みんなのシネマレビュー
アルメイダさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 604
性別 女性
ホームページ http://www.geocities.jp/suminoe_kagaya/
自己紹介 2004年から映画専門サイトをたちあげました。
ジャンルはSFが主ですが、サスペンスも大好きです。
リバーランズスルーイットや、ショーシャンクの空に
のようなヒューマンものから、未知との遭遇やバックトゥ
ザフューチャーなどのアンブリンもの。
十二人の怒れる男やパルプフィクションなどの脚本もの・・
自分が良いと思った映画が合う映画で、見る人の数だけ
思いも変わると思います。その中で、共感できる人が
多ければ売れるのでしょうね。
たまに<これだけ映画を見てるんだから万人受けは・・>
と、マニアックな映画にも手をつけますが、
できの良い映画や単館ものなど多趣味なジャンルに疲れ、
子供時代に帰ってるみたいです・・
それらは映画館で見た映画本来の娯楽作だった・・

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234

1.  アラビアのロレンス 完全版 《ネタバレ》  実際政治とはそんな簡単なものではなく、この時代の歴史背景も難解で、 特に2巻目はほとんどそのことで冒険的な面白さはありません。 正直たいくつだと感じていたあの長い長い砂漠の出会いや、 旅の場面が2巻目になると恋しくなるのに気づいた。 それはロレンスがイギリスに戻ると飼い猫のような変わりようで、 また砂漠にもどりたくないと言いつつ、 戻るのはアラブと決まっている。 主役の気持ちがなんだかわかるという、 最初の長いショットが忘れかけたころに生かされる映像の力。 1巻目にはこれでもかと大げさな音楽が雄大に流れる。 それがもっと戦いが大きくなった2巻目では、音楽はないに等しい。 もしかしてこれが現実なんだと知らされているような・・ 誰しも自分の欲望はあるし志もある。国のため名誉のため自分のため。 一番自分に正直だったのは盗賊の頭だったのかもしれない。 政治の現実に嫌気がさし去っていくロレンスを、 最初に出逢ったアリが止めるがそれを諭した盗賊のアウダは、 こうなることも本能で知っていたのかもしれない。 アラブ人になろうとしてなれなかったイギリス人は、 どうみても滑稽だが笑えない苦悩がそこにはある。 助けた仲間を処刑し助けそこねた仲間を思い非情になっていく。 だが戦地から離れまたイギリスに帰れば称号はあれど雇われ兵だ。 アラブを独立させる神にもなれず、大英帝国の駒にされただけなのか。 ぶつ切りになったような終わり方も妙な余韻を残し、 さらにバイクとすれ違う幕切れはオープニングと繋がっているようで、 この主人公のその後にリンクさせているようで不気味な後味です。 気になって仕方なくなり、DVDを購入することにしました。 こういうタイムスリップ的な感覚の映画は気になるのです。 回想から繋げる手法が特にうまいですよね。 主役のピーター・オトゥールは昨年度のアカデミー賞の名誉賞を辞退、 最終的には周りの説得もあり授与されました。 [DVD(字幕)] 10点(2005-05-07 08:22:19)《改行有》

2.  アラビアのロレンス 《ネタバレ》 スピルバーグ監督が監督を志すきっかけとなった作品であり、 新作映画に取り掛かる前に必ず見るという、「素晴らしき哉!人生」と、 本作「アラビアのロレンス」こちらがまだ未見でした。 まず主人公がバイク事故で亡くなること、 葬儀の席で話をする恐らくその後出てくる予定の過去の知人たち。 こんな始まりから一気に回想は第一次大戦中のアラブへ・・ 自分の足元に字幕が出てしかも目線はほとんど下。 すごい映像の作りですね。真っ白、何もない砂漠・・ まるで「スターウォーズ」「インディジョーンズ3」のようだ・・と、 一人のイギリス人兵がアラブの独立に燃える、 正義の冒険物語を楽しみにしました。ところが・・ 実際政治とはそんな簡単なものではなく、この時代の歴史背景も難解で、 特に2巻目はほとんどそのことで冒険的な面白さはありません。 正直たいくつだと感じていたあの長い長い砂漠の出会いや、 旅の場面が2巻目になると恋しくなるのに気づいた。 それはロレンスがイギリスに戻ると飼い猫のような変わりようで、 また砂漠にもどりたくないと言いつつ、 戻るのはアラブと決まっている。 主役の気持ちがなんだかわかるという、 最初の長いショットが忘れかけたころに生かされる映像の力。 1巻目にはこれでもかと大げさな音楽が雄大に流れる。 それがもっと戦いが大きくなった2巻目では、音楽はないに等しい。 もしかしてこれが現実なんだと知らされているような・・ 誰しも自分の欲望はあるし志もある。国のため名誉のため自分のため。 一番自分に正直だったのは盗賊の頭だったのかもしれない。 政治の現実に嫌気がさし去っていくロレンスを、 最初に出逢ったアリが止めるがそれを諭した盗賊のアウダは、 こうなることも本能で知っていたのかもしれない。 アラブ人になろうとしてなれなかったイギリス人は、 どうみても滑稽だが笑えない苦悩がそこにはある。 助けた仲間を処刑し助けそこねた仲間を思い非情になっていく。 だが戦地から離れまたイギリスに帰れば称号はあれど雇われ兵だ。 アラブを独立させる神にもなれず、大英帝国の駒にされただけなのか。 ぶつ切りになったような終わり方も妙な余韻を残し、 さらにバイクとすれ違う幕切れはオープニングと繋がっているようで、 この主人公のその後にリンクさせているようで不気味な後味です。 [ビデオ(字幕)] 10点(2005-03-03 09:10:27)(良:1票) 《改行有》

