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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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1.  容疑者Xの献身 《ネタバレ》  二回視聴。最初観た時非常に面白かった印象があったので再度見直してみました。話の筋自体は何となく覚えていたので演技とか小道具とか細部にも注意を向けることができました。  宮崎駿さんが言うのには、特異なキャラが登場するのがエンターテイメント(トトロみたいなやつ)、誰にでも起きうる物語を文学作品(例として火垂るの墓)と分類できるそうな。すると、この作品はエンターテイメント的な犯罪捜査と文学的な犯人、犯罪で構成されていると思われます。そのことをよく理解した演技の役者陣はさすがというか、このメンバーのレベルなら当たり前になりますか。 ただ、見ている間ずっと疑問だったのが、このトリックが意味があるのは本物の死体が発見されない場合だけなのに、死体が発見されなければ偽装工作としての殺人も必要がないわけです。つまり、偽装工作の殺人にはまったく意味がなく、推理小説の素材としての意味しかないわけです。これをどう考えるのか。リアリティがないと否定するのか、想定外で面白かったと肯定するのか。 まあ、こんな原作の在り方もあると見聞が広がった感じで私は嫌いじゃございません。[地上波(邦画)] 8点(2024-05-09 11:59:38)《改行有》

2.  志乃ちゃんは自分の名前が言えない 《ネタバレ》  青春物の盛り上がりを期待してみたけど肩透かし。あの結末は映画としてはない。でも、それで仕方ない、それしかあり得ないだろうって必然性は感じる。グダグダだけど救いはある。  それでも、音痴なのにミュージシャン志望ってキャラ設定はありえないと思う。よく演技したよ。しかも、音痴なのに分かるように最後歌唱するとか演者にしたら拷問だろ。ちゃんと説得力のある芝居で感心しました。志乃ちゃんも熱演でタンバリンも良い演技だった。でもなんか無理があったかな。タンバリンがイケメンすぎるのかな。女子がかわいいのはよろしい。  難しい原作を頑張って映画にしたとは思いますが、難しい作品になってしまったかな。でもあの年齢特有の生き辛さはよく出ていて良かった。[インターネット(邦画)] 4点(2024-04-29 23:49:37)《改行有》

3.  アドレナリンドライブ  この時代の作品ってちょっと面白いんです。バブルが崩壊した後の方向を失った感じが好きです。冒頭のシーンからああ、こんな時代だったなって全開ですね。隣の店長がいかにもでありえないけどありそうな感じの芝居がさすがだな。石田ひかりすごいスタイル良くてドキドキしました。でもなんかお肌がイマイチなんですよね。この時代は人と人が仲がいいと気持ち悪いみたいな雰囲気がありました。個性重視と競争主義、悪しき個人主義が蔓延してましたね。初めてパヒューム見たときに「私たち仲良しなんだよねー。」とかすごくビビックリしたのを思い出します。  松重さんのタフさは立派ですが、追跡物はあまり考えないで偶然に見つけてしまうとかあっても面白いですよ。逆にテレビで放送される方がありえない感じを受けました。最後の落ちもちょっとありえないと思いますが、まあ、これ以上この作品観てもなんともならないので幕引きとしては仕方ないのかも。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-08-09 21:29:22)《改行有》

