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プロフィール |
コメント数 |
218 |
性別 |
女性 |
ホームページ |
http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/ |
自己紹介 |
正直、生まれは平成じゃないです。かなり、昭和なムード。昔みた映画を思い出しながらレビューしますので、記憶がずいぶんあやふやかも。なにか変なところがあったら、http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/のほうにツッコんでおいてください。
好きな女優 「或る夜の殿様」の山田五十鈴、「近松物語」の香川京子 好きな男優 「お茶漬けの味」の佐分利信 好きなキャラクター グレムリンちゃんとマシュマロマン
☆評価基準 10点:超絶。ほとんど奇跡。 9点:傑作。かつ大好きなんだもーんッ! 8点:傑作だし、好きデス。 7点:素晴らしいです。好みの映画です。 6点:まあ、悪くないと思います。 5点:なにか気になるものはあります(~~; |
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1. ラ・ラ・ランド
《ネタバレ》 何度か見たけど、見るたびに泣ける。最初から泣けてしまう。
夢を追う自称ジャズ通の男と女優志望の稚拙な娘。けっして才能があるのでもなければ、血のにじむ努力をするわけでもない。どこにでもいるような、安易に夢を追うだけの若者。でも、夢追い人なんて、みんなそんなもんですよね。だから、みんな星屑のように消えていく。
エマ・ストーンは、ある意味で思慮の浅い尻軽女です。ライアン・ゴズリングは、ラテン音楽やロックまがいのジャズを軽蔑してるけど、じつはモダンジャズについてさえ半可通でしかない。でも、多かれ少なかれ、ほとんどの夢追い人なんてそんなものですよね。だからこそ、哀しくて愛おしい。
この映画の音楽やダンスが「全然たいしたことない」といって嘲笑する観客もいたようですが、そもそもこの映画は、非凡な音楽家やダンサーを描いているのではなく、哀しいほど平凡な夢追い人の姿を描いているにすぎません。
主人公の幼稚さや安易さが納得できないと感じる観客もいたようです。かりに「品行方正な努力家が成功する話」なら応援できるのでしょうし、「幼稚な勘違い野郎が挫折する話」なら自業自得だと笑えるのでしょう。しかし、この映画はそのどちらでもない。勧善懲悪的な見方をすれば、さぞかしモヤモヤさせる話なのだろうと思う。菊地成孔に倣って「ジョン・レジェンドが善玉なのか悪玉なのか分からない」といった議論を展開したくなる気持ちも分かります。
しかし、これは勧善懲悪的なストーリーではありません。むしろ、安易な夢追い人であるがゆえに、誰しもが辿らねばならない哀しい人生の標本です。この映画を愛する人々は、きっと自分と同じような夢追い人の安易さと、幼なさと、哀れさを愛し、その逃れようのない後悔にやるせなさを感じるのです。
女優志望の娘は、さしたる才能がないにもかかわらず、無能なジャズ男に愛されたおかげで、いっときの女性としての輝きを放ち、それによって幸運をつかみ取ります。…成功なんて、そんなものですよね。けっして努力が報われるのでもない。能力が正しく評価されるのでもない。たんに運の巡り合わせだけで成功するのです。いくばくかの才能はあったかもしれませんが、それを引き出してくれたのは、才能のない男の見境のない愛だったのです。
おまけに、彼女は幸運のなかで結婚するのですが、そのときに選ぶのは、自分を愛して輝かせてくれた夢追い男ではなく、おそらくは業界の大物です。これも必然だといっていい。最初から決まっていたかのような運命です。
運命は自分で切り開くものだと信じている観客にとって、これは納得のいかない結末かもしれません。しかし、これは自分で運命を切り開く物語ではなく、むしろ自分たちの力ではままならない運命に翻弄される、無力な夢追い人の物語です。
音楽がとても美しい。そして、ハモサビーチの桟橋で出会った老黒人夫婦のダンスと同じように、哀れな夢追い男女が二人だけの世界で踊り続けた下手っぴいなダンスが、たまらなくたまらなく愛おしい。[DVD(字幕)] 10点(2020-01-12 21:58:09)(良:4票) 《改行有》
2. トウキョウソナタ
《ネタバレ》 家族全員に襲いかかる(かなりお笑いじみた)それぞれの破滅。戦場、留置所、ひき逃げ、強盗による連れ去り。そんな「プチ破滅」をくぐり抜けて、辛うじて帰還した家族たち。もともとあった問題は何も解決していない。夫はたいした仕事に就けないし、妻が生き甲斐を得たわけでもないし、長男が家に帰ってきたわけでもない。けれど、何となく、戻ってきた家族たちは生きる力を獲得したようにも見える。あるいは、家族の安らぎを再発見したようにも見える。あまりに「家」のシーンが美しすぎるので、中流の設定のわりに上等な家に見えてしまうほどなのですが、それは、この映画が「家」というものに対して肯定的であるがゆえなのでしょう。したがって、「プチ破滅」から帰還した親子がふたたび食卓を共にするシーンこそ、実質的な結末と考えてよいのだろうと思います。とはいえ、綺麗なピアノの演奏を終え、家族3人が衆目の中を歩き去ってゆくラストもまた(これも笑えるんだけど)、なかなか気の利いた演出になっていました。あえて言えば、作品のメッセージがやや「内向き」だというふうに見えなくもない。戦争、心中、自殺といった死があふれる世界から、辛うじて自分たちだけが家へ逃げもどり生き延びる、という物語ですからね・・。[DVD(邦画)] 7点(2009-08-16 23:43:01)
3. 悲情城市
映画史に叩きつけたとんでもない傑作。と同時に、侯孝賢の作品の中では特異なほど密度の濃い映画でもある。彼の他の作品に比べて、ここには画面の外側に広がりを感じさせるような余裕がないし、時間の流れの中にも、ゆったりとしたものを与える余裕はない。それどころか、逆にこの映画の画面と時間の枠の中には、実際に描かれるエピソードをはるかに超えた大きな歴史の背景や出来事、あるいは壮絶な人間の関係や感情が、すべてギッシリと詰まっていて、映画の重圧感が物凄いです。まさに「歴史」というものの映画的表現があるとすればこれだと思わせるような力技。個人的には『童年往事』のようなゆったりとした作品のファンだったけど、さすがにこれは、好みの問題がどうあれ傑作だと考える以外にありませんでした。呆然とさせられるくらいに映画が凄かっただけ、エンディングがS.E.N.S.の音楽だったのは安易な感じがしたけれど。[映画館(字幕)] 10点(2007-09-07 03:38:47)
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