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プロフィール
コメント数 1647
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作国 : スペイン 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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1.  汚れなき悪戯 《ネタバレ》 子ども映画ではあるのですが、結構コテコテにキリスト教的価値観を描く映画でもあるので、内容に関しては好みとゆーのは分かれる方の作品かと思います。ただ同時に、子ども映画としては端的に最強クラスと言っても好いかと(正直、メッチャ観入ってしまいましたよね)。その子役の素晴らしき純粋さ(=それがもたらすある種の「神性」)とゆーのは、ほぼ同時期の『禁じられた遊び』よりも更に純粋で美しいモノにも感じられました。元々はイタリアの話らしーのですが作品としてはスペイン映画で、モノクロではありますがやはりどこか温かく爽やかな空気感も感じられて(+件の音楽・歌の気持ちの好さも含め)そーいったトータルの雰囲気の好さが(映画を観ている上での)多様な心地好さにも繋がっていたかな…と。個人的には、人生でも忘れ難い傑作…という類の作品に思えましたです。機会があれば是非。[DVD(字幕)] 8点(2023-03-19 17:04:19)(良:1票)

2.  エル・スール 《ネタバレ》 青春と自我の目覚め、その一つの顕れとしても、自分の知らない「親の人格」を意識し始める…とゆーのはある種普遍的な要素と言えるかも知れない(「エル・スール(南)」とはその象徴なのだろう)。その部分の分かり易さ・明解さも含め、『ミツバチのささやき』よりは多少取っ付き易い作品かとも思われるが、完成度とゆーのはこちらの方が更に上かも知れないすね。まずはとにかく、また何処も彼処もまァ~画が美しいコト!絵画的で、んで陰翳の使い方が実に絶妙なのですよね(コレは質素なよーで超・凝りまくってるってヤツだなと思えましたよ)。あと、音楽の入るシーンなんかも少ないのですがソコの選曲もまた絶妙で、その点からも要所の雰囲気は素晴らしく文芸的で心地好いモノになってましたです(まァのみならず、全体的にも雰囲気とゆーのはごく最高でしたケドね)。台詞も(字幕なのに)実に詩的で、原語で理解できたら尚感動できるというモノだろうと確信しております。(タルコフスキーを除けば)個人的には『ミツバチのささやき』『ツィゴイネルワイゼン』と今作が自分史上ベストという(文芸映画的)アート系映画になりますかね。重ねて、超ハイレベル作品でした。[DVD(字幕)] 8点(2022-05-07 18:32:08)

3.  THE PROMISE/君への誓い 《ネタバレ》 特に、日本においては決して知名度が高いとは言えない歴史上の事件を、かなりシリアスかつ真摯に冷徹に描いた作品、というだけで、とりあえず観ておく価値は間違いなく非常に高い作品だと言える(もちろん、娯楽映画として観れる類いの作品ではない、ということは前提として)。全体的にオスマン帝国政府・軍に対する批判的な製作姿勢が大いに見て取れるものの、例えばエムレのエピソードに代表される様に決してバランス感覚を著しく欠く、という訳でもないと思う。また、主役3人の三角関係的恋愛模様をシナリオに持ち込んだことも、あくまでこの要素は添え物に留められている、という点からしても個人的には決して悪くない工夫だと思えた(こーいうのがあると、登場人物が一層「人間」に見えてくる、というか)。 ただ、本作の意義は重々認めつつも一点だけ指摘したいのは、本作が主に描いているのはとある「結果」であり、より重要なのは「原因」だということだ。何故このような事態に陥ってしまったのか、というのは、本作を観ただけではちょっと分かり辛い、というのが正直なトコロで、その辺の事情、アルメニア人とトルコ人の宗教的差異であるとか、アルメニア人勢力・ロシア・トルコの三つ巴の関係性とそれに第一次大戦が及ぼした影響、といったことは別途自分で調べないといけない。ソコを上手いコト作中に描き込めたのであれば、よりバランス感覚に優れてかつ深い映画になった、と言えるのではないだろうか。[DVD(字幕)] 8点(2021-06-24 23:41:26)《改行有》