4.  君たちはどう生きるか(2023) 《ネタバレ》  タイトルからして人はその人生を主体的に生きることが前提になっているのが分かります。主人公は母親のいる病院の火事(1940年なので空襲ではない)で周囲の止めるのを振り切り現場に駆け付けますが、救うことが出来ませんでした。即ち子供的万能な主体性は傷つきますが、二年後、疎開した際、美しく若い新しい母親(夏子)に出会い、魅かれながらも彼女を性的対象にすることを許されず、決定的に無気力になってゆきます。しかし、彼の行き場を失った自我は喧嘩の傷を自傷の形で追加します。これは多分復讐と呼んでも良いでしょう。或いは主体的に生きることが出来なかった負の紋章とも考えられます。もしかしたら、この辺り革命を叫びながらも社会を変えられず鬱屈していった団塊の世代の思いの表現かも知れません。  ですが、その後新しい母親が異世界に誘い込まれるのを目の当たりにして性的な部分でないところでの関係性が構築できると考えた主人公は彼女を救う冒険に旅立ちます。様々な困難を乗り越えて夏子に会うことが出来ますが、これを可能にし成功を保証するのがアオサギ男です。異世界のガイドですね。冒険の途中、火を使う少女と出会いますが、彼女こそが実の母親、久子の若き日の姿でした。ですが、この辺りちょっとボーイズミーツガール的な雰囲気で微妙な感じです。作品の最後に別の時間帯に続く扉を開けて異世界を後にする二人ですが、久子は主人公を明確に自分の子供と認識しています。  さて、ここからがよく分からない所ですが、その久子はどうして入院していたのでしょうか。作中の若い久子に見ているとその後何があっても健康を害するようには見えません。それに火を使う能力を持った彼女が火事で死んでしまうようなことがありうるでしょうか。実は、主人公が継承することを放棄した世界の制御を彼女が行うことになったのではないかと思いました。でも、そのために病院を燃やすほどのイベントが必要なのかなとも思います。神隠しで充分だろうと。  あと面白いと思ったのが、食べられてしまうという危険です。ユーチューブで、獲物を狙い待ち伏せするチーターが後ろから来たライオンに捕食されるシーンを見ました。生きることは死を前提にして初めて意識されます。病気でも事故でもない、捕食される事が最も唐突な死です。食べられる可能性を示すことで生きることの意味を更に強く表現しようとしたと思われます。実際、主人公が吊るされていた調理場には人間のものと思われるしゃれこうべなんかも落ちていたような。  後、鳥についてもコメント。アオサギってペリカンの一種らしいですが、彼らはすごく脳みそが軽いらしい。食うしか考えてないのね。その点、インコは賢いらしい。鳥類ではカラスと双璧をなすくらい。鳥って恐竜の直属の子孫ですから本来強力だし、かっこも良いんです。最後の最後にインコの王様とか結構いいキャラ出してきて宮崎さんの底知れぬ創造力を感じました。  なんか、色々訳の分からんことを描きましたが、あの宮崎監督の新作を観られた事がうれしい。そして、人々のその時々に見せる表情や歩く時の膝の角度とか土のへこみ方とかそんな細部の拘りがこの年でようやく分かるようになり見入ってしまいました。彼の作品のすごいところは登場人物の多さ、そして、その沢山の命にいちいち来歴が感じられること。昨今はアニメ映画全盛の感ですが、やはり少しばかり格の違いを感じました。[映画館(邦画)] 9点(2023-07-23 23:33:09)(良:1票) 《改行有》

5.  キングコング対ゴジラ 《ネタバレ》 面白いです。その割にテレビで放映されなかったのはやっぱり「土人」てのがまずかったせいでしょうか。この土人はみんなあの伝説の大部屋の役者さんたちだと思いますが、踊りも演技も器量も粒ぞろいです。素晴らしいですね。出てくる女優が皆、綺麗でびっくりです。あとね、有島さんですね。すごく面白い芝居しますよね。今あんな人いませんね。  怪獣物が致命的に抱える問題点は格闘が出来ないことにあるとどこかで聞きました。だから、岩投げてごまかしてるんだと。それでも、この作品では頑張って格闘らしいことをしていました。重い着ぐるみ着て涙が出るほど頑張ってます。それでも、それを承知で冗長だと思ってしまう自分がいます。  モスラの時は怪獣興行が馬鹿な山師の仕業でもなんか納得できましたが、コングのスポンサーを気取る製薬会社の宣伝部長には違和感ありすぎでした。コングなんてあんな危険な生物、勝手に持ち込みして迷惑かけて大きな顔しているのは、まあ、納得は出来ないですよね。でも、民間企業の無謀な企画が巨大な災厄を齎すという話はジュラッシク・パークとかバイオ・ハザードなんかでもあるように定番化しますよね。[地上波(邦画)] 8点(2023-05-06 14:54:17)《改行有》

6.  CUTIE HONEY キューティーハニー 《ネタバレ》  いい作品だと思います。「愛の戦士」キューティーハニーを映画化するのはそれなりに難しいと思いますがちゃんと出来ている。怒りに燃えてパンサークローの四天王の一人を倒しますが、愛の戦士はそれを反省して、残る二人は返し技で倒し、最後の一人はシスタージルに抹殺されました。コミカルなアクション映画とはあまり見ない難しいジャンルをよくまとめたと思います。  ただ、あまり面白いとは思えない。何が悪かったかなあ、ピンク映画みたいな音楽かな、安っぽくなったかな、あれで。あと、京本政樹がなんかつまらなかったかな。海ほたるから吹っ飛ばされる戦闘員とかはよかったな。片桐はいりはさすがだった。でも彼女がまた戦う所をシスタージルが抹殺したのはほっとした。いい演出だと思う。頑張って6点かな。映画の評価って何だろうと考えこむこの頃です。[インターネット(邦画)] 6点(2023-04-26 23:23:00)《改行有》

