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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. ヘアスプレー(2007) 朝の陽射しが降り注ぐ町を行く赤、黄、緑、青、とカラフルな車の色や女性たちの衣装、 そんな中に登校中の主人公の女の子が歌い踊る。そしてあっという間に学校が終わって放課後、 憧れのテレビ番組を見ながら友達と一緒にノリノリで歌い踊る。 見る者の気分もあがる、ミュージカル全開で一気に見せる冒頭の10分がまずはお見事です。 その後も次から次に歌とダンスが続く、かなり高濃度のミュージカル映画です。 常にその中心にいる主人公の女の子の物怖じしない明るさがミュージカルらしい、陽気な別世界の空気にしてくれる。 中盤あたりまでは色んなことがトントン拍子に運んでいきますが、 ミュージカルにあれこれ悩んでる暇はありません。ミュージカルはこれで良しです。 脇を固めるウォーケン&トラボルタ夫妻がいい味を出しまくっている。特に中盤の2人のダンスシーンがなかなか素敵じゃないですか。 初めて見た時にはなぜトラボルタ?とも思ったのですが、オリジナルへのリスペクトという事情を知ると納得です。 そんな作品の空気に60年代のアメリカ社会の空気をうまく絡ませており、ここではクイーン・ラティファがさすがの貫禄と存在感です。 作中に歌われる歌もシーンに合わせて実にバラエティに富んでおり、2時間を飽きさせません。 全員集合の大団円ラストまでほぼノンストップでミュージカルの楽しさを存分に見せてくれる作品です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2025-02-27 18:12:19)《改行有》 2. 355 《ネタバレ》 なかなか豪華な女優陣が揃ったスパイアクション。 序盤のパリの港湾施設からモロッコの雑踏と1つ1つのパートにおける、 あるデバイスを巡る駆け引きやアクションはなかなか面白く退屈させません。 それは次の舞台の上海でも。セレブが集うオークション会場に潜入するために、 ガラリと雰囲気を変えてドレスアップしたゴージャスな姿を見せてくれるあたりも気が利いています。 パリからモロッコそして上海と、それぞれのパートを切り取って見れば面白い。 CIA、MI6にドイツや中国の諜報機関のエージェントが1つになるなどストーリーの方はまあ、何でもありです。 それでも全然OKの豪華女優陣のチームプレーにスカッとさせられるアクションエンターテイメントに徹した方がよかったかな。 シリアスな方も欲しがってしまって、作品のスタンスが中途半端になってしまったと思います。 そして最後に交わされる別れの挨拶。 彼女たちを再集合させる予定がもう既に決まってるのでしょうか・・・?[CS・衛星(字幕)] 6点(2025-02-19 13:13:19)《改行有》 3. ベルファスト 《ネタバレ》 作品の舞台はケネス・ブラナーが少年時代を過ごした出身地である北アイルランド、1960年代末。 冒頭からこの時代を描いたアイルランドの映画らしい不穏な空気が漂いますが、 子どもの目線で当時の日々をとらえたユーモアと、ブラナーが少年時代を振り返る郷愁や哀愁がいい具合に入り混じる。 巨匠のこの種の映画は少なくないですが、長いこと生きていると、たまに子どもの頃を妙に懐かしく思い出す時がある。 決まってそんな時には色んな感情が入り混じる。そんな時、やはり映画人はこんな映画を撮りたくなるのだろうか。 テレビでは「リバティ・バランスを射った男」や「真昼の決闘」といった西部劇をやっている。 家族で映画館に見に行った映画は、お父さんが見たかったのかな?ラクエル・ウェルチの「恐竜100万年」に、 子供には楽しくてたまらない「チキチキ・バンバン」。ケネス少年が当時夢中で見ていたのであろう映画が次々登場する。 厳しい日々の中、こうしてブラナーは映画の世界に夢を膨らませていったんだろうな。 僕が初めて父親に連れて行ってもらった映画も「チキチキ・バンバン」だった。楽しかったなあ。 そういえばこんなことがあったなあと、自身の思い出と重なるのもこの種の映画の良さだと思います。 作品に響く、不穏な時代に生きる北アイルランドの庶民の強さとも重なるような、 ブラナーと同郷の偉大なシンガー、ヴァン・モリソンの力強い歌声もまた良かった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2025-02-05 17:08:31)《改行有》 4. 