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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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121.  スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー 《ネタバレ》 正直言って、自分は全くこの世界観に溶け込めずに、完全に置き去りにされてしまった感じがした。 前編を創りたいのは分かるけど、思わせぶりのセリフが多いのもやや気になる手法。 問題点としては、まずは薄っぺらい世界に合う薄っぺらい脚本。 ご都合主義満載のストーリーにはもはや突っ込む気にはなれず、これ以上あえて語るつもりはない。 宮崎映画というより、ラストあたりは自分はルパンのクローンのやつを思い出しましたよ。 そして、全く臨場感も疾走感も感じられない映像。 CG映画は好きな方であるし、CGによって映画は発展していると感じているが、この出来は、いかがなものだろうか。 特にグィネスが序盤ロボットに踏み潰されそうになっている場面は酷いとしか言いようがない。 あれでどうやって、ドキドキしろと言うだろうか。 真面目なヒーローモノと構えずに、完全にギャグ映画だと割り切れば楽しめる人は多いかもしれない。 事実、狙い通りレトロの世界に合う古典的なギャグで場内は結構笑いに溢れていた。 自分はグウィネスが好きなのでその点は充分楽しめたし。 衣装はステラマッカートニーが担当しているらしい。彼女はビートルズのポールの娘で、元クロエのデザイナー。 現在はグッチグループで自分の名前でデザインしている人気のデザイナーなので、ジュードとグィネスの衣装には注目して欲しい。 そして、かなり引っ張りに引っ張ったラストのオチ。あれには本当にマジ参った。あれで最低の映画だったのが救われた、完全にポイントアップした衝撃の驚きのラストは必見。5点(2004-11-28 22:29:32)《改行有》

122.  モーターサイクル・ダイアリーズ 旅をするために旅に出発した二人、詳細なプランは特別にはない、目的地はハンセン病施設。 そんなあてどもない旅を通して、ゲバラが何を見つけ、何を学んだのかという視点が上手く描かれていた。 学んだものは、ぶつける事が出来ないどうしようもない怒り、やりきれない想い、人々の貧しさと、人のために役に立ちたいという漠然とした気持ちが強い想いに変わったこと。 旅を通して自分が何をなすべきかを探し得たのではないだろうか。 嘘をつくことが出来ない、わけ隔てなく人に対して向き合い、人に対しての愚直なまでの率直さが、ガエルガルシアの真っ直ぐな眼差しとあいまって、人々を惹きつける魅力となっている。 旅をしているうちに様々な人々と触れ合い、大きく変わっていく自分。 そしてもう戻ることが出来ない自分もいた。 旅もそうであろうが、自分に対しても郷愁と興奮があるように感じる。 もう戻ることが出来ないなつかしい思いのする自分と、どういう人生を歩んでいくか興奮を感じさせる自分。 そのような目的を見つけ、皆にスピーチするゲバラを見つめるアルベルトはどことなく羨ましそうだった。7点(2004-11-20 22:40:12)《改行有》

123.  ディープ・ブルー(2003) 《ネタバレ》 「弱肉強食」「食物連鎖」を中心に圧倒的な映像によって綴られている。後半部分のような海洋での神秘的な映像を前面に押し出すとよりも、前半部分の「食うか、食われるか」という“過酷な世界”を中心に描いているのが特徴だ。たとえ、小魚であっても生き残るために、仲間とともに必死に防御している姿が印象的だ。「生きる」ことに対して必死の生物たちの活動をみれば、我々人類が欠けている何かを感じることができるのではないか。 ただ、「シャチ」だけはどこか異質のような気がした。海上における食物連鎖の長ともいえる存在のためだろうか。食うか、食われるかという世界において、“狩り”を純粋に楽しんでいるように思われる。子クジラを数時間も掛かって襲っておきながら、舌と下顎しか食べないというのはこの世界のルールにどこか反しているのではないか。そのため、シャチにはどこか“人間”的な部分を感じられる。シャチを上手く利用して、生態系を無視している“人類”への警告のようなものをチラつかせれば、ただのドキュメンタリーとは異なる奥深い映画に仕上がったのではないか。 そう考えれば、本作は単なる記録映画に留まっているように思われる。 単なる記録映画を作りたいのならばよいが、奥の深い映画を目指すのならば、ドキュメント映画であってもストーリーをきちんと構成するなり、強いメッセージなりを映像に込めるべきである。 「人は今日も海を傷つけている」と単に最後でナレーションするのはあまり好ましくない手法だ。映像でその想いを伝えないと映画としてのレベルの高さを感じさせない。 最高の映像を撮ることに関しての技術や情熱は素晴らしいと驚嘆させられが、クリエイターとしては評価しにくい。メッセージなどなく、貴重な映像だけを繋げたフィルムを作ろうとするのならば、最後の締めのセリフはややズレているのではないか。本編と関係ないセリフで締められてはせっかくの映像も台無しになってしまう。 そのような趣旨を込めたいのならば、人間の海に与えている影響や悪行をラストに少しは映してもよかったのではないか。彼らも取材中に目の当たりにしているだろう。 油まみれになった海鳥、海に大量放棄された排水・ゴミなど、ラストに1分ほどでもまとめれば、少々受け取り方が異なったものになるのではないか。 美しい海と、汚れた海を対比的に描けば、人類へのメッセージに繋がったと思われる。[映画館(字幕)] 7点(2004-11-14 00:52:24)《改行有》

124.  フォー・ウェディング ラヴアクチュアリーの原型とも言える作品、ラヴアクチュアリー見る前に見たかったな。イギリス映画らしく、愛と暖かみとユーモアと音楽に溢れた創りになっている。 4つの結婚式と1つの葬式と1回のデート?という創りにアイデアの良さを感じるし、今度は誰がくっつくのかなと思ってたら3回目から思ってもなかった直球で来るとは意外だった。 結婚式の度に会って、その二人の接し方が微妙に変わっていく様が実に面白い。 ヒュ-グラントは好きな俳優ではないけどこの役は良かったな。真実の愛を求めながらもそれに悩み、結婚という現実に向き合えずにいる男、言いたくても言えない想いを感じさせてくれたいい演技だった。 結婚にこだわらないラストというのも結構新鮮だった。そういうのにこだわるから上手くいくものもいかなくなるのかなと感じさせるし、恋愛なら問題ないけど現実に結婚となると中々色々難しいからね。8点(2004-08-08 16:20:38)《改行有》

125.  ドリーマーズ 《ネタバレ》 ベルトルッチはラストエンペラー以外見たことないのであまり上手く理解はできなかったけど、三人の絶妙なバランスがとても良かった。 テオの「自分たちは一卵性双子だから」と少しあきらめがちに語るセリフとイザベルの狂おしく扉を叩く仕草、「私達は永遠よね」とテオに語るセリフに、離れたくても離れられない双子の関係とそれに振りまわされるマシューの姿が印象的だった。 二人を現実に引き戻したくても上手く出来ないマシューが痛々しい。 そして徴兵が逃れてきた平和主義者のマシューと活動したくても何をやっていいのか分からないテオとこのまま夢を見たままで終わりたかったイザベルの三人のドリーマー達に襲い掛かる革命という別の現実が否応なく夢から現実に引き戻す。6点(2004-08-02 01:10:37)(良:1票) 《改行有》

126.  ゴスフォード・パーク 演出とセリフと演技が素晴らしく、それらが一体となって見事な映画に仕上がっている。 華やかな階上とそれを支える階下があり、上の人も下の人にもそれぞれに表の顔とどろどろした裏の顔がある。 これだけ登場人物が多いと確かにきつい面があるけど、大体の人物構成は理解できるはずで、それぞれのキャラクターに個性があり、キャラが生きている、登場人物の多さに関わらず全然死んでいない。 特に歌を聴いている階下の人間の姿がとても良かった。 あれだけ見ても、やはり上と下の違いがはっきり出ているし、超えられない何かを感じる。 上には上の世界がしっかりしてあり、下には下の世界がはっきりある。 そのような互いに犯してはならない暗黙なルールを破った俳優への態度にあからさまに出ていた。 映画としても表の顔はミステリーと言えるが、裏の顔は人間ドラマであり、「先を読む力」に優れた使用人としての子を想う親の気持ちを描いたものに仕上がっている。7点(2004-07-24 23:15:32)《改行有》

127.  キング・アーサー(2004) 《ネタバレ》 テーマが「自由」のための戦いなら、「ブレイブハート」の足元にも及ばないけど、戦いの虚しさを根底にして何のために戦うかをテーマに、それぞれ自由のため、仲間のため、その地で暮らすために戦う姿を描いている。 あれほど欲しがった自由を得た後でも、仲間のためにその自由を捨てて戦う姿は良く出来ているが、ただ、何て言うか全編を通して悲壮感が漂いすぎている感じがする、「オレの子だよな?」とかいう会話も確かにあったけど遊びがないというか余裕がないんだよね。思いっきり真面目な作りでガチなんだよ。とてもブラッカイマープロデュースとは思えん。 作りにも問題がある、最後に誰かが死ぬけど、その部分で感動を誘いたいなら、そいつをもっとクローズアップすべきで、人物描写がまるでなってない。 「ティアーズオブザサン」でもそうだったように主人公、脇役、悪役も含め人物を描くこと、キャラクターに深みをつけることが必要だったと思われる。5点(2004-07-18 01:49:55)《改行有》

128.  ターミネーター3 《ネタバレ》 本作を映画館で鑑賞したときには、あまりの迫力と臨場感ある映像に驚いて、興奮させられたものだった。映画館で楽しむ単体のアクション映画としてならば、それほど悪くはない作品だと思う。 本作の方向性として、キャメロン作品とは離れて金を掛けたアクション大作に仕上げようとする結論には、賛否あるだろうがやむを得ないだろう。キャメロンが演出もしなければ、脚本も書かない。シュワは出演するといっても、ギャラが3000万ドル(30億円以上)掛かる。このような状況下で、10年ぶりの続編を作るという危ういビジネスを考えると、万人が楽しめるアクション映画にするという結論に達するのはやむを得ないことだろう。キャメロン作品を踏襲しようとすれば、コアなファンからそっぽを向かれるだろうし、本作から本シリーズを観る新規の観客にはウケないだろう。 作品的には、「Ⅰ~Ⅲ」を連続で観ると、あまりに中途半端な作品になっていると言わざるを得ない。「色」があまりにもなさ過ぎる。白地のキャンパスにあまりに薄い色を塗ったなという印象。黒でもなければ、赤や青でもない、グレイに近い印象。本作のストーリーを踏まえると、もっと悲壮感を強め、悲劇的な仕上がりにした方がよかっただろう。ラストのオチを重視し、「猿の惑星」っぽい落とし方を狙ったと思われるが、前フリが悪すぎるため、それほど上手くはオチていない気がする。 また、問題点としてキャラクターの魅力不足も挙げられる。ジョンはリーダーとしての資質を微塵も感じさせない、ただのマザコンに成り下がっている。目的を失い、悪夢に取りつかれた「悲しい男」として描けば、よりキャラクターとして深みが増したと思う。自分ならば「ジャッジメントデイ」を回避したいという思いと、その日を待ち望むという思い、両面を抱えた複雑な男に描くだろう。目的がなく死んだような人生を送っていたジョンが、目的を見出し徐々に生き生きとたくましいリーダーに変化していく発端を観たかった。 また、自分の印象としては敵キャラのT-Xの魅力はほぼゼロに近い。サーモグラフィーも装備されていなければ、起動に時間がかかる武器を使用し続け、ターゲットを逃がし続けている。さらに人間ばかりか、旧型のロボットにさえ、罠にはめられ続ける姿には知力がゼロに近い間抜けなロボットにしか映らなかった。「女性」キャラという特徴も全く活かされていない気もした。[DVD(字幕)] 6点(2004-06-25 15:59:29)《改行有》

129.  28日後... 《ネタバレ》 普通の「ゾンビ映画」とは一線を画する映画だ。ゾンビからの襲撃から生き残って、危機的な状況から脱することをメインに描くのではなく、危機的な状況下における人と人との繋がりをテーマにしているように感じた。「希望」がないと諦めたり、自暴自棄になるの簡単なことではあるが、主人公とヒロインの関係性が深まることにより、何かしらの「希望」が生まれることを描いているように感じられた。人と人との繋がりには、「絶望」ではなく「希望」が生まれるといいたいではないか。 また、「殺し合うこと」が人間の本能だとしても、危機的な状況下だからこそ、その本能を捨て去ることが大事なのではないか。自暴自棄になって短絡的な本能に従うよりも、どんなに危機的な状況でも「希望」を捨てないことを訴えている。 現実の社会では、ゾンビに遭遇することなどないが、災害等いつ危機的な状況になるかは分からないものだ。 さらに、旅の道中で、主人公が意味もなくチーズバーガー屋に入り、ゾンビ化した少年を殴り殺すというシークエンスが実は結構重要なのではないかという気がした。主人公は、ちょっと暇だったから、ゾンビでも殺そうかと思い、チーズバーガー屋に入ったのではないか。この行動は、遊び半分で楽しみながら銃を乱射する軍のソルジャーとさほど変わらない行為だ。「殺し合うこと」の本能に従った行為であり、ソルジャー達と何も変わらないことを知り、主人公の中で何かが変わるきっかけとなっている。 「HELLO」で始まり、「HELLO」で終わるという構成も見事だ。確かに、挨拶こそ、人と人との繋がりの一歩なのかもしれない。「HELLO」と返してくれる人のいる喜びも感じられる。 DVDにはもう一つのエンディングが収められている。もう一つのエンディングは、銃弾を浴びた主人公がヒロイン達の手当の甲斐なく、あっさりと死ぬものであり、まったく意味のなさないエンディングだ。幸いにも、日本の初版の劇場公開版は、「DVD版」がエンディングだったと記憶している(もう一つのエンディング版も後発で劇場公開されたかもしれない)。 主人公が死ぬという絶望的なものを描くことは、本作のテーマとはそぐわないだろう。 危機的な状況でも「希望」を捨てないことがテーマであるから、「HELLO」で終わる、最後に「希望」をもたらすエンディングこそ、適切なエンディングだったのではないか。[DVD(字幕)] 7点(2004-06-25 15:44:39)(良:1票) 《改行有》

130.  スイミング・プール 《ネタバレ》 この映画は、全てランプリングの頭の中のネタであり実際の娘は最後に出てきた歯の矯正をしたブサイクな女の子というオチなんだが、ちょっとこのオチはさすがにない方がいいと思う。 「マルホランドドライブ」なんかは妄想である必要があったんだが、どうも本作には妄想という必要がないと思われる。 ランプリングのサニエを見つめる複雑な感情が入り混じったなんともいえない視線や、「何も行動できないイギリスのおばさん」と言われたランプリングがジジイに執ったあの大胆な行動、社長とのやり取り、幻の作品等、全てが妄想と知ったら残念な気がします。 自分の中では、ラストを頭から消去して全て現実にあった物語とすることに決めました。5点(2004-06-25 15:18:16)(良:1票) 《改行有》

131.  イン・ザ・カット サスペンス仕立てにはなっているけど、最後くらいしかサスペンスだとは思わなかった、舞台はサスペンスでも「女」というテーマにこだわって描こうと努力している姿が見受けられる。 女の色とでも言うべき「赤」にはかなりこだわっている。 ただ「女」の本質を描くのは難しいのだろうか、そのため捉え所のない映画になってしまったが、「女」の本質は事実捉え所のないものだからしょうがないか。 ベーコンの役どころは全く大したことないけどカメオっぽい感じではないかな。6点(2004-06-25 15:16:51)《改行有》

132.  真珠の耳飾りの少女 《ネタバレ》 一枚の名画から、隠されたストーリーを妄想するという試みはとても面白いと思う。原作者は名画「真珠の耳飾りの少女」から、画家(家主)とモデル(使用人)の禁断の愛を導き出したようだ。この二人は決して認められる関係ではない。もし、使用人に手をつけてしまったら、ライフェンと同じように悪名が噂されてしまうことになる。画家としては、致命傷にもなりかねない。 また、6人(まもなく7人)の子どもをもつ父として、嫉妬深い妻をもつ夫として、家庭を実質的に支配し厳格な威厳を醸し出す姑をもつ立場の弱い夫として、使用人を愛することも、使用人に手をつけることができない。そんな苦悩が、寡黙なフェルメールからはしっかりと感じられた。使用人のグリートも、同様に画家フェルメールに魅力を感じていたが、使用人という立場や、男を誘惑する術を知らないことから、どのような対応をとってよいか分からない感じをヨハンソンが熱演していた。 愛を成就できない彼らが選んだ方法は、「描くこと・描かれる」ことだ。肉体的ではない、精神的な意味での愛が描かれている。描くこと、描かれることで、お互いの気持ちを確かめ合った。「心まで描くの?」という言葉には、グリートのフェルメールを想う気持ちを見透かされてしまったことを表している。それをフェルメールが描くことで、彼女の愛に応えたのだろう。画を描く際の二人のやり取りにも、付加的な意味が加えられている。頭巾を取れというのは、「服を脱げ」と言っているのと同じような意味をもっており、グリートが頭巾を取る様子をフェルメールが覗き見しているのは、着替えのシーンを覗いているようなものである。ピアスの穴を開けるシーンは、他のレビュワーが言われているような意味があることは言うまでもない。若いグリートが、精神的な愛に満足できず、キリアンマーフィーの下へ駆けつけ、肉体的な愛を求めたのは、まさに代替的な意味をもち、フェルメールとグリートの関係が精神的な愛であったことの裏返しに過ぎない。 フェルメールのアトリエ前で別れを告げようか悩むグリートの姿は美しい。一方、フェルメールはじっと待ち構えるしかなかった。彼は誠実な対応は取れなかったが、愛の証として、真珠の耳飾りをグリートに送ったのは、唯一の誠意だろう。 なかなか面白いストーリーではあるし、フェルメールの絵画を切り取ったかのような演出方法は素晴らしいの一言である。[映画館(字幕)] 6点(2004-06-25 14:41:23)《改行有》

133.  ラブ・アクチュアリー 様々な「愛」が溢れた心温まる素晴らしい映画。普通の恋愛だけでなく、言語を越えた愛やあり得ないシチュエーションの愛、友情や、兄弟愛、親子愛など様々な形の愛が描かれているのが特筆すべき点だろう。 どの愛にも美しかったり、切なかったり、応援したくなるようなものがあったりと、この短時間でよくもここまで良い内容にまとめ上げたなという気がする。この映画のどれかに共感できない人はほとんどいないのではないか。 その中でも、個人的には少年の片思いのストーリーと親友の彼女を見守り続ける男のストーリーには泣けた。 好きな女の子のために必死になれる少年の姿には心打たれたし、それに報いてくれる少女の姿も良かった。 また、親友の彼女のエピソードでは、好きな女性だからこそ素っ気無い態度を取り続けて、それがばれた時にでも、どうすればよいのか分からずにとりあえずカッコつける態度がどの国でも同じなんだなと思う。あの「愛」の伝え方もクールだな。悩みに悩んで相手を困らせないように相手のことを一番に考えた方法だろう。「enough」という言葉に重みと後悔のない潔さを感じる。 本当は10点を付けようか悩んだけど自分の心のどこかでそれをストップさせた。なぜなのか考えてみると、この映画は「なぜ二人は恋に落ちたのか」「なぜ相手を好きになったのか」を描いていないからではないか。ほとんどのエピソードでは既に相手のことが好きであり、「どうやって愛を伝えたか」「どうやって恋(友情)を成就(確認)させたか」「いかにして愛を成就させなかったか」という恋の起承転結のうちの「結」に特化して描かれていた気がする。だからこそ、これほど多くのストーリーを詰めこむことができたのだが、それが小さなマイナス材料にもなっている気がする。特に、首相の恋には何らかの引きがねと障害が欲しかった気がする。ヒューグラントは面白い役柄を演じていたが、あの二人の恋には何も感じるものがなかったのが残念である。身分ゆえの障害、見た目ゆえの障害というのももっと押し出すべきではなかったか。 [映画館(字幕)] 9点(2004-06-25 14:40:30)(良:2票) 《改行有》

134.  トロイ(2004) 異常に評価低いですね。 パリスのヘタレの甘ちゃんっぷりには、前半は逆に面白いと感じたんですが、ラストが最悪ですね。 神話ベースですが「神」等の超自然的な感じには描かずに、登場人物を人間的に描いているのは良かったと思われます。 アキレスの鬼神のような強さとジャンピング斬り、ヘクトルの人間として男としての魅力的な生き方、死に方にはしびれました。 この二人の死闘には本当に息を呑みます。 神話はよく知らないので勝手を書きますが個人的に不満としては、 アキレスとアガメムノンとの確執や、 アキレスがトロイ戦に参加すれば、歴史に名は残るが、必ず死ぬと言われていたはずなのでその辺の心の葛藤がもっと欲しかった。 ラストのせいで、パレスのヘタレっぷりが悪い方向に出てしまいますね。 あれじゃあ、自分のせいで戦争が始まり、兄貴の仇とはいえ無防備の相手に矢を打ちまくってた自分勝手な人物にしかならないからなあ。 プリセイスがアガメムノンに殺されそうになるところをアキレスが救い、パレスの矢がその際に誤ってプリセイスに当たる所をかばってアキレスが死んだほうが英雄的な感じで死んで感動的で愛のための戦いだったことになったのではと思います。 個人的にはちょっと反戦的な匂いも感じられました。8点(2004-06-25 14:23:01)《改行有》

135.  ヴェロニカ・ゲリン 製作者は美化したくなかったのかもしれないが、ジャーナリストとして誰も書けなかった真実を描きたいという「情熱」も、幼い子どもを持つ母親として子ども達が安心して過ごせる未来を願うという「想い」も何も感じられなかった。 こういう視点をぼやかしてヴェロニカが死ぬのは冒頭で分かっているはずなのに、終盤で長々と描く必要性が分からん、その後の音楽も場違い甚だしいし。 ブラッカイマーのプロデューサーとしての手腕は認めるし、シューマッカー監督はやや好きな部類に入る監督だったが、この二人の手によって、この映画は創られるべきではなかったような気がする。 題材がいいだけに、もっと社会派の監督に創ってもらいたかった。 死後、一気に憲法改正までいくのだが、生前この問題に関わった周囲の人々をもっと描かなければまるで感動もない。 動かなかった人々を描き、彼らがヴェロニカの情熱や勇気で動いてこそ感動するというものだろう。 ただギリガンがボコスカ殴るシーンだけは良かった、あそこだけはリアリティがあった。3点(2004-06-01 23:18:51)(良:1票) 《改行有》

136.  バットマン リターンズ 前作よりもはるかにバートンらしい世界観がゴッサムシティを含めた映像の中に投影されている。 前作はニコルソンの独壇場だったが、今回はなんとかキャラのバランスが良く取れていたと思う。 前作は「ジョーカー:バットマン:ベイシンガー」の比率が、「6:2:2」くらいだったけど、今回では「キャットウーマン:ペンギン:バットマン:ウォーケン:着ぐるみを含めた他のペンギン」の比率は「4:3:2:0.5:0.5」くらいになったんではないでしょうか。 相変わらず影の薄いヒーロー、バットマンだったが、彼の悲哀や二面性や影の部分をキャットウーマンが補完してくれた感じがする。 仮面を脱ぎ捨てでも自分自身の影であるウーマンを助けようとするけど、助けることが出来なかったバットマンが切なくていいですね、あの場面でようやくキートンがバットマンで良かったかもと思えた。 それぞれが傷を持つ者同士、ペンギンも含めてヒーローも悪役も確かに紙一重、皆同じ哀しい人間なのかもしれない。8点(2004-04-24 01:35:58)《改行有》

137.  ゴーストワールド 高校を卒業し社会に出て行かなればならないまさに子どもと大人の境目を生きている。嫌悪するような世界で、自分自身を貫こうとするも、分かり合っていたはずの親友も徐々に変わっていく。 自分自身を失いかけ、自分も変わらないといけないのかと悩んでいるときに、自分を貫いている男を発見する。 二人の奇妙な交流によって、失いかけていた自分を取り戻して、自分自身の道を生きる一歩を歩みだす。 これは誰もが経験し悩むながらも通る道で誰もが共感できるテーマではないだろうか。 ラストは「死んだんじゃないか?」ていう人もいるが自分はイーニドが途中で語った夢のように誰も自分のことを知らない街に旅立ったんではないかという気がする。あの目的地も分からないバスに乗って。8点(2004-04-20 20:56:44)(良:1票) 《改行有》

138.  イングリッシュ・ペイシェント エンディングとオープニングが繋がっている創りや砂漠などの自然豊かなスケールの大きさには驚かされる。 音の繋がりや記憶と共に現在と過去が同時に進行していき、その中でいくつかの人生を描いているのも面白いし上手い。 恋愛の甘さだけでなく愛憎や醜さもしっかりと丁寧に時間をかけて描けている。 「自分はもう死んでいる…」肉体だけでなく精神的な比重が大きいこのセリフと何個かのモルヒネを机の同じ場所に集めるシーンが胸を打つ。 ただ最後の「約束」を果たすための苦労や苦悩をもっとキツメに描いた方がより効果的じゃないかと思った。8点(2004-04-20 20:53:21)《改行有》

139.  ファーゴ 評価はやけに高いけど、何回観てもピンとこない映画です。 メイシーの楽観的で何も考えてない浅はかな振る舞いにより引き起こされる悲劇と人生の転落劇。二組の夫婦を描くことにより人間の愚かさと幸せをテーマにしているとは思うけど。足りない部分を補うのが人間や夫婦ということなのかな。 ブシェミがどこ行っても、「とにかく変な顔だった」と一言で片付けられてしまうのは面白いが。7点(2004-04-11 02:04:42)(笑:1票) 《改行有》

140.  未来は今 冒頭のビルの上にいるシーンから主人公の運命が一体どう転んでこういう状況に陥ったのかと楽しみながら観れる筈だったが。偶然に社長になって、会社の重役どもの思惑とは違う風に転がりだすのは面白いが、トップに登ってから、その後落ちるシーンに至るまでがイマイチな感じがする。ちょっと傲慢になっただけでそれほど失敗したという感じでもなかったから。その辺が描ききれていれば、失敗しても何度でも立ち上がれるというテーマに共鳴できただろう。 時計やブルーレターで助けられるのも、結局本人の努力があまり必要なくなってしまう気がするし。 6点(2004-04-11 02:01:08)(良:1票) 《改行有》

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