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1. さらば、わが愛/覇王別姫
《ネタバレ》 はるか昔に録画したテレビ放送のビデオで鑑賞。
最初に見たときはそれほど感動しなかった。レスリー・チャンの美しさが嘘っぽく見えて、それで物語に入っていけなかった。
でも、二度目は、何故か違和感なく引き込まれた。同性愛的愛情を抱いていることや現実世界で逃げ場がないことで、舞台の上という虚構の世界でしか幸せを見出せない男が、現実の過酷な動乱の中にいやおうなく巻き込まれる悲劇。ひたすら美しいレスリーの舞台姿が逆に嘘くさくていいのだ。うその世界の中にしか幸せがないのだから。二度目で気がつきました。
コン・リーが派手に登場して、そういう破天荒な振る舞いをするキャラクターなのかと思ったら、結婚してからは意外と常識的な女になってしまったのが、不満といえば不満。でも、コン・リーも、苦労してやつれた姿ですら美しかったから、まあ、いいか。
[地上波(邦画)] 8点(2007-09-09 20:40:51)《改行有》
2. 楊貴妃
《ネタバレ》 溝口監督でなければもう一点高かったと思います。溝口監督にしては、演技が大袈裟で、荒いなという印象。人物描写もやや深みを欠きます。肝心の話は、始めと終わりがあって、中間部が抜けている感じ。お忍びで祭りにもぐり込む場面は、やはりいい演出だな、と唸りました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-02-07 23:15:49)(良:1票)
3. LOVERS
《ネタバレ》 様式美の世界。ただそれだけ。でもそれだけでもいいや。美しかったし。監督の「東洋」に対するこだわりは十分伝わったし。物語的には突っ込みどころ満載だ。でも、それは、例えば歌舞伎が同じように視覚的な美の極地を追求しながらも、物語的には破綻していたり封建的な道徳が堂々と前面に押し出されて語られたりするのと同じだなと思った。気になる人は気になってしまうのだろうな。でも、私は最初からそう割り切って観ていたので気にはならなかった。視覚的に美しければ雪も降らす。それも歌舞伎みたい。いや、むしろ大衆演劇というべきかな。浅いといえば浅いし、表面的だといえばまったくそのとおり。でも、それでいいんじゃないかな、これは。[地上波(吹替)] 7点(2007-01-13 07:24:16)
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