4.  ミツバチのささやき 《ネタバレ》 まず、雰囲気が素晴らしいですね。キュートな子役を活かした可愛くて楽し気なものや、古い時代のノスタルジックさ・牧歌的なものを多分に含みながらも、やはり奥底に暗い世相を的確に反映する打ち沈んだ様な重さを湛えた静謐なその空気は、非常に緩慢でありながらも実にエレガントで私にはとても心地良かったです。画的な部分のクオリティも見事でした。例えば、広大な農地にポツンと佇む廃屋に子供2人が向かってゆくシーン、そして、これも子供2人が線路脇に佇み、その傍を巨大な機関車が通り過ぎてゆくシーン。子供の小ささと対象物の大きさの対比というか(それは単純なスケールだけの対比のみに留まるものでもない気がしますが)、優れたコントラストがとてもグッドだと感じました。 話の内容も希薄な様でいて、ちゃんと観てゆけばそこそこ理解も容易で、かつ中々に味わい深いものだと思います。この映画の良さというものは、雰囲気であったり、芸術的・文学的な諸々であったり、その意味では確かに繊細で奥ゆかしいものだと思います。ただ、そういうものをウリにしている系統の映画としては、その各々が各々に一定以上の水準で優れていて、かつ全体としても難解すぎない、という意味で、非常にバランスが良好な作品だと思っています。オシャレな映画を観たい!(と言うかそのものズバリ、アート系を観たい!)と人に言われたら、個人的にはイの一番にオススメしたい作品ですね。[DVD(字幕)] 8点(2020-08-14 23:42:26)《改行有》

5.  続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 《ネタバレ》 言うて全員悪党だが、トゥーコの卑劣漢(小悪党)ぶりと、今作ではかなりなチョイ悪親父(つーか極悪親父)なクリーフおじ様はどちらも秀逸(これに加えてイーストウッドも平常運転なセクシーニヒル)。話の方はかな~り長ったるい、が、一貫性は十分なストーリー運びで(レオーネとしては)観易くないとも言い切れない(ここまで来ると好みの問題だが)。単純な西部劇的決闘シーンはやや少なめにも思うが、その代わりに南北戦争シーンがあったり(ここの物量は正直ちょっとビビるレベル)、何と言ってもラストは西部劇史上屈指と言うべきスーパージックリ撮って緊迫感もモノ凄い三竦み大決闘を存分に楽しめる。個人的にはこっちも大分お気に入り。[DVD(字幕)] 8点(2020-07-09 01:16:16)

6.  永遠のこどもたち 《ネタバレ》 ジャンルとしてはかなりミステリーに寄せたホラーという所で、その含む「謎」が本作の怖さの源泉である。特に、屋敷に潜むことが中盤から明白なこどもたちの霊が、一体どういう存在なのか(味方なのか敵なのか)が分からない、という点に怖さが在る(敵なら敵で警戒すればいいので、どっちか分からないとゆーよりは怖くない。それが際立っていたのが、件の「だるまさんが転んだ」のシーンかと思う)。 そして実際、この哀しいお話の出発点は、そのこどもたちのどうしようもない無垢な「残忍さ」にあった、とも言える。一度狂った運命の歯車は永遠に元には戻らないかの如く、ストーリーは再び悲劇的な結末を迎えてゆく。しかし、一方でこどもたちには何らの邪心も無かったことが明らかになるラストは、悲劇であると同時に、我々にとってもラウラにとっても、そしてこどもたちにとっても、一種の救いなのだと思う。ミステリーとして真相を解明することのカタルシスを、痛い程に哀しくありながらも心洗われる美しく幻想的なラストシーンに昇華させた本作は、私からすると単なるホラーorミステリーと言うよりは、それらをどこか超えた類いの作品であった様に思われる。だから実はジャンルは何だとも言えないが、個人的にはまあ傑作かと。[DVD(字幕)] 8点(2020-05-19 23:50:15)《改行有》

