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コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123456789
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41.  サロメ(1987) 《ネタバレ》 オスカー・ワイルドの『サロメ』は演劇としても有名、かつリヒャルト・シュトラウス作曲でオペラにもなっていてコッチもまた有名でありますけれど、今作は構成としてはこのサロメを劇中劇として上映時間の大半でソレを描写してゆくのであり、かつ大筋は原典にかなり忠実なので(⇒演出の方では思い切り独自性を出しまくってますが)映画としては非常に観易い・見せ場も分り易い作品になってますね⇒その時点で、監督作としてはだいぶオススメし易い感じ。演出としても、この話が(本質的には)エロいヤツだってゆうトコロの表現は(根本的には)オペラとかとも変わらんと思うのですが、この面とてよりドギツく+かつ下品な方面にかなり滑稽なモノとして+加えて少し現代的・モダンな雰囲気も取り込んで、といったユニークな質感に仕上げられてますかね(ただ、この80~90年代に「モダン」だったってヤツって、今今にコレを観るとどーにもちょいダサいとも言いますか、今だと「モダン」にも「レトロ」にもなり切れてなくてややイマイチ…と思うコトもあったりしますが)。 重ねて、シンプルにワリと(眺めてるダケでも)楽しめる…と思うのですが、それは衣装とかのルックス面がごくユニーク・凝ってるコトの効果なのは言うまでもねーです。いちばん好きだったのは(まるでパンク・ロッカーみたいな)洗礼者ヨハネすね。あとは当然、肝心のサロメ役のイモージェン・ミライス=スコットというお姉ちゃんも、この人はワリと最初っからナチュラルにイカレてる感じがプンプン漂ってるのですが、更に中盤~終盤で「Let me kiss your mouth!」とか「Give me the head of John the Baptist!」とかってキメ台詞をひたすら延々繰り返すサマのマッドなコトにはモ~痺れてしまいました。他、グレンダ・ジャクソンの王妃へロディアの(高貴ながらの)アバズレ感も当然の如くに好みでしたね。[レーザーディスク(字幕)] 7点(2023-10-23 09:05:46)《改行有》

42.  シラノ 《ネタバレ》 同原作の映画を巡っていて「オペラでも観てみたいな…」と思ってたトコロ、近々でミュージカル映画になってたのでイザ!と飛びつきました(いちおうオペラにもなってるらしいですが)。更に、既に舞台版ミュージカルになっていたヤツを映画化した…てコトらしくて、主役の2人はその舞台版から引き続き、かつ音楽担当がバンド「ザ・ナショナル」のメンバーだってのもまた引き続き…てコトらしいです。その一番肝心な主演がピーター・ディンクレイジ…とゆーコトで、シラノのコンプレックスが「デカ鼻⇒低身長」になってるとゆーのが最大のポイントではありますかね。ココ、全然悪くないコトだとは思うのですが、一つ考えてしまったのが、シラノの場合のデカ鼻とゆーのは(そんなレベルのは)たぶん実在し得ない…という意味ではごく「抽象的」な属性だった…と言えるかとも思うのですが、ソレをディンクレイジにフツーに演らせる…てのはより現実に則した描き方だとも思えて(なにしろ実在するのですから)ともすれば方面によっては批判もあったりなんかしなかったのかな…なんて。ただ、最後まで観ると(だからこそとゆーか)肝心なシラノの「勝利」とゆーのも、またより現実に強力に繋がってくるモノ・真に迫ったモノとして感じられた…ので、その面はたぶん効果的だった・成功だったと言っても好いかな、とも思いました。 でお話の中身としては、かなり素直に原作準拠、加えて映像は現代的なレベルにチャンと引き上げられているので、今作もまた当然の如くに全然面白く観切れましたですね。ただ一点、コレは完全に個人的趣向の範疇ではありますが、音楽に関しては私自身はちょっとしっくり来なかった…と言いますか。前述どおり音楽担当がロック・バンドの面々で、だから楽曲も全然フツーに現代的でポップなヤツで揃ってるのですよ。マジで、洋画の現代劇の(ちょっとシャレオツな)ドラマ作品でいつでも流れてるよーなヤツがこの歴史もののミュージカルでも流れてくる…てのにどーにも違和感が拭えなかったのでありますね。でも、ディンクレイジもヘイリー・ベネットも実際に歌も歌ってるのですがそのクオリティ自体は正直思った以上ではありました(特にベネットは全然フツーに巧いな~と思って聴いてました⇒見映えの方も超・フワフワな雰囲気でとても魅力的でしたし)。重ねて、面白い映画だったとは自信を持って言えます。[インターネット(字幕)] 7点(2022-11-22 12:47:06)《改行有》

43.  未来惑星ザルドス 《ネタバレ》 展開運び自体はやや難解とゆーか、結構駆け足で説明も不足ぎみ…ではありますかね。ただ、内容自体は(今や)嘗て結構よく見たな~て方のSF的なお話で、んで全体的にもその設定・話の中身の詳細自体はまずまずつくり込まれてたと言えるのではないでしょーか。かつ、かなり低予算で撮った…とゆーのも含めれば、逆に好くココまで撮り切ったな…と思ったのが正直なトコロでして。個人的には事前の予想以上(+最初の10分を観終わった時点の感覚以上)に最後まで観たらだいぶ楽しめたという感じっすね。悪くなかったです。 ただ一点、例えばその漫画版『ナウシカ』とかにも通じる様な「滅びを希う人類」だとか「ある極致に到達した『知』」だとかいった概念に関してはある種、やっぱ20世紀のSFだな~と思ったのも確かでして。結局ソコから半世紀経った現時点、技術的な進歩は確かに在ったけれども人類の在り方としての進歩なんてのは殆ど無かったのではねーかな…てのが(個人的には)強力な実感として在るのですよね。ソコを踏まえると、今作に描かれる類の「心配事」なんてのは、正に「絵空事」にしか思えない…とゆーのがまた正直なトコロでして。ソコはまた×2、ある種我々がいま真に憂うべきコトなのかもなあ…とも思ったりなんかして(ちょっと暗~い気持ちで観終わってしまいましたよね)。[DVD(字幕)] 7点(2022-11-06 18:00:14)(良:1票) 《改行有》

44.  ラストナイト・イン・ソーホー 《ネタバレ》 ふと、エドガー・ライトってホラーなんか撮ってたケ?と思ったのですが、そもそも『ショーン・オブ・ザ・デッド』か………いや、そーいうコトでもないよーな気もするのですケド…… ただ、本作は少なくとも最初の1時間はあまりホラーちゅう感じでもなくて、むしろお話もコンセプトも実に丹念に精密につくり込まれたもっと圧倒的に本格的な作品に見えてるのですね。もしソコに恐怖や憎悪といった醜悪なホラー的概念が既に存在してたとするならば、ソレとてソレは単なる「悪」とかでは全くなくて、スウィンギング・ロンドンという煌びやかな表の貌を備えての「裏側」だ、という意味でも軽く2倍はつくり込まれています(=フツーのホラーに比べたら)。まずはその美しき・善き側面のクオリティからして、オシャレにファンタジックだったり(部分的にはもうしっかり)ミュージカルだったり、率直に実に見事でした。今作、映像のクオリティは全編通しても頗る高かったと言って好いでしょう。 ところが本作、真ん中をチョイ過ぎた辺りからは一転してドエラくパワフルなホラー展開が際限無く加速し続けていく暴走特急と化してしまうのですね。この部分の力強さ・ハイスピードな展開も、確かにまず(コレは)ホラーとして一級品だと思いましたし、重ねて映像表現の出来も引き続き素晴らしかったと思います。しかし前半と後半は雰囲気がややアンマッチかな…とも感じたのですし、そして率直に後半はお話として(特に意外性を最重視したラスト付近の諸々は)ちょい雑すぎ or 完成度の面でやや口惜しい…という様にも感じました。何よりやはり結局こーいうオチ(=犯人があの人)なんだったらば、そもそものエロイーズとサンディの繋がり・シンクロとゆーのは一体ナンだったんやねんな…となっちゃいませんかコレ?意外(で驚愕)なオチではありましたが、でも根本的には実はこれオチてないんじゃ…?とか私なんかは思っちゃったりもするのですよね… 今作もまたエドガー・ライト宜しく、その部分は少し「軽い」、そしてこの彼一流のノリとゆーのは結論、私個人としては亦かなり「苦手」なヤツではあるのですよ(=エドガー・ライト自体がそもそもやっぱ苦手…という意味で)。ただ重ね重ね、本作の映像面のクオリティは総じて相当に秀逸な部類だったとは思ってますし、特に中盤のホラーシーンのスリリングさなんかはコレだけで1900円の元は取れた…と確実に感動してしまったという個人的事情もあって、評点としては僭越ながら一点加えさせて頂こうかと思います。良作でした。[映画館(字幕)] 7点(2021-12-10 22:27:48)《改行有》

45.  キャッシュトラック 《ネタバレ》 序盤はいつものステイサム無双!に見えなくもねーのですケド、作品自体は全体的にはもう少しシリアス・シビアとゆーか、特に中盤が結構深刻で陰惨でかなり重めなのですよね(テンポ的にもお話的にも)。ただただ痛快・爽快に娯楽120%!という感じでもない作品だとまずは思いました(ソコは多少好みがあるトコロかと→特にステイサムものとしては)。 しかし、終盤のアクションはシンプルにメッチャ面白かったす。結局はほぼ全員悪人!というお話なのですが、悪人であると同時に全員かなりの手練れ!でもあって、ラストのアクションはなんかかなり高度だと感じましたね。現金輸送の会社が舞台ですが、実際のその業種の方面にチャンと取材でもしてるのか設備や運用にもリアリティが有る様に感じましたし、元軍人の襲撃犯と訓練を積んだ警備会社メンバの戦闘は(特にステイサム一人で何とかなるワケでもない、という意味で)前述どおり相当に高度で諸々見応えが凄かったですね(どちらの陣営も誰しも一筋縄では殺られない様なしぶとさを備えてるとゆーか)。また、襲撃犯は完全防弾装備・警備会社スタッフも防弾チョッキ着用、で銃撃に対する防御力が皆かなり高いのもちょっとユニークだったと思います(ショットガンをブチかましてもまだ止まらないという)。一点指摘するなら、結局オーラスはやっぱステイサム最強!的に締めるのだったら、ソレはラストのアクションシークエンスの中でやり切るべき(いったん流れを切るのはチョイとだけ興ざめ)かとは思いましたかね。ただ、重ねてこのラストのアクションの出来に免じて、少し甘めですがこの評点としておきます。[映画館(字幕)] 7点(2021-11-01 21:33:08)《改行有》

46.  フォーリング・ダウン 《ネタバレ》 なんとゆーか年を喰うと、あまり怒ったりしなくなりますよね。いや、私も怒った「フリ」とゆーのは(必要に迫られるので)しょっちゅうやってますが、根本的に感情に流されて行動すること自体がすごく減るとゆーか。まあ、理屈抜きで感情に任せて行動した所為で散々痛い目を見てきた、という「学び」故なのだとは思いますケド。 ド初っ端から素っ頓狂にブチ切れてオッ始まるので、もっとシンプルな(そしてイカレた)アイデアのスリラーかと思ったのですが、一枚重層的なのが、周囲の世界がイラつく事象に満ち満ちているという状況自体はよく見るとマイケル・ダグラスもロバート・デュヴァルも大して変わんない、というコトに見えます。もちろん、適度に器が広くて穏便に対処してゆけるデュヴァルの方には大いに共感してゆくワケです。終盤、嫁さん相手にキレてる「フリ」をしたシーンなんか個人的には最高でしたね(その後は一発マジギレしちゃってますが)。 ただ、作品として奥行きが在るからイイのかとゆーと必ずしもそーではなくて、マイケル・ダグラスの側のお話(=大人気なくキレちゃうコトの一種の爽快感)とゆーのはイマイチ盛り上がってゆかないとゆーか、最初が一番な尻窄みの様にも思えます。結局のトコロ、本作はスリラーではなくてブラック・コメディなのでしょーね。結論的に私個人としてどちらが観たかったのかと言えば、ダグラスの暴走が果てしなくエスカレートしてゆくという(どこか笑える程度の)アクション・スリラーだった、という様にも感じます。シンプルなアイデアはシンプルに、とでも言いますか。[DVD(字幕)] 7点(2021-07-22 08:57:37)《改行有》

47.  追想(2017) 《ネタバレ》 なんか結構、一見は「下世話」なハナシだと言ってよいだろうと思いますね。シアーシャちゃんとゆーのは爽やかでフレッシュでスマートな美人ではありますが、ちょっと色気とゆーのはまだちゃんとは備えてもいない、という印象で、ただその意味ではある種のハマリ役でしょうし、それはこーいう内容を意外にもごくごくマジメに・真摯に描いてゆくという実際の作風からも適切なキャスティングだったと思います。 重ねてですが、描かれる「事象」自体は非常に下世話なトコロを、こーいう妙にマジメな雰囲気に纏め上げるとゆーのは地味に演技・演出ともにかなり難易度が高いと思います(特にエロっぽさをごく抑えて、その一方でそこにリアリティを共存させるとゆーのが)。ただし本作、そこのクオリティがまず非常に優れていたと思いますね。色々と微に入り細を穿って事細かに考え抜かれたシリアスな展開運び・仕上げが素晴らしかった、なんつーかソコはもはや精密機械の様な映画だとすら思います。その部分にはまず中々ユニークで高度な見応えがあったなあ、と感じましたのですね。 ドラマとしては後半の展開がやや大袈裟すぎるとも思いましたが、ラスト付近の余韻はこれまた中々でした。描かれる「若さ(若気の至り?)」の爽やかビターな味わいがかなりグッドな良作青春恋愛映画だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2021-07-14 21:32:14)《改行有》

48.  SF核戦争後の未来・スレッズ<TVM> 《ネタバレ》 結局のトコロ、本作が主張したいこととゆーのは、全面核戦争が起こってしまったら文明の復興は(少なくとも短・中期的には)困難だ(無理だ)ということなのでしょうね(それはある程度しっかりした科学的なシミュレーションでもそーいう結果が出ている、ということだったのかと)。その意味では、その「全面」という部分に関して、本当にそーいうことになってしまう可能性があるのかどーかを含めての一歩踏み込んだリアリティという部分には議論の余地があるのかも知れませんし、個人的にはもう一つ、事前の備えにせよ事後の事態収拾にせよ、もう少し「団結」してやれることとゆーのはないのか、と少しだけ疑問に思う面もありました。ただ、それは私の想定が甘すぎる、ということだとも感じています。例え現実的な対処方法が「人口の間引き」しかない状況に陥ったとしても、それを許容するだけの「逆」の意味での倫理観あるいはフレキシビリティというものを、もはや現代の人間社会は持ち合わせていないだろう、とも思うのですよね。 ある種、普通の映画とは「目的」が違う作品だと言えますし、だからこそ、鑑賞後感とゆーのも極めてユニークに超ネガティブです。単純にちょっと勉強・知識習得にもなりますし、一味違った作品としての観る価値とゆーのも確実にある映画だと言えるでしょう。[DVD(字幕)] 7点(2021-04-29 17:04:38)(良:1票) 《改行有》

49.  回転 《ネタバレ》 大昔に観たときは、率直によー分からん映画だと思ったのですね。それは、この映画を単純に幽霊映画・ホラーだと思って観ていたからだった、と思うのですが、今回、原作を読む機会があったのでそれを機に観直してみました。 そもそも原作と言うのは、幽霊がメインの要素である以上は間違いなく怪談の類いなのですが、その中でより注力して描写されるのは主人公の心理的葛藤、すなわち、思わせぶりな態度を取り続ける子供たちが実際に「黒なのか白なのか」という部分の疑心暗鬼、或いはグロース夫人との関係性(協調または敵対)の部分に生まれる緊迫感であり、そういった主人公の不安・不穏な感情を描くものとしては確実に(心理的)サスペンスという方が適切なのです。その観点からすると、非常に控えめな幽霊自体の描写、端的なデボラ・カーのヒステリックな感情表現、豪奢ながら寂寥とした屋敷や物悲しいオルゴールの音色が形づくる全体の陰鬱な雰囲気、結局白黒がハッキリしない不可解な結末、といった部分の仕上げ方・出来映えを勘案しても、確かにこれは比較的優れている・的確な方の文芸映画だと言えるのではないかと感じるのですね。 ただ、よく言われることですが「小説(原作)か映画か」という観点で言うと、今作は原作と比較すると実は色々随分と簡略化されている、という部分に若干の残念さを覚えるのも事実です。子供たちに対する主人公の猜疑心というものは、原作では非常に地味な描写の繰り返しによって(最初から最後まで一貫して不穏な空気に包まれつつも)極めて緩慢に形成されてゆくのであり、それが彼女の最終的な狂乱状態に説得力を与えるとともに、その長きにわたる「不穏さ」を味わう、という意味でのサスペンスの醍醐味を同時に生み出しています。が、映画の方は率直にそれが全体的に結構にアッサリしたものに変わっちゃってて、小説を存分に楽しんだ身からすると少しばかり物足りない、という感じなのですよ。 その意味で言うと、映画では特にグロース夫人との関係が非常に軽い描き方になってしまっているのがだいぶ気になります。ジェスルの幽霊がフローラにもグロース夫人にも見えなくて、結果フローラとの関係性が瓦解する場面というのは、同時に唯一の味方であったグロース夫人との協調関係が反転するという点で小説ではココイチ衝撃的な場面だったと言えるのですが、映画ではそれが残念ながらそーいうものにはなっていないのです。そういった部分も含めて(前述どおりかなり上質な映画化だとは言え)やや原作の持つ「ウリ」というものが分かり難くなっている映画、だとも言えるかと思うのですね。 とは言え、全体としてはまま悪くない出来だと思います。私の本当のオススメは小説の方ですが、こちらも決して観て損も無いかと。暇なら是非。[DVD(字幕)] 7点(2021-04-29 09:49:38)(良:2票) 《改行有》

50.  父の祈りを 《ネタバレ》 法廷もの・冤罪ものとしてはシンプルな筋で、基本的な部分は分かり易いしラストも十分に盛り上がるので、その時点で間違い無く良作だとは言えると思います。私も序盤から話に簡単に引き込まれ、ラストまでハラハラワクワクしながら一気に観終われました。 ただ、私は勝手にこのお話をジェリーの成長物語として観ていたのかもしれません。その観点からすると、意外とその部分はそんなに分かり易くもない、というか、特に父親が亡くなった後にジェリーが人間的に変化する、という側面は思ったホドは分かり易く描かれているワケでもないかと感じました。もう一つ、弁護士のピアースとの関係性もあまり掘り下げられてはおらず、そこら辺の人間や人間関係の描かれ方にはあまり深みというものを感じ取れませんでした。前述どおり総合的に良作であることは間違い無いと思いますが、人間ドラマとしては少しだけ浅いかもと。 とは言え、前半は父親のピート・ポスルスウェイトの落ち着いていながらも毅然とした様子が非常にグッドだし、彼の亡くなった後半も、代わって今度はデイ=ルイスとエマ・トンプソンの演技の質の高さが映画の緊張感を素晴らしく維持していきます。重ねて、総合的には良作だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2021-02-09 23:59:53)《改行有》

51.  ベイビー・ドライバー 《ネタバレ》 オープニング最強というか、ド初っ端のカーチェイスはマジで凄かったすね。アクションは掴み・中押し・オーラスとどれも高水準でしたが、個人的には最初が一番爽快感があって一気に映画に引き込まれました。ラスト付近の派手なカーバトルも全く悪くはないのですが、ソコも最初ぐらいのカーチェイスカーチェイスしたの(つーか更に向上したの)が来てくれるかな、と少し期待していたので、それだけがほんの微かに残念、というトコロでしょうか。 主人公はベイビーを自称したエラいカワイイ兄ちゃんで、作中でも結局「根は善人」扱いですが、中々どうしてキレるとマジでヤバいというか、十分すぎるホドにダーク・ヒーローの素質抜群です(躊躇いが無いのですよね)。出てくる人間も極悪人ばかりで共感するのはチョイ難しいというお話ですが、細かいことは気にせずに物語と音楽の爽快感を楽しもう、という作品だと思いますし、個人的には十分にノッていけました。重ねて、主演のアンセル・エルゴートはカワイイ兄ちゃんなのですが、キレた時の目付きなんかは迫力も素晴らしかったです。今後も注目していきたいすね。[DVD(字幕)] 7点(2020-12-19 20:47:25)《改行有》

52.  ファイナル・スコア 《ネタバレ》 2015-16シーズンの終了を以て、ウエスト・ハムは本拠地をロンドン・スタジアムに移転した、その最後の夏に旧スタジアムであるアプトン・パークで撮影した、という映画なのですね。結構やりたい放題に実際のスタジアムを使えているという点で、中々良い目の付けドコロです。他にも良い点として、フットボール・スタジアムを舞台にした種々のアクションは中々に斬新で目新しいモノであったり、展開運びのキレもテンポもわりかし良好だったり、ダイ・ハード的アクションの中規模作としてはこの部分には十分に合格点なクオリティをつくり込めていると思います。ただ一方で相当に突っ込みドコロが豊富な作品なのも端的に事実で、そこら辺に引っ掛かってしまうと映画全体としての評価は少し下がってゆくのかもと。個人的にも、良作ではあるがそれ以上ではない、という評価が適切なよーに思います。 細かい突っ込みドコロを拾ってゆくことは本レビューでは避けますが、良い点と悪い点を併せ持つという意味では、主演のバウティスタも正にその一つだと言えます。やはり、彼には「脳筋」なキャラの方が絶対に合っています(今作の様に色々と器用にこなしてゆくという主人公であれば、起用すべき適切な俳優が他にいくらでも居たハズかと)。とは言え中盤のワンシーン、キッチンでのマーティン・フォードとの壮絶な肉弾戦は実に見事でした。個人的にはアレが今作で一番ホットなシーンでしたかね(両者とも正に破格の筋肉量で、これでどっちかが凡人だと肉弾格闘としての勝負が成立しない、というレベルですよね)。[インターネット(字幕)] 7点(2020-10-21 23:57:52)《改行有》

53.  モーリス 《ネタバレ》 原作の小説が書かれたのは100年以上前。それを考えれば、この小説が先進的で本質を捉えた優れた著作だったことに疑いは無く、そしてまた、これを映画化する意義が製作当時でも全く失われていなかったのも間違いの無いところだろう。特に、登場するふたりの人物描写に見られる「相違」、モーリスに対してクライヴがより適応力が高いというか、自分の感情・本能と社会的自己との整合をより器用にこなせるという風に描かれる点には、原作者のこの事柄に対する的確で深い理解を伺わせる(クライヴが、LGBTとしていわゆるバイセクシャルに該当するような個人であったのか、それともこれは彼の恋愛当事者としての特性・個性だったのか、という点は定かである訳では無いとも言えるが)。 ただ、話の内容自体は、昨今のより高度なLGBT映画に比べればだいぶ普遍的、かつシンプルなものだと言える(それが良いのかも知れないが)。その意味で言うと(同様のテーマの作品が他にもあるという意味で)これを鑑賞することの社会的意義が製作当時よりはやや薄れたであろう現在では、実際に本作を観た人々の作品自体の評価もある程度変わってくる様にも思われる。 しかし、時代的で文芸的な雰囲気の素晴らしさに加え、この時代のこの事柄を描いたという史料的な意義からも、その部分での本作の価値は決して今後も損なわれることは無いだろう。むしろ、同性愛に対する偏見が少しずつでも薄れつつある現在の方が、本作の恋愛映画としての純粋な良さというものは、よりコレクトリーに感じ取ることが出来ると言えるのかも知れない。[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-25 18:33:21)《改行有》

54.  アバウト・タイム 愛おしい時間について 《ネタバレ》 シンプルですが、実に羨ましい能力ですね。この能力があったなら、私なら高校時代を永遠にループするか、1日を10回繰り返して少しずつ進んでいくか(やり残しをつくりたくないタイプです)、どっちかだと思いますね。 しかし、コメディ的なことではあるのでしょうが、主人公とゆーのが中々に残念なヤツで、この能力が無かったらどーにもならない様な、とでも言いますか。ただ、彼に好感が持てるというのが、あくまで自分と自分の周囲の人の幸せを守るために、ごく謙虚にこの能力を使うこと。私なら、シャーロットにあんな感じで誘われているなら、一回は為る様に為ってから時を戻しますよね。 お話自体は割と平穏でノンビリ観れるというものですが、もう一個印象に残ったのは、女の子がみんな可愛いなあと!地味な所で言うと妹も結構可愛いと思ったのですが、のっけのシャーロットがまずエラい美人さんだなあ、と思ったらこれがまだ若きマーゴット・ロビーでした。しかし、そんなのどーでもいいかもというレベルで可愛すぎるのがレイチェル・マクアダムス。こんな感じに程良くエロくて面白くて、かつ優しくてキュートな女の子と人生を歩んでゆけたらと、誰でも想像してしまいますよね。 個々のシーンでひとつ、嵐の結婚式(大惨事)も好きなシーンですね。大爆笑でした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-25 01:26:20)《改行有》

55.  愛欲のプロヴァンス 《ネタバレ》 南仏の明るく美しい風景をバックにしつつも、妙にアンニュイな冴えないオッサン。最初見るからに怪しい青年が出てきてよもやソッチ系の話かと身構えたが、別にただ飲んだくれただけで話は続いてゆく。その後、若いカワイ子ちゃんが出てくるも、彼女も妙に情緒不安定でどことなくメンヘラ風味。男も女も、どうにも拭い去れない過去があるらしい。 そこら辺が繋がってくるのはだいぶ終盤で、その時点では単なる三角関係の話かと思ったら、ラストは正に「ありえね~」な大ドンデン返しの一撃必殺。背徳的なバッドエンドは左程好みとは言えないが、カワイ子ちゃんを思う存分抱いたオッサンが地獄に堕ちたのをザマア見ろと横目で見つつ、単純な話ながらさり気なくも巧みな伏線の貼り方や、心情の移り変わりの自然な表現の上手さ、快刀乱麻な伏線回収の鮮やかさを含め、最後まで観ると結構よい仕事だったとも思う。お手軽でダウナー系な恋愛映画としては、観て疲れることもなく、そこそこ有用かと。[インターネット(字幕)] 7点(2020-04-14 16:47:34)(笑:1票) 《改行有》

56.  恐怖ノ黒電話 《ネタバレ》 確実にタイトルで損をしている作品ですね。これじゃあ、クラシカルでオーソドックスな(古臭い)ホラーだとしか想像できませんですよ(非常に優れたアイデアのあるモダンな作品なのに…)。 敵の為すがまま、いつ、何をされるかも分からないと言う防御力ゼロの状況は、まるでサメ映画でサメが居る暗い海に放り込まれたかの様な極度の心地悪さを常時醸し出している。しかも、相手はサメではなくて悪辣で悪知恵のはたらく女サイコだという、実に不快で逃げ出したくなる様な極上のホラー具合だ。女サイコは(当然ながら)姿が見えず、終盤、一瞬姿が映りかけるもすぐ消えてしまう、という敢えて「見せない」恐怖の演出もまた秀逸だと感じる。ネガティブなラストも、過去を変えた弊害であることを含めてコレも好みではあるが、DV元旦那についてはラストで殺される以外にはあまり上手く使えていなかった様にも思う(奴が何をどうしたいのかがイマイチ分からないのも一因かと)。どちらかと言えば間違い無くシナリオは複雑な方であることもあって、ツッコもうと思えばツッコめる箇所も幾つか在る…とも言えるが、無理に気にするのも野暮であろう。結論、文句無しの優秀ホラーかと。[DVD(字幕)] 7点(2020-04-13 21:52:02)(良:1票) 《改行有》

57.  ジュディ 虹の彼方に 《ネタバレ》 『オズの魔法使』で、ジュディ・ガーランドは永劫不滅の輝きを手に入れた。映画文化が存する限り、彼女は全ての映画愛好者にとって極め付きの「美しい過去」で在り続け、だから彼女の物語は得も言われぬ「身に覚えの無い」郷愁を我々にもたらす。そして、彼女の人生全体を覆い尽くす闇こそが、その虚像の眩さを一層際立たせている。本作は、彼女が手にした永遠と、そのために払った代償の双方を描き出していると言える。 レネー・ゼルウィガーの演技・演唱は(特に歌唱面で)極めて高水準で、率直に言って(足し引きすると)『エディット・ピアフ/愛の賛歌』のマリオン・コティヤールと比較しても遜色の無いレベルと言ってよいだろう。ただし、結構ひたすらに鬱々と暗い話の内容自体の出来について言えば、個人的には本作は『エディット・ピアフ/愛の賛歌』には及ばない様に思う(ラストのカタルシスがやっぱ少し弱いかと)。もう1点加えても良いかとも思ったが、そちらとの点数の上下関係を考慮してこの評価とさせていただく。[映画館(字幕)] 7点(2020-03-14 21:54:53)(良:1票) 《改行有》

58.  ふたりの女王 メアリーとエリザベス 《ネタバレ》 悲劇の女王メアリー・スチュアートの生涯を描く。ほぼ史実に忠実な映画化らしいが、人物関係や状況の説明はやや軽めで、歴史の前提知識が無いと少し辛いかも。メアリーは中々に「高貴」な女性だが、あまり有能な君主という感じはせず、どちらかというと(現実の政治的処理をテキパキこなす)エリザベスの方に感情移入してしまった。この女優2人はどちらも君主らしい威厳も然ることながら、苦悩に満ちた人生を生きる女性を非常に好演している。シアーシャちゃんはこんぐらい出来て当然だと思ってたが、マーゴットがこんなに優秀だとは思ってなかった(ゴメン)。実話ベースの話の内容自体はそこまで盛り上がる訳でも無く、よく言ってそこそこ程度。とは言え、前述のふたりの演技だけでも観る価値は十分。良作歴史映画。[インターネット(字幕)] 7点(2020-02-03 23:10:15)(良:1票)

59.  ターミネーター3 《ネタバレ》 ジョンがノーカリスマなプータロー、ヒロインがクソブス、そしてアホみたいな大オチと、映画としての瑕疵を論えばキリが無い。がしかし、特に序盤のクレーン車シーンは、CGに頼らないアクションとしては確実に映画史に残る素晴らしい出来映え(もはや今後、これを超えるものもあんまり出てこないだろうと思うし)。その他のアクションも全体的に上々だし、ターミ姉ちゃんもセンス良いと思う(表情のつくり方とかの雰囲気もポイし、微かに笑ってる?とかの細かい所の演技も悪くなかったし、電磁砲も単純ながら良いアイデア)。また頗るテンポが良く、総じて意外と結構楽しかった。頭空っぽにして観る前提で、このジャンルでは十分に良作だと思う。[DVD(字幕)] 7点(2020-01-30 01:09:25)

60.  聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア 《ネタバレ》 監督の前作・前々作とはうって変わって非常に明解なシナリオだが、演技・演出ともに非常に秀逸で一級品のスリラーと言える。特に子役の演技が(複雑な感情・背景を表現する必要がある所で)3人とも実に冴え渡っていて見事の一言(表情のつくり方、目付きなどが絶品の域)。性表現の過激さ・品が一切無い感じは平常運転(キッドマンにアソコまでやらせるとは)。結構オススメできる一作。[映画館(字幕)] 7点(2019-11-15 23:38:25)

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