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プロフィール
コメント数 14
性別 男性
ホームページ https://www.facebook.com/TatsuoHaruoka
年齢 68歳
自己紹介 つくる苦労知ってますので
その苦労考えると評価0はないですよね。
でも、ビデオが高額な時代、作品の酷さに腹が立ってよく投げ捨てていたので、その気持ちはわかります。
逆に映画をネットで見られるようになってありがたくなるばかりです。

映画探しで迷う時、このグループのおかげでたくさんの映画を教えてもらい助かりました。
少しだけでも楽しく恩返しできたらと思っています。

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  すばらしき世界 《ネタバレ》 原作『身分帳』既読。 映画は実話に基づく佐木隆三氏の小説『身分帳』を原案とするが、映画版は原作と比べて違った印象を受けた。 原作は事実に基づいた淡々とした記録風のルポルタージュで、再犯率5割という数字も客観的に提示されるだけだった。 一方、映画はその現実を舞台にしながらも、概ね問題点を強調するための脚色、演出が行われている。 映画を観て感じたのは、単なるエンタメとしての犯罪ドラマではなく、社会が再出発を支援できない現実に対する強烈な批判でもある。 三上は刑務所という閉ざされた世界から一歩外に出た瞬間から、冷たい壁にぶつかる。 映画では、その絶望と孤独、そして無理解な社会との対峙が、激しい衝動と内に秘めた儚い希望と共に描かれている。 役所広司の迫真の演技が、そんな三上の複雑な内面を余すところなく表現していて、 見る側としては胸が痛むほど共感せずにはいられない。 原作では数字と事実、取材に基づく冷静な記録があるだけで「こんな現実がある」という事実認識を重視している。 しかし、映画では、三上という男が社会に受け入れられず、再出発すらも許されない現実を強く押し出してくる。 たとえば彼が死ぬという結末は、演出というよりも現実における更生支援の欠如や、 社会全体の不寛容さに対する大声の叫びにさえ思えてならない。 わたし自身も現代社会に対して疑問を持ち、同じように過激な性格や内面を少し抱えている部分があるから、 三上の苦悩や葛藤はまるで自分を見ているような気がする。 映画の中で描かれる「再犯率5割」という数字は、ただ統計として受け止めるのではなく、 背負う過去と罪から逃れられない現実の重さとして映画では訴えるのだ。 社会は、一度裏社会に足を踏み入れた者を、どこまで冷たく拒絶するのか。 それは感情ではないのだ。仕組みとしての状況なのだ。映画はそれを三上の運命を通して突きつけてくる。 原作の静かな記述も良かったが、映画の演出には心が辛くなる。 しかし、あの演出がなければ、数字の示す本当の恐ろしさを見過ごしてしまうことになるだろう。 映画は、残酷な現実を示し「罪を犯した人が変われるのか」という問いを投げかけ、 それが口先だけの人事戯言でいかに困難なことであるかを訴えるのだ。 現実社会をかなり知る立場の私としては、全体的に物事を強調しすぎて現実から乖離しているところも多いと感じる。 しかし、ドキュメント映画のようにリアルに社会の断片を見ても普通の人から見ればそれが当たり前。 その社会が弱者から見ればイバラの道に感じることを現しているのだ。 だからこそ非現実的な演出としてメッセージ性を強めエンタメ性を持たせていることを理解するべきだ。 これを事実と違うなどという批判もあるようだがそれは見当違いだ。 現実がドラマより奇異なこともあるし、そもそもドラマは非現実のものを観るものである。 弱者に辛い日本と言われるが、反社の排除も結局は見て見ぬ振りしかできぬ社会的キャラを増長し、 他国の暴力犯罪組織を増やしている側面も見落とせないよな。などと感じる私がいる。 総じて、『すばらしき世界』は、 社会の冷酷さに直面する現実を痛感すると同時に、社会構造の脆弱性や葛藤を映し出す鏡のような作品だと感じた。 もと犯罪者の方々の再出発の難しさと、 それに対して社会がどれだけ無関心か、あるいは拒絶しているかを改めて問い直さずにはいられない。  [インターネット(邦画)] 8点(2025-03-09 06:31:36)(良:1票)
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