7.  シン・仮面ライダー 《ネタバレ》  悪くはない。鑑賞後調べたところ漫画版に準拠したストーリーだったようでなるほどな、って感じ。  不満はありますよ。無論ね。サイクロン号から出される排気、ノスタルジックにモクモクしてましたが、今日では性能の悪さを表しているようでやめてほしかった。それともっと大事なのは変身している状態とそうでない状態の違いがなんか曖昧。ここがしっかりしていて、「変身!」ってやるのが自分にとっての仮面ライダーなので頼みます。あと、銃の扱いですね。日本の子供映画では銃と爆発物は殺傷能力がないのが不文律ですからサソリオーグが撃たれて死んじゃうのはそれが特別な銃である必要があります。一応ハチオーグにはそれがありましたのにどうしたのでしょう。群生相の仮面ライダーが発射する機関銃は威力ゼロでこれはお約束通りでした。また、サソリオーグが登場した際ハサミの爪が擦れて実に作り物っぽい音がするんですけど何考えてるのかしら。頭の上で尻尾がうねうねするのは良かったですが。役者はおおむね良かったですけどルリ子さんがちょっとぬるいかな。もっと強い口調でやってほしかったです。  よかったところは最初の戦闘シーンでの強さ表現、ライダーキックの必殺性ですね。例のタカタカターン、タカタカターンの音楽が響き渡るシーンは痺れました。あれが仮面ライダーですよね。一号、二号の関係性も良かった。いろんなところでロケして様々なシーンがありましたが、良かったですよ。  とにかく、タカタカターン、タカタカターンのライダーマーチが頭から離れない。あのシーンを見ただけでもう満足です。ありがとうございました。 追伸:上記投稿の後はドキュメンタリーを見たり、youtube見たりもうどっぷりライダー世界に沼ってます。それで分かりました。ライダーは孤独なんです。そして途轍もない能力を持っていて、一人で戦っていて、そして、二号という友と巡り合うんです。あのコートを着てさすらう存在なんです。それは私の若いころでもありました。孤独で能力があると思い込んでいて何かと戦っていました。何十年も忘れていた感覚を思い出しました。あの若き日。でも、今一言いいたいです。一人で戦ってはいけません。それは自己満足です。本当に戦う価値があるのならば必ず仲間はがいるはずです。もう様々なことが思われて映画として評価できません。私にとっての庵野監督はきっとノスタルジーなんです。[映画館(邦画)] 7点(2023-04-08 00:27:50)(良:1票) 《改行有》

8.  HOKUSAI 《ネタバレ》  いい役者も出てるし、映像もきれい。しかし、なんかイマイチ。滝沢馬琴始め若手の役者三人が江戸人らしくなくてしらける感じかなあ。花魁役も色気があったとはあまり思えない。なんか残念だね。  でも、良いシーンもたくさんあった。突風に驚く人たちとそれを面白がる北斎のシーンはすごかったな。絵を描くシーンもすごい。この頃って下書きなしに墨と筆で線を描くのをちゃんと映像にしてるのが信じられない。役者って書けちゃうもんなんだろうか、すごいね。[インターネット(邦画)] 6点(2023-02-23 23:14:30)《改行有》

9.  のぼうの城 《ネタバレ》 原作を読んで、すごく楽しみにしていたシーンがあったんだ。御屋形様が敵方に内通するということがみなに知られて「秘密を知った奴は生かしておけない!」と憤る丹波守に、のぼうが、「大丈夫だよ。みんな御屋形様が好きなんだ。御屋形様の命が危ないと分かれば誰もそんなことを話したりしない。」と諭すところだ。  ところがだよ、この映画じゃ宥めるのが武勇自慢の丹波守なんだ。のぼうのセリフもあるけどおちゃらけにしかなってない。なんだよ、何で変えちゃうんだよ。これじゃまるでのぼうはただの馬鹿じゃないか。何やってんだよ、監督。何出しゃばってるんだよ、佐藤浩市!てめえら、原作読んだのかよ。萬斎、お前分かって演技してんのかよ。信じられないぜ。  この改変によって主人公ののぼうさんは普段は阿保のふりをしているけれど人の心がわかりすぎるほど分かった人物だという表現が失われ、忍城が戦いを選択するのもただ、彼が馬鹿なだけだったとなりました。そこに人情に根差した深い洞察などがある可能性はなくなってしまったのです。  監督は腹切って当然でしょう。佐藤浩市さんはこの出しゃばりでこれからどんなに頑張って演技したとても自分的には大根役者で評価決定です。[地上波(邦画)] 3点(2023-02-18 13:19:51)《改行有》