7.  夕陽のガンマン 《ネタバレ》 男は黙ってリー・ヴァン・クリーフ。イーストウッドも決して悪くないが、今作のクリーフおじ様は控えめに言って格好良過ぎる(ハゲだけど)。冒頭とかマジヤバい(鷲の眼光、黒いインヴァネス、銃を勿体ぶってジックリゆっくり構えるトコとかもう最高)。イーストウッドとクリーフおじ様のタッグはあまりに負ける気がしなさ過ぎて少々反則気味だが、この点でも今作は貴重だと言える。二人のキャラ設定も、腕前はほぼ互角だが、若い分やや短慮なイーストウッドを、鷹揚に構えて見事にあしらうクリーフおじ様が半枚ほど上手、という描き方が非常に好み。レオーネ的なジックリとした撮り方は随所に見られるが(特に決闘シーン等の見せ場)、全体としては比較的テンポも良く、かなり観易い西部劇だと言える(まあ少ーし冗長な所もあるケド)。このジャンルでは屈指。[DVD(字幕)] 8点(2020-01-28 00:38:41)(良:2票)

8.  瞳をとじて(2023) 《ネタバレ》 嘗ての監督作における画的な部分のハイ・クオリティのそれ自体は、今作でも重々に健在だったかとは思うのですね⇒端的なる構図等の美しさ&細部までのこだわり&特にまた「陰」の使い方、などの何れにしても)。でも、まず『ミツバチのささやき』や『エル・スール』なんかに比べると、そもそもかなり急に長尺になってるって感覚は大いにありますね(『マルメロの陽光』は半分ドキュメンタリなのである程度は脇に置くとしても)。プラス今作は(その二作品に比べると)特に前半で矢鱈と「台詞が多い」って感覚もありましたよね⇒主人公ミゲル・ガライが様々な人々と対話してゆくシーンの数珠繋ぎで(軽く)100分位は過ぎ去ってってしまうので。そんな感じで唯淡々と静かなサシでの会話シーンが続く+ゆったりテンポ+大作級の長尺、ではあるので、こーいうのに慣れてないと一撃でスヤスヤと…みたいな作品であるのは正直否めないとも思います。私も最初観て、ちょっとチャンと観れてなかった(=観逃したカモ?みたいな)シーンが在った様な気がしちゃったので、短期間でもっかい観たのですよね。なので(コレも正直)あらすじ的なモノは頭に入れてから観に行く位で丁度好い…様な気もしちゃってますよね(⇒重ね重ね前半は台詞に付いてくダケでも結構骨が折れる)。 んで、肝心の内容自体としてはまた、監督自身が高度に自分を投影したかの様な・自己に替わって登場人物に「人生の振り返り」をさせるかの様な『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいな作品だったかとは思うのですね(諸々の人生と映画を「重ね合わせてゆく」…みたいなヤツとゆーか)。まあ私もまた正直、この手の巨匠が晩年に撮るには打って付けな…という感覚はありますが、でもね~~~先ほど二回観たと言いましたが、正直初回はそのクライマックスたるラストの描写が、私にはどーにも「ネガティブなモノ」に見えてしまったのがかなりしっくり来なかったのですよね⇒正にその「瞳を閉じる」コトの意味するトコロがナンかコレ超・ネガティブじゃねーか?と。いったん、つまりは、その部分が(少なくとも)明確に解釈できる様な描き方にはなって居ない=解釈に幅が生じ得るという作品、であるのも間違い無いと思うのですよ(⇒だからまず、この長尺でソレってどーなの?とも考え得る…かと)。その意味でもちょっと、相当に「玄人好み」…みたいな作品であるかなとは、どーしたって思ってしまうのですよね⇒まあ、ソコもある種今まで通りの作風だな、とも思えはしますケドも。 ただ、私自身は二回目を観て、初回ホドには(ソレを)必ずしもネガティブにしか解釈できないっていう感覚にはならなかったのでして、ソレこそソレは劇中劇と大いに重なる様な(映画の中の)フリオが、その人生を(劇中で)振り返った時、嘗て挑んだその役柄の本質的なトコロを真に理解した「納得と悔恨」の様なモノとしても解釈できるかもな…という様な感覚にも至りましたのよね。結論、コレも前述どおり「観る人を選ぶ」とゆーか、この手の長尺でまろやかな映画をあまり苦にしないという素養は(確実に)求められる+解釈のブレみたいなモノに対する拒否反応も無い、とゆーのが前提だという作品なのかも知れませんが、一方で確実に人生そのものに係る種々の「含蓄」についても(共感可能なモノもそうでないモノも含めて)またごく芳醇な作品だ、とマデは思えますので、いったんこの評価としておきます⇒迷いに迷って1点分は低めに寄せてます。以上。[映画館(字幕)] 7点(2024-03-20 15:31:20)(良:1票) 《改行有》

