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プロフィール
コメント数 496
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 皆様のレビュー、いつも参考にさせていただいております。私のレビューも参考になれば幸いです。

2012年以降忙しくなったので、レビューを一言にしています(上半期分は6月末にまとめて投稿)。参考にしにくいかもしれませんが、あしからずご了承ください。採点基準は以前と同様です。

私の連絡先はこちら⇒えむいーあーる75jp[あっとまーく]yahoo.co.jp

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  ハンナ ケミカル・ブラザーズが音楽を担当するアクション映画ということで、興味津々で観に行った。確かに音楽は映画の内容とうまく調和していたと思うのだが、脚本が一本調子なので、観ていてそれほどワクワクしなかったのが正直なところ。シアーシャ・ローナンもケイト・ブランシェットも好きだし演技も良かったので、この点数をつけるが、ラストに至るまで何も捻りが無いのは困ったものだ。 さらには、エリックのキャラクターややっていることがそもそもよく分からない。娘を復讐マシーンに仕立て上げるなら、せめて仇敵の顔ぐらいは事前に教えておくべきではないか。本ばっかり読ませて音楽をはじめとする現代文化に全く触れさせないというのも、ちょっと解せない。挙句の果てに、サバイバル術やら殺人術を散々教授しておいて、最後はやるかやらないかはお前次第という放置プレイにも戸惑いを覚える。いくらなんでも色々と説明不足過ぎやしないか。[映画館(字幕)] 5点(2011-09-11 19:42:30)《改行有》

22.  アリス・クリードの失踪 時間軸の操作や登場人物の過去の因縁に頼ることなく、意外とナチュラルかつまっすぐなストーリー展開で好感が持てた。本当に登場人物は三人しかいないというのもすごい。今年のカップル映画が「ブルー・バレンタイン」なら、三角関係映画はこれで決まりだろう。登場人物一人ひとりの立場に立って考えても、ストーリの流れに矛盾や違和感が無い。ラストはできすぎているのだが、その爽快感も捨てがたい。[映画館(字幕)] 7点(2011-09-11 18:08:56)(良:1票)

23.  ミッドナイト・エクスプレス(1978) 《ネタバレ》 この映画を観て、ちょwwwトルコやば過ぎだろwww絶対イカネwwwって言ってるアメリカ人って多いんだろうなあ。密輸防止のため、日本でもアジアに渡航する若者には全員これを観てもらうってのはどうでしょう。 何だかんだで映画自体は面白かったです。スーザンの優しさに泣きました。[DVD(字幕)] 6点(2011-08-07 22:04:00)《改行有》

24.  28週後... 《ネタバレ》 結局コードレッドの徹底が最善だったって言う夢も希望もないオチには笑いました。[DVD(字幕)] 5点(2011-08-07 21:55:28)

