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141. 誘う女(1995・米)
二コールが役になりきってはまっていた演技が好印象。
テレビに出るという夢のために道を外していくが、最終的にはリディアの方がテレビに引っ張りだこになってしまうという人生の皮肉も描いている。
夫が殺された時、カメラが自宅前に集まっているのを知ったときの表情や仕草がこの映画のポイントでしょう。
ベッドでホアキンに対して、夫殺しを強要するシーンも出来がいい。
ホアキンも若い時から相変わらずいい演技をしている。
7点(2004-03-24 21:28:04)《改行有》
142. アドルフの画集
画家としての道と政治家としての道の岐路に立たされたオトコの人生をもっとドラマティックに描いたほうがいいのではという気がした。
どうせマックスなんていう人間は架空な人物だし、あのバーでもし会っていたらこのオトコの人生がどう変わっていたか?
あの画集にはどういう未来が描かれていたか?
というような想像を掻き立てるドラマティックなラストに繋がる演出が望ましかった。
どうも自分の演説により自分の画家としての道がふさがってしまった悲劇がこちらに伝わってこない。
マックスも架空な人物なので思い切って、戦争により片腕を失い画家としての道が閉ざされてしまった挫折感を満たすために、ヒトラーに自分の未来を重ねていき、自分の内面を見つめさせることにより眠っていた悪魔を起こすような結果になったという世界を描いた方が自分的には良かった気がする。
ヒトラーを美化することが出来ないという風潮がやや中途半端なものにしてしまったのかもしれない。6点(2004-03-04 00:05:23)《改行有》
143. ダンサー・イン・ザ・ダーク
これは裏サウンドオブミュージックでしょう。
あちらは音楽を通して人々を幸せにして、多くの人々を結び付けていく世界が描かれているが、しかしこちらは、唯一の趣味のミュージカルに興じても、脳内ミュージカルで現実逃避を図ったとしても、結局は逃避でしかなく、現実を解決できるわけでもなく、その現実という救いのない世界が襲い掛かってくる。
現実逃避しか出来なくて、病気が遺伝すると分かってても子供を産んでしまった弱い主人公だが、その責めに対して、逃げることなく自分を賭して、最後まで自己犠牲的な愛を貫いている、それが唯一の救いと言えようか。
ドヌーブの「必要なのは母」というセリフに対して、「必要なのは眼」と主張している。手術をしなければ自分と同じ道を辿るであろう運命に対して、母(現実での逃げ)よりも眼(未来)という結論こそ、セルマの見出した答えじゃないのか。
映画としては、つらい内容なので評価は別れるだろうが、他の映画とは一線を画すセンス、衝撃的なラスト、線路や稽古場で警官に連れられていくシーンなど評価すべき点は多い。
この映画を見て嫌な気分になった人は「サウンドオブミュージック」でも見て中和することを薦める。9点(2004-02-22 02:44:58)(良:1票) 《改行有》
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