10.  鬼滅の刃 上弦集結、そして刀鍛冶の里へ  これを映画化したのはどんな意図があったのか。いかにも中途半端な感じがする。映画館で観るとはお金を払うのだからそれがいらない環境よりプレミアムな何かが欲しいところだが、なんか、テレビの予告編的な編成だと思う。  10話11話に刀鍛冶の里編1話と書いてある通りなんだ。10話と11話の終わりにはそれぞれのスタッフのクレジットが流れる。こんなの私は初めてでした。1話の終わりのクレジットと映画としてのクレジットは別に流れただったかなあ。  まあ、大きなスクリーンで観れることは良いことですが、音はしょぼかった印象。無限列車みたいなメガヒット狙いというよりあれを何度も劇場で見るようなファン向けと考えた方が納得がいきます。[映画館(邦画)] 5点(2023-02-13 18:04:31)《改行有》

11.  いのちの停車場 《ネタバレ》  知り合いが大絶賛していたので、視聴。マジかよの出来でガッカリ。原作があることが信じられないほどの不出来なストーリー。在宅医療のドラマとは思えない。校正入ってるんですかね。    58歳の官僚が死の床で子供のころ欲しかったプラレール、って言うんだけど確かに発売は1958で計算上は合うけど1992のきかんしゃトーマスから認知の自分としてはすごい違和感。確かに調べれば間違いとは言えないけど。  小児がんの在宅医療ってのはなしで学校に行く必要から多分、院内学級とかある病院に入院すると思うんですけどね。  新薬の治験では一応急性の毒性に関してはチェック済だと思うのでいきなり血を吐いて死んでしまう展開は誤解を生むのではないかと思います。  老人の住むゴミ屋敷みたいなのは第三者が清掃するのも本人が認めなくて難しいのにそんなところはお構いなしやって感謝される展開はちょっとどうかなと思いまいした。  もう、豪華な出演者で皆さん達者な演技でそこはすごいと思うんですけど、その分残念感に変換されてしまう。あと、個人的に温かい人間関係=家族みたいな描き方に気持ち悪さ全開。唯一良かったのは田中泯の病気で脳の異常で苦痛を感じてモルヒネも効かないって設定。彼の演技も迫真ですごかった。  あと、ついでに豆知識。医師の国家試験は何点以上が合格の資格試験ではありません。受験者の上位九割を合格とする選抜試験であります。ついでに言うと当然ですけど優秀な医者になる人ほど成績上位で合格します。そして、そのまた逆も真であります。[インターネット(邦画)] 2点(2023-01-15 10:11:56)《改行有》

12.  影武者 《ネタバレ》 封切り時に一度観た。その時は合戦シーンの人数のすごさを見ていた。この作品がとりたくて甲冑を準備するために「乱」を撮ったなんて話も聞いてた。もう四十年前だ。画期的な作品だった。  今回また観てみて当時は気が付かなかったこだわりが見えてきた。軍勢ごとに色分けされた旗印、武将たちの重々しいふるまい。城の片隅に山済みされた守備兵の死骸。勝頼のショーケンの良い感じ。家康の小者感もいい。馬の死骸なんてどう撮影したのかな。あれだけの軍勢そろえて夜襲で撮影する訳の分からなさ。ただ、今の目からすると集めた軍勢を見せつけようとするあまり表現として過剰になってしまった感がある。CG全盛の今日からするとまだまだ軍勢の数が物足りなく感じるのは逆に申し訳ないと思う。  影武者という表題が表すように主人公は影武者になる仲代なのだが、あまり主人公感がない。セリフ自体が当たり前にすくないし。そのせいか夢のシーンなんかで露出を増やしているのかもしれない。しかし、その露出が逆に違和感になってしまっているように感じるのは私だけだろうか。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-01-14 11:29:45)《改行有》