9.  マルメロの陽光 《ネタバレ》 実在のスペインの画家アントニオ・ロペス・ガルシアは、毎年秋になると庭に手ずから植えたマルメロの木を=その実った果実に降り注ぐ陽光をキャンバスに写し取るべく再び製作を始める。しかし、誂え向きに日々好天が続くとも限らず、また枝も葉も実も留め様も無く刻一刻と姿を変えてゆく中で、いずれ実は地面に落ちて腐り、そして作品はまた未完となるのだ。その、ある年の製作過程をそのままフィルムに収めたという、まずは何よりコレ多分ドキュメンタリのジャンルに入るべき映画っすね(まあ、つくり自体=撮り方やシーンの構成なんかは全然劇映画っぽいですし、当年のカンヌでもコンペティション部門の出品作となって審査員賞も獲ってたりするのですケド)。かつ、主に9月末~12月中旬の二か月半の出来事を追っている、とは言え、殆どストーリー展開の無い映像が140分も続いてゆくのですから、エリセ監督の前二作に比べても遥かに「普通の映画っぽくない」作品だとも思います。その辺の事情は、ある程度頭に入れてから観た方が好いってレベルの作品…かも知れません。 しかし、そのスペインはマドリッド・リアリズムの正真正銘の巨匠…というロペス氏の、丹念に語られる製作過程そのものに関しては、よく観ると(とゆーのもナンですが)かなり面白みが在るとゆーか、最初は木のトコロに縦横に糸を張って(⇒ああコレが垂直線・水平線なんだな、と)んで更に地面になんか釘を打ってんなと思ったらコレは所謂「バミリ」なんですよね(⇒自分の爪先が常にその釘のトコロに来るように、と)。かつ、前述どおり何週間も描いてゆく中でチョコチョコ実や葉に絵の具で印を付けてんなと思ったらコレは今度は「時間経過による変化を測るもの」だとかって、最後は結局実も葉も殆ど全部印だらけになってたり(⇒んな面倒なコトすんならさっさと描き上げろよ!と少しダケ思ったりも)。 ソコは率直に、やっぱリアリズムの画家なんだよな~とか思ってたんですケドも、中盤に同業者?から色々と質問を受けてる場面が在って、ソコで「なら普通は最初に写真撮ったりしない?」とか言われると、いやそうじゃない⇒木の側に私が立って時間を共有するコトが重要なのだ云々…みたいなコトを言い出したりもして、ソコは再びちょっと意外だったりもしたのですよね。聞けば、この人もまた非常に「寡作」な芸術家だとのコトで(⇒このマルメロの画だって毎年未完で何十年も描いてる、とかで)想像ですケド今作、ソコにエリセ監督が大いにシンパシーを覚えた…とかってヤツなのかな~と思ったりもするのですよね。確かに、一般的な映画として楽しめるって作品ではないかとは思いましたが、私自身も(まあソレでも私は雰囲気映画的な楽しみ方って観点ではフツーに十分楽しかったとも思う…その上で)教養とゆーか少なからず何か学び取れたモノは在ったかと思いますし、ソレこそアーティスト=表現者の方々にとっては、更に大いに参考になる様な部分も在るのではないかと思うのですね(⇒特にズバリ画家の方々なんか、より絶対面白く観れると思うのですよね)。個人的にはある種の「芸道」映画に見えたってコトで、こんな評価としてます。[レーザーディスク(字幕)] 7点(2024-03-17 15:32:10)《改行有》