25.  モールス 《ネタバレ》 原作は未読。映画版の「ぼくのエリ」は鑑賞済み。どうしても「ぼくのエリ」との比較になる。 「ぼくのエリ」は良くも悪くも荒削りな映画だった。CGや特殊効果はほとんど使わず、ただ役者の演技力だけで勝負していた。この作品は効果的にそれらの技術を使用することで、オリジナルに現実味を与え、観やすい作品に仕上がっている。さらに監督は、舞台をアメリカに移し、意欲的に当時の時代背景(共和党レーガン政権における二極思考の強まり)を作品に付加して、どちらかというとはっきりとした「テーマ」を持たなかった原作にバックボーンを与えようとしている。そのチャレンジ精神は評価したい。しかしながら、この作品が原作に比べて優れていたかというと私の答えはノーである。 私はこのお話の魅力は子供の人格が孕む不安定さや二面性にあると思う。その点についても、本作品は明確に意識しており、オーウェンは「弱虫!」ではなく「この女の子野郎め!」と言いながら、立ち木をナイフで傷つける。つまり、彼は自分をいじめるケニーたちに復讐したいと思いながらも、女の子のように見える自分自身をも傷つけているのである。この映画は、善悪二元論的な世界観が支配的である時代背景との対比で、自分を全面的に肯定することができない主人公の意識を浮き彫りにしようとしており、そのテーマ自体はオリジナルに対して分かりやすくなっている。 しかしながら、この作品はこのテーマをはっきりさせようという点に腐心しすぎたがために、子供の持つ魅力を映しそこねてしまっている。マクフィーとモレッツ、主役二人の演技力は確かであり、その堂々とした演技はこの作品のテーマをしっかり伝えられた上での演技だろうなと安心感を持って観ていられるものだ。だが、その代償として、オリジナル作品の二人がもつ儚さや頼りなさは損なわれた。そこにあった頼りなさは本人達が意図したものではなかったのかもしれないが、結果的に、オリジナルでは彼らの演技の頼りなさが役柄上の頼りなさと見事にシンクロしていたのである。その巧まざる一致が原作を傑作にしたと私は感じている。それゆえに、ハリウッド的に上手にまとめたこの作品も私は好きだが、やはりオリジナルには及ばないと感じるのである。 ところで、オーウェンが生きていれば、現在は40代。どこでどのように血液を確保しているのだろうか。観終わって、ふっとそんなことを考えた。[映画館(字幕)] 7点(2011-08-07 13:47:30)(良:1票) 《改行有》

26.  イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 《ネタバレ》 この映画の初レビューを書けることを光栄に感じております。それほど良い映画でした。今までに観たことのあるドキュメンタリー映画の中ではピカイチでした。 私はあまりグラフィティのお仕事には詳しくないのですが、割と寛容な気持ちで受け止めております。東京でよく見かけるあの変な字体のアルファベット(読めない上に色使いにセンスを感じられない)には、一抹の不快感を覚えるものの、ウィットに富んだ壁画や同じ図案(顔とか)を繰り返し描くミニマリズム溢れるデザインには感心していました。コントで同じネタを何度もかぶせられると面白いと感じる感覚と同じでしょうか。 さて、この映画はバンクシーが監督している映画です。バンクシーは著名なグラフィティアーティストで皮肉っぽい絵を街中に落書きしたり、皮肉っぽい作品を街中に展示したりします。両方違法です。この映画の中でもカリフォルニアのディズニーランド内である仕掛けを試みており、爆笑してしまいました。この映画ではナレーションも担当しており、いちいち面白いことを仰います。この映画の公式サイトのインタビューもオススメです。一方で、ここにはティエリー・グエッタという男もいます。彼はアメリカの古着店のオーナーでビデオ気違いです。朝起きてから寝るまでいつでもどこでもビデオを撮っています。ひょんなことから彼はグラフィティアートの楽しさに気づきます。様々なアーティストと会い、深夜の街角で彼らの制作現場を撮影します。しかしそのうち次第に自分でも作品を作りたいと思うようになります。 これ以上言うとネタバレになりますので、ここで止めますが、この映画はドキュメンタリー映画でありながら、この後の展開が実に興味深いのです。ここまでの話ではビデオ気違いのグエッタが監督でも良い感じがするでしょう?しかし、そうはならなかったのです。なってはならない事情があったのです。それが明らかになる過程で、アート界の内幕が暴露されます。バンクシーが言うように頭がおかしい世界です。同時にそれは非常に興味深いです。 しかし、泥水からでも美しい花が咲けばよいのです。この映画はアート界に対する痛烈な皮肉でありながら、アートそれ自身の未来に対してはとても楽観的です。芸術を信じています。僕も全く同感なので、心地よい清涼感に満たされて映画館を後にしました。[映画館(字幕)] 8点(2011-07-22 22:13:46)《改行有》

