。また、ここまでの不思議体験の中の愛はあくまで英雄が相手からもらったものであり、自分が愛してやった訳ではありません。英雄は悪魔のような顔になり、桂の血飛沫で体中が赤く染まります。この状況下でも命乞い(自己防衛)をするようなことはありませんでした。桂の寂しさに気付けなかった己を悔い、一人で寂しい思いをしないよう自分を連れて行くよう必死で呼びかけます。桂は本当に愛されていたことを知り、生きてほしいとの言葉を残し去っていきました。英雄は初めて人(幽霊だけど・・・)を本気で愛したのである。現実に戻った後、息子に花札を教えてやると言ったシーンは印象的でした。男四十路、独身。これから厳しい第二の人生が始まるのだ。大林監督は面白い視点から、生きることの難しさを表現しました。[DVD(邦画)] 8点(2015-01-13 00:06:02)

8.  豚と軍艦 《ネタバレ》 とてもエネルギッシュな映画でした。まさにバカヤローな男どものドタバタ喜劇。とにかく、この映画の中の「男」に何一つ魅力を感じません。弱いものから金をせしめる。妊娠した彼女を簡単に中絶させる。引っ掛けた女を米兵に受け渡す。親分と慕われている銀次でさえ、胃潰瘍を末期がんと勘違いしノイローゼになる始末。これまでの日本映画のヤクザ像とは一線を画しており、高倉健の任侠映画の真逆を行っています。この男どもの末路も哀れで、自分の育てた豚に踏み殺され、ある者は便所の汚水に顔をうずめて死んでいきました。オーバーアクト気味な演技もなかなか面白かった。加藤武のいかれた演技、言動は異彩を放っていました。また、若干17歳の吉村実子の体を張った演技も凄い。吉高由里子の蛇にピアスの演技なんてまだまだ。若者の有り余るエネルギーが、全てマイナスの方向に放出してしまいました。普通なら陰湿な映画になってしまうところを、喜劇にしてしまう今村監督は凄い。まさに日本版ヌーヴェルヴァーグ![DVD(邦画)] 8点(2015-01-07 22:27:14)(良:1票)

9.  カラフル(2010) 《ネタバレ》 イジメや母親の不倫など、多くの問題に耐えきれず自殺した少年の再起をかけた修行の話。この映画はまさに人生の教科書だと思います。人が良すぎて残業をばかりさせられるのに、一向に昇進しない父。ストレスのはけ口として不倫をする母。医学部受験を理由に無関心を装う兄。一つのネジの緩みをきっかけに家族みんなが壊れていく負のスパイラル。真が命を取り留めたことをきっかけに、一からやり直そうと懸命な母。その思いとは裏腹に、母の不倫に嫌悪感を抱く真は辛く当たります。母親って家族の中の「華」だと思う。その「華」が枯れたり、汚れたりしたときの家族に与えるダメージの大きさをリアルに描いています。開きなおったような真の姿に秘かに思いを寄せていた唱子は、不信感をいだきます。この映画で唱子の存在って重要で、自身もいじめられていた唱子は、苦境に立たされても意思を曲げない強い真を尊敬し心の糧にしていました。それを知った真は初めて、自殺前の真も愛されていたことを知るのです。ここからだんだん変わっていきます。本音を言い合える友達もでき、生気が戻り人間らしくなっていきます。このような伏線があり、家族会議で友達と同じ高校に通いたいことを涙ながらに告げるのです。家族が初めて本音でぶつかったシーン。とても感動しました。兄がティッシュを取るとこが最高にいいですね。悩むひろかに対し、「全然普通。何もおかしくないよ。それでいいんだよ。」と優しく語りかけます。ただあくまで、「これからはお互い一生懸命生きていこうね」ということが前提の言葉だと思います。家族だってこれでずっと仲良くハッピーエンドのわけがなく、これからも就活、老後問題など困難な出来事が何度もやってきます。プラプラは真が復活の試験に合格した後、戸惑う真をしり目にたまには気に留めてやるという言葉を残し、あっさりと去っていきました。あくまでも、本番はこれからなわけで家族や友達と協力し合って生きていかなければなりません。原監督は、めでたし、めでたしで終わらせるような映画は作りません。オトナ帝国だって、「大人になって綺麗なお姉さんといっぱいお付き合いしてみたい。」という名セリフがあるが、ちゃんと大人になるかはしんのすけ次第で確約などされません。「厳しい内容の映画で、生きる希望を与える。」私はこれこそが最高の映画だと思います。[DVD(邦画)] 10点(2015-01-04 23:46:49)(良:1票)