逆転のトライアングル 《ネタバレ》 豪華クルーズ船のセレブ客と、セレブ客に無理難題を要求されながらも懸命に働くクルーたち。 まざまざと階級の違いを見せつけられる前半と、無人島に漂着し立場が逆転する後半。 リメイクではないですがどうしても「流されて…」「スウェプト・アウェイ」を思い出す内容です。 しかしこちらはよりコメディ色が濃く、この監督の作品「フレンチアルプスで起きたこと」とも共通する、 ハプニング前とハプニング後の人間関係の変化や笑えない状況下での人間観察コメディとして面白い部分もあります。 しかし長かった。冒頭のオーディションやクルーズ船に乗船前のカップルを描く時間帯、しつこく続くゲロ吐きシーンなど。 せめて2時間以内に収めてほしい作品でしたね。[CS・衛星(字幕)] 5点(2025-01-28 18:12:05)《改行有》 5. フリー・ファイヤー 銃の売買が行われる倉庫の跡地のような場所にて。 90分のうち30分ほどを使って銃の売買メンバーが後に撃ち合いに発展する揉め事が始まり、 あとは倉庫内から一歩も出ず、彼らがひたすら延々と撃ち合いを繰り広げるワンシチュエーションもの。 なかなか致命傷を受ける者は無く、みんな足をやられてすぐに動きが鈍くなるのでアクションとしてはパッとしない。 ただ、メンバーは結構豪華な顔ぶれが揃っているので、それぞれの個人技はそれなりに楽しめます。 スコセッシが製作に名を連ねているのですが、終盤のジョン・デンバーにはちょっと意表を突かれましたね。 最後はもう撃ち合いの結果がどうなろうとどうでもいいので、 それよりも”ジョン・デンバーの面白い話”をちゃんと聞かせて欲しかったです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2025-01-15 16:47:47)《改行有》 6. ハンターキラー 潜航せよ 《ネタバレ》 なかなかにあり得ない展開の連続なんですが、そこは映画と割り切ってみれば十分な作品でした。 バリバリの潜水艦モノかと思って見始めたのですがさにあらず。 参謀本部、潜水艦、敵地に乗り込む極秘任務の海兵隊員、思惑が交錯するロシア軍。 そしてアメリカの潜水艦に乗り込むことになってしまった歴戦の強者のロシアの潜水艦長と大統領。 それぞれが散漫にならずに、うまくそれぞれを関連付けていて、 なかでもミカエル・ニクヴィスト演じるロシアの潜水艦長の存在が効いている。 アメリカとロシア、2人の潜水艦長の関係、潜水艦長2人のそれぞれの部下との関係。 目には見えない人と人の絆や信頼関係、こういうところをしっかり押さえているのがいい。 僅かな隙をついて敵地に乗り込む時間帯は潜水艦モノらしい緊張感も味わえます。 作戦終了後、浮上した潜水艦上で互いに敬意を表し2人の艦長はあっさりと別れ行く。 状況は異なりますが、潜水艦モノの傑作「眼下の敵」で、 ロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンス、2人の名優が演じた艦長を思い出すいいラストでした。 ただ、今の世界情勢では無理な映画ではありますけどね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-12-11 16:17:47)《改行有》 7. 17歳の瞳に映る世界 《ネタバレ》 17歳、ペンシルベニアからNYへの妊娠中絶のための小さな旅。 ペンシルベニアの小さな町。17歳の彼女が感じる閉塞感、家族をはじめとする人間関係など。 序盤のこうした前提を本作は本当に必要最小限にしか語らない。 必要最小限なのは台詞や音楽も。 その分、局面ごとの彼女たちの心の内、その不安感を彼女たちの表情や目で語らせる。 その演出と、それに応える2人の演技もまた素晴らしい。 全編を通して静かな作風にあって唯一たたみかけてくるのが、 NYのクリニックでの、本作の原題にもなっている4つの選択肢の質問。 答えに詰まり、感情がこみ上げてくる彼女の表情をとらえ続ける、本作の中で最も厳しいシーン。 しかし優しく彼女に問いかけ、耳を傾けるカウンセラーの姿勢や、 序盤の地元ペンシルベニアのカウンセラーの主人公に寄り添う姿勢など、 今も議論が続く重いテーマに対する作者の姿勢も印象的な問題提起の形でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-10-17 18:06:40)《改行有》 8. 海上48hours-悪夢のバカンス- 《ネタバレ》 英国製のサメ映画です。 海上か海底か、47か48の違いはありますが同じサメ映画のシリーズと似た邦題が付いてるけど別物の作品。 