27.  127時間 《ネタバレ》 岩に腕を挟まれて身動き取れなくなったある若者の127時間。その間、彼は何を考え、何をしたか? まず良かったところから。主役のアーロンの人物造形がとてもリアルだ。隣に住んでそうだ。イケメンでいい奴なのだがちょっと変わっていてアウトドアがやたら好き。ウィークデーはアウトドア用品店でバイト。週末は車に自転車を積んでアウトドア三昧。何度も来てるブルー・ジョン・キャニオンなんてマジで俺の庭だから的なノリの軽さ(悪い意味ではない)。道に迷ってる女の子には声をかけちゃうし、ヒーロー気取りで秘密スポットも教えちゃう。この親しみやすさ(キャラクターの汎用性)が後半のドラマを盛り上げる。 あとは音楽の使い方がよい。この映画では、ぶっちゃけて言えばほとんどの時間を主人公アーロンは腕を岩に挟まれているわけだから、ジェームズ・フランコの一人芝居が延々と続くことになる。いくらアカデミー賞にノミネートされるほどの演技力と言っても、それだけで90分はさすがにキツい。だから音楽とか回想シーンの使い方が重要になってくる。回想のリアルさ(要は自分の選択に関する後悔の連続)もさもありなんという印象で面白かったが、それを盛り上げる音楽の選曲がとてもよかった。しっくり来ていた。 一方、減点要素。どうしても、取り扱ったテーマ上、どうしても退屈な部分が残ってしまう点。僕が結末を知っていて、「何だかんだやってても結局は○○しちゃうんでしょう!?早く○○しちゃえ!」と思いながら観てしまったせいもあるかもしれない。この映画を観る人はできるだけ事前に情報を仕入れずに行くことをオススメする。結末だけが面白いわけではないが、結末については何も知らずに観てほしい作品だ。 あとは、主人公の窶れぶりがイマイチ物足りない。確かに目の下の隈とか顔色の蒼白さとかはある。しかし、もっと目やにが出るだろうし、口の周りには干からびて白くなった唾液がついているはずだし、口内の水分も少なくなってもっと呂律も回らないはずだ。5日間くらい風呂に入らずに埃っぽい野外にいたら、もっともっと不潔にはなっているんじゃないか。細かい部分だがちょっと考証が甘いかな。 総合するとほんとは6点くらいなのかもしれないが、この映画のポジティブなメッセージには共感できるので少し甘めの7点。ビデオを前にしての一人ライブシーンはよかった!そのユーモア力に拍手!![映画館(字幕)] 7点(2011-06-19 17:51:53)(良:1票) 《改行有》

28.  ファンタスティック Mr.FOX 《ネタバレ》 「チョコレート工場の秘密」も「マチルダはちいさな大天才」も子供の頃の愛読書だった。よい子の僕は嫌なガキが徹底的に痛めつけられるのが大好物の嫌なガキでもあった。とにかく馬鹿とデブには厳しいんだ、この人は。そこが最高なんだ。 「父さんギツネバンザイ」は生憎読んだことがないが、この映画がロアルド・ダール原作と知って鑑賞を即決めた。ティム・バートンの「チャーリーとチョコレート工場」は原作の毒が薄まっていた上に説教臭い親子愛物語まで付け加わってイマイチな出来だっただけに、本作には期待が膨らみっぱなしだった。 そして鑑賞。人形は可愛いし、動物のキャラクターも愛着が持てる奴らばかり。父さんギツネとアナグマ弁護士のライバル意識、アッシュとクリストファソンの対抗意識。そして彼らを優しく見守る母性に満ちた母さんギツネは理想のお母さんだ。いつの間にか、自分も父さん目線になってるのには自分で驚いた。年取ったなあ。そして、クソ農場主どもの憎たらしいこと!そうそう、これがヴァイオレントで意地悪な偏見に満ちたダールの魅力ってやつさ。 でも、正直言ってちょっと物足らなかったなあ。やっぱり人形アニメの限界なのかもしれん。動きがぎこち無いのは許せるとしても、やっぱり顔の表情が出しにくいというのは致命的な印象を持った。いや、このアナログ感(=オシャレ感)がたまらんのだよという意見にも十分共感したうえでのこの点数だ。ごめんよ。 ただし、その中で声優陣の奮闘は称えられて良い。母さんギツネ役のメリル・ストリープの年齢不詳妖艶ヴォイス、カイリー役のウォロダースキーの間抜けな鼻声。そして父さんギツネ役のジョージ・クルーニーの上質なコーヒーの味わいにも似た優しくて深みのある語り口。この声がこの映画をファンタスティックにしている!男の中の男、ファンタスティックMr.Fox!![映画館(字幕)] 6点(2011-06-16 23:20:37)《改行有》

29.  キラー・インサイド・ミー 《ネタバレ》 アメリカ南部の田舎町で保安官助手を務めるルー(ケイシー・アフレック)は温厚で愛想のいい性格で、その不幸な経歴にもかかわらず、職場でもその町の住民からも愛されていた。ガールフレンドである教師のエイミー(ケイト・ハドソン)との仲も悪くない。ある日、彼は上司から町外れの娼婦ジョイス(ジェシカ・アルバ)を町から追い出すよう命じられ、彼女の家へ向かう。そして、そこで彼女から平手打ちを食らったことで、彼の中の「キラー」が目覚め、彼は次第に暴力に魅入られていく。 主人公のルーは完全な二重人格ではない。自分のやっていることを冷静に評価し、それを隠そうとする知恵もある。それゆえ、余計に彼の行為は不愉快でそして魅力的なのだ。もちろん人を傷つけることは許されない。しかし、それに対して食欲や性欲と同等のレベルで欲求を感じる人間がいたら、どうだろうか。彼は苦しむだろう。苦しみながら人を殺すだろう。人を殺しながら泣くだろう。僕は「彼」ではないが、「彼」という人間には強く同情したし、魅力すら感じてしまった。あくまでも「彼」の一人称でこの物語を語らせた脚本の勝利だ。全てが完結するラストのクライマックスは美しくさえある。僕は映画の世界に完全に引き込まれてしまった。 少し眠そうな南部訛りで淡々と暴力への憧憬を語るサイコキラーを演じたケイシー・アフレックの演技は背筋が凍りつくほど恐ろしい。ベン・アフレックの監督・俳優としての才能も凄いし、この兄弟からは目が離せない。[映画館(字幕)] 8点(2011-04-28 23:01:35)《改行有》

30.  プライドと偏見 《ネタバレ》 リジーがちょっと美しすぎるのが難点だが、原作の雰囲気はなかなかよく描けていたと思う。昔は皆貧しかったのだなあとあらためて思った。知識人である地方の郷士でも、暮らしに困っていたというのは興味深い。お金に賎しいというレビューもあるが、この時代背景をよく考慮する必要がある。家族の住む家がなくなるかどうかというときに、母親が娘をある程度財産を持った男と結婚しようとさせるのは当然だろう。その嫌になるような現実と愛という理想をどこで妥協させるかで人は悩むのだし、その姿が美しいのだ。 リジーの相手役のダーシーについても、批判が多い。確かに気持ちの表現が下手すぎる不器用な男で、これは女性側の好みによるんだろうなと思いながら観ていた。個人的にはマシュー・マクファディンの縁起は悪くなく、はまり役とも感じた。最後に、気持ちの移り変わりが激しく情熱的なのだが、同時にそれを慎み深く隠そうとするという難しいタイプのリジーを体当たりで演じたナイトレイの演技が出色。本当にうまい女優だと思う。[DVD(字幕)] 7点(2011-04-28 22:21:05)《改行有》

31.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 原作(和訳)は既読。最も好きな小説のひとつで何度も読んだ。「原作を読んでいなかったら…」という仮定ができないほど、のめり込んだ小説だ。どうしても原作と映画を比較してしまうため、この点数だが、初見だったらもっと高い点をつけられるかもしれない。 「運命を受け入れ、その中で精一杯生きていくこと」が、この作品のテーマだ。青年でありながら、長くは生きられない残酷な宿命のために、老成した考え方やものの見方を強いられ、次第にそれを受け入れていく3人の人生の軌跡は儚く、脆く、そして美しい。波乱も少なく、静かに物語が進んでいくだけに、余計に彼らの切実な感情が胸に迫る。 映画はこの原作の静謐な雰囲気をかなり忠実に受け継いでおり、そこは評価できる。タイトルや章が変わる際のダルトーンの背景色はとてもしっくり来たし、ヘールシャムやコテージの雰囲気も想像通りだった。主役の3人の演技も素晴らしく、皆原作をよく理解して芝居をしているなと感心した。特にトミー役のアンドリュー・ガーフィールドははまり役だと思う。 一方で残念だったのは原作の繊細な心理描写までは映像化できていないこと。これは媒体の違いということで目をつぶるしかない点かもしれないのだが、やはり原作のファンとしては減点せざるを得ないポイントだ。蝋燭の炎が微かに揺れるくらいのほんの僅かな心の揺れがひしひしと伝わってくる原作にはとても及ばない。いくつかのエピソードが省略されていたり、内容が分かり易く改変されていたのは、映画化というハードルを越える上で仕方がない措置とはいえ残念だ。 特にキャシーとルースの複雑な“親友関係”がこの映画では描けておらず、トミーとの三角関係においてルースに非があるような印象を観客に与える脚本になってしまっているのがいただけない。ルースは「愛されたい」タイプの人間であり、それは決して間違ったことではない。トミーとルースの関係は一種の補完関係になっていたし、二人が結ばれるのは運命だったのだと僕は思う。その上で、キャシーとトミーが自分達の愛こそ真の愛だと信じる(信じ込もうとする)ことが健気で、深く心を打つのである。 願わくば原作を読む前に観たかった。この映画を観ることで、より多くの人が原作を手にとるきっかけになれば良いと思う。[映画館(字幕)] 6点(2011-04-06 23:42:18)(良:3票) 《改行有》

32.  英国王のスピーチ 吃音の英国王と言語専門家の心の交流という目の付け所は素晴らしく、アカデミー作品賞も受賞したため、期待にあふれて鑑賞したが、そこまでの感動は得られなかった。もっと面白く出来たはずの作品。当時のイギリス史をざっと理解していないと、ヨーク公と兄との確執などはちょっと唐突感があってわかりにくいかもしれない。王室という下手にいじれない題材のせいでちょっとつくりが保守的に過ぎる嫌いもある。 ただし、コリン・ファースとジェフリー・ラッシュそれにヘレナ・ボナム=カーターの競演はさすがで、主演男優賞は文句なしと思う。逆にあとの二人が受賞を逃したことが驚きだ。 会話の矯正というとどうしても「マイ・フェア・レディ」を思い出すが、やはりあの作品には及ばないと感じた。まあ、あれは主演がオードリーだから贔屓目もずいぶん入るのだけど。[映画館(字幕)] 7点(2011-03-13 19:32:33)《改行有》

33.  アラビアのロレンス リバイバル上映で鑑賞。この映画を観るのはもう何度目か分からないが、今までで観た全ての映画の中で最も好きな作品だ。僕がこの映画を好きな理由は、まずは全てにおいてこの映画が秀でていること。脚本もキャラクターの造形も台詞回しも音楽も映像美も何から何まで素晴らしい。特にキャラクターと台詞回しは本当に凄い!ロレンスはもちろん、アリもアウダもファイサル王子もアレンビー将軍もドライデンも!本当に素晴らしい躍動感だ。実在・非実在にかかわらず、本当に血の通った人間が歩き、話し、考えている。 しかしそれだけではない。「ゴッドファーザー」も「ローマの休日」も「ガタカ」もほぼ完璧な映画だと思う。それらに加えて最も大事な点は僕がこの映画で描かれるロレンス彼自身に心底愛着を覚えるからだ。 確かに僕は彼のような英雄ではないし、砂漠どころか海外にも大して行ったことはないし、戦争を戦ったことも無い。しかし、彼の栄光と挫折に至る過程における彼の心理状態にはことごとく共感できる。マッチの炎を指で消してみたり、将軍に無造作な口を利いたり、自分の居場所はここではないと感じていたり、名声に酔ったり、そういう自分を恥じたり、理想主義だったり。 僕にとって彼は、基本的には同じ考え方をもつ人間でありながら、僕がもって生まれた能力の低さや意志の弱さや慎重さ(消極性とも言う)から実現できないことを次から次へと実現していくスーパーマンなのだ。だから彼の欠点も含め、その行動一つ一つが愛おしく、そして同時に圧倒されるのだ。これを観ると僕も彼のように「生きた」人生を送りたい!と心から感じる。面白い映画であるとともに自分の気持ちを引き締めてもくれる映画だ。人生において大事なことを、観るたびに僕に改めて問いかけてくれる唯一無二の映画だ。[映画館(字幕)] 10点(2011-01-15 22:18:31)(良:2票) 《改行有》

34.  キック・アス 《ネタバレ》 悪がはびこる世の中に正義の鉄槌を下すべくコスプレしてヒーロー活動を開始する主人公(キック・アス)だが、有名になり過ぎてマフィアのボスから目をつけられてさあ大変。といういかにもコミックっぽいストーリーだけを予備知識に鑑賞した。基本的にはコメディかと思って観ていると、意外とハードなバイオレンスシーンやアクションシーンも多いのが予想外だった。ただ、このおかげで映画にメリハリがついて、結果としてはとても良かったと思う。 まず、軽快なストーリー展開やユーモアあふれる台詞回しが素晴らしい。ビッグ・ダディとヒットガールの親子関係って、シリアスに映すととんでもなく辛気臭くなりそうなんだけど、そこはコミックだけに、うまくエンタメに昇華させている。また、主人公と友人や父親との関係、マフィア親子の関係など、巧みな台詞回しや構図で人と人との心理的な距離感が表されていた。 演技面では、ヒットガール役のクロエちゃんがまずとにかく可愛くて可愛くて仕方が無い。「童貞ウォーズ」に出演していたプラッセのオタク演技も堂に入っていてにやついてしまう。オタクの動き方の特徴って洋の東西を問わないね!しかし、中でも最高だったのはニコラス・ケイジ。嬉々として、というかノリノリでビッグ・ダディを演じていてかなり笑えた。こういうちょっとブチ切れた役はまさにはまり役だ。 あとは、音楽も良い。ガツンと来る爽快感のあるロックチューンを中心に選曲されているが、個人的にはヒットガールが敵の本陣を衝くときに流れる「荒野のガンマン」にシビれた。やっぱりバイオレンスはウェスタンの心意気を受け継いでいないと面白くない。初心を忘れない選曲が泣ける。 ただ、最後にひとつだけ。近年すごい勢いで娯楽映画の暴力描写がエスカレートしている気がして、内心ハラハラしてしまう。原作のアメコミからして凄いらしいので、しょうがないっちゃしょうがないのだけど、そんなにやらんでも…という気もする。マフィアによる指切りとか人間電子レンジのくだりは無くても良いんじゃないかと思う。隠せば良いというものでもないかもしれないが、映画の本筋からしてそれほど必要なシーンとは思えなかった。どこが肝になったか知らないが、とにかくR指定になってしまったのは残念だ。これくらいでR指定かよ!という弁護をしたくもなるが…。 多少のグロに耐えられる人なら絶対面白いよ、この映画!必見![映画館(字幕)] 8点(2011-01-09 21:14:40)(良:3票) 《改行有》

35.  リトル・ランボーズ 《ネタバレ》 「銀河ヒッチハイクガイド」の時も感じたが、この監督のユーモアセンスは正直に言ってちょっと僕のセンスと合わないし、理解しにくい。この映画でもディディエのキャラクターがよく理解できなかったし、カーター兄が急に素直になるラストのご都合主義も鼻についた。ウィルの母親がプリマス同胞教会から抜ける過程もちょっと唐突だ。 ただ、人が何かに一生懸命に打ち込んでいる姿は美しい。主人公のウィルとリー・カーターがカメラを担いでキラキラした笑顔で走り回っている。共に父親が不在である彼らが、「ランボー」に感化され、ランボーの息子として父親を救出するというストーリーに熱中し、正反対の性格でありながら互いに協力して何とかして良い映画を撮ろうと奮闘している。その彼らの姿を観ているだけで泣けて泣けて仕方がなかった。映画作りに目覚め、挫折し、最後にその経験こそが人生の転機になるという流れは、王道であるが故の気恥ずかしさもあるが、感動的でもあった。「ランボー」の原題である「First Blood」(「先手」、「先制攻撃」の意)という言葉を台詞回しでうまく利用した中盤の喧嘩シーンも忘れがたい。7点はつけざるを得ない。ああ、子供の映画にはどうしても甘くなってしまう。[映画館(字幕)] 7点(2011-01-09 18:56:36)《改行有》

36.  銀河ヒッチハイク・ガイド(2005) おい!全然面白くねえぞ!でも、不愉快ではないからこれ以下はつけられない。[DVD(字幕)] 4点(2011-01-05 23:32:25)

37.  ロビン・フッド(2010) うーん、歴史アクション大作とすれば文句は無い出来なんですが、やっぱりロビンフッドには義賊的な立ち回りを求めてしまいます。一部の登場人物以外、脚本はすべてフィクションなので、腹も立たないのですが、ロビンがイギリスの未来を担ってフランス軍と戦っちゃうような展開は正直期待していなかったです。やっぱり緑の衣装に身を包んで敏捷に森の中を駆け巡り、愉快な仲間達と共に弓矢で悪代官を悩ませる昔ながらのロビンフッドが観たかった。まあ、だとしたらごっつい体のラッセル・クロウは絶対にはまり役じゃないですけど(この映画でははまり役!)。 キャストでは誰が良かったかって、やっぱりケイト・ブランシェットでしょうか。この年でツンデレして許されるのは世界広しといえども彼女くらいでしょう。可愛すぎ。彼女の出演作をもう一度きちんと観直してみたいと思います。他には悪役のマーク・ストロングとジョン王のオスカー・アイザックも良かった。 それにしてもこの監督は相変わらずズレた独裁者を描くのが好きですね。「グラディエーター」の皇帝とジョン王のキャラが被りすぎじゃないかと思いました。[映画館(字幕)] 6点(2010-12-21 22:12:42)(良:2票) 《改行有》