3.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 キューブリック作品の中でコレが一番わかりやすく、よいできだと思います。まだ観てない作品もありますが・・設定、脚本がわかりやすい、二部構成になってドラマがあります。戦争を題材にした作品は、暗い映画か明るく勇ましい映画が主です。この作品のラストは素晴らしい。なんで!?と思われる方が多いと思いますが、前半での(愛と青春の旅立ち)的な、軍事施設の裏とえげつなさ、後半での(プライベート・ライアン)的な、サスペンス。いや、(戦国自衛隊)的というか・・娯楽作にさえ見えるほどキレがいい。そしてあの、明日も何も変わらない、戦争は続いてく~みたいなラストの奇妙な明るい軽さ!これが戦争映画の本音では?涙を流し感動する映画はそこに自分はいないから。この映画はリアリティありますし、本当の戦争映画と思いました。キューブリックには、このくらいわかりやすい作品をもっと作ってほしかった。(ファイトクラブ)の中でも、似たシーンが出てきました。 10点(2003-12-07 11:54:52)

4.  第三の男 《ネタバレ》 まずここがどこなのかというのが説明はあるけれど面食らいました。 複雑な時代のウィーン、4カ国語が行きかうのでそれも面白い。 普通かなり有名な作品でも全部英語だったりするわけで、 この作品は旅行客である主人公が、異国の中の異国に迷い込んだような 錯覚に見ているこちらも陥ります。 内容やオチはまるで違うけれども「ユージァル・サスペクツ」を思い出しました。 ハリー(オーソン・ウェルズ)を殺したのは誰か? というより町全体が異様で何か隠しています。 短く無駄のない作品ですので怪しいやつは押さえます。 まあ群衆の中に怪しそうな男やシチュエーションが出るたび惑わされるのです。 これは手品かもしれないなと途中から気づき始め、 第三の男は現れました。 いや違う、この男であるはずがない。 サスペンスでは犯人役はいきなり登場か最初から登場かに決まっています。 最初から登場しているのに姿を現さないやつ・・・ 謎解きは割りと早かったんですがそれよりも映像が気に入りました。 全体に少し斜めに傾いた構図、芸術的でさえある光と影の使い方。 このきれいさは「市民ケーン」より上をいっています。 難というか合わなかったのが音楽です。 「ドクトルジバゴ」のようでした。 もうちょっと低音を効かせたホラー系にしてもよかったかな。 この映画は音よりも映像で心情をよく表していると思いました。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-07-17 06:49:04)《改行有》

5.  将軍たちの夜 《ネタバレ》 特に目新しい筋でもないけれど・・とその前にそうだ。 今のこのての戦争サスペンスに慣れてこの映画、古い作品ということを忘れてた! この時代にこの作品ってのは大変異質ですよ・・ まず設定がすごい。今でも悪者にはなれど主役にはならないナチが主役。 そしてこりゃまた演じてるのが英国人、アラブ人なんだから! しかも英語しゃべってるし・・このノリにどうついていこうかと迷ったが、 逆に面白いというか普通に見れてしまいました(爆) ちょっと私の苦手な刑事コロンボ的な役を、オマー・シャリフがやってて、 でもそれだけではないんですよね~(コロンボといえば犯人は?) そう、犯人さがしなどどうでもよろしい。 いつのまにかもうひとつの殺人事件の計画が進められていた。 それは、ヒットラーの暗殺! こりゃすりかえられたなぁ・・・ しかーし、主君が変われば娼婦の殺人事件も立派な罪となる。 ここらが「砂の器」ですね(意味不明) ナチの服さえも品よく着こなすオトゥールはどう見てもイギリス人ですが。 オマー(もうこのふたりの共演という豪華さは・・)は、なぜナチを演じるのか。 演じ切れてない~ここはおおいに違和感あり~アラブの服を着てくれ・・ 「どう見てもナチだろう?」と言うのだろうか・・(見えないよ~) 全く飽きることなく最後まで見られた。 このての作品の詳細を書くと面白くなくなるので詳しくは書けない。 何回も見られる映画だと思います。 重要人物が何人もいるので、その人物の観方によって変わると思う。 ラストが意外にほろりとさせるのが悔しい。 私は重い後味を期待していたので・・ でも次にまた見れば共感してあげられると思うのですが、 怒っていました。犯人はよほど嫌なやつなんだと心底思いましたから。 う~ん、やっぱり砂の器だ(意味おおいに不明) 戦争では大勢を殺せばたたえられ、ひとりを殺せば罪になる。 個人的にホラー作品として続編も作ってほしかったり・・ 製作がサム・スピーゲル音楽がモーリス・ジャールで、主役ふたりも まあどう見ても「アラビアのロレンス」ナチ編でしょうか(またまた意味不明) [DVD(字幕)] 9点(2005-05-07 07:50:16)《改行有》

