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プロフィール |
コメント数 |
914 |
性別 |
女性 |
ホームページ |
http://ameblo.jp/cluttered-talk/ |
自己紹介 |
After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to. |
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1. トリコロール/白の愛
《ネタバレ》 そもそもの前提がまちがっているというか、離婚の法廷で性的不能を公言されたからといって、人格を全否定されたことにはならないのではないだろうか。
そういうふうに感じてしまうカロルのほうに問題があるのだと思います。
男性はそんなに性的能力にこだわるのはやめたほうがよくて、「セックスをしてくれない男だから嫌だ」というより「カロルが嫌だ」なので、女は追い払いたいからそう言うのです。
なので私はカロルの絶望は「勘違い」とか「考えすぎ」であるということにします。確かに、放火犯にまでしようとするドミニクはかなりひどいですが、そうでもしなければカロルを追い払えないからでしょう。
すると、その後のカロルのしたことは全部無駄な努力です。そして、ところどころで、ドミニクへの復讐を忘れて楽しく生きるチャンスがあるのになあ…というふうに感じられてとてもバカバカしいですね。
たとえば、ミコワイに空砲を撃ってやって彼の人生を救った時点。彼は他人のためになることができるのです。ここで方向転換したらいいのに。
出発の朝。ちょっとヌケている人のいい兄貴がチェリーのジャムを持たせてくれたとき。家族はありがたいじゃないですか。死んだふりなんかやめたらいいのに。
この話に徹底して欠けているのは「母」的なものです。カロルの母はたぶん死んでいるから出てこないし、ドミニクの母も出てこないし、二人の間に子供もいないから当然ドミニクに母性もない。
乙女の胸像を崇めるカロルは、たぶん結婚相手を偶像化し、セックスできなくなるのです。なおかつ私は、この話のどこにも存在しない「母なるもの」をも、妻に求めていたのだと思う。なおさらセックスなんてできません。
さて、首尾よくドミニクを罠にはめ、「これでイーブンになった(から愛し合える?)」と思っているカロルはドミニクに愛してもらえるのか。根本の原因を反省していない彼はまた追い払われると私は思いますが。[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-12-27 15:40:24)(笑:1票) 《改行有》
2. トリコロール/青の愛
《ネタバレ》 「白」を見て気がついたのですが、「白」に出てくる「妻子の束縛から逃れたい殺されたい願望の男」ミコワイは、まさに「青」のパトリスのことを言っているのですね。
そう思って考えると、当時のパトリスがにっちもさっちもいかない身動きの取れない状況に居たということがよくわかります。
気が強くて仕事に手を出し口を出すセレブ気取りの妻からは逃げられず(作曲を手伝ってもらっているうえそれを世間には秘密にしているし)、気晴らしに愛人を作ったら相手が本気になって妊娠してしまい(パトリスが知らなかったというのはあやしい)、離婚しようにも妻との間の娘はまだ小さいし、欧州統合の象徴曲を作ってくれというプレッシャーはかかるし、これは「きわめて内気な人物」であるパトリスが「ミコワイ」になるのに充分すぎる状況ではないでしょうか。
パトリスはミコワイなのです。誰かを雇ってブレーキオイルを抜かせたかどうかはあまり重要ではない。パトリスはミコワイ的な状況にあって、あの事故のタイミングは作り手のクッシー的には「偶然」ということではないのですたぶん。
そして、ビノシュというたくましい女優を使うことによって、ジュリーという女性が本当は夫を束縛しまくっていて、パトリスは死ぬことによってしかジュリーから解放される方法はなかったことが描かれます。
だからこの「青」はまずは「パトリスの得た自由」なのだと思う。そしてつぎに、夫と子供から解放されたジュリー、セレブ妻であることに満足して自分の才能を夫の手柄にしていた不自由、本当はあまり子供が好きじゃないのにいい母親ぶる努力をしていたという不自由、からの解放であるのです。
クッシーの作品世界では、人々の間に「話し合い」が通用しなくなったところから物事が始まっていて、そのため登場人物はいきなりガラスを割ったり爆弾を仕掛けたりします。クッシーの中では「もう話し合いでどうにかなる段階ではない」のです。
けれども、ビノシュのようなたくましい女優がそれをやると、とんでもねー怖いねえちゃんに見えてしまうのも事実です。いつ見ても相変わらず嫌な感じのビノシュでした。
しかし三部作にするほどの内容かなあ、という疑問の残った青。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-27 15:09:55)《改行有》
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