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【製作国 : スペイン 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. マローボーン家の掟 《ネタバレ》 「成人になるまでは屋敷を離れてはならない」「鏡を覗いてはならない」「屋根裏部屋に近づいてはならない」「血で汚された箱に触れてはならない」「“何か”に見つかったら砦に避難しなくてはならない」――。自らに課した、そんな五つの掟を守りながら、慎ましやかに暮らしているマローボーン家の四人兄妹。イギリスからアメリカ郊外の山の中に佇む古びた洋館に越してきた彼らは極力外部との接触を断ち、恐ろしい何かから身を隠すように静かに暮らしていた。そんな折、持ち上がった館の相続問題。期日までに親権者である母親のサインがなければ、兄妹は離れ離れになってしまう。だが、彼らの母親はアメリカへの旅路で体力を使い果たし、帰らぬ人になっていた。何とかして事態を打開しようともがく兄妹たち。同じころ、末の弟が館の中で不穏な何かを目にするようになり……。果たしてこの館に隠された驚くべき真実とは?どうして彼らは鏡を覗いてはならないのか?そして、兄妹は無事に成人になる日を迎えることが出来るのか?古びた洋館でひっそりと暮らすマローボーン家の兄妹を襲う、そんな数々の不穏な出来事をダークに描いたゴシック・ホラー。制作を務めるのは同じくゴシック・ホラーの傑作『永遠のこどもたち』を撮った、J・A・バヨナ。いかにも彼らしい不穏な空気に満ちた、なかなか見応えのある作品に仕上がっておりました。取り敢えず、「何か裏がある」というのは冒頭から分かるのですが、観客を導くミスリードの仕方が抜群に巧く、最後まで全く気が抜けません。ことの真相は途中で半分くらいまでは予想できるものの、完全には分かりませんでした。この屋根裏の〇〇は〇〇で実は〇〇ていたというのは何とか予想できたものの、〇〇たちは実は〇〇の〇〇だったとは……って決定的なネタバレを避けるあまりもはや検閲文書みたいになってしまいましたが(笑)。それはさておき、普通にホラー映画としてかなり高い水準に達しているのが素直に素晴らしい。館の中に居る何かが徐々に兄妹たちを追い詰めていく描写の禍々しさといったらない。最後までずっと不安感が拭い切れないのはいいホラーの証ですね。そして、最後は切なく哀しい余韻を残してくれるのもこの監督ならでは。なかなか完成度の高いゴシック・ホラーの良品でありました。[DVD(字幕)] 8点(2020-01-03 04:01:07) 2. マジカル・ガール 《ネタバレ》 魔法少女ユキコ――。スペインの地で、重い白血病を患い余命幾ばくもない少女は、遠く離れたそんな日本のアニメを夢見ている。失業中の彼女の父親は、娘のせめてもの願いを叶えて逝かせてやりたいと思うのだが、明日の生活すらままならず、とても彼女が夢見る特注のドレスを買い与えてやることが出来ないでいた。自暴自棄に陥った父親は、宝石店に強盗に入ることを決意する。近くに落ちていた石を拾い、今まさにショーウィンドウを割ろうとしたその時、誰が吐いたのか空から嘔吐物が降ってくるのだった。そしてそれは、新たな悲劇の始まりとなるのだった…。様々な困難に直面した人々の偶然の出会いがさらなる悲劇を引き起こす様を終始淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。スペインが制作した日本のオタク文化である萌え系アニメをフューチャーした作品ということで今回鑑賞してみたのだけど、これが近年稀に見るほどのつまらなさでびっくりいたしました。何が駄目かって、まずタイトルにもなっている魔法少女ユキコという、この物語の要が一切活かされていないこと。白血病の少女が日本語のポップソングをバックに踊ったり部屋にポスターが貼られているくらいで、このアニメがどんな内容なのか一切触れられていないのです。