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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 旅情(1955) 重ねて見る毎にいいと思うようになった。ベニスに旅行に来たアメリカ人のハイミスが、素晴らしい景色にうっとりして眺める。その風景に観客も一緒にうっとりする。旅行して素晴らしい風景を見ている思いを共感させるキャサリンの演技とカメラワーク。でも寂しい思いは満たされない。そこへ渋いイタリア紳士の登場、密かにあこがれるが自分からは行動できない誇り高い女性をこれまたキャサリンは見事に演じる。運河のふちで彼の店の写真を撮ろうとして後ろ向きもまま運河に落ちる。その瞬間、つれの子供がカメラのみ助ける。その後のホテルでのシーン、レナートが彼女を訪ねてきて口説くシーン。二人とも横顔のみ、キャサリンはその横顔で本音を暴露され、うろたえ困惑する心情を実に巧みに表現する。レナートに妻がいると知ればきっぱり別れようとするし、これ以上彼にのめり込むことは出来ないと悟ると「明日帰る」と決断する。いかにも彼女にぴったりの女性像。「私の生活には何にもないわ」と言った彼女に、このベニスの想い出は一生の宝物になるのだろう。知らない土地、しかも遠くて二度と来られるかどうか分からない旅先で、出会う景色や人とのふれあいを体に刻み込むようにする「旅情」が、この頃特に理解できる気がする。それで彼女の表情と視線の先の高い屋根や空を眺めるシーンの意味がよく分かる。彼女のドレスとリボンの色のコンビネーションも素敵。彼女がいつまでもゆっくり手を振るラストシーンといい、全てに心配りが効いた作りが素晴らしい。旅先でのハイミスのひとときの恋という世俗的な話を、品を落とさずメロドラマにもならず爽やかに描き切れたのは監督のうまさだと思う。10点(2003-08-06 11:21:34)(良:4票) 2. リトル・ダンサー 最高、大好き、はじけるような躍動感とバレーに対する熱い思いがビンビン伝わってきた。踊りたくて、踊りたくて道路で飛んで踊るシーンが一番その心を現していた。最初は軟弱と反対し、次はお金が無くて困惑し、でも子供のためにスト破りまでするお父さんの思い。いいです、脚本も俳優もコンセプトも全て。ラスト、成長してりっぱなダンサーになったその一瞬の踊りの姿・・・ああぁぁ~もっとみた~い・・で、ストップ・・印象がより強いにくい終わり方です。10点(2003-06-25 22:05:13) 3. リトル・ヴォイス ジェインとユアンの若い二人のカップルより、強烈なキャラクターの母ブレンダ・ブレッシンとマイケル・ケイン、ジム・ブロードベントなど脇がうますぎて目立ってしまい主役がかすんでしまう。 ろくに口も利けない引きこもりの女の子が父の幻を見たとたん、人が変わったようにはつらつと歌いだすのがいくらなんでも不自然、、、と思ったけど、【ダイ】さんの「LVイタコ説」で納得。このささやかなハッピーエンドも現実的で悪くはないけど、 「チャンスに歌えないLVをユアンが励ます→LVは父の幻の替わりに現実の支えを見つけて自己を開放→舞台に立って熱唱、めでたしめでたし、、」っていうハッピーエンドも密かに期待してた私。でもこの単純でない落とし方がまた味わい深いのかも、、俳優の演技にプラス1点。7点(2004-09-14 17:13:36)《改行有》 4. リトル・ストライカー サッカー好きでなくても楽しめました。いじめられっ子が魔法の靴と言う暗示で大活躍、でも本当の力は靴ではなく勇気にあったという話。全てが丸く収まるラストのハッピーエンドまで絵に描いたような運びだが、彼の周りの人たちも丁寧に描きただのスポコン・ハッピィーという単純な作りではないので引き込まれた。7点(2004-04-20 22:42:29)
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