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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 2人のローマ教皇 《ネタバレ》 雲ひとつない晴天なのにローマ教皇が ベルゴリオ大司教と散歩する時に白い雨傘をステッキ代わりにしていたり、新旧の教皇がシークレットサービスが買ってきたピザにパクついていたり…くらいしか笑えるところはなかったですが周囲のアメリカ人は結構笑っていました。これはわたしの英語力の無さよりは仏教徒であるわたしのキリスト教の信仰心の無さに起因するもの…と言いたいですが実は本作品では英語、イタリア語、スペイン語が同じ程度使われていて最後に出てくるドイツ語の横断幕「DANKE!(ありがとう!)」を入れると4ヶ国語が使用されていて、字幕のない英語は英語圏に○十年住んだので問題ないけれど、他の3カ国語は旅行前の付け焼き刃から長くて数年かじったことのある言語ばかりなのでなまじチンプンカンプンの人より字幕に対する反応が遅い上に字幕の色が白だったので教皇の白い法衣と重なると読みにくいことこの上ありませんでした。この点を声を大にして糾弾したいです。日本語では黄色の字幕だといいですね。 全般的に「聖職者はどこまで人々の不幸に対して責任があるか…」みたいな重いテーマが描かれているのですが、ベルゴリオ大司教の「Entiendo? (わかったか?)」の掛け声とともにサッカーが始まったり、「僕たちは聖職者である前に人間なんだよね。」と新旧2人の教皇が一緒にピザを頬ばって許し合い、自分たちの弱さを認め合ったりとか、ほのぼの系の友情物語と言った方が適切です。2人とも深い心の傷を抱えていて、だからこそ人々の痛みがわかるローマ教皇たることができるのです。さて、フランシスコ教皇の次はルワンダの大量殺戮を目撃した黒人の大司教がローマ教皇かな? 不幸が起きることは望みませんが少しでも人々と痛みを共有したことのあるカトリック司祭によってこの地位は引き継がれていくことでしょう。[映画館(字幕)] 9点(2020-01-08 11:39:21)(良:1票) 《改行有》 2. フェリーニ 大いなる嘘つき 観るものの心に鋭く訴える作品を作る監督、茫洋として捕らえどころがないけれど何となく余韻を残す作品を作る監督、美しい作品を作る監督、リアルな作品を作る監督・・・どのような監督をとっても「あなたの映画哲学は・・・?」みたいな、あるいはネタバレ的なインタビューなんか公開する必要は全くない。ただ巨匠フェリーニもお年だし、関心のある人も世界中にいるだろうから、ということで作られたドキュメンタリー作品。それ以上でもそれ以下でもない。点数の内訳は音楽・・・でもこれだって「女の都」とかから借りてきたものにすぎない。[DVD(字幕)] 6点(2010-03-07 03:38:03) 3. ブラザー・サン シスター・ムーン 《ネタバレ》 面白い話ではあるし、画面などが素晴らしく美しいと思いますが、最後にローマ法王をひれ伏させるだけの説得力なんかあったのか?ローマ法王に質問されて空を飛ぶ鳥がどうのとか答えにもならない答えをして、ただ単に風体を省みない変人か下手すると狂人だと思われてもしかたがない様子で説得力がありませんでした。確かにゼッフィレッリ監督お得意の美しい画面には訴える力がありましたが、映画では映像や演技よりも脚本がものを言うのです。聖フランチェスコについて詳しい言行録が残っているわけでもないと思うので、思いっきり想像力を働かせることができるような天才脚本家が聖フランチェスコの感動的な台詞を書いていたのなら満点なんですけれどね。[DVD(字幕)] 6点(2009-09-13 05:07:22) 4. フランケンシュタイン(1994) 点数をつけにくい作品。ホラー・ファンには不評のようですが、ブラナーのフランケンシュタイン博士は彼にぴったりだし、デ・ニーロは顔をぐちゃぐちゃにされて気の毒だけれど、元モーツアルト(「アマデウス」の主人公)、トム・ハルスが演じる博士の親友の凡才が登場する度になぜか心が和むし、ボナム・カーターは人形のようなきれいな顔をしているから終わりのほうの・・・これ以上書くとネタばれをオンにしなければいけないのでやめておきます。出演の俳優さんがそれぞれ個性を発揮したいい演技をしています。他の方のレビューの中で「中世は苦手」とかいうコメントがあったので一言。冒頭のテロップで簡単に触れられていますが、時代背景は19世紀始め、フランスは大革命を経験し、イギリスでは議会政治が成熟して産業革命が進行中、ジェンナーが始めた予防接種の科学的根拠が議論され、蒸気機関や電気も応用まであと一歩というところで、当時の知識人の科学に対する信頼と希望は現代人のそれを上回っていたのです。原作者メアリー・シェリーが後に夫となる詩人のP.B.シェリーと駆け落ちしてスイスに滞在していた時、P.B.シェリーがあまりに科学を信じていることに疑問を感じて書いた作品です。人造人間だのクローンだのはとても一人の科学者が達成できるものではなく、例えば遺伝子(DNA)の解明などといった関連の業績がある度にノーベル賞が奮発され、臓器移植にからむ脳死だのが倫理的に取りざたされてきたということを現在のわたしたちは知っていますが、人間による生命解明に対するわたしたちのこういった姿勢も、メアリー・シェリーが科学万能の考え方にいち早く疑問を投げかけてこのような作品を書いたからこそ生まれたのかもしれません。本作品はそこまで深くは考えさせませんが、原作は文学史上で不朽の地位を確立しているし、映像は美しいし映画化の価値は十分に認められてよい作品です。 原作では博士の弟を殺した罪でのジャスティンの裁判がしっかり書かれていました。この経緯が省略され、民主制の当時のスイスではまさかのような唐突な絞首刑のシーンがあって時代背景を中世だと思わせてしまう一因となっていますが、この減点は大きいです。[DVD(字幕)] 6点(2008-03-18 15:18:08) 5. プライドと偏見 主演のキーラ・ナイトレイがきれいで、映像と音楽がとても美しい作品。原作は未読ですが、何人かの方が指摘しているようにストーリーはちょっと駆け足という気がします。[DVD(字幕)] 6点(2007-04-06 04:45:52) 6. ファーゴ 実話に基づくストーリーということで、余計な脚色など一切排除して「この映画をどう見るかは見る人にお任せ。」といった製作姿勢に好感がもてました。金に目がくらんで犯罪にはまっていく恐ろしさを感じるもよし、冬のミネソタで妊娠中の大きなおなかをコートに隠して活躍する婦警のタフネスに感動するもよし、白一色の冬景色のような作風が良かったと思います。特にオスカーを受賞したフランシス・マクドーマンドが演じた婦警のキャラクターが今までになく新鮮でした。死体を見て気分が悪くなり男性の同僚に「つわりで・・・。」と言ってごまかすところなど「羊たちの沈黙」でジョディー・フォスターが演じたエリートの女性FBI捜査官とは全く異なる「どこにでもいるママさん婦警」のイメージーを増幅しているようで良かったです。ハリウッドは社会的弱者を演じた俳優に甘い点をつける傾向があるのでマクドーマンドのオスカー受賞も少々割引したほうがいいかもしれません。何しろ投票者の中には女優も大勢いて彼女等は婦人警官と違っておなかが目立ったら普通は働けないわけですから。でもこればかりは同じ年に主演女優賞にノミネートされた他の女優さんと比べてみないことには何とも言えませんね。7点(2004-04-05 08:03:29)
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