38.  戦争のはらわた 可憐なドイツの童謡「小さなハンス」(日本では「ちょうちょ」として知られる)と軍隊の行進曲が交互に流れる。映像はナチスそしてヒトラーの台頭を淡々と映し出す。大群集の耳も割れんばかりの歓呼をもって迎えられるヒトラー。理想に燃える瞳を持ったヒトラー・ユーゲントの青年達。次第に映像は戦時色を強めていく。爆撃、銃撃、砲撃、強制連行、処刑。そしてこの作品の舞台が明らかになる。破竹の勢いを誇った第三帝国が遂に敗北した1943年の東部戦線だ。ソ連の敵陣へ奇襲をかけたシュタイナー伍長とその部下達は鮮やかな戦いぶりでこれを殲滅。巧みにスローモーションを織り交ぜた素晴らしい一連のシーンだ。戦い終わって「Good kill!!」と泥だらけの顔で白い歯を見せるジェームズ・コバーン。そして、彼らは一人の少年兵を捕虜にする。 この観る者を圧倒する流麗なオープニングだけでもこの映画の価値が分かる。男が惚れる渋みを持ったシュタイナー伍長(のち軍曹に昇進)、そして生粋のプロイセン貴族で鉄十字勲章の獲得に醜い執念を燃やす新任のシュトランスキー大尉。この二人の葛藤が、敗色濃厚で悲壮感漂うドイツ軍に更なる悲劇を齎す。ドイツ軍人の誇りを持ち続けるブラント大佐や斜に構えたキーセル大尉、シュタイナーに惚れこんだ愉快な部下達も物語に味を添える。 この映画は優れた人間ドラマであり、同時に優れた戦争アクション映画でもある。「プライベート・ライアン」で冒頭の戦闘シーンの悲惨さが話題になったが、すでに70年代にそれと比肩しうる映画はすでに存在していた。効果的で冗長に流れない戦闘シーンでのスローモーション、そして残虐とも言えるほど執拗な殺人描写。映画館で観ていたら客席にも硝煙のにおいが立ち込めてきそうなくらいだ。 中盤の病院のシーンがやや冗長な上に、その後の展開とうまく絡んでこないのが気になるが、この映画は紛れもない傑作だ。何よりも、壮絶な戦闘を繰り広げた果てにある、狂騒的とも呼べるラストの展開が凄まじい。びっくりした。こんなラストは初めてだ。響き渡るコバーンの哄笑。ニヒルなのに無茶苦茶暑苦しい男たちのドラマ。笑いながら泣けてくる。ペキンパーはこの映画で戦争映画に革命を起こした。映画好きなら絶対に観ておくべき一作。[DVD(字幕)] 9点(2010-11-09 23:25:20)《改行有》

39.  ゴスフォード・パーク 複雑と評判のこの映画。何度も繰り返して同じ映画を観たくはないので、一発で理解しようと、何度も映像を止めながら専門サイトと首っ引きで鑑賞した。公式サイトが閉鎖(?)されており、人物相関図をネット上で見つけられなかったため、三姉妹の年齢関係や主人と召使の対応関係を覚えておくのが難しかったのが残念だったが、それなりに内容は理解できた。 露悪的と言ってもいいほど、当時の上流階級および召使階級の偽善や俗物根性などの人間の持つ醜悪な一面が取り上げられる作品だが、そのエピソード一つ一つは比較的あっさり描かれているため、不快感はない。むしろ、一人ひとりの視線や表情、口調などから多くを読み取ることができ、なかなか面白い作品になっている。「日の名残り」の舞台を描いているにもかかわらず、監督や取り上げるテーマが異なるため、まったく趣が異なる作品になっているのも興味深い。 登場人物が多すぎて、僕のような外国人では、彼らの会話や関係性について行けない部分があるのがもどかしいが、アルトマン映画とは相性が良さそうなので、引き続き鑑賞していきたい。皮肉りながらも登場人物一人ひとりの人物像を公平かつ丁寧に描く作風は大好きだ。[DVD(字幕)] 7点(2010-11-06 21:01:09)《改行有》

40.  エイリアン/ディレクターズ・カット 《ネタバレ》 ど派手なアクションや露骨なこわがらせシーンはないのだが、宇宙船の薄暗い船内が持つ恐怖感が効果的に利用されていて、見ている間中どきどきしていた。船内の大量の配管やスイッチ、噴き出す蒸気等の小道具の使い方も上手。SFもホラーも苦手なのだが、さすが名作といわれるだけあって、この映画は無事最後まで観られた。 逆に終盤にはちょっとエイリアンのことを好きになっていたり。丸くなって救命船に隠れている様は可愛かった。また「2」で会いましょう![DVD(字幕)] 7点(2010-09-25 22:01:23)《改行有》

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