6.  シンプル・プラン 《ネタバレ》  アタマのいい夫婦が始めに決めたシンプルプランを破ってゆく・・ この夫婦は贅沢ではないけれども、 他のふたりより明らかに幸せのはず・・ 兄は援助を受けてその日暮らしのフリーターでひとりで住む。 このビリー・ボブ・ソーントンがすごくよい。 あの役は子供を生みたてというのが鍵です。 守りに入っています。 入る予定の大金は誰にも邪魔させない(爆) 役として一番ヤな役なのに子供を出すから非難できない。 そういううまい脚本で得をしていますが・・ 先が読めるストーリーであるにもかかわらず、 緊迫感をいたるところでイベントとして演出し、 最後は静かに静かに後味の悪さが残ります。 これがサスペンス・ミステリーの基本じゃないでしょうか。 もともとサスペンスの王道とは後味が悪いものです。 だから推理小説が売れる。 ベストセラーとなったこの作品の原作はわかるような気がする。 後味の悪さは「二十日鼠と人間」のような感じ。 コーエン兄弟の「ファーゴ」は観ていません。 コーエンといえばライミ監督の「死霊のはらわた」の編集。 そしてライミといえばコーエン監督の「未来は今」の脚本。 と親密なる仲なのです。 雪に現ナマと同じような作品にはなりましたが、 シンプルプランは元がベストセラー小説。 あのスティーブン・キングが絶賛したらしいです。 話が読めるのに面白いサスペンスってちょっとないですよ。 どんでん返しというよりも、 なるべくしてなるという雪ダルマのような転がりがた、 ドミノ倒しのこっけいな哀れさ。 古くはヒッチコックの「ハリーの災難」的な手法なのですが・・ お金のない人間がお金を持つとどうなるのか。 つもりごっこはもうできない。 高級車に乗ってるつもり、 大邸宅に住んでるつもり、 美女と暮らしているつもり・・ そんなつもりごっこが本当になるとしたら? 呪われた(悪いお金)お金は悪い心を呼び、 ひとつついた嘘は引き金となり自分に向けられる。 夢を見ながら愚痴をこぼす生活が楽なのかもしれない。 人間はお金では買えないし、 お金で繋がった営利な人間はなくなれば去るのですよ。 [DVD(字幕)] 8点(2006-05-28 15:19:17)《改行有》

7.  007/ゴールドフィンガー 《ネタバレ》 今回の悪役ゲルト・フレーベはツボでした。 私には森元首相にしか見えない(爆) そう思って見るとまた楽しい?ですよ。 そしてそいつの部下の帽子男ハロルド坂田がまたツボでした。 角田?似のレスラーなのですが、 いつも満面の笑みをたたえており不気味です。 武器は帽子飛ばし(ボンドの18番なのに・・) そして怪力なのです。 この森元首相と角田似帽子男だけでも笑えます。 個人的に一作目から気に入ってるQ(ボンドに発明品を説明する人)が、 わりと出番が多くしかもボンドに偉そうに説明しているので面白い。 今回は特に車(アーストン・マーチンDB5)がよかった。 どこの国でも通用するナンバー・プレートって(笑) 私は007が苦手なのはロマンスがこっ恥ずかしいからということもあり、 長いこと避けていたんですが・・ 今回はさすがにもう見慣れてきたのと、 あんまり暑苦しいロマンスがなかったのでよかった(爆) ボンドがなかなか相手にされないというのが、 峰富士子みたいでいいと。 最終的にはやはりワンパターンでしたが・・ ボスの部下(下っ端)の多くが中国人というのも面白い。 例によって今回もボンドは捕まるのですが、 ボスのアジトのからくりは面白いです。 計画を客に説明するのにいちいちあんな大袈裟なことするし、 ボンドの処刑シーンも当時では斬新なのでしょう。 あと、カーチェイスの撮り方がうまいなぁと感心。 「フレンチ・コネクション」を思い出しました。 そして暗闇での倉庫に激突するまでの逃亡。 おばあさんがマシンガンをぶっ放すところあたり、 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンが最初に納屋に突っ込むシーンだ・・ ボンドが弱すぎる感もありますが、 だから面白いのかもしれない。 後半なんかきちんとスパイ映画だなぁと結局チームを組んでるし。 個人で活躍という図式に飽きてきたので楽しかったです。 コネリーは途中からヒゲを深剃りし若返っちゃう。 それもまたよかったです。 爆弾解除までのスリルもよかった。 しかし007のファンでもない私にはわからないシーンが・・ あの爆弾を止めたのは誰なんだ?? CIAって常時出演するのは何人だろうか? [DVD(字幕)] 8点(2006-04-23 13:16:17)《改行有》

