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プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1.  エイリアン2 「1」はSFとしての完成度と恐怖に10点を付けましたが、この「2」は興奮度に10点です。同じ題材にここまで違った味付けをしたうえに、ここまで完成度を維持した続編は見当たりません。キャメロンの「徹底的にやる姿勢」が顕著に窺える傑作です。当時、広告コピー「今度は戦争だ!」に大いに頷きました。[映画館(字幕)] 10点(2012-12-24 03:05:04)(良:1票)

2.  キック・アス 《ネタバレ》 これは凄い。面白い。上映館の少なさが惜しい。R指定だからか。そう、これは確かに視聴制限がかかる内容を孕んでいるけれど、そこを容認できる人には最高の作品になる可能性も秘めている。以前に「ダークナイト」のレビューで、ヒーロームービーはフィクション色を消すことが面白くする条件、みたいなことを書いたけど、本作は見事にその逆を衝いている。リアリティを重視した情けないヒーロームービーと見せかけて、フィクションとして大輪を咲かせます。正直に言うけど、私にとって本作の魅力のほとんどはヒット・ガールの魅力でした。実弾を受けた時の衝撃を知る訓練、って変なシチュエーションで登場する少女。父親から誕生日にバタフライ・ナイフをプレゼントされて、嬉々として手に馴染ませる少女。あきらかにローティーンの体型だけど、その戦闘能力はヘタレが多い本作の中で群を抜く存在感を放つ。父娘がやっていることは復讐以外の何ものでもなく、こちらをストーリーの本流に据えると悲愴で陰気な物語になりかねない。だからキック・アスの存在が大事だったと、観終わった後に気付く。主人公はキック・アスでも、物語は彼女を中心に組み立てられている。難関は少女の大量殺人を是とするか?という点。モチロン問題大有り。でも、キック・アスが正義の責任に目覚めて助っ人として参戦するくだりは、彼女の虐殺行為を緩和して見せ、ラスボスをキック・アスに譲ることで責任を等分した。ギリギリの線で上手く構成したと思う。最後に本名を名乗りあうシーンは、復讐が終わって彼女が普通の少女に戻れることを象徴する…って全然フツーの少女じゃないんですが。親父の親友の警察官と暮らし始めることは、申し分ないエピローグでした。マーベル・コミック原作の映画化に食傷気味だった自分に、新たなヒーローが誕生しました。[映画館(字幕)] 10点(2011-01-08 23:56:40)(良:5票)

3.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 「進化」という言葉はときどき耳にするが、目の当たりにすることは無い。それは比喩的に用いられることを除くと、我々が日常に使っている時間概念…「年」や「世紀」など…を超越したところで起こる生物の変貌だから。そんなものを描いているからこそ、本作は真のSF映画なのだとずっと思っている。宇宙に戦闘機が飛んでレーザー砲を撃つような作品とは次元が違うワンダーを秘めている。本作におけるヒトの進化は2段階に分けて行われる。猿人が道具を使う局面と、ボーマンがスターチャイルドになる局面。モノリスの役目とは進化の閉塞状況の打開だと思う。モノリスによって「道具」を与えられた猿人と月や木星宙域まで到達したヒトは、モノリス的な進化の系譜上では同レベル。そして、ボーマンを使ってモノリスは次の進化を提示した。HALの変心も一種の「進化」と解釈していた時期もある。進化には必然が必要なはずで、それがとても啓示的だ。つまり、現代のヒトは 「進化」の袋小路にいるという概念。それは私の実感だ。この100年ほどで急激に進んだ科学文明がどんなレベルに到達するかを見届ける前に私の寿命は尽きるが、このペースで技術が進んだ1000年後の世界に明るい未来を感じない。仮にあらゆるテクノロジーがとんでもなく進歩しても、それを操るヒトは何も変わっておらず、つまり「進化」しておらず、生物として幼稚なヒトとアンバランスに進んだ社会、というイメージしか持てないのである。スターチャイルドは、そんな閉塞概念に対するひとつの回答だと思う。随分と映画のレビューから逸れているが、何かを考える契機を与えてくれることも映画の機能だとすれば、それが最大限に発揮された作品が私にとっての「2001年」でした。学生時代から今日まで、もう何度観たか分からないし2001年も通過しましたが、今後も観るたびに現代や未来のヒトに想いを馳せることでしょう。[映画館(字幕)] 10点(2010-08-20 00:11:25)(良:3票)

4.  エイリアン 高校時代、友人と二人で劇場で観ました。席を立って逃げ出したくなるような怖さを感じたのは、後にも先にもこの映画だけです。ジョン・ハートの顔にアレが張り付くシーンに仰天し、友人がどんな顔をしてるか見てやれと隣を伺ったら、彼もこちらを見ていて目が合った。上映中に男同士で見つめ合った映画でした。もちろん、恐さという意味ではそのシーンは序の口で、どこから襲ってくるか分からないエイリアンに乗組員と一緒に神経を擦り減らし、劇場を出たときにはぐったり。同時に危険な宇宙から無事に生還したような安堵感も覚えました。「SF映画」で重要なのは、それらしい大嘘(fiction)をひとつ捻り出し、それ以外の描写はリアル(science)を追求すること。この映画の嘘はエイリアンの存在だけ。それ以外はもの凄く「らしく見せる」ことに腐心している。本作の描写の真実味はエイリアンを怖く見せる演出とも言える。良くできたSF映画は同じ特徴を持っている。モノリスやレプリカントで嘘を付く映画が好例です。SFという概念を自由度の高い設定や嘘の免罪符と勘違いしているSFモドキはたくさんある。しかし、SFとは本来、緻密な表現の中で初めて成立するジャンルだと本作を観ていて思う。10点はSF映画としての完成度に付けた点数です。当時、この映画に続いて「ブレードランナー」を作ったリドリー・スコットの慧眼には感服しています。[映画館(字幕)] 10点(2008-09-06 23:22:04)(良:3票)

5.  宇宙人ポール 《ネタバレ》 「未知との遭遇」のワンシーンにそっくりなオープニングにワクワクし、最後までそのワクワクが途切れなかった作品でした。随所に散りばめられた過去作品、特にSF系の諸作は、その方面が好きな人には堪らなく楽しめるでしょう。目的地がワイオミングなら、きっと「あそこ」へ行くのだろうと思いました。ラストまで姿を見せない女性上司のオチは、断固として〝エイリアン〞を許さないお姉様の登場でした。そのあたりのツボを外さないファン心理の捕まえ方に感心し、感謝します。 テーマは得体の知れない者との相互理解と友情。ポールは60年も地球で過ごして来たから、初めて自分を見た者がどんな反応を示すのかを良く心得ている。そこからスタートさせるコミュニケーションの描写がとても上手い。良く練られたシナリオです。彼は紳士って柄じゃないけど、人格者である。得体が知れないのは外見だけで、取っ付き易いのがこの宇宙人の特徴です。「偏見」や「先入観」に対する教訓も含まれていると思います。 本作で特筆したいのは、ともすれば高尚でお上品になりかねないテーマをB級臭の漂うテイストの中にまとめたことだと思います。かつて「E.T.」に涙した経験のある者として、同じ内容を気楽に笑いながら観れたことが嬉しかったです。ホビーショップで人形のように固まったポールのこめかみに流れる汗に、いちばん笑いました。 「未知との遭遇」と「E.T.」が作られてすでに30年ですが、自分の中では古くならない映画です。その2作を合わせて、現代の技術とセンスでリメイクした作品だと思います。[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-01-09 03:59:15)(良:4票) 《改行有》

6.  127時間 《ネタバレ》 主人公があの場を去る際に、一瞬振り返って「thank you」という言葉を口にする。そこに残した身体の一部に対して言ったようにも聞こえるが、私はその数日間に起こった出来事すべてに対しての感慨だと感じました。卒業式を終えて校門を出る際に、校舎を振り返って覚える感慨に似ている。実話がベースになっているようですが、自分の腕を切り離した直後に本当に「thank you」と言えたのかどうかは分かりません。でも、その気持ちは分かる。彼が過ごした葛藤の時間があまりに濃密だから。死の恐怖に直面しながら自己との対話を続けることで明らかになる自分自身。彼の人生の中で、最も切迫して、最も正直に、最も真摯に自身と向き合った時間だったと思います。だから、あの脱出は単純な生還とは違った意味を持つ。ひとつの出来事が価値観や人生観を変える。その究極版が本作だと思います。身動きできない状況の描写の中で、手を変え品を変えて演出される主人公の心象描写が素晴らしい。ダニー・ボイルさん、見直しましたね。私の中では彼の最高作です。でも、本作が私の人生の益になったかと訊かれるとちょっと違う。徹底した一人称視点のストーリーには痛みや渇きを感じるほどに共感するが、仮に自分があの状況に陥ったら違う感慨を持つと思うから。また、あの事故が結果的に彼を良い方向へ導いたとしても、自分で経験したいとはこれっぽっちも思わないから。私だったらどのように決断するかも考えたくない。考えるだけで痛い。そういう意味で、実はSF映画ほど距離のある映画。その距離感と感情移入のギャップが異彩を放つ作品でした。[映画館(字幕)] 9点(2011-07-12 21:37:25)(良:2票)

7.  アバター(2009) 《ネタバレ》 かつてここまでリアルに別世界を堪能させてくれた映画があっただろうか。その別世界は美しく、驚異に満ちた自然の宝庫でした。植物も、動物も、そこにコミュニティを作るナヴィも、生あるものすべてがひとつの世界観のなかに完結していて違和感がない。3Dは「飛び出す」ようなキワモノではなく、大きく豊かなパンドラの自然にナチュラルな奥行と風格を与えていました。ストーリーはシンプルですが、テーマもまたシンプル。それは自然賛歌という言葉以外に思いつかない。巨木が倒された時の悲痛はナヴィたちだけのものではなく、自分も体の一部を失うような喪失感を味わいました。かつて発展の為に躊躇せずネイティブを駆逐した西部開拓時代の反省も入っているようです。共棲という視点に限れば、今作は今の時代を背負った大きな映画とも捉えられます。12年間のブランクはキャメロンにとって、とても意義のある時間であったことを確認した印象です。また、ラストの大佐の頑張りには、キャメロン節が健在であることも確認できて嬉しかった。世界観を構築するうえで彼が「ナウシカ」と「もののけ」のエッセンスを取り入れたことは間違いない。それを実写で実現させたことに脱帽します。3Dに関してひと言。実はときどき3Dメガネを外して確認していましたが、字幕が付けられている場所(奥行の階層)もカットごとに変えてありました。つまり字幕にも3Dの演出がなされている訳です。基本はかなり手前側に字幕を置いていますが、室内などの近景で多階層に渡る奥行を持つシーンでは、少し画面が見づらかった。そこはまだ研究&改良の余地ありだと思います。でも、みなさん仰っていますが、自分もこの映画は絶対に3Dで観るべき作品だと思います。どんな体験が出来るのかとワクワクして劇場に向かい、何ひとつ裏切られずに劇場を後にしましたよ。[映画館(字幕)] 9点(2009-12-31 12:45:29)(良:1票)

8.  the EYE 【アイ】 《ネタバレ》 最近のホラー映画で繰り返し観た映画はこれだけだ。それ程に見応えがありました。角膜移植によって視力を取り戻した女性の視界に普通の人には見えないものが見える。最初、彼女はそのことに気づかない。手術前は何も見えなかった訳だから、見えるものに正常と異常の区別が付かない。その特別な視覚能力が徐々に実感されて行く過程が上手い。ホラーらしく驚かすシーンも多少はあるが、主人公の戸惑いを丁寧に追いかけて行く流れはホラーというより文芸作品に似た空気さえ漂い、しっかり主人公に感情移入できる。病院で励まし合った少女があの世へ誘われる場に立ち会ったことを契機にして霊視能力を受け入れ始めた矢先に、鏡で見ている自分の顔と実際の自分の顔が違うことに気づく。この映画で最も怖いシーンはここだ。足元から自分の存在が突き崩されて行くような戦慄。じっくりと主人公の心情を追って来たことが実を結ぶシーンでもある。鏡に写る女性の顔を求めて、ストーリーは新たな展開を見せる…。主演のアンジェリカ・リーは美人だけど、韓国ホラーなどにありがちな美貌だけを飾っている主演じゃなく、しっかり演技に芯があってこの映画を悲哀で支配している。心霊現象を描いているが、悪意・怨み・祟りと云う負のエネルギーが根源にあるタイプのホラーではないので、恐怖の純度自体は決して高くない。しかし、それを代償として通常のホラー映画には見られない整合されたロジックを構築し、完成度の高いストーリー性を獲得した。結果、自分が観たホラー映画では最高点をつけることになりました。[DVD(字幕)] 9点(2009-09-05 02:52:20)(良:1票)

9.  ターミネーター 《ネタバレ》 大学生の時に観賞。実は全く期待せずに観に行った。帰ってきた私はパンフレットを開き「あーのるど・しゅわるつぇねっがー」って名前を10回くらい繰り返し発音して暗記し、友達にコイツが凄いと吹聴しまくったのだった。今でこそシュワちゃんは誰でも知っている人だけど、その当時は「コナン」に出ていたくらいで大した知名度じゃなかった。悪役を凄いと思ったのはキングギドラに次いで二人(?)目だったかな。中味の感想は述べるまでもないけど、自分が感心したのは、徹底的にやるという監督の姿勢でした。これでもかってくらいに銃弾を浴びせるカイル。骨格だけになっても殺意を持ち続けるサイバーダイン。最後にプレス機で潰されて目の光点が消える前に、何度これで終わりと思ったことだろう。もうお腹いっぱい、ってところまで見せる。不満なんて残らない。ジェームズ・キャメロンの名前も、あーのるど…と一緒に覚えたけど、徹底的にやる人という自分の見立てが正しかったことは次作「エイリアン2」で明らかになった。ともあれ、映画全体の“つくり”はB級なんだけど、突き抜けてA級になった珍しい作品でしょう。[映画館(字幕)] 9点(2009-01-20 00:10:41)

10.  バンド・オブ・ブラザース<TVM> 《ネタバレ》 第二次大戦を描いた映画は何本も観たけど、ノルマンディー前から終戦まで、一本の線で見せた物語はこれだけで、随分と理解が深まると同時に、その構成力に感服した。繰り返しレンタルした作品は久しぶりでした。道徳的反戦感を前面に出しておらず、英雄譚でもない。語り口は平静。だからこそ“そこにいた人たち”がしっかりと描かれていたと思います。毎回、最初に出てくるおじいちゃんたちがこの戦線に参加した人たちだとは思っていたけど、最終話で人名を入れた演出には拍手。このひとがウィンターズか! それまで展開されてきた数々のシーンが一瞬にして紛れもないノンフィクションに転化しました。[DVD(字幕)] 9点(2008-12-24 02:27:30)

11.  アンダーワールド(2003) 《ネタバレ》 ゴシックホラーの雄であるヴァンパイアと狼男を現代で戦わせる。しかも、主に銃撃戦ってところが奇抜。過去から現代へと繋がる因縁や適度なラブストーリー。重い雰囲気をユルめの考証でまとめた世界観に文句は無い。いや、その設定はケイト・ベッキンセールを引き立てるために用意されたのだ。それほど、今作の彼女には感じるものがあった。痩身のボディラインを主張する黒革のボンテージファッションは極めて官能的でヤバイ雰囲気をムンムンと発散する。蒼白の顔色と黒髪のコントラストが神秘を纏う。私はぼーっと彼女だけを眺めていた。咬んでもらったマイケル君が羨ましいぞ。[DVD(字幕)] 9点(2008-09-10 13:07:56)

12.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 「慣性の法則」に支配された空間描写が圧巻でした。凄いです。人類って、かなり無理して宇宙空間に挑んでいることが良く分かりました。 「重力」とは星の中心に向かって落ちてゆく力。地面があればそこで落下は止りますが、同時に自分の足で立たないと何処へも行けません。奇跡的に拾った「命の重さ」の意義をシンプルに訴えるラストカットが素敵でした。 地元での3D上映は吹替え限定のため、泣く泣く2Dで鑑賞。[映画館(字幕)] 8点(2013-12-16 17:19:05)(良:3票) 《改行有》

13.  スターリングラード(2001) 《ネタバレ》 二次大戦の局地戦を舞台とした狙撃手のお話。ジュード・ロウとエド・ハリスのガチンコが醸す緊迫感がとても良かったです。 狙撃手の一騎打ちが、まるでアムロとシャアの戦闘のように戦場の趨勢を決するような描き方は眉唾ですが、横軸にも見どころがたくさんありました。それは多くを見た記憶がないロシア軍の描写です。実際のところは分かりませんが、とてもそれらしく酷い軍隊でした。一挺の銃を5人で使い回す。銃を持つ兵士が死んだら、その後ろにいる手ブラの二人目が銃を持つ。二人目が死んだら三人目。さすが、資本を共用する社会主義国家らしい戦法でした。統制の基盤が「恐怖」というあたりもそれっぽい。民兵的な女性兵士も本作のように多かったのでしょうか? フルシチョフさんは歴史の教科書で習った横顔とは違っていました。偉そうに語る言葉はすべて個人的な都合の言い換えです。それは主人公の友人(=ジョセフ・ファインズ)も同様でした。嫌らしい見え方ですが、生身の人間らしいとも言える。その友人の最期の挺身には少し違和感がありましたけど。 そんな中で最も私の脳裏の残っているのは、レイチェル・ワイズの真っ白で大きなお尻です。[ビデオ(字幕)] 8点(2013-06-29 00:09:03)《改行有》

14.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 大きな嘘をひとつかまして世界観を構築するのがSFだと思います。本作は「もしも、臓器提供だけを目的に生を受けたクローンがいたら」と云うことですが、それでは足りない。「もしも、臓器提供で死ぬことに疑問を持たない教育を施されたクローンがいたら」からスタートしているSFでした。似たような設定にも見える「アイランド」などとは全く違う種類の映画で、静謐なテーマを掲げていると思います。 29歳で余命1年と99歳で余命1年の違いは分かり易い。でも、29歳で余命1年と10歳で余命20年の違いは直ぐに実感できません。本作は、それを表現しようとした映画だったと思います。若くして死を受け入れた少年少女が、少しでも長く生きたいと願うのはどんな時か。それは大切な人が出来た時でした。すでに2回の「提供」を経た後で、本来の鞘に納まるようにお互いを認識した二人は「延長」を申請します。死を受け入れている彼らは逃げたりしませんが、その状態を少しでも長く享受しようとするのでした。「生」への執着とは、生きているうちに何をするかと云うことより、その状態を少しでも持続させたいと願うこと。まぁ、そんな理屈より、この哀しさの深さにやられました。 原作は未読ですが、優れた作品であることが容易に想像できました。さらに、映像化による工夫も見て取れました。終始、日が射さない風景を連ねて重たい宿命を暗示します。砂浜に打ち上げられた難破船も同様。潮さえ満ちれば漕ぎ出すことも叶うけど、その海に潮が満ちることは無い。閉塞した状況描写の中にテーマを語る、稀有なSF映画だと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-13 02:25:36)(良:2票) 《改行有》

15.  ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 ここに投稿してから他の方々のレビューを読んで、大きな勘違いに気が付きました。ラストで執事のアルフレッドが見たブルース・ウェインは彼の願望が見せた「幻影」と思い込んでいました。主人公の生死を取り違えて長いレビューを書いてしまったので、書き直す元気なし。評価だけは5点から8点に変更。[映画館(字幕)] 8点(2012-08-01 00:58:53)(良:1票)

16.  グラディエーター ラッセル・クロウ=闘う男。その象徴的な作品。[DVD(字幕)] 8点(2012-05-08 03:31:21)

17.  ロリータ(1962) 《ネタバレ》 キューブリックの作品で初めてコメディテイストに接しました。公開当時の役者の年齢を計算すると、おっさん53歳、ロリータ16歳。その差37歳。それは、確かに親子以上の歳の差だ。(ちなみに、ロリータの母親40歳) でも、本作のロリータは相当に大人びていて特に背徳的な印象を覚えなかった。いわゆる「ロリコン」的な見せ方にするのならば、あと4・5歳は若い少女を持ってこないと焦点がズレるように思われる。私が面白かったのは、その気になっている熟女とそれを毛嫌いしている主人公のやり取り。熟女があっさり交通事故で死んで、キューブリック作品にもご都合主義があるのかと驚いたけど、その後の朗らかなルンルンムードの音楽が確信犯のご都合主義だと胸を張っているようで大笑い。もし、私の前にあの母娘が現れてどちらかを選べと言われたら、私もロリータですよ。周囲の視線は気にするだろうけど。だから、笑いながらも中年オヤジの色ボケに切ないものを感じましたとさ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-10 02:00:37)(良:3票)

18.  ウォッチメン 《ネタバレ》 原作も知らず、ほとんど予備知識も無く観賞。冒頭のコメディアン暗殺シーンの描写に驚く。その格闘の様子からコメディアンも相当な手練れであることが伺えるが、それを難なく圧倒する暗殺者。一方的な暴力が高級な調度を破壊しながら進む。高層階の窓から投げ捨てられるコメディアンが硬化ガラスをくだいて放物線を描き、その軌道が目に焼きつく。物語の重さを感じさせるに充分なオープニングだった。米コミックが描いてきたヒーローとはご近所で起こる諍いを収める自警団で、世間はそれで満足するほど呑気で平和だったが、時の流れが事情を変える。ヒーローの存在意義が平和の実現ならば、冷戦構造下の核の脅威にはどのように対応するのか。本作はその回答をテーマに据えた物語。核の抑止力がもたらす脆い平和を憂えた一人のヒーローが密かに筋書きを練り実行に移す。コメディアンの暗殺もその一環。マクロな視点で捉えるとその計画は評価できるが、多くの犠牲を伴うために一概には納得しがたい。その気持ちを死んで代弁するヒーローもいた。自分にとっては、この苦いものが残るエンディングがそのまま映画の見応えでした。いがみ合っている者たちに共通の敵を仕立て、共闘させることで導かれる平和。まぁ80年代までの平和概念だけど、あの不安な世相を実感できる世代としては見るものがありました。自分は鑑賞中、何度も「ダークナイト」が目の前にちらつきました。虚構世界のヒーローの苦悩をリアルに描くことでフィクションに説得力と奥行を持たせた「ダークナイト」と比較し、現実世界の国際平和の探求にヒーローを絡ませた本作の構成は、スタンスとしてはさらに踏み込んでいると言える。この映画はヒーローアクションムービーではない。物語構造が複雑で、エンディング近くまで謎解きがなく、唐突に浮上したテーマに対して回答が飛躍しすぎる感もある。でも、それに追いつかないとこの作品の面白さは理解できない。世界規模での平和の実現はヒーローの落日でもある。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-07 03:24:27)(良:3票)

19.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 過去にボンド役が変わるたびにイメージを変えていたボンド像の変更が全てマイナーチェンジだったと思えるくらいに、今作のボンドは衝撃的だった。ひと言でいうなら、アブナイ奴です。でも、もの凄く魅力的でした。冒頭の追いかけっこの後、大使館に押し入り銃口に囲まれた時の不敵な態度。あれで期待感が一気に高まり、それは最後まで裏切られなかった。暴走の魅力、とでも言うのだろうか。同時に、ポーカーの休憩中に大立ち回りを演じた後、部屋で強い酒をあおり懸命に落ち着きを取り戻そうとするあたりに、ただのスーパーマンではなく、ナマの人間を表現しようという努力も感じられた。アクションも、元祖アクション映画シリーズの誇りにかけて頑張ったって印象だった。これまでのボンド像を否定はしないが、もう後戻りできないくらいにやってくれました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-04-05 01:13:34)(良:1票)

20.  レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで これは、身に覚えがあるかないかで見方も評価も変わる作品でしょう。自分は5年ほど前に、現在も勤めている会社に辞表を出したことがあります。部署の方針に納得がいかなかったから。転職先なんて決まっていなくて、失業手当を貰いながら1年くらいかけて新しい業種と生き方を模索するつもりでいました。その時の自分のテーマは「辞めてから考えよう」でした。現実的な考え方でないことは承知しているつもりでした。結局、紆余曲折を経て慰留されたカタチで収まりましたが、当時の私の心境はパリへの移住を決めたこの夫婦と極めて近かったと思う。だから、バカな奴らと流すことができない映画でした。遣り甲斐があると思う仕事も、満足していると思っている生活も、365回を何度も繰り返すうちに振れ幅が決まってくる。そこに限界や虚しさを感じることがある。人生は一度きり、と考えたときに違う方向に進めないとしたら、それは守りの姿勢以外のなにものでもない。とは言え、今の生活も決して失敗ではないし、新しい選択は失敗する可能性の方が高い。それを秤にかけて一歩を踏み出せる人を自分は勇者だと思うけれど、世間の評価は反対なのでしょう。自分はその一歩が踏み出せなかった諦観を抱えながら、日々を送っています。ちなみに、今の社会状況ではもう辞表は出せないです。 …こりゃまた、レビューになっていないです。 (追記:このレビューの2年後、会社を辞めて住む場所も変えました)[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-08 21:27:11)(良:1票)

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