10.  流れる 《ネタバレ》 まだ映画鑑賞歴の浅い私であっても、この映画が大変豪華であることは分かります。これだけの女優が共演しているにもかかわらず、役者同士で潰しあうこともなく、それぞれがとても自然な演技をしていて驚きます。これ絶対に今、活躍されてる俳優さんも見習うべきだと思います。控えめな田中絹代の正座やお辞儀など動作一つ一つがとても美しい。忘れかけられている日本の女性像がそこにはありました。この女優陣の中で異彩を放っていたのは、やはり杉村春子でした。人を食ったような演技は本当に見事。酔っ払って大立ち回りをし、しばらくしてひょっこりと帰ってきたシーンは何故か憎めなく、微笑ましかった。これだけのキャスト陣にもかかわらず、自然で流れるようなストーリーを作ってしまう成瀬監督は天才だと思います。ラスト、新しく開店予定の小料理屋で働くことを促された梨花の複雑な表情が脳裏から離れません。店を閉じることなど知る由もないつた奴は、歌いながら三味線を弾きます。その音がとても切なく聞こえました。最後、2カットほど外の景色が映されますが、木造の建物の奥にコンクリートのビルが見えるあたり、時代の流れ行くさまを感じてしまいました。[DVD(邦画)] 9点(2014-12-31 01:19:55)

11.  さや侍 《ネタバレ》 これは普段の松本人志のコントをつなぎ合わせ、大衆向けにアレンジしたのものだと思います。はっきり言って松本さんらしくないです。こうなってしまった原因は、監督初作品がカンヌに招待されある程度の評価を受けたからではないでしょうか。大日本人は監督業の不慣れもあり雑ではあったが、松本色はそこそこ感じられる作品でした。松本監督は当時、「海外ウケなど全然考えていなかった。カンヌに招待されることがあらかじめ分かっていればもっと海外を意識したものを作った。」と発言しています。ただ、カンヌは「ある方面でのコメディー映画の最高峰」と言っており、松本監督の繊細でマニアックな芸風を評価したのです。海外ウケなど狙った時点で、海外の評価はもとより松本色が消えたことで日本での評価も落ちてしまいます。北野監督は海外ウケなど狙っておらず、自分の撮りたいものを撮って評価を得たのです。しんぼる以降の低評価はそこにあるのではないでしょうか。本作は脱藩した野見勘十郎が捕えられ、30日間で母を亡くし笑顔をなくしてしまった若君を笑わせられなければ切腹させられるというもの。まさか30回も一芸を見せるなんてことないよなあと思ってたら、8割くらい見せてきたのでビックリ!そりゃ最初は野見さんもキャラが立ってるんで笑えるけど、10回目くらいからはさすがに飽きてきます。期限が迫ってきても全く緊張感がなく同じテンポでことが進むので、どんどん笑えなくなっていくという悪循環。最後の坊さんの歌も完全に大衆向け。「心配しないで~♪父は今、母と一緒にいますぅ~♪親と子の絆は永遠ですぅ~♪もしかしたらこうして初めて父と子の絆は永遠となるのかもしれません♪もし、会いたくなったら愛する人と出会い~愛する人を愛してください~♪」無責任な・・・期限延長してもらったのに簡単に諦めんなよ。潔く死ぬなんてのは逃げであって、土下座して無様な姿を晒し命乞いをする方がたえを守っていくための愛を感じるし、よっぽど侍だと思います。これからのたえの壮絶な人生を映画にしたほうが面白いのではないでしょうか。小細工なしのわがままな松本監督の映画を観てみたい。[DVD(邦画)] 3点(2014-12-30 00:47:36)