8.  プラトーン 《ネタバレ》 人が狂う誰のせいでもない理由のせいにできない狂気は、 「戦争のはらわた」のほうがずっと優れている。 しかしペキンパー監督お得意のスロー映像の多用で、 娯楽と化してしまったのも事実。 後味の悪さやメッセージ性は「カジュアリティーズ」のほうがあった。 しかしデ・パルマ監督のあまりに直接的な描き方は後味の悪さしか残らなかった。 「プライベートライアン」これは売れるための作品で、 さすがに戦争の残虐性のあと人情ドラマは違和感があったが、 最終的にはこれで成功したし見る分には救いがあった。 「フルメタル・ジャケット」私はこの系統では一番の評価をしている。 ラストが戦争そのものの的を得ているから。 「プライベートライアン」の前半ほどのリアルな残虐性は必要はない。 「戦争のはらわた」のようなややこしい回想録もいらない。 わかりやすくストレートにベトナムの密林の中で何が起こったかを、 サスペンス仕立てでアクションもカメラ酔いしない丁寧さ切れのよさで、 十分恐怖やリアル感を出せている。 そして登場人物の本当にわかりやすい設定。 オリバー・ストーン自らの経験から自身が脚本を書いたのも説得力があり、 ざっと見ていくだけで登場人物の性格や生い立ちがよくわかる。 一番特筆すべきはテンポがよい作品ということだろう。 前半に生々しい戦場で民家を犠牲にするシーンで悲惨な現実を見せ、 兵士らがこの状況でだんだんと人格がむしばまれてゆく様子がわかる。 中半では間違っていなかった主役と犠牲になる兵士のサスペンスドラマ。 この ウィレム・デフォーめあて(最後の誘惑の演技で気になった)でこの作品を借りたのだ。 それまで手持ちカメラ中心の報道映像のようなリアルさだったのが、 ここで彼のために用意されたかのように、 スローモーションで丁寧に大切に演出される画面は、 後半の主役であるチャーリー・シーンの上官への復讐劇を予想させる。 見事な緩急ある演出である。 ただ・・この映画のラストに後味の悪さは残らなかった。 正義ではない。しかし間違いでもない。 でもそうなればいいと思いながら後味の悪さも期待した。 「二十日鼠と人間」のラストのような後味を求めたのだが・・ [DVD(字幕)] 8点(2006-01-20 04:41:19)《改行有》

9.  ブラジルから来た少年 《ネタバレ》 まず脚本(原作)がおもしろいんです。 そして今見直すと俳優が豪華です。 アウシュビッツにいた博士を頭にナチの残党がある計画を実行してゆく。 世界各国にいる65歳になる普通の男を94人殺害する・・ G・ペック扮する博士以外はそれがなんなのかは知らされず。 なぜ65歳の男がなぜ94人なのか?? 普通ナチの残党とか言ったらそりゃあユダヤ人だろうと思いますが、 あまり関係ないのです。 人種を超えてある計画を実行するためにその選ばれた94人を殺害しなければならない。 未見の方で(未読の方で)ここまででわかった人はかなり戦争通ですね! 映画が進んでゆくにつれホラーよりも怖い話にびっくりします。 そしてニヤニヤするかも・・よくできていますよ。 この博士を追い詰める役がローレンス・オリヴィエ。 彼はユダヤ人の役ですが・・こちらはかなり関係あります。 なかなか深いものがありますね・・ エンディングにいたるまで完成度の高い作品ですが、 娯楽に頼らず原作に忠実に製作された(未読ですが)ようで、 知る人ぞ知る作品になってしまいましたが、 SF&サスペンス好きならぜひ観てほしいです。 今リメイクしても十分そのメッセージは伝わると思います。 上映されるヒットラーの映画と合わせて見るのも面白いかも・・ ヒットラー映画はR・カーライル主演のを前に見てるのでもういいです。 でも本質はこちらのほうが怖くて残ると思いますよ。 もしかしたら優秀な戦争映画よりずっと・・ 早速DVDを注文しました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-20 12:28:01)(良:2票) 《改行有》

10.  冬のライオン 《ネタバレ》 はっきり言って面白い面白くないが分かれる作品です。 私はこの作品が終わったすぐに言いました。 「なんだったんだ!と・・ そして何が言いたかったんだこの夫婦はと悩みました。 ヘンリー2世の物語なんですが、 妻でありながら幽閉されているキャサリン・ヘップバーンの弁舌と、 この映画の主人公ヘンリー2世(いよいよ大詰めP・オトゥール)の、 これもまた感心するくらいのしたたかさ。 そして3人の子供(アントニー・ホプキンズが長男役、ふけてるって!) のあと継ぎ問題という大変わかりやすいドラマなんです。 それが歴史の例に習い、策略陰謀そして夫婦でありながらの知恵比べ。 これがものすごい銃撃戦のように楽しめます。 悪くこっけいに言えば漫才、正当に評価すれば舞台劇の醍醐味。 あまりに歯切れよくこの夫婦の演技合戦が続くので、 見飽きることなく見ほれていました。 ところがあのラストはおかしいくらい明るい。 テレビ画面に向かって突っ込みを入れてしまう。 「おいヘンリー、またそんな調子のいいこといって来年はないぞ!」 腑に落ちず気がついた。 そうか、何もこの夫婦のその後なんて心配したりするものではない。 これは映画だ、舞台劇だ・・だまされていたのは私のほうでした。 真剣にこの夫婦のドラマに見入ってた。 いったいどこまでが陰謀(嘘)なんだとまじめに考えるくらい、 このふたりはうまいですねぇ・・(って当たり前か) ちなみにキャサリンのほうが賞を受賞しています。 取っておかしくない、いい演技で見ごたえありました。 ただピーターのほうが比べて地味でしたね。 なんといってもヘンリー2世ですよ。普段着の一着だけでは貧相だ。 演技が五分でも衣装が地味ですから、やはり史劇は女性のほうが有利。 そのポイントは高いと、キャサリンの衣装変えと美しい品のよさに納得。 舞台劇やセリフを楽しみたい人にはもう最高の作品ですね。 ちなみに作品中にベケット司祭が出てくるのですが(チョイ役) まだ未見の(ベケット)のことなのですよ。 ベケットとヘンリー2世の愛(困った映画ですね)を描いた史劇ですが、 その作品の中でのヘンリー2世もピーターなのです。 合わせて見てみたいと思いました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-20 04:28:36)《改行有》