13.  ドライブ・マイ・カー 《ネタバレ》  私は素人役者もやっているので、稽古風景がかなり面白かった。本番の舞台を作ってゆくのには様々なやり方がある訳だけどこんなに素読みを繰り返すのはすごいな。感情的にはニュートラルな状態でセリフが入っていれば、舞台でその時起きる感情に則り芝居ができるって理屈かしら。面白いね。  音さんが死ぬまでは濡れ場が多くて参ったけど、それ以後はかなり良かった。淡々と抑えた芝居が多くてしかもそれが説得力があった。サーブの赤い色がとても素敵だった。あと、カセットデッキの作動音、懐かしい。  この映画、結構今日的な大問題を提示してますよ。女性が自立して、自己の責任で人生を歩もうとする時、男性がそうなのと同様に結婚相手以外とも交渉を持ちたくなるでしょ。それを男性がどう受け止めるかってことですよ。男性なら嫁さんが大事でちょっと浮気しましたみたいな感じ。もしかして、男女関わらず結婚相手のそんな行動を離婚しないで受け入れるのがこれからなのかも知れない。そんなメッセージを受けました。この辺りは村上さんらいしですね。子供がいないってのも一つの要件でしょうけど。  ただ、映画化にあたって原作では緑内障が原因でドライバーを雇うのに演劇祭の実行側から強制されるって設定変更は何故。広島を地元にしたかったからかな。わからない。だったら最初の事故のエピソードカットで良いのに。車を大事にしているって設定にも引っかかるし。[インターネット(邦画)] 9点(2023-01-07 15:40:18)《改行有》

14.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》  原作の存在は知っていましたが、際物っぽいでの敬遠してました。映画の方も見るつもりはありませんでしたが、チェックのつもりで少し見たら有村架純が主役なのでそのまま見てしまいました。彼女の芝居はなかなかいいですよね。それを支える男優がいい仕事している。塾講師、学校教師、そして父親。この父親の人物造形がすごく良くて深みがあった。それを見事に演じていたな。  受験の朝、雪が降って試験会場に行くのが難しくなる。歩いてでも行くという主人公。そこにスタッドレスを履いた、送るぞという父親。次のシーンであのずっと写っていたマイクロバスに乗っている二人。え、この車しか持ってないの?父親の野球に賭ける一途な思いが分かるところで、グッときました。もう、映画の後半はハンカチ握りしめてましたよ。ラストも良かった。あれほど鮮やかに親子関係の修復を表現できたのは奇跡としか思えません。  実話に取材しているってのがこの話のウリですが、いくら何でも最初の状況は極端でしょうね。塾講師が進める教材の量や種類にもどうじゃろ、ちょっと現実離れしてると感じる。だって、一般常識を教えるためにまず芥川から読めとか言うかなあ、普通。偏差値30ってのはガセじゃないにしても、もうちょっと下地は入ってたと思います。[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-01-04 23:10:53)《改行有》

15.  笛吹川 《ネタバレ》  古い映画には撮影した時代の空気が映り込んでいる。この作品もそうで大変興味深く見ることが出来ました。まず、合戦シーンがいい。今時の兵種ごとに分かれて密集する陣形よりかなりルーズな感じで戦っているのがそれらしい。で、侍大将が死ぬと配下で一番優秀な者がその後を継ぐみたいな描写もあって、下級指揮官は死亡率も高いし血統なんか重視していれば戦じゃ勝てないからなるほど思わされた。  また、裕福な商家が信玄の不興を買って家族皆殺しに合うのがこの作品の大きなモチーフになっている。いくら何でもこれは乱暴すぎる事件ではないかと考えましたが、よくよく考えれば戦国の狭い領国で一人金銭をがめていれば領国経営の邪魔だし、生かしておく意味もないわけでこれはこれでありだと思いなおした。武田は清和源氏の名門で何百年も甲斐の国を支配しているわけで目に見える恩恵はなくとも治安を保っているだけで恩恵ともいえるから何とも解釈次第ですね。農民が主人公だが、年貢を取り立てる場面はなかったなあ。なんとなく村を基盤にした徴兵制度みたいなのがあるのかと思っていたけど、この映画じゃ完全志願制だな。  まあ、この映画が歴史的に正しいかどうかは分かりませんが、いろいろインスピレーションをもらったのはたしかだし、その点で観て本当に良かった。  ところで、えらい目鼻立ちの整った末娘だと思って観ていたら岩下志麻だってさ。おぼこな志麻さんも素敵ですね。[CS・衛星(邦画)] 9点(2022-12-25 17:12:54)《改行有》