最後に誰が助かるのかは、冒頭の海に出て行く前のキャラからも非常に分かりやすいですが、 足を怪我して最初に犠牲になる男は別にして、あとの2人の男が仲間を救うために見せる男気がいいじゃないですか。 上映開始後、若い男3人と女が2人。海に投げ出されるまでに10分か15分程度、 そして90分足らずの上映時間で展開も早く、最後までまずまず楽しめるサメ映画です。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-03-18 13:10:20)《改行有》 9. シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声 寡作の人ピーター・カッタネオの久々の作品です。 「フル・モンティ」もそうなのですが、不安や悩みを抱える庶民が一致団結して何かを成し遂げていく。 こういうストーリーをコメディタッチで描き出すと、変わらずいい味わいを出す監督さんです。 本作もリーダーシップを発揮しようとする大佐の妻と、部下の妻たちに最初は微妙な空気が流れつつも、 少しずつその心の距離を縮めていく過程の描き方がまあ、ベタではありますが本作はそれがいい映画です。 本当にこれで合唱団になっていけるのか?と思っていた序盤、 1つにまとまるきっかけとなるのが日本での知名度はないですがヒューマン・リーグの曲というのもイギリスらしくていい。 本作も「フル・モンティ」などと同じくイギリス映画らしい空気、イギリス映画らしい良さがある佳作です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-01-30 16:19:07)《改行有》 10. モーリタニアン 黒塗りの記録 9.11に関与したテロリストとしてグアンタナモに拘留されたモーリタニア人。 彼を起訴に持ち込まんとする軍の検事と、彼の弁護士。 全くの対極からのアプローチで同じ結論に達する。 実話モノ、しかも極めて難しい題材であ、抑揚も少なく非常に地味に撮られた作品ですが、 その2人を演じるジョディ・フォスターと、カンバーバッチと、容疑者。 この3者の切り替えが巧くなされており見る者を引き付ける作りになっていますが、 本作は何と言ってもジョディ・フォスターです。 過去の作品ではなく新作の彼女を見るのは久しぶりなので、 やはり久しぶりの分だけ年をとられたなあと思いますが、 変わらずこういう作品で、こういう芯が通った人物の役が似合う。 そしてここまで考えさせられて、見入ってしまうエンドロールも久しぶりに見た気がする。 実話モノやドキュメンタリーでも実績十分のケヴィン・マクドナルドらしさが感じられます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-10-27 17:16:24)《改行有》 11. ミラクル・ニール! 《ネタバレ》 地球の運命は、ペッグ演じる1人のダメ男ニールに委ねられた!という設定と、 ニールが自分に与えられた能力に気づき始めた序盤は面白くなりそうだったのですが、思ったほど笑えず。 宇宙を支配する評議委員会(声はモンティ・パイソンというのは鑑賞後に知りました)は面白かったのですが、 地上のドタバタコメディが、この宇宙での事情とはほぼ関係なく進行していく・・・。 この男では駄目だ・・・。いよいよ地球も終わりかと思いきや、 犬(声はロビン・ウィリアムズ!)があっけなくその危機を救ってしまう、徹底した作品の軽さは良かった。 ロビン・ウィリアムズが好きだった方は是非エンドロールまでご覧ください。 本作が彼の遺作になるそうです。本編では犬の声だけでそのお姿を見ることは出来ませんが、 エンドロールでロビンのアフレコの様子を見ることができます。 僕たちが見ることができる彼の生前の最後の姿ということになるのでしょうか。 ファンに向けられた本作の粋なはからいに感謝です。[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-08-28 17:16:16)《改行有》 12. 天才作家の妻 40年目の真実 《ネタバレ》 ノーベル文学賞受賞作家の夫婦。 ベッドの上で受賞の第一報を聞き、喜びを共にする冒頭から作品がスタートする。 この受賞を機に、墓場まで持っていくはずだった夫婦の秘密を、 2人が若かりし頃はまだまだこういう創作活動の世界でも女性が不当な評価を受けていたことにも言及しながら、 ミステリ・サスペンスタッチで半世紀前からの夫婦の歴史を振り返りながら表面化させていく。 この夫婦を演じるグレン・クローズとジョナサン・プライス2人が味わいのある演技を見せる。 