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【製作国 : 香港 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 長江哀歌 主人公の一人は特に見栄えも良くもないオッサンで、しかも9割方はくたくたのランニングシャツ姿でウロウロすると説明すれば、とても魅力的な作品とは思えないでしょう。ところがどうして、これが面白くて見入ってしまうのですからジャ・ジャンクー監督は、映画は、凄いのです。不勉強なもので三峡ダムのことなどほとんど何も知らず社会的背景をしっかり理解していないので、もしかせずとも全然わかってなくて色々と見落としているのかもしれませんが、そういった部分を差し引いたとしても、ただ単に人間と移りゆく時代の姿に胸を打たれたのです。[DVD(字幕)] 8点(2012-02-14 18:31:41) 2. 花様年華 あらゆる画面がほぼ完璧に近く、男と女の機微も非常によく捕えられていて、バカみたいに肌を露出させたりしなくとも男と女に驚くほど色気があり艶っぽいです。何気ない日常が断片的に切り取られているようでありながらも、現実と小説の世界が見事に交錯し幻想的にもなっています。もはや言わずもがなですが、トニー・レオンもマギー・チャンもとことんセクシーで惚れ惚れしてしまいます。・・・ただ気になってしまうのは、これは少々計算が立ち過ぎていて〝これ見よがし〟な印象も受けることです。 《追記》再見したのですが、やはり芸術を意識したような感じが鼻に付くところがあります。例えば、ラストのカンボジアの風景のカットをいくつか挿入し過剰なBGMをかけているところなどは、やり過ぎているように思えます。[DVD(字幕)] 8点(2009-04-06 18:21:58)(良:1票) 《改行有》 3. 傷だらけの男たち 《ネタバレ》 こう言っては元も子もないのですが、全体的に平坦で盛り上がりに欠けます。金城武が捜査をしトニー・レオンに迫っていくのですが、近付いていく感じが全く感じられません。また金城演じる探偵は重度の酔っ払いですが、ただ酔っ払っているだけに過ぎず、そこから何にも発展しませんし、時おり挿入される、いかにも現代風なサスペンス演出はスタイリッシュというよりも安っぽさしか感じさせません。…ただ、冒頭の捕縛場面でトニー・レオンが何気なくハンカチを手にすると蝋燭立てを持って犯人を殴打する狂気はゾクゾクさせてくれますし、この男がただの善玉警官ではないと一見にして判明するシーンでなかなか面白いと思います。ですが、この狂気というものが持続していないのです。そして何よりこの映画が致命的なのはトニー・レオンと金城武というカッコイイ男たちが、あまりカッコ良くみえないことです。哀しいトニー・レオンはもっとカッコイイはずです。[DVD(字幕)] 5点(2008-12-22 18:18:35)(良:1票) 4. ドラゴンへの道/最後のブルース・リー ブルース・リーの肉体や動きはもはや芸術の域に達している。その凄さたるや彼の前では敵役のチャック・ノリスも鈍重に見えるくらいだ。駆け出しの頃とは言え、このアクションスターがこれほど弱々しく映っていることが果たしてあるだろうか!ブルース・リーはそれくらいズバ抜けている。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-03-07 18:14:28)(良:1票) 5. 北京原人の逆襲 完全無欠の合成、完全無欠のミニチュア、完全無欠の金髪美女、完全無欠の極小皮ビキニ…これは凄い。象が行進してくるところなど確かに映像技術は稚拙もいいところですが、一瞬しか映らない巧みな編集で強引に突っ切られてしまいます。早い話〝ごまかし〟に長けているんですけど、初期映画を手掛けたメリエスが奇術師だったように映画はマジックショーと共通しているところがあって、〝騙す〟つまり〝ごまかし〟も一つの要素だと思います。そういう観点から見るとこれはなかなか良く出来ているのです…まぁ手品のタネはモロバレしているのですが、それはご愛嬌。しかも夜の方がごまかしが利くのにほとんど明るい昼間で勝負するという潔さに感心してしまいますし、観客が見たいものを熟知しており楽しませてくれます。ツッコミどころ満載ですが揚げ足取りはナンセンスで素直に楽しむのが一番の見方でしょう(ツッコミまくるのも楽しいけど)。なんせ金髪美女は何故かメイクバッチリで無駄毛処理万全で清潔、きわどい露出で動作が激しいですし、金髪美女を襲う毒蛇が何故か内ももを噛みますし、金髪美女が男に襲われるシーンは何故かリアル。バカみたいに金髪美女、金髪美女と連呼しましたが北京原人よりも犯罪的な恰好の金髪美女の方が鮮明に記憶に残ります。ビキニな金髪美女に破壊的な怪獣、香港映画特有のテンポの良さで興奮と笑いがあり、こういうのを楽しい映画と言うのでしょう。男子諸氏は必見?ですぞ。…ちなみに何故か名前が変わり?何故か勝手にセリフが加えられている?吹替えの方が面白いです。[DVD(吹替)] 7点(2007-07-13 18:29:53)(良:1票) 6. 女帝〔エンペラー〕 『ハムレット』と言えば優柔不断な王子を思い浮かべますが、これは不透明なハムレットの母、王妃ガートルードを主役に大胆なアレンジを加えた〝中国版〟であり、なかなかド派手で面白い視点だと思います。・・・が、騒々しい音楽をはじめ大部分が過剰に思えます。そして良くも悪くもチャン・ツィイーの起用が作品に多大な影響を及ぼしています。まず良い点として、やはり彼女が登場すると妙な化粧をしていようがしていまいが画面が華やぎます。さすが今アジアで最も勢いのある女優さんです。一方の悪い点としては、ツィイーは傾城傾国の美女としては満点なのですが、権謀術数の悪女にはまだ無理があります。もちろん熱演なのですが、どうしたって威圧感のようなものは欠けますし、サービスカットのつもりなのか必要性が感じられない吹替えヌード(おそらく)な入浴シーンもいただけないですし、官能的であろうシーンも扇情的ではなく、こんな悪女な役でもまだアイドル映画の香り漂います。例えばこれをコン・リーあたりが演じていればもっと違った趣になったのではないでしょうか。それにせっかくの豪華絢爛の美術もしっかり見せてくれません。ただ、ワンとウールアンの憎しみあいながらも心の通じ合いを思わせるような、戦いながらシンクロするアクションシーンはとても美しく一つの見せ場となっています。 ところで「女帝〔エンペラー〕」って跪きたくなるような妙な邦題はどうなんでしょう?そりゃ確かに女帝なんだけどさぁ。[映画館(字幕)] 5点(2007-06-22 18:38:28)(良:2票) 《改行有》
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