11.  SF巨大生物の島 《ネタバレ》 好きですねぇこの映画! ちょっと真面目な映画ばかり続いたので、 たまにはSFと思いパッケージを見て即借りました。 もしまだ未見の方で目新しいものを探してらしたらお勧めですよ。 私は特に日本の特撮モノが苦手でこのたぐいのは見る機会がありませんでした。 これはファンタジー冒険モノに特撮を使ってるので面白い。 レイ・ハリーハウゼン のシリーズを全部見たくなりました。 特典にある中でも特に見たくなったのが、 シンドバッドシリーズとUFO(ビルに突っ込んでくる暴力的さが大笑い) この人の作品はこれが初めてですが、いろんな映画の中で使われてます。 家族や子供がテレビを見ててその画面の中で怪しい動きをする生き物・・ それと予告編を見るだけで、後々の映画にどれほどぱくられているかわかる。 真面目な映画を見続けた頭はこの映画も真面目に捉えてしまい、 これは共産主義の風刺だと自分で感心しました・・自給自足=共産主義って。 すごいこじつけですが(笑) ニモ船長が(ネモとも発音する)出てきたいでたちは大笑いでしたが、 この姿も日本のバラエテイでお見かけしたことがある・・ 巻貝を背中と頭につけて登場。 映画自体は特撮のばかでかい生き物が目立つのでメッセージは感じにくいですが、 いいこと後半に言ってましたよ~。 確かに食べ物が大きくなれば人類は戦争などおこさないであろう? んん~違うよ、今の人類は食べ物も大切だがそれ以上に名誉や地位がほしいんだ。 それらはお金があればある程度は手に入れれるけれど、 まず国王や大統領になるにはお金だけではなれないし・・ これはやはり共産主義の考えだよ船長、とまた勘違いをしてみる。 この映画の売りは特撮なんですが、この手作業の動きが実におかしい。 一番よかったのは蜂の動きで、一番大笑いしたのが鳥です。 あの鳥はなんなんでしょう?? コンビニでそういえば見た記憶があります。 フィギュアにお菓子がついてるの。 変なデザインだなぁと気になったんですが(悪趣味ということ) 映画で見たらほしくなりましたよ。 こういうの現在の映画では無理なんでしょうね・・ [DVD(字幕)] 8点(2005-05-20 04:16:34)《改行有》

12.  ラストエンペラー 《ネタバレ》 当事者でありながらも客観的に描かれている、 それはまるで「太陽の帝国」のイギリスの少年のように。 自分は生まれながらにして皇帝(3歳時から!)一番と思い込み、 それが徐々に幽閉されたお城のごとく世間から離れ、 それでも出たくてたまらなかったお城から出らざるをえなくなる。 昔からそういうことはありますし(国取りものとか) 感情移入もないはずでしたが、イギリス(スコットランド)教師の オトゥールが自立を教えだしてから、天皇のようなお城の王は目覚めた。 ここらがとてもいいんです。ともすれば暗い客観的な映画が、 主人公は溥儀だと思わずにいられないような、教師役の明るい品の良さ と引き立て役に徹する引きのうまさ。 まさにアジアの人から見た外人なのです。 最初から現代の溥儀役を重なる役でやっていた主役、ジョン・ローンの登場。 3歳の過去から現代までを描いているのですが、この俳優もうまいです。 私が気になったのは、坂本龍一氏の登場&アヘン女。 これは事実なんだろうか。唯一の娯楽とも取れるんだけど面白くない。 ここらとお家騒動のあたりがたいくつで安っぽく感じてしまった。 坂本氏は音楽ではとても良いのですが・・ 身が引き締まるような戦争の映像やドラマや人とのふれあい、 それらはよかったのになんか娯楽を入れてしまったようでしらけた。 高得点のわけは、やはり最初と最後の同じ宮廷の場面です。 あれを観ると全体につまらなくとも許してしまう感動できました。 拝観料を支払い自分の城に入る溥儀、 その見えない姿はあまりにも哀れで歴史の目まぐるしさを感じる。 どこかへ旅行して遺跡やお城を見つけたらこんな物語があったと、 また感慨深く思うでしょう。 こおろぎでしたか、あれもいいです。 すごいおちだなぁと感心。 なんか自分も生きているというより生かされてるんだと。 本当は暗く重い映画なのかもしれないけれど、 妙に勇気さえ沸いてくるのはなんでだろうか・・ この主人公がつまらない人間だったとは思えないし、 高貴な人間だったとも思わない。 歴史を変えようとして勇敢に死んだ方が後世から観れば面白いんだけど。 それだけじゃあないような気もしますね。 朕、皇帝側から情勢を描くことに成功した映画は珍しいと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2005-05-07 08:15:04)《改行有》