特に終盤、動と静の緩急をつけながらのノーベル賞の授賞式と晩餐会から続く、 40年間の愛憎入り混じるホテルに戻ってからの2人の最後の時間が見応え十分でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-12 13:15:43)《改行有》 13. ハイネケン誘拐の代償 《ネタバレ》 面白くなる可能性はあったと思うけど、残念な作品でした。 実話モノだけに難しい面はあったかと思いますが、 せっかくアンソニー・ホプキンスを起用しているのに勿体ない使い方に終わっている。 犯行グループとの心理戦などがもう少し挿入されていると見応えも増したかと思いますが、 別にホプキンスのような名優を起用する必要も無かったですね。 この手の映画の見どころの1つでもある犯行グループと捜査当局の攻防戦もほとんど無し。 有名な犯罪を取り上げるTV番組でよくある、犯行グループの動きを追う実録再現映像に近い感覚です。[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-01-06 15:19:15)《改行有》 14. アンモナイトの目覚め イギリス映画らしい、1800年代を舞台にした文芸映画。 抑揚も台詞も少なく、音楽も最小限にしか使われていません。 その分、波の音や風の音や生活音のみならず、 2人の息遣いまで伝わってくるかのような繊細な空気感がある。 目ヂカラの強さ、意思の強さを感じさせるケイト・ウィンスレットと、 全く対照的な存在感を見せるシアーシャ・ローナン。 2人が心の機微を表現する静かな作品の世界観の中にあって 時に互いを求めあい感情を露わにする情熱的なシーンが効いている。 最後まで多くを語らない、大英博物館で2人が見つめ合うラスト。2人の表情も印象的です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-12-20 12:23:26)《改行有》 15. 世界で一番しあわせな食堂 フィンランド北部、ラップランドの小さな村。 人々の暮らしのすぐそばにトナカイが住む森があり、 釣れたらすぐに店に出せる魚が取れる美しい川や湖がある。 生活圏のすぐ隣にある豊かで美しい森と水とを背景に登場する人物は全て善人。 そんな村にある小さな食堂を舞台に、料理が人々の心と体を癒していく。 そんな徹底的にゆるい世界観の中、大したことは何も起こらない日常を綴っていく。 監督はミカ・カウリスマキ。カウリスマキ兄弟のお兄さんの方。 特に本作は冒頭からほんわかしたハッピーエンドのラストまで、寡黙な弟アキとは異なる空気がある。 この小さな村に現れた中国人の父と幼い息子と、地元の人々の交流が軸となっていきますが、 互いの異なる文化を受け入れ、少しずつ心の距離を埋めていくゆるい描写が心地いい。 たまにこういう静かでゆるい映画が見たくなる。 特に今回は色々あって、いいタイミングでこういう映画を見ることができたことに感謝。[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-01 13:13:16)《改行有》 16. キング・オブ・シーヴズ 《ネタバレ》 昔、一緒に無茶をやった仲間が年老いて再会し、 若い頃を思い出して再び無茶をやる的な爺さん再結集モノとでもいうべきコメディが近年増えてきたなあと思う。 本作もその路線の映画かと思っていたのですがさにあらず。多少のユーモアはあるものの、 地味で抑揚の少ない作品ではあるのですがサスペンスとして真面目に作られています。 度々犯罪の舞台になり、映画の舞台にもなってきたハットンガーデンを舞台にした実話モノでもあります。 本作のじいさんたちもまた、本当かよというような大胆な手口で無茶をやり、一旦は成功したかに見える。 しかし、その犯行後にたっぷりと時間を使う構成が以外でもあり面白かった。 仲間割れや、自分は裏切られるんじゃないかといった疑心暗鬼を演じるベテラン俳優達がそれぞれにいい味を見せる。 彼らの動きと並行して、一切の台詞を省きながらも確実に捜査の網を狭めていく警察の動きの見せ方も面白い。 ラスト近くにさりげなく挿入される、ベテラン俳優たちのキャリアに捧ぐリスペクトがなかなかに粋です。[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-09-15 15:17:15)《改行有》 17. どん底作家の人生に幸あれ! 《ネタバレ》 前作では、スターリンの死後の権力闘争を、 なかなかぶっ飛んだコメディにしてしまったイアヌッチ監督。 そして本作では文豪ディケンズの自伝的小説を基にしたコメディとなっています。 