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1. ヘルプ 心がつなぐストーリー
《ネタバレ》 まず最初に日本じゃ絶対にこういう映画は作れないであろう!二つの人種、白人と黒人が同じ国の中で同じように1つの家の中で生活する。アメリカだからこそより強く感じられる人種差別問題と人種を超えた友情、そういうものが丁寧に描かれていて感心させられた。タイトルにある「ヘルプ」という本を書くことになる白人女性、ヒステリーな白人女性と金髪姿に巨乳を意識させるかのような馬鹿女全開の白人女性、いずれも全くタイプの異なる3人の白人女性の存在があるからこそそれとは対照的な黒人のメイド達の白人女性に対する接し方の難しさというものを大きく感じられる上にこの映画、白人にも黒人にもそれぞれ共感出来るようにきちんと描かれているのがこの映画の良い所である。黒人だというだけで白人の警察官に逮捕されてしまうエイビリーン、そんな中でもめげずに頑張ろうとする姿、そして、無事に帰ってきたエイビリーを優しく向かえる同じ黒人達大勢の姿に仲間意識、仲間を思いやることの素晴らしさを教えてくれる。色んな意味で考えさせられる映画になっていて見応え十分!ほとんど女性の視点的な雰囲気の映画ではあるけれど、男諸君も見て損のない映画である。それにしても見ている間、やたらと腹が減ってきて困った。そういう意味でも「ヘルプ」な映画でした。暗くなりがちなテーマなのに笑える部分もあったりと単なる暗いだけの人種問題映画になってないという意味でも評価したい。[映画館(字幕)] 8点(2012-04-06 21:44:51)(良:2票)
2. 河(1951)
最近の映画、特にアメリカ映画の多くは火薬、爆発音などといったものを多く使ってみたり、CGに代表される特殊技術を使ってのめまぐるしい映像などで観客を惹き付けようとしているように感じてしまう。それもそれで良いとは思う。だからと言ってそれだけでは観る側の想像力を低下させることに繋がると思うし、今の映画の多くはアトラクション化しており、映画全体の質の低下に一層、歯車をかけていると思えてならない。そんな中で今回、私が観た一本の映画、それがこの「河」という映画で、こういう作品を観ることが出来て本当に良かったと思える素晴らしい映画で、監督は世界を代表する名監督の中の名監督ジャン・ルノワール監督です。この監督の映画を観ているとどの作品も人間への愛、人間賛歌と言える美しいドラマが展開されて惹き付けられます。この作品、レンタル屋さんには置いてなくて、何ということか?たった500円という値段で発売されていました。昔の名作のDVDが今では500円で手に入る良い時代になったと感じる反面、これほどの作品がたった500円の価値しかないのか?なんて思う人がいるんじゃないかと思うととても悲しくなります。でもってこの映画、間違いなく名作と自信を持って言えます。まず、この映画の持っている色彩の美しさ、人間の心の美しさに、更に眼の覚めるようなドラマチックなストーリー、この映画の中で繰り広げられる人間賛歌、ジャン・ルノワール監督らしい厳しい視線と心温かい眼差し、その全てが見事に表現されていて、これぞ映画本来の持っている魔法の力とでも言えるべき素晴らしい傑作!いや、傑作どころじゃない。文句なしの大傑作です。[DVD(字幕)] 10点(2006-10-21 23:18:03)(良:1票)
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