12.  ももへの手紙 《ネタバレ》 元来、妖怪といえば人間にとって恐ろしい存在であり、決して相容れあう関係ではありませんでした。最近になって夏目友人帳をはじめ、人と妖怪との共存を模索するアニメ作品が出始めました。本作の妖怪は死んだ人間が天に召されるまでの間、死者とその家族を見守る役割で登場します。人との関係性からみれば従来の妖怪像であり、普通ならばどこか畏怖の念を持って作品を観てしまいます。しかし、本作では妖怪の性格が、ズボラで情けなくどこか憎めない。反対にヒロインのももは元気いっぱいな多感な小学校6年生の女の子。妖怪に恐れをなすどころか逆に弱みを握り顎で使う始末。この関係がこの作品をとても観やすくしています。ももと母親のいく子は、父親を水難事故で亡くしてしまいます。住むところがなくなり、叔母の住む汐島に引っ越します。ももは父親と最後に喧嘩別れをしてしまったことを後悔していました。父親が船に乗る前に残した手紙をももは見つけるが、「ももへ」と書かれた宛名以外は空白でした。人一倍、気を使い不器用な父は謝罪の言葉が見つからなかったのだ。空白の手紙一枚で父と娘のこそばゆい親子関係を想像させてしまう沖浦監督は上手いですね。いく子も普段は明るく振舞っていたが、旦那のいない寂しさを紛らわすため知らないうちに無理をしてしまい、持病の呼吸器系の病気が悪化し倒れてしまいます。ここからクライマックスへと繋がるわけだが、普通の作品だとここまで辛く厳しいストーリーをみせられると途中で疲れてしまいます。しかも、妖怪の映画となれば余計に陰湿な感じを受けてしまいます。ももと妖怪の絶妙な関係。ももといく子の明るい性格。近所の人たちの温かさ。この3点で沖浦監督は暗く厳しい物語を明るい日常物語にしてしまいました。凄いですね。後は、怒涛のクライマックス!マメの言葉で吹っ切れたイワとカワは、仲間の力を借りて台風の中ももを今治まで運びます。妖怪達のトンネルを「こうなったらヤケクソでござるー」と叫びながら滑走するイワ!かっこよかったぞー!ももが父親に宛てた手紙を持って消えていくイワ、カワ、マメにうるっときちゃいました。こんな愛すべき妖怪いないぞ。最後、小舟で父親からの手紙が届くシーンは素晴らしいですね。こんなにも不器用で優さの詰まった短い言葉・・・号泣しました。人間は一人では生きていけない。そんな沖浦監督の気持ちが伝わってくる素晴らしい映画でした。[DVD(邦画)] 9点(2014-12-29 20:41:16)(良:1票)

13.  夢(1990) 《ネタバレ》 見事な映像美の連続で大変見応えのある映画でした。桃畑での舞いや水車の村の風景の日本画的な美しさ。また赤富士や鬼哭の話の中に見られた陰と陽の色彩のコントラストの美しさ。まさに映画といった感じで天才黒澤明のセンスが光っていました。夢の中のストーリーは結構単純で、前半は自然や死者、霊などへの畏敬の念。後半では、科学の力に頼りすぎてしまった人間の末路についての話となっています。8話目の水車の村の話が、「今後人間はどうすればいいのか?」についての黒澤監督なりのメッセージとなっています。近代技術を拒み、自然を壊さぬよう自家発電で生活していけばいいではないか。お葬式もたくさんの苦労をし、一生懸命生きてきた故人をお疲れ様の意味も込めて最期は明るく送ってあげようよ。ということなのだが、自家発電で生活というのは正直、単純すぎて無理があるかと思いました。ただ黒澤監督の熱い思いは伝わってきました。1~8話の中で、トンネルの話が一番印象に残りました。トンネルの中から行進の足跡が聞こえてきて、暗闇から兵隊の青白い顔が浮かび上がってくるシーンはゾッとしてしまった。また気になったのが、鴉の話の中でゴッホが「描きたい風景を探すな。どんな風景だって見方を変えれば美しいものさ。」という言葉です。黒澤監督といえば、満足な映像が撮れるまでは何週間でも粘ると聞いていたので意外でした。何か映画撮影に対して心境の変化みたいなものがあったのでしょうか?本作は紛れもなく芸術作品であるが、内容は明快で分かりやすく誰もが楽しめ、鑑賞後には皆で語り合いたくなってしまうところがこの映画の魅力ではないでしょうか。[DVD(邦画)] 7点(2014-12-28 00:38:03)