10.  ネスト(2014) 《ネタバレ》 ホラー寄りのサイコ・スリラーという感じですが(確かに『エスター』に近いよーな、と感じます)、第一に主役のサイコ姉のキャラ造形が中々素晴らしかったですね。まず見た目の病的な雰囲気と(精神的にも肉体的にも)それで居ながら肝心なショックシーンでは女だてらのパワフルさ・キレも十分に発揮しており、マカレナ・ゴメスは流石にホラーで存分に活躍しているだけあるな、という感じではありましたね。そして、姉が精神をやられている原因(=忌まわしい過去)にも、その結果に対するある程度の説得力が備わっており、かつラストで明かされる衝撃の真相にもコレが上手いコト繋がっていて、全体的にシナリオも(謎含みのサスペンス部分も含めて)かなり上質な方だったと思います。少し惜しいのは、このサイコ姉の外出恐怖症という重要な特性とゆーのが前述の「忌まわしい過去」とは関係が無い、という部分ですかね(コッチも含めてソコとリンクさせてしまえたら、話がもう少しシンプルになりかつ納得度も更に向上したかと思います)。 ただ加えてひとつ、更に更に素晴らしいと思うのが、それでいながらこのサイコ姉にも感情移入・同情してゆける部分が大いにある、というトコロですね(同じ意味として、全ての元凶たる父親にさえ僅かながらにも同情とゆーのが可能か、という部分)。それ故に、ただサイコを退治してグッド・エンド、という在り来りな終い方でなく、悲しさ・切なさを含むもうチョイ多面的なエンディングを迎えることができた、というのも、このジャンルとしては少しユニークで半ランク上の仕事だった、と言えるのではないかと(この部分は『エスター』より巧みだったと言って好いかと)。良作だと思いますね。[DVD(字幕)] 7点(2021-06-07 22:09:16)《改行有》

11.  グレート・ウォリアーズ/欲望の剣 《ネタバレ》 憎しみの連鎖が彼我双方の残虐な行為と悲劇を生む、なかなか誰にも感情移入できない物語だが、ポールドゥリスの中世チックで勇壮な素晴らしい音楽と、ヤン・デ・ボンの臨場感・迫力最高の優れた撮影によって野卑ながらも非常に力強く語られる本作には、どこかに確実に爽快さと痛快さを感じ取ることが出来るだろう。そもそも個人的には、倫理観溢れる優等生な歴史物語などに殆ど観る価値は無いと思っている。そこに現れる愚かさ・醜さこそが人類が進歩した証、そして我々が歴史を省みることの真価であり、それを通して現代の我々が尊重すべき美徳を表現することが歴史映画の本分なのだから。良作。[DVD(字幕)] 7点(2020-05-16 21:48:49)

12.  carmen.カルメン 《ネタバレ》 ビゼーのオペラ版『カルメン』には(ソレこそ)親しみまくって居るのですケド、原作の小説の方には正直お付き合いがねーのでして、その上で(小説準拠の)今作を観てみるってーとマ~、かな~りジト~っと暗~いお話なのですよね……ただ、それ故にその深刻で深遠で不条理極まるって「人間の感情」のそのモノ自体は、より真に迫って我が心をも抉って来るとも思われたとゆーか、個人的には(オペラをあんだけ観てるってなら)コッチを観てみても全然好かったな…とは思えましたよ。中々に面白かったと思いましたのでこの評価としておきます。 で正直、中でナニが一番…とゆーなら、やっぱ主演のパス・ヴェガが筆頭な感じではあるのかとは思いますケドも、彼女のクオリティはフツーにやっぱ中々って以上だったかな、とは思いますよね。美人ですし、その上で(カルメンだ!てなら尚更に)非常に肝要なる「アバズレ」感+(間違い無く)アバズレで在りながらの魔性の魅力…とゆーのも十二分に醸せてたと思いますし、加えてナニより素晴らしい脱ぎっぷりの爆乳っぷり!てなモンで御座いまして。あと、流石著名なる名作小説…とゆーか、随所でお洒落な「地の語り」がイイ~雰囲気でしたよね。「女と猫は、呼んでも来ないが、呼んでも居ない時に限って来るものだ」とか、オーラスもまた「愛と苦しみこそが人生の支配者⇒貴方は、生れ変わってもまたこの人生を望みますか?」に対する主人公のシンプルな答え。ああ、このドロドロとした物語を、こんなシンプルな言葉とショットでこんなにアッサリと終わってゆく…な~んて、ナンとも洒落てんな~~~と思わざるには居られませんでした。もう一点加えるか悩んだ挙句、いったん変えずにおきます。[DVD(字幕)] 6点(2024-06-29 00:28:35)★《新規》★《改行有》