16.  すずめの戸締まり 《ネタバレ》  自分的には日本アニメを再発見した「君に名は」を超える傑作。出世作を超える作品、なかなかものにするのは大変と思われますが見事成し遂げてくれました。制作サイドも喜んでいることでしょう。小隕石の落下、異常気象に次いで再び天変地異、地震を取り上げその危機に対処する姿をボーイミーツガールに絡ませる王道展開もばっちりはまっています。更に好みのロードムービーなところも素敵です。唯一気に入らないのは彼氏が異常なまでにイケメンだってことだけですが、まあ、椅子になったりしますので、ざまあ、的にメシウマ感を味わえます。  「天気の子」で最大の失敗だと思ったのは主人公よりルックスが魅力的なサブキャラを出してしまったところですが、今回はそのようなこともなくそれぞれに魅力的ながら主人公を超えない程度のルックスがサブキャラには与えられています。そんな感じでちと主人公が美人すぎるきらいがあり逆に個性を失ってはいますが、全然、よろしいです。  いきなり猫を追ってフェリーに乗ってしまい、運賃はどうするのって心配していた自分でしたが、今時はスマホがあればそれなりの金額は使えるようになっているのですね。なるほどって感じ。でもなあ、若い女の子がヒッチハイクで移動するって事をおしゃれな冒険的に描くのは少し嫌な感じですね。それで、次の展開につながる出会いになったりするので物語的には必要なんでしょうが。あと、椅子の脚が三本だったことの説明があると思ったんですがそれはありませんでしたがこいつが走り回る姿は傑作であります。[映画館(邦画)] 9点(2022-11-23 18:09:49)《改行有》

17.  この世界の(さらにいくつもの)片隅に 《ネタバレ》  10点満点で120点付けたい作品だ。物凄く素晴らしい。昭和前期の女性の生きざまが例えようもなく新鮮。人生を前向きに懸命に生きようとする主人公の姿にいちいち感動する自分がいる。今を生きる人ならこんな環境をどう思うだろうかとつい考えてしまう。そこになんとも違和感を感じさせる軍隊と戦争の出現。異なる時代の異なる常識をここまで再現してくれたことに感謝。  この作品は120分版のロングバージョンだそうで前作では意味が分からなかった様々な事柄の事情が分かる。それはそれでうれしいわけだがなんかわからない方がよかったかもしれない。わからないことは様々な解釈が可能で物語に深みを与えるから。多分、こちらが本編として完成してから120分の標準サイズに切り詰めたのだろう。泣く泣く。よくそんなことが出来るな。自分には辛すぎて出来ないよ。アニメ作った人たちはどう思ったのかなんて想像もしたくない。だけど、切ったからこその前作の完成度だったからかもしれない。  敵機の攻撃は基本的には軍事目標に限定されるので民間人は狙われないのでそれほどの危険はないわけだが味方の発射した高射砲弾は無差別に破片が落下してくる。こりゃ怖い。知ってはいたけれど、ちゃんと表現してくれた。すごくうれしい。[インターネット(邦画)] 10点(2022-11-03 23:31:37)《改行有》

18.  耳をすませば(1995)  絵コンテと脚本を宮崎さんがやって、監督にはどんな仕事が残るのかアニメ制作をよく知らない自分には想像がつかない。なんか割とストレートな作品で、ストレスなく仕上げるためにキャラ設定で無理している感がある。例えば、天谷君のキャラ設定ってどうなのかな。見栄えが良く医者の子供なのに、雫の事が好きでこの子の興味を惹くために図書館の本を借りまくるとかありえない行為をする。そのくせ十五歳でバイオリンを作るためにイタリア行きを希望していたりする。いないよ、そんな子。十年後に帰ってくるとかボーイミーツガールの一番いいところだけやろうって魂胆が丸見え。それでも、なんか結構ファンも多いようだから、巧まずして続編制作できたわけだ。  作画的には雫の私服がスカート短すぎですごく不自然。制服は良いのに何であそこまで短くする?大学生のお姉さんの家事能力に感嘆。昔はあんな子が実在していたのか?図書館と自宅の距離感が自分にはよく分からなかった。電車で行く距離なのか、徒歩圏内なのか。自宅を団地の一室にしたのは初めて見た。英断だと思う。ただ、カットによって雫の自室の広さが変わっているように思えるのは気のせい?  とかとか、ストーリーが王道なので細部に興味が行ってしまいました。猫が案内するところがジブリらしいというか、バロンも併せて猫の恩返しに焼き直されましたね。魔女がクロネコヤマトのタイアップだったからこの作品はファミリーマートが絡んでいるのかと思ったけどそうでもないみたい。駄文で申し訳ない。機会があれば実写版の続編も見てみたいな。[地上波(邦画)] 5点(2022-09-19 13:17:44)《改行有》