14.  ふしぎな岬の物語 《ネタバレ》 吉永小百合さんが初めて自らプロデュースした作品。また、先日亡くなられた米倉斉加年さんの遺作でもあります。前半は永遠のヒロイン、吉永小百合節が炸裂しています。岬カフェの店主である柏木悦子の入れるコーヒーを飲みに医師や牧師、遠くからはるばるやってきた親子など様々な人たちが集まります。悦子は一杯のコーヒーに、目いっぱいの愛情を注ぎこみます。「美味しくなーれ!美味しくなーれ!」とジャムおじさんもびっくりな愛の魔法をかけたコーヒーは、みんなの心を掴みます。深夜、店に侵入してきた泥棒にまでコーヒーをご馳走し人生これからだと諭します。気持ちの悪いほどに優しく温かい悦子は聖母のようだ。みんなが昔から憧れてきた吉永小百合像がそこにはありました。後半は展開が一変します。30年来の親友である不動産会社に勤めるタニさんがこの地を離れることになります。漁師の徳さんの死も重なり、心にポッカリ穴が開き塞ぎがちになってしまいます。実は愛をもらっていたのは悦子の方だったのです。甥である浩司から想いを寄せられていることに気がつき、戸惑うシーンなど過激な描写もみられるようになります。クライマックス、台所から出火し炎が燃え広がるが一点を見つめ微動だにしません。有りがちなシーンではあるが、印象には残りました。その後、募金によって岬カフェは再建されます。要するにこの映画は、人間というのは支えあい助け合わなければ生きていけないのだ。愛って大事だよね。という典型的なヒューマニズム映画である。私は映画の内容よりも吉永小百合という女優の奥深さを知れたことが大きかった。いつまでも綺麗で優しいイメージの裏には、映画全盛期を生きてきて数多くの映画に出演しその数だけ苦労もしています。その陰の部分を隠すことなく、この映画の中でさらけだしてくれたことが嬉しかったです。[映画館(邦画)] 6点(2014-12-26 00:27:12)

15.  大人の見る絵本 生れてはみたけれど 《ネタバレ》 サイレント映画なのに声が今にも聴こえてきそうなほどに見事な演出でした。小津監督作品のいわゆる「小津調」に比べ、本作はテンポが速く感じました。子供たちは皆、自分の父親が一番偉いのだとアピールします。それほど当時、父親という存在は大きかったのでしょう。私の時代でさえ、友達から自分の悪口を言われる分には平気だったが、父親の悪口を言われるとついカッとなったものです。そんな自慢の父親が職場の上司の機嫌をとるため滑稽な動きをしたり、変な顔をしている映像が写し出されます。これは子供にとってはキツイ。小津監督の作品ってほのぼのしたイメージが強いけど、結構強烈な描写が多いんですよね。この作品もコメディータッチだが内容は厳しい。このような経験から次第に父親や大人社会に対し、嫌悪感や失望感を抱くようになりギクシャクしてきます。これは今も昔も変わらないですね。私自身もこのような体験をし、反発をしていた時期はやはりあったと思います。社会に出て仕事をするようになって、大人の世界の厳しさや理不尽さを知り、父親の苦労を知ることになります。「生活」を撮らせれば、小津監督の右に出るものはいないです[DVD(邦画)] 8点(2014-12-25 00:16:03)

16.  黒い画集 ある遭難 《ネタバレ》 この作品、山の厳しさがよく出ていたと思います。槍ヶ岳の頂上からの美しい風景にうっとりしたのもつかの間、数十分後には霧が巻いてきて天気が一遍します。山が牙をむいて人間に襲いかかってくる様は緊迫感があってよかった。児玉清の極限状態で精神的に蝕まれていく演技が一層、山の厳しさを引き立てました。ただ、ミステリーとしては無理があった。長期天気予報を見てこなかった。わざと休憩を多く取って疲れさせた。立山の地図を持っていかなかった。さすがにこれだけの情況証拠で殺人を認めさせるのには無理があります。江田が動機を語りだしたのにも正直驚いてしまいました。登山の最中、槙田がねちねちと江田を口撃して追いつめていったのは古畑任三郎みたいで面白かったけど・・・ 山より何より、わずかな出演にも関わらずあまりの美しさに私の心をわしずかみにした香川京子さん。ラスト、「山はまた二人の命を奪ってしまった。」とさらりと言い放った香川京子さん。あなたが一番残酷でした。[DVD(邦画)] 7点(2014-12-23 13:07:03)

