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【製作国 : ポーランド 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 水の中のナイフ 《ネタバレ》 奥と手前、煽りと俯瞰、アップ、アップ、そしてまたアップ、人をこれでもかと追っている映像。ブルジョア夫婦とその休日に紛れ込んだ青年の過ごした時間。車中ではろくに会話も無く、おそらく2人でヨットに乗っていてもそんな雰囲気だったに違いない夫婦に異分子がプラスされて、水面が乱れて光を放つように内面が吐露される。単調で何も起こらない時間は返って次のアクションが気になり、画面に大きく映される人間の仕草や言葉に引き寄せられた。ラスト近くの「この先 警察」の看板はちょっと笑ってしまったけれど。[DVD(字幕)] 7点(2014-07-04 20:55:17) 2. アンナと過ごした4日間 《ネタバレ》 ああ鳩時計…。犯罪まがいではあるものの、彼なりにずっと見守っていたこと、そして心の底にある「愛」という言葉を口に出して告げたことに少しほっとした。女性として、アンナの立場で考えると当然過ぎるラストだけれど、ほの暗いばかりの主人公の人生にまた灯火が着くことを祈ってしまう。多少笑いも含めながらこんな物語を作ってしまう監督に感心した。[DVD(字幕)] 9点(2010-08-23 01:48:52) 3. ブリキの太鼓 《ネタバレ》 アクの強い評判を持つ映画を観る時って、期待と想像でパンドラの箱でも開けるような気持ちになる。今回もそうだったが、目を背けたくなるような映像はそれほど無かったし、オスカルの説明ナレーションのおかげで難解さに首を傾げることも無かった。何を言わんとしているかなんて全然考えずに観たが、ヨーロッパが持つどす黒い重い雰囲気が上手く表現されていたし、ナチの盛衰を平行させて描くストーリーもなかなか面白くて、2時間以上の時間があっという間だった。子どもが初めて触れあう大人は親で、親を頼って生きていく。その親の愚行を目の当たりにして成長を止め、息を潜め自分自身で脳みそを発達させ、三人の親を葬りまた成長を始める主人公。自らの束縛に自分で始末を付ける主人公の不気味さは必見。人間なら誰しも持つ、狂気や闇や奇怪な空気が随所に盛り込まれていて、そのままフタをして隠しておいてもよかった感情がソロリソロリと首をもたげてくる。好き嫌い、でなくとても興味深い作品。8点(2005-01-15 12:41:17)(良:1票) 4. トリコロール/白の愛 《ネタバレ》 三部作のうち、結局この「白」しか観ていないなあ。ヨーロッパの曇り空が印象に残る映画。私には、うだつの上がらないオジサンが美人妻を振り向かせるために一念発起、故郷でやばい仕事にも手を出して名をはせていく…というお話に見えた。故郷に帰り孤軍奮闘する姿や仲良くなったオジサンとのシーンはたまに笑いも誘ったりする。ジュリー・デルピーは添え物だったような気がする。オジサンの内に秘めた「白」の象徴?ラストは、結局見返した!ってことだろうか。デルピーが手で喋るところは、彼女の持つふわふわとした質感も手伝って、儚げな美しさで溢れていた。5点(2004-03-22 12:38:57)
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