19.  河童のクゥと夏休み 《ネタバレ》  シン・ゴジラは今の日本にゴジラが出たらどうなるかを映像にしたとも取れる作品だけど、同様に河童が出たらどうなるのかを考えたのがこの作品だな。自分的には発見時に公的な機関に相談せず自宅でペットにしちゃうのはどうかなとも思ったが、もうテレビ出演時には公的機関への相談なんかあり得ない事態になってた。  もう、クゥちゃんが途轍もなくかわいいんだよね。ルックスはそうだけど、まあ、心がきれい。それと、それを囲む家族のリアリティがすごい。特に妹。他では見られない人物造形だと思ってらクレヨンしんちゃんの監督さんなのね。そういえば、作画なんかもそんな感じ。きっと、いつもリアルの子供がどんな反応をするのか観察しまくってるんだろうな。泣いている同級生の女の子を扱いきれずに逃げちゃうとこなんかなかなか描けないところだよね。徹底的にオリジナルの子供目線に拘っていますね。この辺は、クレヨンしんちゃんで鍛えたところかもしれません。クゥちゃんがマスコミに登場した後の描写もリアルを感じる。家の周りに張り付くカメラとか、見物人とか、会社からかかる圧力とか、面白いね。おっさんについては賛否あるかもそれないけど、全国のワンちゃんの尊厳の為にもよろしかったのではないのでしょうか。 人間だけが嘘をつくのなら或いは、それが為に今日の種としての繁栄があるのかもしれない。そんな風に考えるとちょっと微妙な気分になります。[地上波(邦画)] 8点(2022-09-19 11:52:34)《改行有》

20.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》  ゴジラ映画が低迷を極めていた時見た「ガメラ」、あの衝撃に匹敵する作品でした。恐怖映画たる「シン・ゴジラ」とは全く異なる空想特撮映画として凛とそびえたっていました。二時間をかけて一匹の怪獣を見せた前作とは違い三十分番組を五つ繋げたような構成がまずウルトラマンの本質をついていました。  作品冒頭にすでに登場した五匹の怪獣を見せたあたりにウルトラQを感じ、怪獣との戦いにウルトラマンを味わい、異星人との絡みにウルトラセブンを思い出しました。CGがリアルじゃない事なんてあの頃の特撮へのオマージュとしか思えませんでした。庵野さんのとがったセンスを樋口監督が見やすくしてくれた感があり非常にナイスです。  さて、ちょっと理屈こねますが、あの頃は「しらけ」とか言って大学紛争で大騒ぎをしたにも関わらず社会を変えることが出来ずにニヒリズム(虚無主義)が問題になってたんです。この映画にもそんなシーンがあります。私個人がニヒリズムを克服するのに有効と思うのがヒロイズムです。ところが、いろんな人のいろんなヒロイズムはぶつかり合ってしまうこともあって難しんです。そんな時はどうするのか?話し合うんです。リピアもメフィスト星人やゾーフィと話してましたよね。話し合いは大事なことです。  ここまで怪獣って書きましたが、禍威獣ですね。結局、この字を当てないと「カトクタイ」って言葉が使えないんですね。まさか今時科学特捜隊なんていくら何でも使えないでしょ。そういう事だと思います。  最後、最後の戦いに赴く神永を見送る浅見はキスしませんでした。するのかなーとドキドキしながら見てましたが、しませんでした。これは、日本映画の心意気だと思いました。日本には日本の伝統と良識がある。その表明だと。ありがとう。うれしかったよ。[映画館(邦画)] 9点(2022-05-24 01:04:54)(良:4票) 《改行有》

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