|
プロフィール |
コメント数 |
250 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。 評価はもちろん主観です。 評価基準 各2点ずつで計10点 1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか? 2.視覚的に何かを象徴できているか? 3.プロットの構成は適切か? 4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか? 5.作品のテーマに普遍性はあるか? |
|
1. レヴェナント 蘇えりし者
本当にこの時代を舞台にした物語で伝えたいテーマやメッセージがこの監督にはあったんでしょうか、アンドレイ・タルコフスキーごっこをやりたい以上に創作の動機があったとは思えません。これを見ても当時のアメリカの先住民と入植者の関係や毛皮貿易についての理解が深まるわけでもありません。白人とインディアンに対する見方もダンス・ウィズ・ウルブズの頃からそう進歩したものでなく、既存の西部劇のイメージから逸脱するものでもありません。斬新と言えるのはあのクマのシーンぐらいでしょうか。アート系監督を気取るにはビジョンが陳腐で貧弱すぎると思いますよ。大自然の美しい映像も生々しくグロテスクな描写もそれらを撮るのにスタッフがいくら苦労したところで何らかのテーマに沿って構成しなければ空虚なだけですよ。[インターネット(字幕)] 4点(2023-10-18 23:45:18)
2. カオス・ウォーキング
デイジー・リドリーはこのまま先代スカイウォーカーと同じくスター・ウォーズだけの俳優で終わってしまうのでしょうか……。まあとにかく設定がよくわからない、よくわからないのでこれは何についての映画なんだろう?という興味だけは持続します。新世界(ニューワールド)、アメリカ大陸への入植初期を思わせる村の描写、この舞台が物語にとって重要な意味を持つかというとうーん別にという感じです。話が進んでいくと結局ボーイミーツガールで田舎から抜け出た少年の成長物語でしかないんですよね。この設定で露骨な性描写がないのでまあヤングアダルト小説が原作なんだなとわかります。ノイズはただのデメリットというだけではなく幻覚攻撃にも使えるという設定は面白いですが、それが特にアクションシーンで活用されることもないのでこの設定から面白いシーンを作り上げる意欲もなかったようです。これを見るとヴァレリアンはやっぱりすごくよく出来た映画だと思いますよ。[インターネット(字幕)] 4点(2023-06-07 22:58:09)
3. ブレードランナー
美術と撮影は確かに素晴らしい、この世界に浸るだけでうっとりしてしまう…とそれだけでは2時間も付き合う映像作品としてはつらいと思います。この映画、原作のアンドロイドは電気羊の夢を見るか?と微妙にテーマが違うんですよね。原作は人間にとって模造品が何の意味を持つのかというテーマ。たとえ模造品でも人間が本物だと思えば本物になる、むしろ模造品であろうと本物のように扱えるのが人間らしさだというお話。一方映画は模造品自身が自分のアイデンティティーについて苦悩するお話。デッカードがレプリカントであるという説は原作を読んだだけでは出てこないと思います、ただ映画版だと作品のテーマとしてその方が自然だからなんです。人間にどう思われようが自分は自分だというお話なので、ただの人間のデッカードが主人公である意味があまりない。たぶんそこら辺がはっきりしていないのは原作の設定をそのまま持ってきちゃってるせいなんでしょうね、脚色が中途半端だと思います。映画だけだとフォークト=カンプフ検査が何なのかろくに説明がない、クライマックスでロイがフォークト=カンプフ検査を突破するシーンぐらい入れないとなんかカッコいい装置でどういう基準かわからん検査をしているだけという意味不明なシーンになってしまっている。どこが違うかよくわからないバージョン違いも結局構成と編集が失敗しているからではないかと。謎が多いんじゃなくて説明不足なだけだと思います。[インターネット(字幕)] 5点(2023-03-13 23:57:35)
|