13.  ヴァチカンのエクソシスト 《ネタバレ》 ホラー的な中身としては超・典型的な悪魔祓い系ですが、出来自体は相当に好い方だと思います。やはり、ストーリーがオーソドックスでも細かいトコロをチャンとつくり込みさえすれば⇒逆に十分に観れるモノには仕上がる…ってコトを再認識できますね(+昨今でも映像技術自体は日進月歩で向上してるのですから)。とは言え、中で今作は娯楽映画の方にごく寄りまくった方のホラーなのでして、最後まで観ても怖い!と言うよりは(高度に)ワクワク楽しい!という方のヤツだとは思いますかね(⇒やや若年層向け…な感じかと)。 しかしその「娯楽的」という意味でも、序盤から比較的かなり驚ろ驚しく派手めだな~思ってたのが⇒終盤は更にデーハーで最早ファンタジック・アクション!みたいな感じになるのも、肝心な主役のラッセル・クロウの役づくりの高いコトも、あとロケ地の修道院がかなりイイ雰囲気なコトとて、んで無駄に長尺にせずテンポ重視でコンパクトに仕上げちゃったコトなんか、も含めて、最終的な完成度ってのはやっぱ高かったな…と思いますね(重ね重ね、娯楽ホラー映画としては)。でもいったん、評価としてはこの位にしておこうと思うのですが(⇒手堅いケド、目新しさみたいなモノは少なかったので)たぶん次回作があるのかと思うのでソッチの方に期待して貯金しておきます。[映画館(字幕)] 6点(2023-07-30 21:25:17)《改行有》

14.  MAMA(2013) 《ネタバレ》 姉妹を取り巻く状況がかなり奇抜なワリには、コトの真相や霊的存在の正体、そしてかなりファンタジックな終盤の展開などにしても逆に結構在り来りだとも言える(こーいう幻想的なラストで泣かせに来るのはスパニッシュ・ホラーの「あるある」かも知れませんね)。 ただCG全開でファンタジックとは言え、ショック描写が禍々しくて気持ち悪くて結果そこそこ怖いのである。なので、ホラーとしてはそれだけでも十分に合格点以上ではあるし、ジェシカ・チャステインは流石になかなか良質な演技を披露してくれている。少し甘く付けてではあるが、ここら辺の評価とさせていただきたい。[DVD(字幕)] 6点(2021-08-12 21:26:20)《改行有》

15.  ペイン・アンド・グローリー 《ネタバレ》 テンケテケテケ典型的(業界人の)自伝風映画、というか。ある映画監督の現在と、そこに到るまでの過去の情景を織り交ぜて語ってゆく(そしてその「過去」というのが、実は自分で撮ってる劇中劇、という洒落た二重構造)。 確かに『ニュー・シネマ・パラダイス』風のノスタルジックはある程度醸せていると思うが(絵のエピソードなんかは個人的にはかなり好み)、現在の監督自身の状況というのがラリパッパなうえにどーもネガティブ一辺倒というか(体調悪過ぎ)、ちょっと感情移入しにくい(なので、最終的に少しだけ前向きになってゆくというよくあるハートフルなラストにも、正直あまり興味が持てないのよね)。ただ、一風変わったトコロも大いに含む映像自体には結構面白いものがあったし(あの洞窟、メッチャ住んでみたい)、極上にシブいアントニオ・バンデラスはじめとしたオジサン達の演技が中々脂っこくて個人的には美味しく頂けた。悪い作品でもないかと。[映画館(字幕)] 6点(2020-12-07 20:48:05)《改行有》