13.  エリザベス 《ネタバレ》 演出が派手でテンポもよくて全然たいくつしなかった。 前半は説明不足でいきなり怖そうな場面からだし、 出てくる人はエリザベス役のケイト嬢以外ほとんど濃い顔で、 誰が誰か見分けがつかず名前も覚えられない。 ロードオブザリング見てたときと同じ状態でした。 幸いなことに「恋に落ちたシェイクスピア」のジョセフ・ファインズは、 濃い中でもよく覚えていたし陰謀や策略、寝返りなども この種類の映画としてはわかりやすくてよい。 絶対何があっても大画面だ!ということで、大画面で見ました。 エリザベスが女王に君臨するまでのことなのですが、 いやぁケイト・ブランシェットかっこいい! 一生独身で結婚せずしかも一番好きな男を妾としてそばに置く。 「私は結婚しました、イングランドと」 人間のレベルが違う。一人の女としてはなんて哀しい、 でも合理的で束縛もされずしかもなんて勇気のある生き方なんだろうか。 所詮一般庶民の私にはわかりませんが、共感してしまいました。 周りや世間に合わせて自分の人生を決める・・ その逆を行ってるのですが、ただし好きな男はそばに置く。 これはできないですよねぇ。まあ一般庶民には・・ バージンクィーン、一生独身、40年もの黄金時代を築く・・ このドラマを映画で魅せたのもすごいが、演じきったケイト嬢も似合いすぎてる。 ジョセフ・ファインズはというより、個人的には兄のレイフ・ファインズの方が 好みなのでした。(ホントに兄弟か!?)他がみんな濃いのでジョセフの濃さは めだたなかったなぁ(笑) リチャード・アッテンボローはガンジーの監督さんだったと思うけど、 もう立派な役者でもアカデミーを狙える人ですね。 そういやぁ、ジュラシックパークにも出てたっけ・・ ジェフリー・ラッシュはやっぱりうまいです。賢そうでうさんくさくて、 何を考えてるかわからない役をやらせたらほんとにうまい。 欲を言えばもっと華やかな場面がほしかった。 舞踏会やパーティなどもあったのですが、色の使い方がうるさい。 対して洞窟のようなお城の中の暗さやホラーっぽい演出はよい。 カメラがちょっと懲りすぎた感もありましたが・・ (逆さカメラはエイリアン3だけにして) 最後の方なんかまるで「ゴッドファーザー」ですよ。 見ごたえありました。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-03 02:01:53)《改行有》

14.  レ・ミゼラブル(1998) この映画で泣きました・・と言っても、まだ前半で! まるでベンハーのようなくだり。感動するのが早すぎた・・ 実はシャインのジェフリーラッシュ目当てで見ました。 うまい!うますぎる・・ 私は彼がこんなに嫌なやつを演じきれるとは思ってもみなかった。 シャインでは父におびえる天才ピアニスト。 このレ・ミゼラブルでは悪徳警官。 この役以外にやったことがないと思えるくらいはまっている。 同じ人とは思えない・・もちろん主役のシンドラーことニーソンもうまいけど、 うまさが違うというか相手が悪い。 もうひとり光ってたのが、ユマ・サーマンでしたが今をときめくキルビルの。 熱すぎる。うまいんだけどね。私はクレア・ディンズの方を押していました。 この映画は舞台劇でも有名で、リメイクものです。 史劇が苦手なのではないのか?・・ いやこれは真面目な映画だし時代的にはまだまだ。 歌わないから大丈夫です(笑)不幸のどん底で吼えのし上がる・・ そういうのは大好きです。不幸のどん底で歌いだすと気が散るから。 ラストがまた美しいです。作りすぎの感もありますが・・ 8点(2005-02-25 07:07:35)(良:1票) 《改行有》

15.  華氏451 《ネタバレ》 監督が未知との遭遇に出ていたので気になり調べて見ました。 フランス映画は言葉が苦手で、これもフランス語だったらどうしょうなどと思ってたのですが、なんと英語でしかもわけありなのですね・・ 設定が、近未来では禁止された本を消防士が見つけ焼くことになってるんですが、面白いとも思わずついていけなかった。 世界中のどこかの国では時代により、鎖国のように他の書物を禁止焼却することは不思議ではありません。そんな国もあるんだよと、他人事のように見ていたし、キューブリック映画に良くある赤を使った絵、でもこの映画ではセンスはない絵に付き合いました。モノレールや家具その世界すべてに古さを感じ、その中で違和感なく現れるショートカットの女性。消防士の主人公の妻そっくりということですが、うちに帰ると長い髪の妻はこれも違和感なく大画面TVからの一方的な情報を楽しんでいる。未来世紀ブラジルのような消防団。本を焼かれることを拒み炎の中、微笑みながら焼かれる老婦人・・老婦人の娘がショートカットの女性。 主人公は消防士でありながら、感化され本を隠し読んでしまう。 私は気がついた。本くらい・・でも最近本読んでない・・ 読書の虫だったのに。本を読みなさいという話でもない。 ラストに見せる森の中の世界に、忘れていたものを思い出したので、それを見るまでは6点がいいとこと思ってた。 一気に8点まであがったのは、思い出したから。 ジョン・レノンがオノ・ヨーコの本に感動し、これを読み終えたら燃やしなさいと勧め、ジョンは感動したので燃やしたと言っていました。この意味が理解できなかった。確か、グレープフルーツという本で、しかも私持ってるんですが・・まさか、ジョンはこの映画のオマージュとしてそのような言葉を使ったのかと、時代がわかり感動したわけです。見つからないように読んだらただちに燃やすこと。と、ヨーコは書いてあります。 人に燃やされる前に自分で燃やすといういうブラック・ジョークは、このSFのふりをして社会派映画な華氏451の世界では。 どこかの鎖国のような国と思っていたけど、川辺であらゆる国の言葉が飛び交う怖さ。日本語もあった・・美しいラストには怖さを包み込む文学的なものさえ感じた。途切れた線路も本の住民という世界も不思議で、そこまでの古さと原色の悪いセンスは飛んでいった。トリュフォーの他の映画も見てみたいと思いました。8点(2004-03-16 06:44:52)《改行有》

