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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 八甲田山 《ネタバレ》 上に立つ者が無能だとどうなるか。 三国連太郎の大隊長は絵に描いたような悪者ですが、 北大路欣也の中隊長だって何で抵抗しないのですか。 「ただの付き添いだから」と了解して付いてきたのに何度も口を出されて、「現場の指揮権は私にあります」と何で言えないのですか。悔しい思いで見ていました。 逆らえない「空気」。 現実のその後の大敗北にまっすぐつながるような気がします。 対比的に描かれているのが弘前から出発した高倉健の中隊長。 秋吉久美子演じる案内人の村娘が役目を終えて隊を離脱するとき、無表情な中隊長はそのまま見送るのかと思いきや「案内人どのにたいし、捧げ、筒!」一同で最大限の敬礼をします。 ここなんですよね。 wikiをよむと史実とはだいぶん違うようですが、集団となった日本人のいけないところがくっきりと描かれている良作です。 2時間以上の大作でこれでもかと兵士たちが狂い倒れていくのを見続けるのはつらかったのですが、よくもまあこんな雪中ロケを敢行した製作陣の熱意に頭が下がります。大滝秀治、緒形拳、前田吟、東野英心ら脇役も好演。 9点啓上。[DVD(邦画)] 9点(2020-01-14 07:35:32)(良:2票) 《改行有》 2. ジーン・ワルツ 《ネタバレ》 人気原作を忠実に映画化したため、ストーリーが広がりすぎて、絞れば良かった。扱っている問題は産科にかかわる物と、生命倫理。ムトウショウの子を堕胎して記念写真を撮り光を見せたいという神経が理解できない。代理母も件も現実感が感じられない。取り上げる問題には関心がそそられるが、解決が一方的すぎて、違和感を感じてならない。 妊婦たらいまわしは何故起きるのか。事前に診察して席を確保していないからでないか。 代理母までして子を持つ倫理に正義はあるか。 面倒だから堕胎する、相手の署名があればいい、という書類だけで通る物か。 「じゃあ早くしろよ」と乱暴な口調になった大杉漣の演技は原作がもう少しあったのではないか。路上駐車に「ここは困ります」と七三分けの点も描写不足。 望む患者を全て受け入れるという方針の現実感。 大森南朋は役者の使い方としてどうなのか。 医療事故ですぐ捕まる物か。訴訟が多いからなり手がいないのは事実か。 いろいろ問題提起はしていそうだ。 でもブラックジャックによろしくに全然追いついていない。 あるが、娘の子を母が代理するという設定は面白かったが。若い子の改心はありきたりだが、出産とその後のシーンはいい演技をしていた。桐谷美玲。粗暴な言葉、ガンを飛ばす。教え子に似ていたのかも知れない。菅野美穂を観たくて借りたが予想通りの作品。[DVD(邦画)] 2点(2020-01-12 22:17:13)《改行有》 3. さようなら 《ネタバレ》 寂しさを抱きながら死んでいった主人の亡骸をおそらく数ヶ月以上見続けたアンドロイドは、自我を生じて主人をいとおしみ(寂しいという感情が芽生え)主人の記憶感じ方の蓄積としての自分の存在意義を、彼女の意志を継いで竹の花を発見することに求める。 病状の進行を歪んだ画面にする、死に行く経過をロングで暗くする、ピエタのミイラを見せる、映像表現はとてもすばらしい。 若山牧水とカールブッセの引用も効いている。 小屋も田舎暮らしのようで枯れた芦原の中でさびしい情景を美しく表現している。諏訪市の霧ヶ峰高原だそうだ。 この画は記憶にずっと残るだろう。 その一方で、 孤独であるために被差別者の設定で外国人を主役にし、酷薄な在日韓国人を相手役にする。終末の寂しさを出すために発電所の事故と国外避難の設定にし、AIもそうだが時事問題的で妙に生々しく党派的主張が強い。舞台劇の映画化なのか何故か平板な演技と会話を延々続けて眠くなる。扱う題材はよいし、映像表現もよいのだが頭で考えた映画。 アンドロイドの声は人間の当てレコだろうか。これも機械なら技術の進歩はすごいことなのだが。[DVD(邦画)] 7点(2020-01-12 22:14:13)《改行有》 4. かぐや姫の物語 《ネタバレ》 山、都。月の三つの世界があり 山は少年時代のたいせつな思い出 すがりたい過去 都は大人になってからの現実 日々のくらし 月は死の世界 運命 月は穢れのない平穏の世界 天女「清らかな月の都お戻りになれば そのように心ざわめくこともなく この地の穢れも拭い去れましょう」 姫「汚れてなんかいないわ 喜びも悲しみも この地に生きる物はみんな彩りに満ちて 鳥、虫、獣、草木、花、人の情けを」 雪の上でゆきだおれた時に月の世界を思い出している。 月の迎えは、来迎そのものである。 良かれと思ってしたことが姫には受け入れられず、 再起を待つ草の芽を見て都の生活を受け入れる。 そのくせ庭に山を見立てた庭園を造り心をなぐさめる。 貴公子の死を知り自分の行為をのろい 「私もみんなニセモノだ」と庭園を壊す。 山(捨て丸)への憧れと、都(親)を捨てきれない束縛。 媼だけはその苦悩を知り密かに山へ連れて行く。 捨て丸に出会った姫は「しあわせになれた」と告げて二人空を飛ぶ。 満月を前にして姫は抗しきれず彼の前から姿を消す。 捨て丸にも妻子を持っている現実がある。それなりに受け入れて子を抱く。 本当に姫と逃げるつもりなどはない。 (おそらく姫はそれに気づいてしまった) 来迎までの出来事には決着というものが無く 結局はかみしめるしかない それらを含めて、いまわの際には愛着を持って思い出すということか。 死を見据えて作ったような作品。 帝の入内要請を断る姫の台詞「おとうさまが位に就いたのを見届けて死にます」 帝から逃れようとして月を呼んだ。 月に戻るということは現世からの離脱すなわち死 誰のものにもならない(すてまるの元に行きたかった)ということを守り抜いた結果がこれである 翁が姫と山に居続けていたら、すてまると結ばれ、月に戻されることもなかったのだろうか。 生きている実感。 かぐや姫がどうしてそこまで頑ななのか、理解にくるしむ。 月の住人ゆえの感じ方か。 まとまらずすみません。[DVD(邦画)] 8点(2020-01-12 22:13:03)《改行有》 5. 連合艦隊 《ネタバレ》 「主役」 2013/01/03鑑賞 30年ぶりにみましたが無理のないストーリーで意外でした。 特撮もそれはそれで鑑賞に耐えます。 この映画を見て軍艦にハマリました。 作品全体を貫く主役って古手川祐子かなあ。 小田切父の「こんなはずでは」ってあたりの台詞も深いのだけれど。 「群青」そらで歌えるほど好きです。[DVD(邦画)] 8点(2020-01-12 21:59:15)《改行有》 6. 復活の日 《ネタバレ》 「カーター」 2013/01/03鑑賞 以前は、ヨシズミがワシントンから南米の果てまで 歩いていくあたりが好きだったのですが、 ヨシズミとカーターが雪原で殴り合うシーンもいいですね。 カーターは祖国が犯した罪を一人で背負うつもりだったのでしょう。 原作の小松左京さんの語り口が大好きで何度も読み返しています。 細かな部分の省略やBGMのチープさなどいろいろつっこみどころはあるでしょうが、 主題歌と配役のすばらしさでOKです。[DVD(邦画)] 8点(2020-01-12 21:57:34)《改行有》 7. 武士の家計簿 《ネタバレ》 「後半が…」 2013/01/06鑑賞 世情を反映してかこういう作品も成り立ちます。 倹約も工夫と思えば苦ではない。 堺雅人さんがいい味出してます。 目の優しさ厳しさがいいいです。 仲間さんもすてきです。 四文銭を犀川に捨ててきなさいという辺りが秀逸でした。 ただ後半の落としどころがぼんやりして、登場人物が次々亡くなっていって…… というあたりは、史実に忠実にということなのか、 映画としては面白味に欠けました。[DVD(邦画)] 6点(2020-01-12 21:56:08)(良:1票) 《改行有》 8. 日本沈没(1973) 《ネタバレ》 「日本人への愛か」 2013/01/03鑑賞 テーマは何でしょうか。 最後までよくつかめませんでした。 丹波演じる首相が主役とは思うのですが。 日本人は滅んでいいのではないかと語る老人に、涙をためてましたよね。 日本人への愛かなあ。 エネルギッシュな本郷猛(笑)もグッドでした。 展開としては前半眠くなりますが後半から面白くなります。 特撮もまあよくがんばってます。[DVD(邦画)] 7点(2020-01-12 21:54:29)《改行有》 9. 道頓堀川 《ネタバレ》 「業の深さ」 2013/01/04鑑賞 初め誰が主役なのかはっきりしませんでしたが、 山崎努をそこに置くとよくわかります。 山崎の豹変ぶりがこの作品の肝です。 前半は微笑を絶やさずやさしいマスターです。 「突かせてもらえますか」は中毒患者です。 そして「バクチは地獄や」と繰り返すラスト。 妻の末路、大滝の孫の過去、 それだのになぜ9番を手で落とし息子に勝たせたのか。 加賀まりこの狂った感じもしびれます。 