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【製作国 : スペイン 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 極限の状態時代に生きた、空想好きな少女の現実逃避をファンタジックに映像化したと解しても、すごくやるせない悲しい映画。上映の予告編では「ブラック・ファンタジー」とか銘打っていたけど「ブラック」ではなくて「ミゼリー(悲しみ)」や「トラジティー(悲劇)」であると思う。また、現実にフランコ政権の時には殺戮を繰り返していたのだから「ファンタジー」というよりも「ファクト」「ヒストリー」とするべきだろう。それほど、最後の主人公が血に染まって死んでいくシーンは、大尉は当然だろうが主人公の母にさえ憎しみを感じてしまうほど、悲しく切なすぎる。これから観る人も、単にファンタジックなものを期待しているのならその見込み違いに大いに後悔するだろうし、それほど観終わった後が重たい作品だった。未だに女性のハミングする歌声が頭から離れない。[DVD(字幕)] 6点(2010-10-24 21:40:48)

2.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 アラン・パーカーの映画は「ミッドナイト・エクスプレス」・「バーディー」といった重たい、社会派が多いという認識があり、それでも例えば「ミッドナイト・・・」は、そのラストは脱獄に成功するといったような「前向きな結末」であったような覚えがありますが、この映画の結末は救いようがない、というかハンマーで頭を殴られた感じで終了する。観ているときよりもむしろ終わってからいろいろなことを考える、気持ちを整理させる必要がある映画です。 映画は「死刑制度」の是非と「冤罪」に関してデビッド・ゲイルが行った出来事を雑誌記者へ口述することで展開していくが、結末から「誰が」もしくは「誰たち」が殺人を首謀したしたかという事が大きな謎となって残り、またその謎がある程度観る者が推理できるのだけれど、正解は一通りではないことを知って、この映画のシナリオの「妙(みょう)に」魅入ってしまいます。 更に、この映画は「死刑制度」・「冤罪」を問題提起したのではなく、それ以上に「人間の弱さ」と「理解しがたい複雑さ」といった「人の心」の部分について表現したかったのではないかと思いました。もし、デビッド・ゲイルが「死刑制度反対論者」として自分の信念を貫くのであれば刑が執行された後「冤罪」と社会が認識するに足る種明かしをした所でお終いのはず。すべてのことを告白するようなことはしなかったのではないかと思ってしまう。しかも特定の個人に対して・・・。そこが人の心の弱さであり不可解さ、複雑さであると思います。 しばらくして、また観てみると違った思いが湧くのかもしれませんが。デビット・ゲイルの切なげな眼差しと顧問弁護士の狡猾そうな油断ならない眼差しが印象に残り、後を引きそうです・・・ [DVD(字幕)] 7点(2007-12-02 11:56:12)(良:2票) 《改行有》

3.  アパートメント(1996) 《ネタバレ》 ロマーヌ・ボーランジェは「野生の夜に」とか「ミナ」とか、直向きで個性的な役所が印象に残っていて、今回も最後まで目を離せない展開の中で、「彼女はどうなるのかな」と、ドキドキハラハラしながら観ていました。それほど彼女は可愛らしく、時にはエキセントリックな表情になったりと、充分魅力的でした。特にラストの憂いを含んだ微笑は、胸が詰まります。 フランスの女優で言えばジュリエット・ビノッシュやベアトリス・ダルもそうですが、印象的な女優が多いです。 ストーリーは主人公マックスを通じて、マックスを慕う女性、マックスの元恋人との過去と現在のやりとりがシンクロし、最後は意外な結末を迎えます。 モニカ・ベルッチも充分美しくまた悲劇的ですし、ストーリそして映像もスタイリッシュでいかにもフランス的で、その雰囲気に浸りながら一気に観ました。また、映画の中でヒッチコックの映画で観たシーンを連想させる場面もあり、そんな粋な計らいにすっかり魅せられてしまいました。 秋の夜長に観るにはお勧めな映画だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2007-10-06 21:23:10)《改行有》

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