|
1. 砂漠でサーモン・フィッシング
《ネタバレ》 広報室の女性のチャットが笑えました。イエメンの大富豪が魅力的な人物で、主人公に養殖の鮭でも大丈夫だと思う根拠を尋ねて返ってきた言葉に、間を置いてから返したセリフが好きでした。事実はどうなのか知りませんが、映画を見る限り大富豪の志は高いもので、単に砂漠で鮭釣りを楽しみたいがために金使ってるのではないところが予告編でも描かれていたので、そっちの話を期待していました。ところが物語の中心はそこになく、マクレガーと助手の女性の恋の行方が軸になっていて、それもなんだか恋敵の軍人さんがちょっと可哀想に思えて、イマイチ心地よさに欠けました。鮭釣りの話題を潰して注目を横取りし、大富豪を悪く言うことで、応援したくない人物に設定したつもりなのかもしれませんが、弱すぎます。[DVD(吹替)] 6点(2013-09-16 22:56:29)
2. サルバドールの朝
《ネタバレ》 主人公が死刑になる前に、少なくとも人が一人死んだわけで、その人の命については何にも描かれないで、死刑にされた主人公の命だけ描かれる。よほどの過失とか、やむを得ぬ事情でもない限り、人の命を奪った者は、自分の命が奪われても文句は言えないと、自分は考えています。人がたくさんいるところで銃を撃てば、死人が出る可能性は大なのだし、銃を手にする以上それ相応の責任を持ってしかるべし。サルバドールは殺した警官やその家族について考えたり悔やんだりしない(少なくとも映画を観る限り)。警官殺しに至るまでに、体制側の酷さが充分に描かれて「こいつら人間じゃね~!」と、そいつらの命を軽く見積もれるくらいの描写があるのなら、サルバドールの死刑に何らかの思い入れも持って観れたかもしれないが、この映画を観る限り、主人公はタダのジコチューにしか思えない。「不当裁判」と言われても、人1人を殺した者の命が奪われる事にどれだけの不当性があるのか、そこがまるで伝わってこない。主人公の仲間は報復のため夜中に邸宅へ銃乱射。こういう連中を英雄みたいに言われてもピンとこない。死刑のとき、主人公の命に敬意を払えみたいなセリフがあったけど「殺しておいて敬意を払えとはどんな思想やねん?」と思う。生かす価値なしと判断するから殺すのだろう。敬意に値するなら殺しちゃいかんでしょう。実話とはいえ、看守との友情の成り行きも安い小説みたいで、もう少し描写に段階を持って欲しかった。[DVD(吹替)] 3点(2012-03-21 17:21:59)
|