真田広之と松坂慶子の悲しい感じはよくわかりません。 ただ松坂のかわいらしい大阪弁は好きでした。 これで二回目ですが、 あと二回くらい観ればいろいろまた見えてくると思います。 宮本輝、いいですね。 ダンサーの女の子だけがこの地獄から脱出できたのかもしれません。[DVD(邦画)] 7点(2020-01-12 21:52:23)《改行有》 10. 大日本帝国 《ネタバレ》 「天皇陛下万歳」 2013/01/03鑑賞 篠田三郎エピソードが辛すぎます。 夏目雅子(日本)と共に生きていく選択はできなかったのでしょうか。 自分が手を下してないとはいえマリアを見殺しにしたことを許せなかったのでしょうね。 死に見入られた者の悲劇という気がします。 あおい輝彦は逆に生還したんですね。 信仰で救われた東条(丹波)と、信仰を捨ててしまった篠田。 いくつか鼻につく台詞が入ってたのは残念。[DVD(邦画)] 8点(2020-01-12 21:49:24)《改行有》 11. 戦国自衛隊 《ネタバレ》 「友を裏切る」 ラスト夏八木勲さんの演技に心打たれます。 もんどり打って倒れた伊庭を見やる表情。 真骨頂です。[DVD(邦画)] 10点(2020-01-12 21:48:11)(良:1票) 《改行有》 12. 星を追う子ども 《ネタバレ》 「強さ」 2013/01/06鑑賞 人は愛する人を失っても生きていけるはずだという 強さを教えてくれる映画です 何度もこれから観させてもらいます[DVD(邦画)] 8点(2020-01-12 21:44:34)《改行有》 13. ヒポクラテスたち 《ネタバレ》 伊藤蘭が見たくて観たけれどいただけない。 古尾谷雅人が精神的に追い詰められていくところが感情移入できない。 まわりの人物はそれなりにキャラが立っているが、なんだか。 バラバラで最後にそれぞれの未来が説明されてるが何を言いたいのか解らない。 学生運動が下火になって、賭けるものがなくなった若者のしらけの気分が出ていると言えば言えるが、 ストーリーとしてはつまらない。 ヒポクラテスの彫刻を最初重々しく出してきたわりには、何を描きたかったのか。 最後にみどりが服毒自殺するのも、そこまでの過程が描けてないから唐突。[DVD(邦画)] 2点(2020-01-12 21:41:08)《改行有》 14. さびしんぼう 《ネタバレ》 「もう一つの顔」 人生とは、いろいろな痛みや失意をすべて受け入れて毎日を力強く生きていく。 それが大人である、と風呂場のドウリョウさんは息子に伝えたんだと思います。 未来の妻がもう一つの顔を見せているのは息子の成長の証なんでしょう。 ただ、そこにいくまでの少年期の浮ついた感じや、楽しい感じの描写が自分には合いませんでした。 それに長い。[DVD(邦画)] 4点(2020-01-12 21:38:14)《改行有》 15. BU・SU 《ネタバレ》 「ブスじゃなくてブスッと」 題名の「ブス」は心がブスというより表情がブスッとしてるってことかな。 少女が東京に出てきた理由が最後まで明示されないのが落ち着かない。 後半がすばらしい。 いろいろと痛みを感じて、でも踊りを芯に据えて生きていこうと決めて文化祭で演じることにする。 しかし途中でセットが崩れて呆然とするのが秀逸。 お七と同じく準備したキャンプファイヤーに火を点けるのも悲しくていい。 それでも彼女は力強く生きていくでしょう。 最後の、母と談笑する富田靖子が素のままで、 それまでの鬱屈した感じの役と変わりすぎていてよくない。 スタッフロールを見てこれは富田靖子のPVかと思いました。[DVD(邦画)] 8点(2020-01-12 21:36:34)《改行有》 16. 39 刑法第三十九条 《ネタバレ》 「共犯者」2013/01/11鑑賞 「君は予想外の共犯者だ」の言葉に涙が出ました。 子役の優しい表情がここで生きてきます。 もし妻が偶然殺されてはいなかったら、ケイスケは妻も殺せたのか。 いろいろとリアルすぎて目を背けたくなる場面があります。 現実の39条の適用はどうなのでしょうね。 この映画の影響はあるのでしょうか。 鈴木京香さんはすてきでした。 口元がいい演技をしますね。 他の共演者も。 樹木希林さんも岸部一徳さんもいいですね。 わかりやすいキャラではないですが。 ただ母子のすれ違いと和解の意味がよく分かりませんでした。 音楽も静かでいいです。[DVD(邦画)] 7点(2020-01-12 21:32:27)《改行有》
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