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1. 美女ありき
《ネタバレ》 元外交官の加瀬俊一氏による同名の書があります。エマ・ハミルトンの話は欧州で伝説化していたでしょうから映画がどこまでが脚色しているかは判りませんが,ネルソンの友人たちの配慮でかなりの遺産を貰ったけれど派手好きで使い果たしてネルソンとの間の娘を連れてフランスに渡りナポレオンの没落時期に亡くなったそうです。冒頭の話はやりすぎの感もありますがストーリの展開よりビビアン・リーにあの老け役をやらせるアイディアは素晴らしい。名声が上がるとともにパーツを減らすブラックな展開とそれにより更に愛情を深めると言ういかにも映画向きの題材です。不倫は当時の上流社会では(離婚を害悪視していたこともあり)必要悪みたいに受け入れられ,庶民の価値観とは違っていたようですが,安酒場に隠れていたら士官連中が流れ込んできての展開は周囲状況を理解させるには十分でした。戦闘に際して(当時の海戦では敵船を捕獲してリサイクルが重要なので接舷して切り込みとなる)高級士官は目立たない服に着替えるところをわざとしなかったのは,家庭をめぐるトラブルから負傷して引退とかを期待したらしいけれど,広場の塔に祭りあげられるのは想定外だったでしょう。歴史ものでなく恋愛の映画としての企画でしょうがまとまりは良いのだと思います。時期的に多くの兵士が戦線に送り出されるときにこの種の「不倫」はかなり切実なものとして受け取られたのでしょうか?[DVD(字幕)] 6点(2007-10-01 12:09:39)
2. ビスマルク号を撃沈せよ!
《ネタバレ》 ヒトラー臨席のもとでの進水式から出撃までの淡々とした進行と諜報戦、そしてロンドンのトラガルファー広場の地下の英国海軍司令部の内部を立体的に構成したドキュメンタリー(原作出版あり)です。北海の嵐の中を追尾する英国巡洋艦を振り切れないもどかしさの中で英国の戦艦フッドとプリンス・オブ・ウェールズとの遭遇戦では発砲の指令が一方は「シュート」、他方は「ファイア」といずれも英語ですが使い分けられているのがおかしい。制作費が少ないためか(当時に本物の戦艦は稀少でした)戦闘場面はかなりチープです。フッドは文字通り轟沈で沈没シーンも煙だけ。これに続きソードフィッシュ雷撃機(複葉機)による攻撃で損傷、徹夜の修理中に英国駆逐艦の夜襲と絶え間ない戦闘と絶望的な状況の中に到着するのはヒトラーからの祝電と言う皮肉。魚雷で舵を損傷して行動不能となったビスマルクは英国戦艦群の集中砲火の中に沈没するのですが、その報告を受けた後に暗い地下司令部からひと気の少ないトラファルガー広場に上がると鳩が舞い上がる光景で終わっています。夜間の駆逐艦の撃沈シーン以外はほぼ史実通りです。6点(2004-09-23 17:54:31)
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