ディケンズの原作を読んだことはありませんが、 原作にはない空気がかなり盛り込まれているんじゃないかと思います。 特に、バラエティに富んだ様々な人種の登場人物。 19世紀の文学の世界観を、社会が多様化する21世紀の現代に持ってきてもこんなに面白い。 イアヌッチの、文豪ディケンズへのリスペクトのカタチでもあったのでしょうか。 主人公の人生も、多くの魅力いっぱいの登場人物の人生も、まさに波乱万丈。 しかし悲観的ではない。誰もめげない、陽気な人生賛歌。 主人公を演じた、本作の世界観を象徴するかのようなデヴ・パテルがあまりにも素晴らしかった。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-09-11 16:25:27)《改行有》 18. 愛と哀しみの果て アフリカを舞台にしたこの種の映画としては、 ことさら白人がアフリカに乗り込んで植民地化し・・・。 といった批判的な視点は前面には押し出さず、 メリル演じるデンマーク人女性と、彼女の傍にいた男たちと、 先祖代々この地で暮らしてきたアフリカに生きる民たちとのドラマ。 ほとんどすべての時間、メリルが出ずっぱりの作品ですが、 故郷から遠く離れたアフリカの地で農場を切り盛りし、力強く生きていくデンマーク人女性と、 この頃のメリルが醸し出す繊細さと強さを併せ持った存在感が見事に相まって 本当に長いんですが、見応えのある作品となっています。 雄大なアフリカの大自然を映し出す際に、 これも欠かせない作品のピースとして存在感を出すジョン・バリーの音楽もまた素晴らしい作品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-04 15:37:11)《改行有》 19. ジョーンの秘密 第2次世界大戦から戦後の東西冷戦の時代。 ソ連に原爆の情報を渡した、実在した1人のイギリス人女性の実話に基づくドラマ。 キャストを見ると、「ジョーン・スタンリーと若き日のジョーン」となっていますが、 むしろ「ジョーン・スタンリーと年老いた晩年のジョーン」というべき作品構成になっています。 名優ジュディ・デンチは過去を回想し、作品のストーリーテリングを支えるといった位置づけで 実質的な主演は若き日の彼女を演じたソフィー・クックソン。 実話モノゆえ、スパイものとしては地味で淡々とした流れとなっていますが、 彼女と、彼女の周りにいた親友や男たちとの関係を通して、 なぜ彼女がこのような行為に至ったのかはしっかり描かれていたと思います。 終盤に息子に対して、 「東西それぞれが大量破壊兵器を持てば、どちらも使えない。私が原爆を使えない状況を作ったの。」 ラストも群がる報道陣に対して、 「私はただソ連と西側を対等にしたかった。そうすれば恐ろしい世界大戦がまた起きるのを防ぐことができる。 歴史を振り返れば、私が正しかったと分かるはずです。」と言った。 その危機はあったが、確かにこれまではそうだったのかもしれない。 しかし2022年。核兵器の使用をチラつかせる独裁者と、今ウクライナで起こっていること。 このタイミングで見た本作。核兵器の廃絶を強く願う。[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-03-06 11:13:24)《改行有》 20. シンプル・プラン 雪深い森の中でたまたま見つけた墜落した飛行機。その中には440万ドルが残されていた・・・。 安月給だが真面目に働き、妻と、妻のお腹の中にはもうすぐ産まれくる子どももいる主人公の男。 冒頭はこの夫婦が一番まともに思える。あとは一緒にカネを見つけてしまった失業中の兄と、兄の友人。 ヤバいカネかもしれないが黙ってれば、うまくやりさえすれば目の前のカネは自分たちのもの。 あぶく銭を前に、普段は見えない人間の持つもう1つの顔を表面化させ、 あぶく銭を前に人間が豹変していく様を地味に、ひたすら地味に見せていく。 見る者に、ここに自分がいたらどうするだろう・・・?と考えさせる、登場人物を絞り地味ながらも設定が見事。 登場人物の冒頭の印象とは裏腹に、このシンプルプランに次第に精神的に耐えられなくなって壊れていく兄が印象的。 演じるビリー・ボブ・ソーントンがこの役に素晴らしくはまっています。 サム・ライミにはこういうスケールの映画ももっと撮ってもらいたいなと思いますね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-02-22 18:11:42)《改行有》
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