16.  マローボーン家の掟 《ネタバレ》 これも「今までのは全部幻覚でしたあ」系というか、どうにもアンフェアな気がして(個人的に)絶対的に嫌いなジャンル。ただ、その部類ではかなり良く出来てる方(まだ許せる的な)だし、件のトリック以外にも様々な優れた工夫が施された上質なシナリオも、また、実はサイコスリラーで若干ホラーな演出の切れ味の鋭さも、更にはラストのほの寂しくも爽やかな悪くない余韻にしても、そこそこ高水準で観て損は無い(少なくとも暇潰しには十二分)。若手の役者が揃って頑張っていて好印象だが、次弟と妹は年齢にやや違和感が有る。[映画館(字幕)] 6点(2019-11-20 21:31:50)

17.  カリブの白い薔薇 《ネタバレ》 うーん…まあタイトルからしてよく見りゃあ、21世紀の映画とも思えない位にクソ程にもやる気の感じられない代物ですし、でお話の方も(結局また)クソ程にも内容の無い様なヤツでしたかね。舞台は娼館らしーのですが、にも関わらず主役のアナ・デ・アルマスちゃん以外の女のコには誰ひとりキャラも何にも付いてない…という有様でしたし、んで肝心な女衒の旦那+女主人もまた、悪人なんだか善人なんだかすらも判然としない様なペラ紙の如く虚無なキャラでしたし…… なので結論的にはタイトルどおり、アナちゃん=純潔の白い薔薇、を眺めてゆくしかない作品にも思えます(⇒重ねて、娼館が舞台ですがこの娘は要は「水揚げ」前ってコトらしく)。しかし逆に、ごくその分には(却って)まあまあ楽しめなくもねーかな…という様な作品でもあるのですよね(悩ましい…)。キューバ時代・ハタチ前・演劇学校の学生時分、における出演だってコトなんですケド、この娘、後々売れてから(むしろ多分)体形の管理が巧くなったのかな?と思いましたすね。でも、コレも逆にこの頃の方が健康的にムチムチっとしていて、ラテン風・バカンス的な色気ってのは(若いワリにも)実に高度でしたすね。あと、そのラテン的美意識の部分には(ややもすると)多少は好みが在るのかもな…とも思ったのですケド、ソレでも一つ、自信(確信)を持って言えるのは、彼女はとにかく眼(瞳)が超絶に綺麗だった…というコトっすね(私なんか、コレだけでモ~大満足でした)。ほか、エロシーンの具体的なトコロについては「ポルノ」と言えるレベルのモノは今作には含まれてなかったですかね⇒でも軽い濡れ場+トップレスのシーンは(チャンと)在ったので、まあ一般映画の一つのコンテンツとしては十分かな、とも。 ほか言い残したコトとしては、前述どおり「舞台が娼館」という設定が全く活かし切れていない…のが不満の一つではあるのですが、ソレでも一箇所、ラテン系の娼館だからこそ…?とゆーか嬢の待合室(けっこう広め)のつくりについて、そのド真ん中に正に「円卓のビデ」みたいな感じでソレがズラッと環状に並んでるのがちょっと面白かったですね。加えて1シーンは、ソコにまた「円卓のケツ達」みたいな感じで(ケツ丸出しで)雁首揃えて跨ってるのが、コッチはもはや笑えました(エロくはなかったすケド)。[インターネット(字幕)] 5点(2023-05-05 23:54:49)《改行有》