17.  千年女優 《ネタバレ》 走る!走る!戦国時代から、幕末、戦中、戦後、そして月まで。とにかく走りまくりの87分間です。立花の、一度でいいからここまで追いかけられたいという言葉に賛同。男冥利につきますよね。ストーリーは、思いを寄せる顔も分からぬ男を探しに行く。それだけ。単純明快な映画です。普通なら飽きてしまいそうですが、くるくる変わっていく躍動感あふれる映像、張られては丁寧に回収されていく伏線、蜘蛛巣城や無法松の一生へのオマージュ、どんどん今敏の世界に魅せられていきます。映画は「絵」で語るんだ。アニメ映画を作るならば、アニメでしか表現できないことをするんだ。このような今敏監督の覚悟がひしひしと伝わってきました。立花に「今度はきっと会えますね。あの人に。」と問われた千代子の「どうでしょう・・・でもどっちでもいいのかもしれない。だって私・・・あの人を追いかけてる私が好きなんだもん。」という最期の言葉の深さ。体は年老いても、心はずっと青春時代のままなのですね。一人の女性の一途な恋を描いた素敵な作品でした。[DVD(邦画)] 8点(2014-12-22 23:00:15)(良:1票)

18.   《ネタバレ》 刑事である吉岡は恋人である春江を水につけて殺してしまう。極度の強迫観念にかられた吉岡は、類似事件が発生するたびに敏感に反応し精神に異常をきたしてしまう・・・というしょーもない男の話。吉岡は恨まれ殺されてしまっても不思議でないはずなのに、優しく接してくる春江に対し居た堪れなくなります。そんな吉岡は、別の殺人事件で水につけて殺された赤い服の女の偶像を作り出す。彼女は療養施設で孤独な生活を強いられていたとき、たまたま船に乗っていた吉岡と目が合ったにもかかわらず、何もしてくれなかったことが恨めしいという理由で付きまといます。大変理不尽な目に合うが、これは吉岡自身、何か罰を受けなくてはならないという思いがそういった状況を作り出しているのであろう。だからって、同僚の刑事さん巻き込んじゃまずいでしょう(笑) 最後の春江の怒っているような寂しいような微妙な表情は、「殺すことないじゃん。普通に仲良く暮らしていれば一番幸せだったのに。」とでも言いたげ。なかなか風変わりな映画でした。[DVD(邦画)] 6点(2014-12-18 23:48:41)

19.  寄生獣 《ネタバレ》 アニメも現在視聴中。全体を通して無難にまとまっていました。気になったのは、新一の性格です。ごく普通のいまどきの高校生で、ちょっと頼りなくて手を貸してあげたくなるような感じではないんですよね。アニメで、ミギーの細胞が体に回った後、人が変わってしまった新一に対して、「ごめんなさい。人違いでした。」と言い放ち走り去っていく村野が好きだったのですが、映画では特段性格が変わった感じを受けなかったので何かしっくりきませんでした。新一の性格って、この作品において結構重要だと思うのだけど・・・一番印象に残っているのが、余貴美子さんが頭をぶんぶん振り回し、新一に攻撃してくるシーン。シュールすぎて笑ってしまいました。大女優に何をやらしてんのよ、山崎監督。後、エンディングで流れたBUMP OF CHICKENのパレードっていう曲のクオリティーの高さに驚きました。[映画館(邦画)] 5点(2014-12-15 00:28:26)

20.   《ネタバレ》 キャストは水戸光子と小沢栄太郎の2人のみ。恋人である正に無理やり箱根旅行に連れてかれる。道中、正が犯罪を重ねてきたことを知り、愛想をつかす敏子。何度か敏子は別れを切り出し正の元を去ろうとするが、正の巧みな話術と悲哀めいた演技に翻弄され結局、彼を受け入れてしまう。小沢栄太郎の嫌らしい演技と表情が上手いんですよ。初めは怒りの態度をとり、正に背いている敏子がトンネルを抜けるたびに距離が縮まり、いつの間にか寄り添っているシーンは大変印象に残りました。女性はダメ男に弱いですよね。女の性を見事にみせた作品。[DVD(邦画)] 6点(2014-12-13 01:17:56)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS