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1. ターミネーター3
ターミネーターに限らずシリーズものの続編を新たな監督が作る場合、考えることは一つ。前作には無い監督独自の世界観を作ることだ。それは前作の監督が構築した世界観を引き継ぐことは不可能であり、たとえ受け継いだとしてもそれを超えることは到底できないからである。その点に関して言えば、モストゥの手腕はある程度評価できる。この映画を単体で見たとき、ランニングタイムも短く単純に痛快アクションとして楽しめるため、アクション映画の一定の水準には達している。しかしシリーズものとして評価するならこの映画は最悪だ。それはT-Xが前作からほとんど進化していないということだ。T-XがT-1000と同じ液体金属で出来ているという時点でこの映画を製作する意味を持たない。T2があれだけヒットした理由は観客が前作からは想像もすることができないほど強いターミネーターが現れたからこそだ。あのキャメロンがT3の脚本のアイデアがなかなか思い浮かばなかったのは、前作を遥かに超えるほどの魅力的なキャラクターを作り出すことができなかったからではないだろうか。それゆえに金に目が眩んでT3の製作を強行したハリウッドの製作会社の所業は許しがたいものがある。世界中のファンの期待を見事に裏切ったいかにもハリウッドらしい作品。4点(2003-11-09 06:09:14)(良:1票)
2. ターミネーター
今でもキャメロンの最高傑作。SFアクションとしてもその質の高さは星の数ほどある同類の映画を凌駕している。配役も適切で、シュワを選んだのも成功の一つと言えるだろう。基本的に彼は演技がヘタであるが、ターミネーターのようにほとんど喋らず、機械が持つ無機質さやパワフルなところは彼のような役者でないと務まらなかった。キャメロンの映画に対するストリクトさは有名で、それがB級であるはずのこの映画をA級レベルまで押し上げた理由の一つであろう。もちろん脚本も当時としては画期的なものであり、そのアイデアと構成は大胆かつ緻密である。今なお色褪せない不世出のSFアクション。10点(2003-11-09 04:55:18)(良:1票)
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