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【製作国 : スペイン 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. トーク・トゥ・ハー 《ネタバレ》 これは、すごい映画だ。そりゃあベニグノの行為を責めることは簡単だけれど、そんなことに意味はない。だって、彼は知らないのだから。アリシアとの結婚の考えをマルコにとがめられた時のベニグノの顔を見れば、彼が望み作り上げたアリシアとの関係が社会的には許されないものだということを、彼が本当に知らないのだということに僕らは気付かざるを得ないわけで、それは良いとか悪いとかいうことではなく、要するに客観的な「悲劇」でしかない。でもこの映画がすごいのは、単にそういう悲劇を描いていることではない。むしろこの映画のすごさは、たとえば「リア王」のようなシェイクスピアの悲劇ならば主人公は必ず最後に知らなかったということを知るわけで、その意味で悲劇は主人公に訪れるのに対し、この映画では主人公のベニグノが結局知らなかったということをことを知らずに死んでしまうということ、そのことにある。悲劇は主人公にとっての悲劇ではなく、残されたマルコやアリシア、そして観客に押し付けられるのだ。それはなんとも不快な出来事ではあるが、考えてみれば必ずしも人生にはカタルシスが用意されているわけもなく、押し付けられた悲劇とモヤモヤとした不快感は、僕らのリアルな世界をきわめて直接的に表現していると感じた。[DVD(字幕)] 7点(2008-09-27 17:52:55)(良:2票) 2. バッド・エデュケーション(2004) まぁなんとも破廉恥な映画で、驚いた。人間の抑えきれない欲望が前面に出る汗臭い映像が意図的な演出なのだとしたら、それは監督の素晴らしい才能だとは思うが、好んで見たいとは思えない気がした。好みがあるだろうから、ストーリーについてもまあこういうのもありだろうとは思ったが、唯一、最後に登場人物のその後をテロップで語るのは安っぽいドキュメンタリーみたいだからやめようよ、という感じだった。[映画館(字幕)] 4点(2005-06-25 19:56:02) 3. スパニッシュ・アパートメント 主人公のグザヴィエは官僚を目指してしまうエリートのわりに、よく言えばおおらか、悪く言えばいいかげんなキャラクターで、時と場所と人によって違う顔を見せてしまう人物。ハリウッド映画を見慣れてしまうと、場面場面で違う顔を見せる主人公に違和感を感じるが、でも自分たちが住む世界を考えれば、人間、そんなものなのかもしれない。まさに、アイデンティティの共存。なにか高尚なものを与えてくれる映画では決してないが、リアルな世界をうつした映画であると言える。[DVD(字幕)] 7点(2005-05-29 11:22:25)(良:2票) 4. 死ぬまでにしたい10のこと 良くも悪くも、小さな世界を描いた小品。変にドラマチックでない映像は悪くはなかったが、平凡なblogを読むような感じで、どう楽しんでいいのか良くわからない映画だった。タイトルのわりに「死ぬまでにしたいことリスト」が意味のない小道具だったなと思ったら、原題は全然違うことに後で気づいた。あの原題に、この邦題はないよなぁ。[DVD(字幕)] 5点(2005-04-09 15:08:30)
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