なのでこの少女がどうしてこのアニメにここまで心酔しているのかがまったく分からず作品としてのテーマがかなりぼやけてしまっている。せっかく夢のような萌え系アニメと辛く息苦しい現実との対比といういくらでも拡がりそうな魅力的なテーマを扱っているのに、これでは勿体ないと言わざるを得ません。また、魅力的なキャラクターが一切登場しないのもいただけない。というより、登場人物が皆揃いも揃って根暗で常に眉間に皺を寄せてぼそぼそと喋るような人たちばかりで、誰にも感情移入できませんでした。そして無駄なシーンが圧倒的に多い。「ここ、本当にいるの?」と思えるような退屈なシーンのオンパレードで、自分は途中から眠気と戦いながらの鑑賞となってしまいました。無駄を削っていけばきっと三分の一くらいで収まったんじゃないでしょうか。冒頭へと強引にループする、あまりにも無理やりなラストなどもはや目も当てられない。残念ながら、自分には観るだけ時間の無駄の駄作としか思えませんでした。[DVD(字幕)] 3点(2017-02-19 22:51:41) 3. MAMA(2013) 《ネタバレ》 「ヴィクトリア、来て、窓の外でママが呼んでいるわ。きっと寂しがってる。ねえ、早く一緒に行こう」――。株式投資の失敗により気が違って妻を殺害してしまった父親に無理やり連れ去られてしまった幼い姉妹、ヴィクトリアとリリー。以来5年もの間、ずっと行方の分からなかった彼女たち。だが、叔父であるルーカスの懸命な捜索によって一軒の寂れた山小屋で野生児として暮らしていたところを発見されるのだった。ルーカスと彼の恋人であるミュージシャンの元に引き取られることになった彼女たち。だが、その誰もいないはずの山小屋で、ずっと彼女たちの世話をしてきた忌まわしき存在である〝ママ〟も、そんなヴィクトリアとリリーのあとを追ってくるのだった……。僕のこよなく愛する、理不尽で残酷な現実に押し潰されそうになりながらもその美しい想像力でもって立ち向かう一人の少女をダークに描いた傑作『パンズ・ラビリンス』を撮った鬼才ギレルモ・デル・トロ監督。彼が製作を務めたという今作もいかにも彼らしい禍々しい雰囲気が濃厚に漂うダークホラーの逸品へと仕上がっておりました。いやー、正直中盤まではあまりにも思わせ振りな演出が延々と続くうえに誰が主人公なのかいまいちピンとこないせいで、「デルトロ、久し振りにハズしちゃったかな~」と思いながら観ていました。なのだけど、ママの正体が明かされてからの畳み掛けるように続く後半の怒涛の展開は見応え充分でした。とにかく何が良いかって、やっぱりクライマックスのあの崖でのママと姉妹たちのそれぞれの切実な想いが交錯する美しいシーンでしょう。グロテスクな雰囲気が濃厚なのにどこか美しさをも感じさせる映像でもって描かれた、そんなママと姉妹との別れのシーンは出色の出来でした。もう、僕の好みと見事に合致していて鳥肌立ちまくり!!まあ、よくよく考えたら脚本上の粗が目立つし、中盤の展開が幾分か冗長という面もなきにしもあらずだけど、母と子の絆を妖艶に描いた、いかにもデルトロらしい切ないホラーとして素直に良かったと思います。7点![DVD(字幕)] 7点(2014-10-16 00:37:48) 4. マシニスト 《ネタバレ》 もう気持ち悪すぎて駄目!!クリスチャン・ベールのあの話題の激痩せは確かに目を見張るものがあるけれど、そんな彼の努力を無にするかのような奇をてらっただけの中身のない脚本と雰囲気ゴリ押しの演出がもう観てられない。そんな世界に、あの生理的に無理な痩せ細ったベールの身体……。もう、観れば観るほど不愉快になる作品でありました。[DVD(字幕)] 4点(2013-04-26 13:40:51)
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