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1. スパイ・ゲーム(2001)
《ネタバレ》 どこの国でも諜報活動は一種の階級社会によって行われ、安全な場所から司令を出す人間と現場でリスクを冒す人間とで成り立っているのだけれど、退役を控えたときにかつて自分に忠誠を示した現場要員が敵に捕らわれて救いが無い状態であることを知ったときに所詮金で雇った人間だからと割り切れるかどうかと言う問題でしょう。兵士の場合には国家の威信にかけても救出しようとする国も、現場諜報員と言う公式には存在しない人間に対しては手を打たない。それを何とかしたいと考えた良心的な人間が自分の安定した老後を賭けての大博打ですから好感が持てます。これを感傷的な御伽噺と決め付けることも可能ですが、この種の階級制度的な実態での運用が行われているのは事実でしょうし、それに対しての希望的なフィクションは悪いものではありません。[DVD(字幕)] 6点(2009-07-19 00:27:20)(良:1票)
2. ズール戦争
《ネタバレ》 いわゆるズール戦争については日本では資料が少ないようです。この時期の歴史的な原住民の反乱にはインドのセポイの反乱,米国でのリトル・ビッグ・ホーンの戦闘,義和団の乱とか有名ですが,これらがいずれも侵略者に対する経済的・民族的・宗教的反感に根ざしているのと,この映画の舞台は少し違っているような気がします。この映画にフィクション的な要素があったにしても,映画から受ける印象では原住民の成人儀式との不運な遭遇との感があります。南部アフリカの民俗的知識はありませんが,当時の原住民男性の役務が繁殖と儀式としての狩猟,戦争しかない(日常の労働は女性の役割)とすれば集団結婚式に続いては難敵を克服して戦士としての資格を得ることで,それが一定数の間引きを兼ねて行われる儀式の一環との解釈は無理なこととは思えません。だから白人に比べて高い視力や投擲力を生かしての長スタンドオフ武器(弓矢,長槍,石)など用いず白昼の肉薄戦にこだわることや,定足数の間引きが終われば相手に敬意を表して立ち去るところも理解できるし,あの無責任な牧師は一体何を見ていたのやら。しかし,いずれも実戦経験のない二人の中尉の成長や,多分本国で貧乏故に徴兵された兵士たちの信頼関係など興味深いものがありました。[DVD(字幕)] 8点(2007-09-13 00:34:25)
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