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プロフィール |
コメント数 |
304 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
つたない文章力で自分なりのレビューを心がけます。映画館で観た作品は自然と評価が高くなりがちです。 |
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1. ラ・ラ・ランド
《ネタバレ》 最初のミュージカルシーン。停止する事で移動する乗り物でなく、お立ち台として機能する車。人の移動を伴いながら全てがワンカットで捉えられる。
グリフィス天文台のシーンでは、建物、オブジェ、踊りながら二人が描く軌道、プラネタリウム室、星などのあらゆる物が円のイメージをかたどる。キスで締めくくられる事で二人の関係性も円満に収束し、円で縁どられる二人が映され暗転する。
そして反復とズレ、空間距離と精神距離を一瞬で破棄する事で虚を突く、ありえたかもしれない過去を映すキスシーン。
他にも、原色を基調とした色彩や基本としてワンカットで貫かれるミュージカルシーン。
古き良き物として皮肉混じりに何度も映される、成功の象徴である壮麗なプールサイド。水の中に入りカメラが旋回する場面は露悪的な絢爛豪華さが一つの絶頂すら迎えている。
等等見所は多い。
ただ天文台での二人の初めてのキスを境に話が山場を迎えるにつれ、映画自体は凡庸化していく。
ハリウッド、夢、現実、挫折、成功、離反が事務的にも思える手際の良さで処理されていく。そもそもミュージカル映画にストーリーの深みを求める事自体間違っているのかもしれないが、ミュージカルシーンをとっても後半になればなるほど曲も見せ方も単純につまらなくなっていく。
そして作られた背景で作られた過去が繰り広げられるラストは、抒情に訴えるだけの安易な蛇足であり、二人にとって重要であったキスの不在と視線のやり取りを映すだけで十分であると個人的には思う。[映画館(字幕)] 6点(2017-03-05 00:17:19)(良:1票) 《改行有》
2. レヴェナント 蘇えりし者
《ネタバレ》 全ての行動が「生きる」ということへの執着に溢れていた。それは食べる事、水を飲む事、移動すること、寝る事、生きる残るために人を殺す事、息をする事。
これほど生々しく、そして痛々しく、生を描いた作品は今まで観たことはない。
そして、ショットを多彩に駆使しながら、自然と人間との相関関係を客観的に捉え続ける視点。
瀕死状態のグラスを徹底的にローアングルのクローズアップ(観にくく、窮屈な印象)で映し続け、自然と折り合いをつけながら、生きていくようになるにつれ、カメラアングルは引いていき、観やすく開放的な印象に変わっていく。
そして時折、全てを俯瞰して捉えた視点が挟まれる。
カメラ自体が、生きているようだった。カメラの視点が人間に対する、自然の距離感を表し、それは超越的な神の視点のようにも感じる。
台詞が少ない中で、映像、音楽、効果音で物語を魅せる凄さ。
寒さや飢え、痛み、孤独を画面の中から感じる事で、本当の意味での体感型映画を体験することができた。[映画館(字幕)] 8点(2016-04-29 02:53:53)(良:1票) 《改行有》
3. ブレードランナー
《ネタバレ》 レプリカントの本当の目的は復讐や人間世界の滅亡などではなく、生きたいという願い。それは、人間が抱くごく自然な感情。人間ではないレプリカントのロイは感情に身を任せることなく、デッカードを生かした。その行動は、今までの残虐的行動への彼なりの罪滅ぼしなのか、それとも、人間ではない自分でも極限の状況で理性を保つことが出来た。自分を生み出した人間にはそれが出来るのか、という彼等の人類への挑戦なのか、はたまたもっと別の理由なのかは分かりません。しかし、いずれにせよレプリカントは肉体的のみならず精神的にも人間に限りなく近い存在、もしくはそれ以上の存在になっていたという事なのではないでしょうか。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-01-18 21:44:25)(良:1票)
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