18.  ルート・アイリッシュ 《ネタバレ》 ケン・ローチ監督作だから(確かに当然に)社会派作品ではあるのですが、本作は全体的にはごくシンプルなサスペンスであり(=状況設定自体は前述どおり高度に社会派ではありますが)かつそのサスペンス展開における主従(追及者と犯人)とゆーのも基本すべてがイギリス人なのですよね。その意味では、ゆーてそのテーマ的な部分てのは別にそんなに社会派的ではないかな…と思います(言っちゃあ全員が大きな意味での「加害者」側で、その方面の「葛藤」てのもごく添え物としてしか描かれないので)。いや、純粋にサスペンスとしては(その状況設定のユニークさも相まって)十二分に面白い作品だと思うのですケドね。 ただもう一つ、主人公の民間警備兵・ファーガスのキャラクターとゆーのが、個人的にはけっこう大雑把な描き方だな…とも思いましたね。前半ではこのイラクの惨状に対する軍人としての「諦観」も見せ付けつつも、ネルソンその他の非道に対してはごく強い怒りを示してゆく…がソレだってフランキーの死に対するソレと綯交ぜ・ごっちゃに為っている様にも見えて彼の本心・信念とゆーのはどーにも捉え辛い。その上に中盤以降、モ~錯乱状態に陥ったかの如くに無謀な行動を連発してゆき、最後には無駄な犠牲も出してゆく…個人的にはちょっと共感は出来そうにないキャラクターでしたですね。シンプルに、もう少し尺を取って状況説明やその心情の描写を足しても好かったのではねーかな…とも(特にラスト付近)。 蛇足ですがもう一点、ファーガスとレイチェルがそーいうコトになるのも、流石にそーなるの早すぎでしょ⁉と(数日でそーなってない?と)。[DVD(字幕)] 5点(2023-02-24 11:11:53)《改行有》

19.  ゾンビ・サファリパーク 《ネタバレ》 恐らく『ジュラシック・パーク』に近い内容であることを強調するための邦題で、結果として少しおちゃらけた感じにも思えるが、内容の方はシリアス全開の至って本格派なゾンビものである。本物のゾンビを利用して「狩り」を楽しむというリゾートで発生するアウトブレイクを描いているが、登場人物たちは序盤から(遊びに来てるにも関わらず)全く楽しそうにも見えず(まあこんなもんを楽しめるつーのはちょっと頭のネジが飛んでいる、とも思うケド)、コメディタッチに振れるというシーンもほぼ無い。一方であまりテンポが良いとも言えず描写もごくごく平凡であるため(ちょっとマジメ過ぎるのよね)、個人的には少し退屈にも感じられた。 しかし『ジュラシック・パーク』とゾンビのイイ所取りな優れた状況設定に加え、映画自体の質はそこそこ高く、全く観るに堪えない、などということも無いごく悪くないクオリティだとも言える。咬まれて発病してすぐのゾンビは走るのが速い、という設定(からの、ノロノロゾンビと高速ゾンビが混在する状況)は中々面白いと思った(ノロいゾンビを撃ってたら、横から全速力のが突っ込んでくる、というのはかなり恐怖だわな)。暇潰しには十二分。[インターネット(字幕)] 5点(2020-06-24 21:09:28)《改行有》

20.  テリー・ギリアムのドン・キホーテ 《ネタバレ》 やたらと攻撃的な宣伝文句を並べ立てていた作品だが、観てみると存外に普通の映画でかなり拍子抜け。いや確かに、相当に変わった映画なのは間違いないのだが、もっとラディカルに妙ちきりんな作品を期待していた、というだけなんだけど。 だが、普通に映画として観たとすると、実は別に全然アリな作品だと思う。アダム・ドライバーはまたまたかなり頑張ってるし、コミカル面も(分量が少ないのは否めないが)決してそんなに悪くはないし、何よりどこで撮影したのか知らんが、荒れ地の情景にせよ時代を感じる街並みにせよ、また終盤の舞台になる城なんか特にスゴくイイ感じの雰囲気で、正直メチャクチャ行ってみたい。 とは言え、コンセプトが何なのか、という点では、ちょっと掴み切れなかった映画なのは確か。監督の過去作を研究して、そのうち再見したい。[映画館(字幕)] 5点(2020-01-25 01:50:59)《改行有》

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