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【製作国 : スペイン 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. レッド・サン 《ネタバレ》 2025年最初の映画館鑑賞。大画面で小林哲子【ムウ帝国女王:海底軍艦(’63)】 を鑑賞する選択肢もあったけど、男の世界-マンダム-に憧れる者として、 今回はブロンソンの髭を堪能する事にしました。4Kリマスターでリバイバル。 この映画に関して言えるのはサムライがフォーマットという事もあるけど、 「世界のミフネに対してのリスペクト」が一番溢れ出ている海外作品として、 演者演出総じて客演ミフネを盛り立ててるところに好感あってこの点数。 それがフランス映画なのもまた良い。 再見時の感想としてはミフネ演じる黒田十兵衛、ドジっ子だった事。 ヒロインといい思いをするのは役得というのかなんなのか。 あと小悪党ブロンソンがちゃんと最後に約束を果たすお決まりパターン、 いいですねぇ。 侍ウェスタンじゃなくて、サムライ珍道中インウエストですな。 ツッコミどころ満載でご堪能ください。[映画館(字幕)] 7点(2025-01-03 17:48:24)《改行有》 2. エル・スール 《ネタバレ》 夜が明ける。愛犬の鳴き声が聞こえる。静かな始まりだがスクリーンには何とも言いようのない緊張感が走る。母親の叫び声が聞こえる。枕元にあった父の形見。少女が父の過去を探ることで得た真実と悲劇。そして希望に溢れた「南」への旅立ち。エリセの映画は観客に対して想像力を想起させる点で本当に良くできていると思う。例えば父親の過去の愛人だった映画女優(「ミツバチのささやき」のフランケンシュタイン、といいこの人映画好きなんだなぁと感じる)や壁に書かれたいたずら書き、自転車に乗った少女が少々大人びて戻ってくるカットはまさに映画。スクリーンで見た時は本当に感激した。ラストもエリセが望まなかった、中途半端な終わり方かもしれないが、この映画を観た観客はもうわかっている。彼女はこの先どんな困難にあっても乗り越えてゆける、少女から立派な大人への段階を経たのだ、と。俳優。やはり80年代最高の男優はデニーロやホフマンではなかった。アントヌッテイその人である。限りなくこれは10点に近い9点。今日、私は南へゆくのです…。[映画館(字幕)] 9点(2010-01-11 23:41:53)(良:1票) 3. オーソン・ウェルズのフォルスタッフ 《ネタバレ》 『「市民ケーン」や「第三の男」、そしてエド・ウッドに崇拝された男』的な観られ方だけではない、映画ファンにはもっと彼の映像作家や俳優としての力量を堪能していただきたい、と思っている今日この頃である。で「偉大なるアンバーソン家の人々」や「黒い罠」でも良いのだが、彼は21世紀の文化たる映画を過去の文藝/シェイクスピアと結びつけようと試みていた一面もあり、「マクベス」「オセロ」も面白いがやはり個人的にはこの作品が大好きである。「ヘンリー4世」等の名脇役、大酒飲みでほら吹き、そして巨漢の老騎士フォルスタッフを演じる彼はまさに悪漢であり圧巻である。そして比類なるユーモア(次期王様たる王子と共にへなチョコ戴冠式をおこなうくだらなさ)と合戦シーンの細かいカット割りと迫力。私は先にこれを観たためにラッセル・クロウがいくら剣をぶんまわしても何とも思わなくなってしまった。この点数なのはやはり自分が英国文化であるシェイクスピアを完全に理解出来ていないためなのだが、あっけなさ過ぎるラストの寂寥感も含めて良い映画。機会があれば。[ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-05 18:55:09) 4. マルメロの陽光 《ネタバレ》 カリン(マルメロ)の樹を20年かけても描ききることの出来ない画家ロペス。彼にとってマルメロの果実=実が生り熟し朽ち果てるその姿は「人生」そのものだったのではないか。対象はあまりにも大きく、キャンバスに描くことは困難な代物なのかもしれない。ただ人間の美を愛する心・夢を描き出すことはまさに自由なのだと若輩者の大学生であった私にとって胸を打った一本。昔の映画ファンは名監督達の作品をリアルタイムで観ることが出来た点、羨ましいとも思うが我々にはまだ「エリセの新作を観ることが出来る」特典があるのだ。なんて幸福な事なのだろう。〔追記:2013年4月末~6月中旬まで東京でアントニオ・ロペス展(その後長崎→岩手と移動予定)が行われ、未完のマルメロの絵も見ることができた。この人の絵に他の作家とは異なる、より「暖かさ」を感じたのは自分だけだろうか。てかさ、こんなタイミングでソフト再発・再映の機会もないとは…無常なり~。〕[映画館(字幕)] 9点(2009-01-11 14:11:45)
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