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1. 黒い箱のアリス
《ネタバレ》 情報量が少なく、謎の多い作品。
静かにゆっくりとした演出によって作品に引き込まれる。
どういうことなのか知りたくて、集中して見てしまいました。
とは言うものの、最終的なストーリー全体としてはシンプルで驚くほどのことはなかった。
作品のジャンルは最近流行のループ物ではあるけど、設定が斬新で面白かった。
過去に戻ると自分が2人いる状態になるので、姿を隠して何かするか、対面して説得するか、過去の自分を殺して入れ替わることになる。
真相を知って過去に戻ってやり直すのがループ物の定番ではあるけど、アリスや父親は真相を完全には把握せず過去に戻ってしまうので、無益な殺生を繰り返すことになってしまう。
真相がわかってしまえば誰も殺す必要なんて無かったことが理解できる。
事故の前に戻って車の鍵を捨ててしまえば問題は解決ということなのだろう。
でも、ひとつ重大な問題が残る。
過去に戻ったアリスはどうなってしまうのだろうか?
その時間軸には事故前のアリスがいるわけだし、姿を隠したまま生きていくのだろうか?
元の時間に残った父親も殺人事件の後始末をすることになるわけで、それはそれで地獄に思える。
車の鍵を捨てた時間軸のアリスたちだけがハッピーエンドで、他のすべての時間軸のアリスたちはバッドエンドになってしまうね。
見終わった後にそんなことをいろいろと考えてしまう興味深い作品だったように思います。[インターネット(字幕)] 8点(2023-07-12 13:28:02)《改行有》
2. グリーン・ゾーン
こういった政治的にデリケートな問題をエンターテインメントにしてしまうアメリカ人の神経に感心します。
内容的にはかなり反米ではあるけど、それでもやっぱりアメリカの正義と良心を中心に展開するという開き直りにも脱帽。
日本人もそういうポジティブな発想を見習った方がいいのかも知れない。
そんな政治的背景を抜きにしても、作品としての完成度は高くて、単純にアクション映画としても楽しめる。
サスペンスという側面に関しては、大量破壊兵器がないことは子供でも知ってる現状では、やや苦しい題材となってしまった感じです。
逆に実はあったというファンタジーに持ち込んだ方が面白かったかも知れない。
アメリカの正義と良心さえあれば、それくらいの脚色は許されるんじゃないだろうか。[DVD(吹替)] 7点(2011-08-21 18:51:12)《改行有》
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