16.  バンデットQ 《ネタバレ》 マニアックな頭の痛そうなファンタジーかと、たんす?から、騎士が飛び出してきたおかしさからかまえてましたが、これはツボにはまりましたね。普通の歴史や映画の知識しかない私でも、感心するタイムスリップロードムービーと言いましょうか、えっ!そうくるの?と謎解きみたいで、真剣にくだらない展開に見入ってました。子供向きではないようです。ただ、散らかった子供の部屋のおもちゃや、消えたパパとママのラストには、子供しかわからないものがあると、意味を探りましたが・・この監督のエンディングは大体がこうです。後味は普通、良いとか悪いとか、こう伝えたかったに違いないとか残るのですが、ソコでちょん切ってしまうので、いったい何だったんだ!?みたいな、キツネにつままれたようで、その後の音楽の間には思考を諦めるのです。この映画を見るきっかけとなったのは、音楽や製作に、ジョージ・ハリスンが関与してること。彼は一流の風刺感覚を持ってましたし、モンテパイソンのファンでしたから。一流の風刺とは、笑えないブラックジョークっぽい。映画の進め方がにくい。途中で、子供が目立たなくなり、あれっ?と思い始めた後に、目まぐるしくショーン・コネリーと対面。コネリーは?と気になりだしたら、ちゃっかりラストに登場。好きなシーンは、タイタニックの場面、魔界でとらわれロープで脱出する場面・・後半スピルバーグの1941を思わせるハチャメチャ振りな、戦闘シーンには、密かに(騎士はまだか?)と期待したり・・騎士好きなんですね、この監督って・・どの時代に行っても、カップルは同じ人がやってたのかな??(ソフィーの世界)みたいで、テリー・ギニアムがリメイクしないかなと期待。満点でないのは、ラストが良く理解できない自分に減点。8点(2003-12-21 07:59:31)

17.  時計じかけのオレンジ 《ネタバレ》 後々に影響を与えた問題作ですが、みんな超えていません。知らない間に慣れ、一緒に笑ってさえいる暴力シーン・・あまりに毒が強すぎて、おしゃれと勘違いして、映像に酔ってしまう怖い自分。その主人公の立場が逆転した後半から、なんて趣味の悪い映画だろうと気づくけどもう遅い。いつの間にか被害者の立場で見ている。これを、エゴと呼ぶべきか。ラストで本能は失せてなかった主人公に、なぜか安心してしまう。(ファイト・クラブ)のパンフレットの解説にもあるように、この作品をかなり意識されて作られたそう。ラストは、意味は同じじゃないでしょうか?かなり向こうでは評判悪く、日本でのヒットが意外なほどでした。つまり、このての映画は、嫌悪感を感じられる。私は、フィンチャー監督は、キューブリック監督を尊敬してると思う。時計じかけは、斬新で悪趣味で鋭いけど、実はチャップリン映画の皮肉の要素がいかされてると思います。 8点(2003-12-07 13:22:30)(良:2票)

18.  キリング・フィールド 《ネタバレ》 このエンディングはどうでしょうか? 後半にはアメリカへの批判的な演出がされていて、 このままゆけば問題作としてもしかしたら賞も取れなかったかもしれない。 けれども私は感動よりも突き放したままの社会派を選びます。 イマジンの曲と再会の抱擁・・ その手前で終わってもよかったのではと思うのです。 テロや戦争のたびにイマジンは流れますが、 そのような目的のためにイマジンは作られたのでしょうか? ただの理想主義の正直な独り言のイマジン。 マルクスとレーニンが違うように、 夢の国は現実ではないことはできないからわかる。 そうとれば戦争のたびに国の利益を奪い合い、 それが何にもならない理想郷というイマジンが流れるのがわかるような・・ 前半にポール・マッカートニーの曲も少し流れますが、 アレはもう少し長くした方がいい(爆) 「フルメタル・ジャケット」を思い出しました。 戦争映画は結局はアクション娯楽も入っているからみんなが観るのです。 そして時代が安定してくるとまた逆にメロウな展開もほしくなる。 S・ジャンバーグの授賞式も後半に演出されますが、 主役であろう彼を演じる俳優がイマイチ弱い。 「ミュンヘン」のエリック・バナより地味(苦笑) 役としてもマルコビッチのほうがよい。 だからラストの抱擁に違和感があったのがマイナスなんです。 もっと原作者役の彼への演出がうまくされていれば・・ アメリカの懺悔ともとれるこの作品はイギリス映画というのも面白い。 作品の感じは「地雷を踏んだらさようなら」「ミュンヘン」 といったところでしょうか。 周りが敵だらけで自国もしっかりしていない。 だから狙われる弱い国・・ 日本はよいなぁ。 日本で言えば昔の戦国時代のような不安定な国が、 まだ近年に存在していたのですね。 そしてそれは戦争でもあるしテロでもあるしまだ続いています。 大きな国に負けたことで日本は平和という権利を手に入れたのです。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-23 13:30:42)《改行有》

19.  カサンドラ・クロス 《ネタバレ》 細菌感染者をとにかく邪魔だから関係のないようにポーランドへ送っちゃえと、 細菌を極秘開発していた某国の身勝手さから大事件に・・ カサンドラクロスという国境に架かる鉄橋は戦後から閉鎖され安全性は絶対不安。 ポーランドの収容所へ細菌感染した列車の乗客全員!を送り込み隔離するという計画は、 あくまでも極秘に行われなければもともとこの細菌研究というものは非常に危険な兵器にもなる。 バート・ランカスターが命令を受けていた相手は最後までわからないようにはなっているものの、 あきらかに大統領クラスのものでフィクションとはいえ合衆国の身勝手さ、 お国の役人の融通のなさがパニック時にどういう二次災害を起こすかという恐怖。 このシリアスである社会風刺ドラマにアクションシーンやコメディをふんだんに入れ、 娯楽半分シリアス半分となかなか観やすく面白い作品ではある。 特によかったのが、老人役のリー・ストラスバーグ。 ほっとさせる手品を見せるなんのことない役なんですが作品にいっそう社会性を持たせている。 ポーランドの収容所に連れてゆかれると聞いたとたん、 死んだ妻の話をし行きたくないと言いますが・・ あの鉄橋を越えた先には何があるのか想像がつきました。 現代のパニックになったときに過去のエピソードもわかるという、 行き着かない場所への恐怖がこの老人によってよくわかります。 脱走しようとする感染者(乗客)は銃殺してもよいと命令を受ける軍隊。 まるでSWのストームトゥールーパーのごとく武装した兵士たち。 細菌は「アンドロメダ」のようにあるきっかけで自己消滅・・ しかし軍隊には融通はきかない・・ 細菌よりも怖いのが国という傲慢な兵器。 壊れるであろうポーランドに架かる橋は近づいてくる・・ 特撮も今のアクションに比べると申し訳ないものですが、 テンポもよいし二転三転するので面白いです。 トンネルに向かうヘリと列車のアクションなんて今ではよくある、 「MIP」みたいなのですがこの映画を見てください。 音楽が大袈裟でなんか好きだなぁ~と調べてみたら、 ジェリー・ゴールドスミスなんですね。 「オーメン」「エイリアン」・・なるほど。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-20 03:50:47)《改行有》

20.  戦争のはらわた 《ネタバレ》  画面はところどころ白黒で音楽は童謡ちょうちょ!やけに明るい始まり・・ 本編に入るとカラーになります。 娯楽としても楽しめるのがたいくつしないところです。 普通バイオレンス描写がきつい戦争映画ならば、 シリアス面だけが勝ちしめっぽい暗い作品になるところです。 ところが中半には脳を患ったというヒントは出てくるものの、 主人公であるJ・コバーンがところどころで見る幻想シーンや、 細切れのわけのわからないカット・・ これらは意図して入れられているのですが私は十分理解できませんでした。 例えればキューブリックの作品によくある手法なのですが・・ 最初に死んだロシア少年兵があちこちに出てきたり、 最後にも登場したりするので不気味この上ない。 ということは全て幻想なのかそれとも少年のいる世界へ近づいてるのか、 これは観客にまかせるということなのか、 ただヒントは主人公が野戦病院で脳を患っていたということ。 戦場に戻った主人公は意気揚々としています。 この描写はアラビアのロレンスを思い出しました。 でもかといって戦争バンザイという映画でもないのです。 が・・この監督の描写があまりに好戦的というか水を得た魚のような描写で、 爆発また爆発そして虐殺の連続とまるで兵士は楽しんでいるよう・・ こういった描写は気が狂ったような楽しさのようであり、 政治的に戦争を考えるもうひとりの主役とは大いに違います。 貴族の出であるもう一人の主役や上官はあくまで政治的に考える戦争。 最後のほうでやはりこの監督は西部劇が好きなんだと思わせるところがある。 敗者の美学を描いている作品ともいえますが、 こういった作品はハリウッドでは受けません。 戦争をしてなにが残るとかなんのためにとか難しいメッセージではなく、 あくまでも敗者の美学・・ 戦いは負けたらこんなものという悲惨さを描いているのです。 逆にいえばハリウッド映画は主に戦争は勝っても何も残らないという考え、 何をなくしたとかしめっぽい反戦映画が多いのです。 戦争という国同士が決める政治手法を美化していないか? この映画はあくまでも個人の名誉のために戦う軍人や、 敗色濃厚なドイツ軍の最後のあがきや他の映画にはない視点から描いています。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-04 08:05:42)《改行有》

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS